Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ

概要





Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ


概要

高性能なスイッチ ファブリックにインテリジェント機能を搭載することで、非常に優れたハイ アベイラビリティ、セキュリティ、スケーラビリティ、容易な管理を実現しました。

図 1 Cisco MDS 9500マルチレイヤ ディレクタ

図 1 Cisco MDS 9500 マルチレイヤ ディレクタ
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Cisco MDS 9500 シリーズの主な機能

  • ハイ アベイラビリティ ディレクタ — Cisco MDS 9500 は、操作を中断しないソフトウェア アップグレード、ステートフルなプロセス リスタートとフェールオーバー、すべての主要コンポーネントの完全な冗長性の組み合わせにより、ディレクタ クラスのアベイラビリティにおける新しいスタンダードを実現します。単一シャーシで最大 528 個の 1/2/4 Gbps 自動検知ファイバ チャネル ポートと、最大 44 個の 10 Gbps ファイバ チャネル ポート、単一ラックで最大 1584 個のファイバ チャネル ポートをサポートします。Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ は、システムごとに最大 2.2 Tbps の完全冗長のクロスバー帯域幅を提供します。各クロスバーが完全なシステム帯域幅を提供するため、1 つのクロスバーの損失や削除が生じた場合でもシステムのパフォーマンスには影響せず、クロスバー障害の発生時にも 100% のシステム スループットが保障されます。
  • Total Cost of Ownership(TCO; 総所有コスト)志向の設計 — Cisco MDS 9500 シリーズには、高度な管理ツールが提供されているため、TCO 全体を最小に抑えることが可能です。Cisco Virtual SAN(VSAN; バーチャル SAN)テクノロジーの利用によって、ハードウェアベースで分離された環境を 1 つの物理ファブリック内で実現し、物理インフラストラクチャを安全に共有できるので、TCO をさらに削減できます。
  • マルチプロトコルおよびマルチトランスポート アーキテクチャ — Cisco MDS 9500 シリーズのマルチレイヤ アーキテクチャにより、一貫性のある機能セットがプロトコルに依存しないスイッチ ファブリックに組み込まれています。Cisco MDS 9500 シリーズの製品はすべて、ファイバ チャネル、FICON、Small Computer System Interface over IP(iSCSI)、Fibre Channel over IP(FCIP)を 1 つのシステムに透過的に統合します。
  • インテリジェント ネットワーク サービス — VSAN テクノロジー、ハードウェアベースのインテリジェント フレーム処理を実行するための Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)、Fibre Channel Congestion Control(FCC; ファイバチャネル輻輳制御)やファブリック規模での Quality Of Service(QoS)など、高度なトラフィック管理機能を備え、SAN アイランドから企業規模のストレージ ネットワークへの移行を可能にします。
  • インテリジェント ストレージ アプリケーション用のオープン プラットフォーム — ネットワークホスト型のボリューム管理や、データの移行とバックアップなど、ストレージ アプリケーションのホスティングや高速化に必要なインテリジェント サービスを提供します。
  • ハードウェアベースの VSAN および Inter-VSAN Routing(IVR)の統合 — 大規模なマルチ サイトと異種 SAN トポロジの展開が可能になります。ポートレベルのハードウェアに統合することにより、システムまたはファブリック内の任意のポートを VSAN に分割できます。ハードウェアベースの Inter-VSAN Routing(IVR)の統合により、外部ルーティング アプライアンスを使用することなく、システムまたはファブリック内の任意のポート間でラインレート ルーティングが提供されます。
  • 高度な FICON サービス — カスケード FICON ファブリック、メインフレームとオープン システムの VSAN 対応の混在環境、メインフレームの Linux パーティション用 N_Port ID 仮想化などを含む、1/2/4 Gbps および 10 Gbps の FICON 環境をサポートします。Control Unit Port(CUP)のサポートにより、メインフレーム管理コンソールから Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチのインバンド管理を実行できます。
  • 包括的なセキュリティ フレームワーク — RADIUS と TACACS+、Fibre Channel Security Protocol(FC-SP)、Secure File Transfer Protocol(SFTP)、Advanced Encryption Standard(AES; 高度暗号化規格)を実装した Secure Shell(SSH; セキュア シェル)プロトコル と Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)バージョン 3(SNMPv3)、VSAN、ハードウェアベースのゾーニング、ACL、および VSAN 単位のロールベース アクセス コントロールをサポートしています。
  • 高度な診断機能 — インテリジェント診断、プロトコル デコーディング、ネットワーク分析ツール、および統合された Call Home 機能によって、信頼性の向上、問題解決の迅速化、およびサービス コストの削減を実現します。
  • 統合された SAN 管理 — Cisco MDS 9500 シリーズにはストレージ ネットワーク管理機能が組み込まれており、CLI(コマンドライン インターフェイス)または Cisco Fabric Manager からすべての機能を利用できます。 集中管理ツールである Cisco Fabric Manager を使用すれば、複数のスイッチやファブリックの管理を簡素化できます。また、サード パーティ製のストレージ管理プラットフォームとの統合により、既存の管理ツールとのシームレスな相互運用が可能になります。

Cisco MDS 9500 シリーズ - マルチレイヤ ディレクタの特長

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、ディレクタ クラス スイッチの水準を大きく向上させます。業界最高レベルのアベイラビリティ、スケーラビリティ、セキュリティ、および管理機能を提供する Cisco MDS 9500 シリーズの導入により、TCO を非常に低く抑えながらパフォーマンスの高い SAN を展開できるようになります。豊富なインテリジェント機能がプロトコルにとらわれない高性能スイッチ ファブリックに組み込まれているため、Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、大規模データセンター ストレージ環境で必要とされる厳しい要件に対応します。また、非常に柔軟性の高いデータセンター SAN ソリューションのための、ハイ アベイラビリティ、セキュリティ、スケーラビリティ、管理性、および新しいテクノロジーの透過的な統合を実現します。

投資を最大限に保護するスケーラブルな拡張性

Cisco MDS 9500 シリーズは、6、9、13 スロットの構成が可能で、単一シャーシでは最大 528 個の 1/2/4 Gbps ファイバ チャネル ポート、単一ラックで最大 1584 個のファイバ チャネル ポートをサポートし、ストレージの成長に合わせてスムーズなスケーラビリティを提供します。

Cisco MDS 9500 シリーズは、非常に高いレベルのシステム共通性を備えています。すべての Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチング モジュールは、Cisco MDS 9500 シリーズの各シャーシ、および Cisco MDS 9200 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチと互換性があります。Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、ストレージ環境の成長に合わせて拡張できるように設計されているため、スムーズな移行、共通のスペア部品の使用、および大幅な投資保護を実現します。

Cisco MDS 9500 シリーズ システムの概要

表 1 に、Cisco MDS 9500 シリーズにおけるハードウェアの機能比較を示します。

表 1 Cisco MDS 9500 シリーズ ハードウェア機能の比較

機能 Cisco MDS 9506 Cisco MDS 9509 Cisco MDS 9513
スロット数 6 9 13
冗長スーパーバイザ あり あり あり
1/2/4 Gbps ファイバ チャネル ポートの最大数(シャーシ単位) 192 336 528
10 Gbps ファイバ チャネル ポートの最大数(シャーシ単位) 16 28 44
iSCSI および FCIP ポートの最大数(シャーシ単位) 24 48 60
ラック ユニット 7 14 14
シャーシの最大数(ラック単位) 6 3 3
ファイバ チャネル ポート数(ラック単位) 1152 1008 1584

統合 Supervisor-2 モジュール

Cisco MDS 9500 シリーズの Supervisor-2 モジュールには、統合クロスバー スイッチング ファブリックが搭載されています。Cisco MDS 9500 シリーズ ディレクタには、プライマリ モジュールと冗長モジュールの 2 つのスーパーバイザ モジュールが搭載されています。これらのモジュールには Cisco MDS 9500 シリーズのシャーシのうち 2 スロットが割り当てられおり、それ以外のスロットにはスイッチング モジュールに使用できます。スーパーバイザ モジュールに実装されているアクティブ/スタンバイ設定が、操作を中断しないソフトウェア アップグレード サポートを実現します。また、スーパーバイザ モジュールは、ステートフルなプロセス リスタートもサポートしており、ほとんどのプロセス エラーからスーパーバイザ モジュールをリセットせずに復旧することが可能で、トラフィックにダメージを与えることもありません。図 2 に、Cisco MDS 9500 シリーズの Supervisor-2 モジュールを示します。

図 2 Cisco MDS 9500 シリーズ Supervisor-2 モジュール

図 2 Cisco MDS 9500 シリーズ Supervisor-2 モジュール

2 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュール

Cisco MDS 9500 シリーズは、16 および 32 ポートの 2 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールをサポートするため、きわめて柔軟な設定が可能です。各モジュールは、ホットスワップ可能な Small Form-factor Pluggable(SFP; 着脱可能小型フォーム ファクタ)の LC インターフェイスをサポートしています。個々のポートは、短波長または長波長 2 Gbps ファイバ チャネル SFP のいずれかで設定可能で、それぞれ最大 500 m および 10 km の接続に対応できます。また、このモジュールは 2 Gbps Coarse Wave Division Multiplexing(CWDM)SFP もサポートしており、1 つのファイバで最大 8 種の波長を最長 100 km まで共有できます。図 3 に、Cisco MDS 9000 ファミリ 16 または 32 ポートのファイバ チャネル スイッチング モジュールを示します。

図 3 Cisco MDS 9000 ファミリ 16 および 32 ポート ファイバ チャネル スイッチング モジュール

図 3 Cisco MDS 9000 ファミリ 16 および 32 ポート ファイバ チャネル スイッチング モジュール
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4 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュール

Cisco MDS 9500 シリーズは、12、24、48 ポート構成の 4 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールをサポートします。12 ポート 4 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールは、最も要件の厳しいストレージ ネットワーキング アプリケーションに対して最高のパフォーマンスを提供します。24 ポート 4 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールは、今日の高性能なサーバやストレージ アレイの接続に最適なパフォーマンスとポート密度を提供します。48 ポート 4 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールは膨大な数のサーバ接続を、最小限の SAN スイッチに集約する際に理想的なソリューションであり、ほとんどのケースでコアエッジ トポロジを不要にします。Cisco MDS 9000 ファミリ ファイバ チャネル 4 Gbps スイッチング モジュールは、Cisco MDS 9500 シリーズ製品、および MDS 9216A、MDS 9216i マルチレイヤ ファブリック スイッチと互換性があります。図 4 に、Cisco MDS 9000 ファミリ 12、24、および 48 ポート ファイバ チャネル スイッチング モジュールを示します。

図 4 Cisco MDS 9000 ファミリ 12 ポート、24 ポート、および 48 ポート ファイバ チャネル スイッチング モジュール

図 4 Cisco MDS 9000 ファミリ 12 ポート、24 ポート、および 48 ポート ファイバ チャネル スイッチング モジュール
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10 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュール

Cisco MDS 9000 シリーズは、Cisco MDS 9000 4 ポート 10 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールを使用した 10 Gbps ファイバ チャネル スイッチングをサポートします。このモジュールは、ホットスワップ可能 X2 光 SC インターフェイスをサポートします。モジュールには、短波長または長波長 X2 トランシーバを設定でき、それぞれ最大 300 m または 10 km の接続に対応します。図 5 に、Cisco MDS 9000 ファミリ 4 ポート 10 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールを示します。

図 5 Cisco MDS 9000 ファミリ 4 ポート 10 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュール

図 5 Cisco MDS 9000 ファミリ 4 ポート 10 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュール

マルチプロトコル サービス モジュール

Cisco MDS 9000 ファミリ マルチプロトコル サービス モジュールには、14 個の 2 Gbps ファイバ チャネル インターフェイスと 2 つのギガビット イーサネット ポートをサポートします。このモジュールにより、SAN 長距離延長を可能にする Fibre Channel over IP(FCIP)、およびイーサネットで接続されたサーバ用の Small Computer System Interface over IP(iSCSI)を、ファイバ チャネルのポート密度を犠牲にすることなく実現できます。ギガビット イーサネット ポートには、ハードウェアベースの圧縮および暗号化機能が搭載されており、IT インフラストラクチャの効率的な利用、および信頼性の高い安全なデータ交換が可能です。

図 6 Cisco MDS 9000ファミリ マルチプロトコル ストレージ サービス モジュール

図 6 Cisco MDS 9000 ファミリ マルチプロトコル ストレージ サービス モジュール

IP ストレージ サービス モジュール

Cisco MDS 9500 シリーズは、4 ポートおよび 8 ポート IP ストレージ サービス モジュールをサポートしており、ファイバ チャネルと IP ストレージ環境の透過的な統合を可能にします。マルチプロトコル ストレージ ネットワークは、ミッドレンジ アプリケーション向け iSCSI 接続、およびハイエンド アプリケーション向けファイバ チャネル接続により、コストを最適化できます。Cisco MDS 9000 ファミリ IP ストレージ サービス モジュールは、4 ポートまたは 8 ポートの iSCSI および(または)FCIP ゲートウェイ機能を提供します。各ポート接続は 1 Gbps イーサネット SFP インターフェイスを経由します。各ポートはユーザにより、コスト効率に優れたデータセンターや広域接続に適した iSCSI 用および(または)FCIP 用に設定できます。図 7 に、Cisco MDS 9000 ファミリ 4 ポートおよび 8 ポート IP ストレージ サービス モジュールを示します。

図 7 Cisco MDS 9000 ファミリ 4 ポートおよび 8 ポート IP ストレージ サービス モジュール

図 7 Cisco MDS 9000 ファミリ 4 ポートおよび 8 ポート IP ストレージ サービス モジュール
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ストレージ サービス モジュール

Cisco MDS 9000 ファミリ ストレージ サービス モジュール(図 8)には、Cisco MDS 9000 ファミリ 32 ポート 2 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールのすべての機能に加え、さまざまな革新的ストレージ サービスを備えています。Cisco ストレージ サービス モジュールは、専用 Application-Specific Integrated Circuit(ASIC; 特定用途向け集積回路)で実行される高速インライン SCSI 処理を活用して、ファイバ チャネル ライト アクセラレーションを使用する同期データ レプリケーション導入の処理を飛躍的に向上させます。また、より効率的で信頼性の高いバックアップ ソリューションを実現します。Cisco MDS 9000 ファミリ SAN Tap プロトコルを使用することで、Cisco ストレージ サービス モジュールは、一貫性やアベイラビリティを損なわずに、既存の SAN におけるさまざまなアプライアンスベース ストレージ サービスを透過的に統合します。Fabric Application Interface Standard(FAIS)規格に基づき、独自の分散処理アーキテクチャを使用することで、ネットワークホスト型ストレージ アプリケーションは Cisco ストレージ サービス モジュールで動作し、高性能で拡張可能な仮想化ソリューションを提供します。

図 8 Cisco MDS 9000ファミリ ストレージ サービス モジュール

図 8 Cisco MDS 9000 ファミリ ストレージ サービス モジュール

Cisco MDS 9500 シリーズの高度な機能

ハイ アベイラビリティ

Cisco MDS 9500 マルチレイヤ ディレクタは、ハイ アベイラビリティの実現を念頭に設計されています。システムを中断しないソフトウェア アップグレード、すべての主要コンポーネントの冗長性という基本的な要件を満たす Cisco MDS 9500 シリーズのソフトウェア アーキテクチャは、非常に高いレベルのアベイラビリティを提供します。Cisco MDS 9500 シリーズの Supervisor-2 モジュールは、障害が発生したプロセスを自動的に再開する独自の機能を備えているため、非常に堅牢です。まれに、スーパーバイザ モジュールをリセットする場合がありますが、この場合もアクティブ スーパーバイザ モジュールとスタンバイ スーパーバイザ モジュール間の完全な同期により、トラフィックが停止しないステートフルなフェールオーバーが確保されます。

Cisco MDS 9500 シリーズの製品には、1+1 冗長クロスバーが搭載されています。各クロスバーが、完全なシステム パフォーマンスに必要な帯域幅を提供するため、1 つのクロスバーの損失や削除が生じた場合でもシステムのパフォーマンスには影響しません。Cisco MDS 9500 シリーズ ディレクタは、クロスバーに障害が発生しても最大限のシステム パフォーマンスを提供します。

業界で最も強固かつ高いパフォーマンスを発揮する ISL によって、ファブリック レベルでハイ アベイラビリティが実現されます。PortChannel 機能を使用すれば、最大 16 の物理リンクを 1 つの論理バンドルに集約可能です。PortChannel は、シャーシ内の速度が同じポートであれば構成できるため、ポート、ASIC、またはモジュールで障害が発生した場合でも、バンドルをアクティブに保つことができます。このバンドルは、どの物理リンクに障害が発生しても、リセットされずに維持されます。Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、今までにないレベルのハイ アベイラビリティを実現し、今日の最も過酷な環境における 99.999% 以上のアップタイムという要件を満たすソリューションを確保します。

VSAN

効率的かつセキュアな SAN 統合に適した VSAN を使用することにより、単一の SAN ファブリックまたはスイッチ内にハードウェアベースで分離された環境を複数作成することによって、SAN の利用効率を高めます。各 VSAN は通常の SAN としてゾーニング可能であり、独自のファブリック サービスが維持されるため、スケーラビリティと復元力が向上します。VSAN の使用により、SAN インフラストラクチャのコストをより多くのユーザ間で共有できるほか、トラフィックの厳密な分離が保証され、VSAN ごとで個別に設定を制御できるようになります。

統合 SAN ルーティング

効率と費用効果に優れた統合ストレージ ネットワークを導入する一つの手段として、Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、業界初のファイバ チャネル向けルーティング機能である IVR をサポートしています。IVR は、異なる VSAN 上の特定のイニシエータとターゲット間でデータ トラフィックの選択的転送を可能にするとともに、各 VSAN 内で制御トラフィックの分離を維持します。IVR によって、データが VSAN の境界を通過でき、制御プレーンの分離も維持されるため、ファブリックの安定性とアベイラビリティが維持されます。統合型 IVR は、外部ルーティング アプライアンスを必要とせず、ルーティング スケーラビリティを大幅に向上させると同時に、ラインレートのルーティング パフォーマンスと管理機能の簡素化を実現します。これにより、異なるシステム間における管理上の課題を解消します。統合型 IVR の導入は、SAN の総所有コストの削減を意味します。

マルチプロトコル インテリジェンス

Cisco MDS 9500 シリーズのアーキテクチャはマルチレイヤおよびマルチプロトコル機能を有効にし、最大限の柔軟性を実現するため、複数の伝送テクノロジーを透過的に統合します。Cisco MDS 9500 シリーズは、ファイバ チャネル、FICON、iSCSI、FCIP をはじめとする、堅牢なマルチプロトコル プラットフォームであり、コストを最適化するストレージ ネットワーク展開に対応できるよう設計されています。現在、高性能なアプライアンスには、最大 10 Gbps のファイバ チャネルまたは FICON を実装できます。共有ストレージ プールへの費用効果を重視した接続の場合は、イーサネット上に iSCSI を実装できます。また、データセンター間の接続の場合は FCIP を実装できます。

インテリジェント ストレージ アプリケーション用のオープン プラットフォーム

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、マルチレイヤ インテリジェント SAN の実現に必要な、インテリジェントで高度な機能を搭載したオープン プラットフォームを提供します。これには、ホストに対するハードウェアベースの革新技術や、データ移行、データ複製、サーバレス バックアップ、ネットワークホスト型のボリューム管理などの高速化アプリケーションが含まれます。ネットワークでこれらのアプリケーションをホスティングしたり高速化させることで、ストレージ環境のスケーラビリティ、アベイラビリティ、セキュリティ、管理機能が大幅に向上し、その結果利用率の改善、および TCO の削減につながります。

統合的なメインフレーム サポート

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、メインフレームに対応しており、IBM zSeries FICON および Linux 環境を全面的にサポートしています。Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、IBM zSeries 動作環境におけるすべての FICON 対応デバイスへの接続が IBM に認定されており、カスケード型および非カスケード型のファブリックで FICON プロトコルによる送信をサポートし、同じスイッチに FICON とオープン システム Fibre Channel Protocol が混在する環境をサポートします。VSAN は、z/OS、メインフレーム Linux、オープン システム環境間の混在した SAN リソースを簡素化し、SAN の利用率を向上させると同時に SAN 管理機能を容易にします。VSAN ベースの混在モードには、ゾーンベースの混在技術によくある不確実で不安定な要素がありません。また、VSAN を使用することで、1 つの VSAN で生じた設定ミスやコンポーネント障害が、他の VSAN に影響を及ぼす可能性を排除できます。VSAN ベースの管理アクセス コントロールは、メインフレームとオープン システム環境間における SAN 管理責任の分割を容易にするため、セキュリティが向上します。FICON VSAN は、統合型 Cisco Fabric Manager、Cisco CLI、および SA/390、Resource Measurement Facility(RMF)、Dynamic Channel Path Management(DCM)を含む IBM CUP 対応の管理ツールを使用して管理できます。

高度なトラフィック管理

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタには高度なトラフィック管理機能が組み込まれているため、大規模なファブリックを簡単に展開および最適化できます。

  • Virtual Output Queuing(VOQ; 仮想出力キューイング) — どのようなトラフィック パターンであっても Head-of-Line(HOL; ヘッドオブライン)ブロッキングが発生せず、各ポートの回線速度パフォーマンスが保証されます。
  • 最大 4095 のバッファ間クレジット — 各ポートにクレジットが割り当てられるため、あらゆる距離で帯域利用率が最適化されます。
  • PortChannel — 最大 16 の物理 ISL を 1 つの論理バンドルに集約できるので、あらゆるリンク上で帯域を最適に利用できます。バンドルはシャーシ内のモジュールにおける速度が同じポートで構成できるため、あるモジュールで障害が発生した場合でも、バンドルをアクティブに保つことができます。
  • FSPF ベースのマルチパス機能 — 最大 16 の等価コスト パス間でインテリジェントにロードバランシングを実行でき、スイッチ障害が発生した場合は、動的にトラフィックを再ルーティングできます。
  • QoS — 帯域幅の管理および遅延時間の制御を行うことで、重要なトラフィックを優先できます。
  • Fibre Channel Congestion Control(FCC) — エンドツーエンドのフィードバックベースによる輻輳制御メカニズムによって、FC のバッファ間クレジット メカニズムを補強し、高度なトラフィック管理を実現できます。
  • ポート帯域幅予約 — ユーザがポートベースごとに専用の帯域幅を決定できます。

高度な診断ツールおよびトラブルシューティング ツール

大規模ストレージ ネットワークを管理するには、予防的な診断機能、接続とルートの遅延を確認できるツール、およびトラフィックのキャプチャと分析のためのメカニズムが必要です。Cisco MDS 9500 シリーズは、業界で最も高度な分析およびデバッグ ツールを備えています。Power-On Self Test(POST; 電源投入時自己診断テスト)とオンライン診断は、予防的なヘルス モニタリング機能を提供します。Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、フローの正確なパスおよびタイミングの詳細を表示する FC Traceroute などの診断機能を利用できるほか、ネットワーク トラフィックをインテリジェントにキャプチャする Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)および Remote Switched Port Analyzer(RSPAN)に必要な統合機能を提供します。トラフィックがキャプチャされると、組み込みのファイバ チャネル アナライザである Cisco Fabric Analyzer で分析できます。ポートおよびフロー単位の包括的な統計情報を利用して、高度なパフォーマンス解析およびサービス レベル契約(SLA)アカウンティングを実行できます。シスコシステムズは Cisco MDS 9500 シリーズを通じて、ストレージ ネットワークのトラブルシューティングおよび解析のための最も包括的なツール セットを提供しています。

強固なセキュリティを実現する包括的なソリューション

ストレージ ネットワークに要求される高度なレベルのセキュリティを達成するため、Cisco MDS 9500 シリーズ マルチ ディレクタ は、広範囲におよぶセキュリティ フレームワークを提供し、今日のエンタープライズ ネットワークで扱われる機密性の高いデータを保護します。Cisco MDS 9500 シリーズは、ゾーンのハードウェア強制、VSAN、および高度なポート セキュリティ機能のための ACL の適用など、ポート レベルでインテリジェントなパケット インスペクションを使用します。

拡張されたゾーニング機能を利用できるため、Logical Unit Number(LUN)にアクセスできるホストを特定のものに限定したり(LUN ゾーニング)、特定のゾーンについて SCSI の read コマンドを制限したり(読み取り専用ゾーニング)、ブロードキャストを特定のゾーン(ブロードキャスト ゾーン)に限定することができます。VSAN は、同一の物理 SAN に接続されたデバイス間を完全に分離することにより、セキュリティと安定性の強化を実現するために使用されます。IVR を使用することで、VSAN 間のリソース共有を制御できます。さらに、FC-SP を使用して、RADIUS または TACACS+ によるスイッチ間およびホスト/スイッチ間の Diffie-Hellman Challenge Handshake Authentication Protocol(DH-CHAP; Diffie-Hellman チャレンジ ハンドシェーク認証プロトコル)認証を実行し、権限のあるデバイスのみがストレージ ネットワークにアクセスできるように保護できます。

管理の容易性

ユーザのニーズに対応するため、Cisco MDS 9500 シリーズには、Cisco MDS 9000 ファミリ CLI、Cisco Fabric Manager、およびサードパーティ製のストレージ管理ツールとの統合という、3 つの主要な管理モードが用意されています。

Cisco MDS 9500 シリーズには、一貫性のある論理的な CLI が装備されています。広く普及している Cisco IOS® CLI の構文に準拠している Cisco MDS 9000 ファミリ CLI は、学習が容易で、また幅広い管理機能を備えています。Cisco MDS 9000 ファミリ CLI は、企業環境の管理者に最適な機能を提供するように設計された、きわめて効率的で直観的なインターフェイスです。

Cisco Fabric Manager は、応答性と操作性に優れた Java アプリケーションであり、複数のスイッチやファブリックにわたる管理を簡単に行うことができます。Cisco Fabric Manager を使用すれば、管理者はトポロジ ディスカバリ、ファブリックの設定および検証、プロビジョニング、モニタリング、障害解決といった必須のタスクを実行できます。すべての機能を安全なインターフェイスから利用できるので、任意の場所からのリモート管理が可能です。

Cisco Fabric Manager は単独で使用することも、サードパーティ製の管理アプリケーションと連携させて使用することも可能です。シスコでは、サードパーティ製の管理ツールやユーザが開発した管理ツールと統合できるように、API を幅広く用意しています。

Cisco ストレージ ネットワーキング向けのサービス

ストレージ ネットワーキング サービスはハイタッチ サービスを提供し、シスコまたは最高クラスのストレージ サービス パートナーのエコシステムを通じて提供され、ハイ アベイラビリティを確保しながら、お客様によるストレージ ネットワークの評価、計画、設計、実装および運用を支援します。

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