Cisco MDS 9000 インテリジェント ファブリック アプリケーション

Cisco MDS 9000 インテリジェント ファブリック アプリケーション

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Cisco MDS 9000 インテリジェント ファブリック アプリケーション



Cisco® MDS 9000 ファミリのストレージ エリア ネットワーク(SAN)スイッチング製品を 5 年前に発表して以来、シスコはインテリジェント ファブリック アプリケーションというイノベーションの最前線に立ち、SAN 組み込みのファブリック サービスというビジョンの実現に成功しました。特にこの 2 年間では、SANTap ベースの継続的データ保護(CDP)と継続的リモート レプリケーション(CRR)、同期レプリケーションのためのファイバ チャネル書き込みアクセラレーション(FC-WA)、Cisco MDS 9000 ファミリのための EMC Invista(仮想化ベースのストレージ管理ソリューション)をはじめとする、革新的な SAN 組み込みインテリジェント ファブリック アプリケーションの数々を送り出しており、多数のお客様に採用されています。これは、SAN 統合インテリジェント ファブリック アプリケーション ストレージ市場の新たな時代の始まりといえるでしょう。

Cisco MDS 9000 ファミリの SAN 組み込みインテリジェント ファブリック ソリューションを選ぶお客様は続々と増えています。その選択の根拠となっているのは、投資を保護する設計方針、エンタープライズ クラスのスケーラビリティとハイアベイラビリティ、導入のしやすさ、そしてマルチベンダーのホスト、ネットワーク、およびストレージ デバイスをサポートするオープンなアーキテクチャを実現するというシスコの強いコミットメントです。さらに、このインテリジェント ファブリック アプリケーションが Cisco Business Ready Data Center をサポートしていることも、お客様にとっての魅力となっています。Cisco Business Ready Data Center とは、データ ネットワーク、ストレージ ネットワーク、データセンター接続ソリューション、および統合インテリジェント サービスを包含したエンドツーエンドのネットワーク アーキテクチャです。

最近の調査の結果、インテリジェント ファブリック アプリケーションの市場が拡大していることが明らかになりました。IDC によれば(図 1)、2006 年には約 3 億米ドル相当の SAN 組み込みストレージ仮想化ソリューションがお客様の事業所およびデータセンターに導入されています。IDC の今後の予測では、2007 年のストレージ仮想化市場の規模は 4 億ドルに達し、2011 年には 15 億ドルまで成長する可能性があります。

Gartner の予測では、全世界のリモート データ レプリケーションの市場は 2009 年には 20 億ドルに達し、2007 年と比べると 10 億ドル近く増加します。

図 1 急速に成長するインテリジェント ストレージ仮想化の市場

図 1 急速に成長するインテリジェント ストレージ仮想化の市場


出典:実績値は 2006 年 11 月に更新(予測は 2006 年 5 月時点)
この文書では、統合型ファブリック アプリケーションの主要コンポーネントが、ストレージ プロビジョニング、データの移行とレプリケーション、バックアップと復元、ディスク キャパシティの有効活用、およびストレージ管理コストに関するお客様の懸念にどのように対処するかを説明します。

導入が進んだ、CDP と CRR のための SANTap と EMC RecoverPoint

自然災害が発生するとプライマリ データセンターのデータが消失するおそれがあり、国によってはそのような事態に備えてデータのバックアップが義務付けられています。これらが、CDP および CRR の導入を推進する主な要因となっています。ネットワークに組み込まれた WAN 最適化手法によって WAN のコストが低下したことも、アクティブ セカンダリ データセンターの市場浸透を後押ししています。

データ保護とリモート レプリケーションのための既存のソリューションはいずれも単機能製品であり、異種混在型のストレージ階層には対応していません。これらのソリューションの大半はアレイ ベースのソリューションですが、単一のベンダーにしか対応していないため、TCO が上昇するというデメリットがあります。最近アプライアンス ベンダーから提供されているホスト - エージェント ベースのソリューションは、異種混在環境にも対処できますが、ホスト - エージェント方式は管理の負担が高く、セットアップが複雑になることもあり、複数のホストを対象とする広範囲な管理調整が必要になるという問題があります。また、このようなポイント ソリューションはネットワークを包括的にとらえるものではないため、長距離のデータ レプリケーションは不可能です。

Cisco MDS 9000 SANTap ソリューションでは、このようなデメリットを克服するために、ストレージ エリア ネットワーク(SAN)に統合されたインテリジェント サービスが採用されています。お客様がサードパーティのアプライアンス ベースのストレージ アプリケーションを導入しても、プライマリ I/O の整合性、アベイラビリティ、およびパフォーマンスを犠牲にすることがないように作られています。
Cisco MDS 9000 SANTap ソリューションによってストレージ書き込み操作が確実に複製されるので、データ継続性、データ保護、オンライン データ移行、ストレージ パフォーマンス、およびサービス レベル契約(SLA)監視のアプリケーションの導入が可能になりますが、デバイスをインバンドでデータ パスの中に挿入する、あるいはアウトバンドでホスト ベースのソフトウェア エージェントと共に導入するという従来の方式が持つデメリットは発生しません。
図 2 は、SANTap の利点をまとめたものです。Cisco MDS 9000 SANTap と EMC RecoverPoint を組み合わせたソリューションは SAN 市場において大きなシェアを獲得しており、2 年足らずのうちに 50 か所を超える大規模データセンターに導入されています。主な利点を次に示します。

  • 異種混在対応ソリューション:既存のリモート レプリケーション ソリューションでは、プライマリとセカンダリの両方のデータセンターに Tier 1 ストレージがあることが必須となっているため、高価なレプリケーション ソリューションとリカバリ インフラストラクチャを用意する必要があります。高価なインフラストラクチャを用意したとしても、レプリケートされるのはプライマリ データのわずか 10% でした。Cisco MDS 9000 SANTap ソリューションは、この制約を克服するために、プライマリ サイトでは Tier 1 ストレージ、セカンダリ サイトでは低価格な Tier 2 ストレージという柔軟な構成ができるようになっています。
  • 帯域幅(WAN)削減を重視:データセンター間の距離はデータ レプリケーションのコスト上昇につながるため、企業にとって大きな問題になりつつあります。Cisco MDS 9000 SANTap と EMC RecoverPoint のソリューションの持つデータ圧縮機能(15 倍)は、長距離でのブロック データ伝送に役立ち、数千 km もの距離でも低コストでの転送を可能にします。
  • ホスト ベースのエージェントが不要:Cisco MDS 9000 SANTap と EMC RecoverPoint のソリューションは、ホスト ベースのエージェントを必要としません。そのため、運用が容易になります。特に、多数のサーバを持ち、広範囲な調整と管理を必要とするデータセンターにおいて効果を発揮します。

図 2 障害復旧:SANTap による非同期リモート レプリケーション

図 2 障害復旧:SANTap による非同期リモート レプリケーション


導入が始まった、Cisco MDS 9000 ファミリのためのストレージ ソリューション EMC Invista と Incipient

顧客サービス向上のために、計画的あるいは計画外のシステム停止中でもデータを引き続き利用できるようにする方法を求める企業が増えています。同時に、任意の時点でのビジネス ポリシーとビジネスに対するデータの価値に基づいてストレージ リソースの動的な割り当てと再割り当てを行う方法(情報ライフサイクル管理(ILM)を使用)も求められています。

Cisco MDS 9000 ファミリのためのストレージ ソリューションである EMC Invista と Incipient は、この 2 つの課題に対処する仮想化ベースのファブリック組み込みインテリジェント ソリューションです。複雑なインフラストラクチャの管理を単純化し、中断のない運用を実現すると共に、プロアクティブな ILM 戦略に不可欠な要素の導入を支援します。実地試験フェーズが正常に完了すれば、間もなくこれらのソリューション(Incipient iNSP および EMC Invista)の正式稼働が開始します。

これらのソリューションの利点は次のとおりです。

  • ストレージのプーリング:これらのソリューションでは、アレイ単位のストレージ管理ではなくストレージ プーリングが使用されます。つまり、複数のストレージ アレイが単一のユニットとして扱われます。アレイそのものは複数のベンダー製品の混在でもかまいません。また、階層(Tier)に依存せず、頻繁なデータ移動は必要としません。
  • 中央集中型の管理:SAN を利用すれば、それぞれ独立したストレージ コンポーネントを結び付けて単一の異種混在ネットワークを形成できるので、接続されたデバイスの管理がしやすくなります。仮想化をさらに進めると、このようなデバイスの背後にあるストレージの中央集中型管理が可能になり、貴重な IT スタッフがホスト ベースのエージェントの管理から解放されると共に、他の集中管理されない非効率的なインフラストラクチャが排除されます。
  • ILM:既存のデータ移行ソリューションのほとんどは、同種の階層の中でデータを移動します(ターゲットとイニシエータの両方が同じストレージ クラスに属します)。Cisco MDS 9000 ファミリのための EMC Invista と Incipient iNSP 仮想化ベースの ILM では、階層化ストレージの処理が可能です。休止中の Tier 1 ストレージからローカル SAN 内または別のデータセンター内の Tier 2 ストレージへの移動を、透過的に、中断を発生させることなく実行します。

導入が進んだ、復元力の強化のための Cisco MDS 9000 ファミリ FC-WA

Cisco MDS 9000 ファミリの FC-WA(Fibre Channel Write Acceleration)は、データセンター間の距離を広げても復元力を高めたいと望むお客様に導入されています。特に金融サービス業では FC-WA が非常に有益なソリューションとなっていますが、その理由としては、ラウンドトリップ遅延の短縮と、ローカル確認応答ベースの最適化が挙げられます。金融アプリケーションでは、障害復旧サイトがプライマリ サイトに同期していることが求められるため、同期型のリモート レプリケーションが使用されています。同期型レプリケーションを使用する場合は、ローカル サイトとリモート サイトの距離がメイン アプリケーションのトランザクション スループットに直接影響します。一般に、同期型データ レプリケーションを使用する場合の障害復旧サイトまでの距離は 100 〜 200 km 以内ですが、FC-WA を使用すればこの距離が 2 倍になり、200 〜 400 km 程度まで離すことが可能です。逆に、距離を短くすればパフォーマンスが向上します。

Cisco MDS の FC-WA 機能は、世界各地の大手金融機関で実際に導入されています。図 3 は、FC-WA の導入形態です。

図 3 障害復旧:同期リモート レプリケーションのための FC-WA

図 3 障害復旧:同期リモート レプリケーションのための FC-WA


インテリジェント ファブリック アプリケーションのためにシスコが提供する柔軟性とスケーラビリティに優れた先進的プラットフォーム

Cisco MDS 9000 ファミリでは、投資保護を重視したアーキテクチャ設計アプローチが採用されており、インテリジェント ファブリック アプリケーションが組み込まれています。Cisco MDS 9000 ストレージ サービス モジュール(SSM)はこの戦略の中心に位置する製品です。Cisco MDS 9000 SSM モジュールは、エンタープライズ クラスのデータセンター環境における一般的な仮想化要件に基づいて設計されており、高いスケーラビリティ(Cisco MDS 9000 SSM のクラスタ化が可能)とハイパフォーマンス(500,000 I/O 操作/秒以上)、特別設計の ASIC(特定用途向け集積回路)によるライン レートでの I/O 処理、およびマルチベンダーホスト、ネットワーク、ストレージ デバイスをサポートするオープン アーキテクチャを特徴としています。Cisco MDS 9000 SSM カードは、Cisco MDS 9000 ファミリのディレクタおよびスイッチの空きスロットに挿入するだけで、SAN の再配線を行うことなく使用できます。

業界をリードする機能をディレクタに統合

高性能でプロトコルに依存しないスイッチ ファブリックに豊富なインテリジェント機能を追加する Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、大規模データセンター ストレージ環境の厳しい要件、つまり妥協のないハイアベイラビリティ、セキュリティ、スケーラビリティ、管理の容易さに対処します。さらに、新しいテクノロジーが透過的に統合できることも、柔軟なデータセンター SAN ソリューションを実現するためには必要です。

Cisco MDS 9500 シリーズの特徴は、ハイアベイラビリティ(ステートフル プロセス リスタートとフェールオーバー、運用を中断しないソフトウェア アップグレード、主要コンポーネントの完全冗長化)、SAN 拡張とメインフレーム接続のためのマルチプロトコル/マルチトランスポート アーキテクチャ(Fibre Channel over IP(FCIP)、ファイバ チャネル、および IBM ファイバ接続(FICON)を 1 フォーム ファクタでサポート)、SAN 統合と高度なトラフィック管理のためのインテリジェント ネットワーク サービス(仮想 SAN(VSAN)、ファイバ チャネル輻輳制御、および QoS(Quality of Service))、インテリジェント ファブリック アプリケーションをホストするためのオープン プラットフォーム(Cisco MDS 9000 SSM モジュール)、包括的なセキュリティ、SAN 管理の一本化、そして投資保護と TCO 低減を目指した設計です。

顧客数が示す市場優位性

Cisco MDS 9000 ファミリのインテリジェント ファブリック アプリケーションは、金融をはじめとするさまざまな業種の 100 社を超えるお客様にご利用いただいており、顧客数でいえばシスコは SAN 市場のトップに立っています。増え続ける導入実績と導入されたお客様の満足度が、シスコの技術革新へのコミットメントとこの市場でのリーダーシップを証明しています。

複数のサービスをサポート

Cisco MDS 9000 ファミリにおけるイノベーションの中でも特筆すべきは、業界をリードする標準ベースの VSAN と VSAN 間ルーティング(IVR)の機能です。これらの機能は、SAN 統合に応用できる可能性を持っています。VSAN とは、単一の SAN ファブリックまたはスイッチの中にハードウェア ベースで分離された複数の環境を作成することで SAN の利用効率を高める機能です。VSAN はそれぞれ標準 SAN としてのゾーニングが可能で、各 VSAN 独自のファブリック サービスが維持されるため、スケーラビリティと復元力がさらに高まります。VSAN を利用すると、SAN インフラストラクチャのコストをより多くのユーザに分散させると同時に、トラフィックの確実な分離が可能です。また、VSAN 単位で独立した制御を維持できます。

効率とコスト効果に優れた統合型ストレージ ネットワーク導入へと一歩近づくために、Cisco MDS 9500 シリーズでは、業界初のファイバ チャネル ルーティング機能である IVR もサポートされます。IVR とは、それぞれ別の VSAN 上に存在する特定のイニシエータとターゲットの間でデータ トラフィックを選択して伝送するための機能ですが、各 VSAN 内のコントロール トラフィックの分離は維持されます。また、データが VSAN の境界を通過するときもコントロール プレーンの分離は維持されるので、ファブリックの安定性とアベイラビリティが低下することはありません。IVR が統合されているため、外部ルーティング アプライアンスが不要となり、ルーティングのスケーラビリティが大幅に向上します。一方で、ラインレートのルーティング パフォーマンスと管理の単純化といった利点があり、複数の独立したシステムを維持する場合の課題も解消されます。IVR の統合は、SAN の総所有コストの削減につながります。

他社の製品では外部ルーティング アプライアンスが使用されていますが、外部のアプライアンスは電源と冷却のコストの大幅な増加の原因となり、TCO が増加します。

実績を重ね成熟したプラットフォーム

2 年足らずの間に、Cisco MDS 9000 ファミリのインテリジェント ファブリック アプリケーションはさまざまな業種のお客様に導入されています。顧客獲得率は四半期ごとに 50% ずつ増加しており、このペースはさらに加速しています。特に金融の分野では、規制の遵守と同期型データ レプリケーションおよびバックアップの実行が必要とされるため、インテリジェント ファブリック アプリケーション インフラストラクチャの採用が急速に広がっています。シスコは標準化に力を入れています。その理由は、実績のある製品を使用できること、スケールメリットを作り出して活用すること、ベンダーごとに異なる適格性のための労力を減らすこと、そして将来も機能し続ける製品を作ることのメリットを認識しているからです。

オープンな API:SANTap と Fabric Application Interface Standard(FAIS)

シスコは、スケーラビリティとセキュリティに優れたストレージ インテリジェンスを持つ SAN を構築するためのオープン API の開発に力を入れてきました。この API インターフェイスはパートナー各社が速やかに統合できるように作られており、これまでに 6 社を超えるパートナーが Cisco SANTap API を使用するアプリケーションを実装しています。

さらに、Cisco MDS 9000 ファミリのための EMC Invista ソリューションで使用されるストレージ サービス インターフェイスが、T11 という組織の Fabric Application Interface Standard(FAIS)の仕様と併せて開発されました。シスコは FAIS グループの議長を務めており、シスコ自身のインテリジェント ストレージ API も FAIS に準拠しています。少なくとも 2 社のパートナーが Cisco FAIS API をサポートし、仮想化関連のファンクション コールに利用しています。

ファブリックにインテリジェンスを取り入れるには今がチャンス

SAN に組み込まれたインテリジェント ファブリック サービス プラットフォームのメリットは、さまざまな業種の企業に認識されています。拡張が容易であり、SAN 挿入時にも中断が発生しないこと、そして投資保護という、このプラットフォームのメリットは企業にとって魅力的であり、短期間での投資回収(ROI)と TCO 削減につながります。Cisco MDS 9000 ファミリを持つシスコは、SAN 組み込みインテリジェント ファブリック アプリケーションを提供する唯一のベンダーであり、大企業への導入実績はすでに 100 社を超えています。また、多数のお客様が実地試験を実施しており、本稼働環境への移行を進めています。

競合他社は、シングル ソリューション、ホスト エージェント ベースの製品、およびパッチ ソリューションを提供してインテリジェント ファブリック アプリケーション市場のニーズに応えようとしています。シスコは 2 年以上前から SAN 統合型のインテリジェント サービスを提供してきており、このプラットフォームが成熟したエンタープライズ クラスのソリューションであることは実証済みです。Cisco MDS 9000 ファミリは現在も発展を続けており、新しい SAN 組み込みサービス、たとえば Cisco MDS 9000 Storage Media Encryption(SME)や Cisco MDS Data Mobility Manager(DMM)などが近い将来にリリースされる予定です。インテリジェント ファブリック アプリケーションを導入するには今がチャンスです。ネットワーキング テクノロジーにおける 25 年以上の実績に基づいた確かな専門知識を持ち、エンドツーエンドのデータセンター インフラストラクチャの実現に主眼を置くシスコは、お客様のデータセンターの統合、仮想化、および自動化を支援します。