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Cisco SN 5428 ストレージ ルータ



[目次]
[ストレージ統合]
[主な利点]
[技術仕様]
[Cisco ストレージ ネットワーク向けのシスコのサービスとサポート]

ワークグループ SAN の構築に理想的なソリューション


図 1
Cisco SN 5428 ストレージ ルータは、iSCSI、IP、およびファイバ チャネル テクノロジーを統合し、コスト効果と安全性の高いワークグループ SAN ソリューションを提供します。 

図 1:Cisco SN 5420 ストレージ ルータ


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Storage area network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)の導入、展開は企業の管理部門において SAN の管理に専門知識が必要となることなどから、汎用的に普及するまでには至っていませんでした。Cisco SN 5428 ストレージ ルータの登場により、これまでの direct-attached storage(DAS; 直接接続ストレージ)で管理されていたストレージから、コスト効果と拡張性がさらに高いネットワーク ストレージ ソリューションへの移行を容易に、そして低コストで実現させることが可能となります。Cisco SN 5428 は、単にファイバ チャネル接続に重点を置いた他のワークグループ SAN ソリューションとは異なり、データ ネットワークとストレージ ネットワーク双方のテクノロジーを統合させることが可能となります。このためCisco SN 5428 を使用すれば、管理者は既存のイーサネットおよび IPネットワークを利用して SAN 環境を構築することが可能となりますので、FC スイッチや host bus adapters(HBA; ホスト バス アダプタ)を含めた新規のファイバ チャネル ネットワークを設置する従来型の FC SAN と比較して、何分の 1 かの費用で SAN ソリューションの構築が可能です。

Cisco SN 5428(図 1 を参照)は、Internet Small Computer System interface(iSCSI)に対応した製品であり、2 つの IP 標準ギガビット イーサネット ポートと、8 つのファイバ チャネル ファブリック スイッチ ポート を備えています。 これにより、ストレージ管理者は、汎用性の高い Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)や Virtual LAN(VLAN; バーチャル LAN)のような、IP ネットワーク管理機能を利用してワークグループ SAN を管理することが可能となります。また、アクセス制御リスト、Remote Access Dial-In User Service(RADIUS)および TACACS+ 認証、logical unit number(LUN; 論理ユニット番号)マッピング、LUN マスキング、およびファイバ チャネル ゾーニングなどの熟知した概念を使用して、安全性の高いストレージ プールを構築できます。


Cisco SN 5428 ストレージ ルータ
主な機能
  • ワークグループを DAS からストレージ エリア ネットワークへ移行
  • iSCSI テクノロジーにより IP ネットワーク経由で、ファイバ チャネル ストレージ デバイスへの接続性を提供
  • 複数のイーサネットおよびファイバ チャネル ポートにより、複数のサーバとストレージ デバイスの接続性を提供
  • 標準のファイバ チャネル機能を装備、F_port、FL_port、E_port、およびゾーニングなど
  • ハイアベイラビリティにより、重要データへの継続的なアクセスを提供
  • 広範囲におよぶセキュリティ機能により、重要な企業データを保護
  • iSCSI ドライバをサポートし業界をリードするオペレーティング システムの提供
  • 標準のシスコ ユーザ インターフェイスと SNMP 管理による、完全に統合された管理ツールを提供
  • シスコのグローバルかつ業界をリードする 24 時間 x 7 日のサービスとテクニカル サポートによる後方支援
ストレージ統合

企業の成長に伴い、従来の DAS システムでは、ストレージの管理と維持はますます困難かつ高コストになる可能性があります。 データを一元化したストレージ システムに統合することにより、復元性、管理性、および拡張性において著しい効果が得られます。 統合化されたストレージ ソリューション(図 2 を参照)では、データの重複を最小化させ、ストレージディスクの増設も効率的に行うことで、ディスクの使用率を著しく向上させることができます。ストレージを統合することで、すべてのコンピュータ プラットフォームが 1 つのストレージ サブシステムを共用することが可能となります。 また、これによってバックアップや復元の手順が簡単になり、信頼性と耐障害性を向上させ、管理コストを削減することができます。 Cisco SN 5428 は、SAN への移行によってストレージ統合の効果を得ようと考えている企業にとっては理想的な製品です。 


図 2
企業は、Cisco SN 5428 ストレージ ルータを使用することで、DAS から統合されたストレージ プールへ移行することができます。

図 2:Cisco SN 5428 ストレージ ルータを使用することで、DAS から統合されたストレージ プールへ移行することができます。
主な利点
ワークグループ SAN の構築

多くの企業では、SAN の専門技術者の不足からその実装が遅れてきました。 Cisco SN 5428 は、お客様のストレージ、ネットワーク、およびシステムの各管理者が容易にコスト効果に優れた SAN を構築することを可能にすることで、これらの制約に対処しています。 Cisco SN 5428では、アクセス リスト、RADIUS/TACACS+ 認証、VLAN、および SNMP などの使い慣れた概念を使用することで、ワークグループ SAN の構築を簡素化させることが可能です。IP を基本テクノロジーとすることで、ストレージ使用率を向上、集中化されたバックアップ、ストレージ投資の効率化や TCO の削減など、SAN を導入することで得られる様々な利点を極めて簡単にかつ低いコストで実現させることが可能となります。さらに、Cisco SN 5428 は、ファイバ チャネル ストレージとサーバを接続できる完全なファイバ チャネル スイッチでもあります。 また、Cisco SN 5428 は、ファイバ チャネル ファブリックを構築およびセグメント化するためのファイバ チャネル E_port およびゾーニング機能も備えています。

Cisco SN 5428 は、サーバとストレージの最適な構成を、価格対性能比に基づいて決定できるという柔軟性を備えています。 ファイバ チャネルの最高性能が要求される環境では、サーバを Cisco SN 5428 のファイバ チャネル ポートに直接接続します(図 3 を参照)。 一般的な性能で動作するサーバの場合、あるいは、ファイバ チャネル HBA のコストが費用的に高すぎる場合は iSCSI を使用してサーバをギガビット イーサネット ポート経由で接続します。

Cisco SN 5428 は IP と SAN の両方の標準をベースとすることで、既存の Local-Area Network(LAN; ローカルエリア ネットワーク)、Metropolitan-Area Network(MAN; メトロポリタンエリア ネットワーク)、Wide-Area Network(WAN; ワイドエリア ネットワーク)、光および SAN 装置との相互運用性を提供します。 IP ネットワークを熟知しているストレージ、ネットワーク、システムの各管理者であれば、Cisco SN 5428 とその管理インターフェイスにも即座に対応することができます。 


図 3
Cisco SN 5428 ストレージ ルータをシスコのイーサネット スイッチと組み合わせることにより、大企業の部門は、DAS から統合ストレージ プールへ移行することが可能です。


図 3:Cisco SN 5428 ストレージ ルータをシスコのイーサネット スイッチと組み合わせることにより、大企業の部門は、DAS から統合ストレージ プールへ移行することが可能です。
iSCSI ドライバ

シスコの iSCSI ドライバはサーバに組み込まれるソフトウェア ドライバで、iSCSI ソリューションの鍵となるコンポーネントです。 これらの iSCSI ドライバは SCSI コマンドをインターセプトし、IP コマンドとしてカプセル化します。そしてこれを Cisco SN 5428 に転送します。これらのドライバは次に示す複数のオペレーティング システムでサポートされており、その多様な対応数は業界随一です。

ブロックレベルのアクセス

Cisco SN 5428 では、すべての主要なオペレーティング システムから、ストレージ システムに対してブロックレベルでのアクセスを可能にしています。 Cisco SN 5428 を経由して接続されているストレージは、あたかもローカルに接続されているディスクのように見えます。 既存のアプリケーション ソフトウェアのセットは、変更することなく動作します。

セキュリティ

Cisco SN 5428 は、ストレージへの容易なアクセスに加え、拡張性に富んだセキュリティ機能も備えています。これは大切なストレージ資源や企業情報へのアクセスを制御するために必須の機能です。 これらのセキュリティ機能は、ほとんどの IP ネットワークでは一般的なものですが、ネットワーク ストレージの世界では新しいものです。

Cisco SN 5428 は、ストレージ アクセスに標準の IP テクノロジーを利用しているため、次に示すアイテムを使用できます。


図 4
VLAN の図 - これらのサーバは同じイーサネット スイッチ上にはありますが、それぞれが属する特定の VLAN 上にあるストレージ デバイスにのみアクセスが可能です。

図 4:VLAN の図
IP を活用することによるメリット

Total Cost of Ownership(TCO; 総所有コスト)は、ほとんどのストレージ、ネットワーク、システムの各管理者にとって、関心の高い項目です。 ストレージの運用コストは、専門知識や資格を持つ社員の雇用や育成、バックアップと復元、装置のアップグレード、監視、新しいストレージ プロトコルの学習や相互運用性など、ストレージ管理のすべての側面から発生します。

Cisco SN 5428 は、IP ネットワークのテクノロジーやコスト面での優位性を持った理想的な製品であり、次の利点を備えています。

スケーラビリティ

Cisco SN 5428 は、1 ラック ユニットの積み重ね可能なデバイスとして設計されており、性能と信頼性の両方を向上させるために、複数台のユニットを組み合わせて使用することができます。 信頼性を向上させるためには、2 台の Cisco SN 5428 を使用し、これらを相互に接続して論理クラスタを形成することができます。 クラスタ内の 1 ユニットが故障した場合、他のユニットがその故障したユニットを自動的に引き継ぐように設定できます。この高いアベイラビリティを持つアーキテクチャにより、企業情報に対する継続的なアクセスが提供されます。 多数のサーバやストレージ デバイスの性能と接続性を向上させるためには、アベイラビリティとともにパフォーマンスを向上させることもできます。 複数の Cisco SN 5428 を積み重ねることで、要求の厳しいアプリケーションのサポートに必要なレベルの耐障害性と信頼性を実現することができます。

管理性

Cisco SN 5428 は、業界標準の SNMP を利用した完全なネットワーク管理サポートを備えています。 標準的な Management Information Bases(MIB; 管理情報ベース)が利用可能であり、iSCSI MIB からファイバ アライアンス MIB にも対応しています。 TCP/IP ネットワークに固有の MIB を使用しているため、Cisco SN 5428 は業界標準の SNMP システム マネージャでサポートされます。 このため新たな学習も不要となります。

使いやすい構成および管理インターフェイス

Cisco SN 5428 の導入は簡単です。 イーサネット ネットワークとファイバ チャネル ファブリックとの間に接続し、Cisco SN 5428 構成ウィザードを使用するだけで Cisco SN 5428 ルータを導入できます。

この構成ウィザードを使用すれば、IP アクセス可能なストレージはたった数分で設定が完了します。 Cisco SN 5428 を導入した後は、既存の IP システム マネージャ、Cisco SN 5428 の Web ベースの Graphical User Interface(GUI)(図 5 を参照)、あるいは使い慣れたシスコ製品の管理コマンドによる Command-Line Interface(CLI)を使用して、この装置の監視と管理が可能です。 1 台の Cisco SN 5428 で設定した構成ファイルを他の Cisco SN ルータにエクスポートすることができるため、大規模なストレージ環境において、非常に素早い構成の更新が可能となります。


図 5
Cisco SN 5428 ストレージ ルータの グラフィカル ユーザ インターフェイス

図 5:Cisco SN 5428 ストレージ ルータの グラフィカル ユーザ インターフェイス
  要約

Cisco SN 5428 は、IP インテリジェンスとストレージ ネットワーク テクノロジーを結合することで、SAN を構築しようとしているさまざまな企業の部門にとって理想的なソリューションとなっています。 Cisco SN 5428 は、次に示すような、今日のストレージ ネットワークにとってきわめて重要な複数の能力を備えています。

技術仕様
インターフェイス仕様

ギガビット イーサネット

2 ポート

メディア タイプ

ホットプラグ可能、業界標準の Small Form Plugable(SFP)

光関連の標準

1000BASE-SX、MTRJ コネクタ付き

1000BASE-SX、LC コネクタ付き

ケーブル長、短波長光

500m(1640 フィート)

ファイバ チャネル

8 F_port、FL_port、または E_port、自動識別、自己設定

ポート性能

2 Gbps 全二重、1 Gbps デバイスとの互換性の自動検出

メディア タイプ

ホットプラグ可能、業界標準 SFP

光関連の標準

100-M5-SN-I、LC コネクタ付属

100-M6-SN-I、LC コネクタ付属

200-M5-SN-I、LC コネクタ付属

200-M6-SN-I、LC コネクタ付属

ケーブル長、短波長光

データ レート ケーブル長

1 Gbps 50μ 500m(1640 フィート)

1 Gbps 62.5μ 300m(984 フィート)

2 Gbps 50μ 300m(984 フィート)

2 Gbps 62.5μ 150m(492 フィート)

管理インターフェイス

ギガビット イーサネット経由のインバンド管理

EIA/TIA-232 コンソール

RJ-45 コネクタ

イーサネット 10/100 管理

RJ-45 コネクタ

イーサネット 10/100 ハイ アベイラビリティ

RJ-45 コネクタ

Cisco iSCSI ドライバ

Windows NT 4.0 Server および Workstation(SP6A)

Windows 2000 Server および Professional(SP2)

Linux RedHat

Solaris

AIX

HP-UX

プロトコルおよび標準

インターネット標準

RFC 791 IPv4

RFC 793、1323 TCP

RFC 894 IP/Ethernet

RFC 1041 IP/802

RFC 1812 IPv4 Route

RFC 1517 CIDR

RFC 792、950、1256 ICMP

イーサネット標準

IEEE 802.3z Gigabit Ethernet

IEEE 802.1q VLAN

ファイバ チャネル標準

FC-AL-2

FC-FLA

FC-GS-3

FC-FG

FC-FS

FC-PH

FC-PH-2

FC-PH-3

FC-SW-2

管理標準

RFC 1157 SNMP v1

RFC 1901 から 1908、SNMP v2c

RFC 1213 MIB II

iSCSI MIB

ファイバ チャネル管理 MIB

RFC 2665 Ether-like MIB

RFC 2668 MAU MIB

Cisco CDP MIB

RFC 2737 Entity MIB

RFC 2863 インターフェイス拡張 MIB

ファブリック サービス

Simple Name Server(SNS)

Registered State Change Notification(RSCN)

ファイバ チャネル Remote Node ID(RNID; リクエスト ノード ID)

機構

筐体タイプ

19 インチ、ラックマウント可能

オプションの前面または背面のラック マウンティング

外形寸法

幅: 444 mm(17.5 インチ)

高さ: 44.4 mm(1.75 インチ) 1 ラックユニット

奥行き: 487 mm(19.2 インチ)

重量

6.4 kg(14 ポンド)

環境条件

動作温度: -5 ~ 45°C(23 ~ 113°F)

湿度: 15 ~ 80 %(結露しないこと)

高度: 0 ~ 3000 m(9843 フィート)

非動作温度: -25 ~ 70°C(-13 ~ 158°F)

湿度: 5 ~ 95 %(結露しないこと)

高度: 0 ~ 4570 m(15,000 フィート)

振動: IEC 68-2

衝撃: IEC 68-2

電源

動作電圧:

100 ~ 240 VAC、50 ~ 60 Hz 自動検知

入力電源負荷

最大 2.0A

排出熱

最大 110W

認定機関

製品の安全性

UL 60950: アメリカ合衆国

CSA C22.2 No. 60950: カナダ

EN 60950: ヨーロッパ連合

IEC 60950: 国際

AS/NZS 3260、TS001: オーストラリアおよびニュージーランド

エミッション

FCC Part 15(CFR47): Class A(アメリカ合衆国)

EN 55022: Class A(ヨーロッパ連合)

CISPR 22: Class A(国際)

VCCI: Class A(日本)

AS/NZS 354: Class A(オーストラリアおよびニュージーランド)

イミュニティ

EN55024

機関の認証

CE(EU)

UL(アメリカ合衆国)

C-UL(カナダ)

GOST(ロシア)

Cisco ストレージ ネットワーク向けのシスコのサービスとサポート

Cisco SN 5428 ストレージ ルータは、お客様固有の事業戦略や目標と、高性能かつハイアベイラビリティなストレージ ネットワーク システムを整合させるように設計されたサービス ポートフォリオによってサポートされます。 製品全体のライフ サイクルをカバーするテクニカル サポート サービスおよび拡張サービスが、シスコおよび最高クラスのパートナーのエコシステムを通じて提供されます。 

テクニカル サポート サービスは、Cisco SMARTnet(TM) および SMARTnet Onsite サポートを通じて利用可能です。 Cisco SMARTnet サポートを利用すれば、お客様の運用スタッフがオンラインまたは電話を通じて膨大な専門知識にアクセスできるため、運用スタッフの能力を向上させることができます。また、必要に応じたシステム ソフトウェアの更新や、一連のハードウェア事前交換オプションを利用することもできます。 Cisco SMARTnet Onsite では、Cisco SMARTnet サービスのすべてが提供され、また、ハードウェア事前交換に対してフィールド エンジニアのサービスが追加され完全なものとなります。 このサービスは、パーツ交換作業を実施するスタッフが不十分もしくはまったくいない場所では非常に重要です。

ストレージ ネットワーク システムの展開のための高度なサービスでは、コンサルティングと評価サービスを行い、お客様がストレージ戦略を構築し、ストレージ ネットワークをアプリケーションに適合させるための手助けを行います。 これらのサービスは、シスコおよび最高クラスのサービス パートナーのシスコ エコシステムを通して提供され、お客様による Cisco SN 5428 の展開を支援します。


更新日:2002 年 7 月 3 日