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Cisco MDS 9000 シリーズ

ストレージ エリア ネットワークを拡張するための選択肢について

White Paper





ストレージ エリア ネットワークを拡張するための選択肢について


2003 年の第 1 四半期を調査対象とした IDC のレポートによれば、IT 産業のストレージ容量は、毎年 49 % の拡大を示しています。政府の規制が厳しくなり、長期に渡ってデータを保存しなければならなくなったことや、ビジネスの自動化によって生成されるデータの量が一段と多くなったことから、この成長傾向は今後も継続していくと予想されます。企業から必要とされる膨大な量のデータに対応するために、多くの IT 組織では、直接接続のストレージからストレージ エリア ネットワーク(SAN)に切り替えるようになってきました。後者のモデルでは、ストレージ リソースがホスト サーバから分離され、SAN のさまざまなサーバで共用されます。SAN の最も一般的なプロトコルには、ファイバ チャネルや Enterprise Systems Connection(ESCON)、IBM Fiber Connection(FICON)などが含まれています。

広範囲にわたる停電やテロリズムの脅威の可能性、天災などは、未だに多くの IT 企画者の記憶に新しいため、局地的な大災害からデータ センターを保護するように設計されている災害復旧アプリケーション(たとえばジオクラスタリングやリモートのディスク複製)は、急を要する課題になっています。元々 SAN のプロトコルは、ほとんどがキャンパス内か、最大でもメトロポリタン エリア内で機能するように設計されていました。このため、SAN が地理的に分散できるように、追加の転送方式が求められています。

この文書では、SAN 拡張のさまざまなオプションについて説明します。

SAN 拡張における展開上の考慮事項


SAN を拡張するためのテクノロジーやソリューションを選択する前に、ビジネスを動かす要因や技術的なシステム要件、インフラストラクチャおよびサービスのアベイラビリティを慎重に考える必要があります。これらについて、以下に概説します。

ビジネスを動かす要因


  • 規制-最近の出来事により、金融業や銀行業、保険、医療、行政機関などを含む多くの分野にわたって、災害復旧やビジネス継続に向けた新しい標準が義務づけられました。 たとえば、連邦準備制度理事会と証券取引委員会は、最近、『Interagency Paper on Sound Practices to Strengthen the Resilience of the U.S. Financial System』という文書を発表し、災害後の迅速な復旧と重要操作の適時の再開を対象としてまとめています。医療や生命科学、行政機関に対しても、個別の要件を対象にした同様の規定が発行されたか、または審議が行われています。
  • コスト-要因には、ダウンタイムのコスト(一部の機関では 1 時間につき数百万ドル)、ストレージ リソースのより効率的な利用、運用コストの削減が含まれます。
  • 競争-産業規制緩和やグローバリゼーションからの競争圧力によって、現在多くの企業が、各自のビジネス継続プランについて、かつてないほど厳密に審査されています。潜在的なお客様の多くは、プロバイダーやビジネス パートナーを選択する前に、災害復旧プランを詳しく記述した資料を要求します。不測の停電やデータの破損から迅速に復旧できる立場にいることは、今日の市場において、競争を差別化するための決定的な要因となりえます。また、迅速な復旧能力は、前述のようなイベントが発生した時に、お客様およびパートナーとの関係を維持するためにも役立ちます。

技術的なシステム要件


  • アプリケーション要件-ストレージ アプリケーションは、まず、2 つの主なカテゴリに分類されます。同期複製と非同期複製です。その他の上位層アプリケーション、たとえばメトロや WAN のクラスタリング アプリケーションは、一般的に基本的な複製メカニズムと連携して動作します。

同期複製

ビジネス継続の要件が、複数の同期のとれたデータのコピーを、複数のサイトやデータ センターに持つことを決定する際に、同期複製が使用されます。すべてのディスク書き込み操作は、ネットワークをわたって代替のデータ センターのストレージ アレイに、同期で複製されます。インテリジェント コントローラ上にある同期アプリケーションは、両方のディスク ドライブがデータの書き込みを完了するまで待機し、その後、入出力(I/O)の要求元または発信側に確認応答を返信します。

同期複製は、ローカルの高速接続(低遅延)またはメトロ オプティカル ネットワークで最適化され、データの整合性に関するリスクを最小限にします(図 1)。複製は本質的にリアルタイムで実施されるため、データの整合性に関するリスクは、本番のデータ センターで障害が発生した場合に、予備のデータ センターに正確な最新データが存在するかどうかということによります。伝送距離が長くなるほど、遅延も大きくなります。遅延はスループットの主な決定要素です。遅延はホスト サーバのトランザクション レートにも影響を及ぼします。伝送距離とスループットの関係については、後で説明します。


図 1
同期複製

非同期複製

非同期複製は、通常、低速のリモート接続に使用されます。たとえば、カリフォルニアのデータ センターでは、カンザスのデータ センターに対して非同期複製を使用します。非同期複製アプリケーションは、その前に行われた入出力操作から送信される確認応答を第一に待たずに、ミラー サイトに入出力要求を送信します。未確定処理の数は、アプリケーション間で変化することに注目してください。このため、可能な未確定処理が増えるほど、同じリンク速度が維持できる遅延の長さも長くなります。

表 1 は、主なストレージ ベンダーによる、同期および非同期アプリケーションの要約です。

表 1  ストレージ ベンダーのアプリケーション

ストレージ ベンダー 同期複製アプリケーション 非同期複製アプリケーション
EMC 社 SRDF 同期モードおよび準同期モード SRDF 非同期モード
IBM 社 PPRC XRC
HP 社 Continuous Access-Enterprise Virtual Array(CA-EVA)、元々は DRM CA-EVA
Hitachi Data Systems 社 TrueCopy TrueCopy

  • 転送されるプロトコル

ファイバ チャネル

ファイバ チャネルは、ANSI によって開発された一連の階層化ネットワーク プロトコルであり、一般に、ホスト サーバとストレージ デバイス間のネットワーキングや、ストレージ デバイス間のネットワークに使用されます。転送速度は、1.0625 Gbps と 2.125 Gbps の 2 種類です。ファイバ チャネルの最大距離は、シングルモード ファイバ接続で約 10 キロメートル(6.2 マイル)になります。

長距離でファイバ チャネルを透過的に拡張する場合に起きる主な問題は、フロー制御のメカニズムやアプリケーションの効果的な入出力パフォーマンスに関する潜在的な影響によって発生します。入力バッファがオーバーランしてファイバ チャネル フレームが廃棄されないことを保証するために、バッファ間クレジットのシステムは、ストレージやホスト デバイスの転送にスロットル メカニズムを提供して、フレームのフロー速度を低下させます。一般原則では、1 Gbps の帯域幅を維持するために、2 km(1.2 マイル)ごとにバッファ間クレジットが 1 つ必要です。2 Gbps の場合は、1 つのリンク上の 2 つのインターフェイス間で、1 km(0.6 マイル)ごとにバッファ間クレジットが 1 つ必要になります。これらの数は、フルサイズのファイバ チャネル フレーム(2,148 バイト)使用する場合です。これより小さいフレームを使用する場合、必要なバッファ クレジットの数は大幅に増加します。適所で SAN 拡張の方式を使用しない場合、一般的なファイバ チャネル ファブリックは 10 km(6.2 マイル)を越えることができません。ファイバ チャネルの SAN 拡張 をもっと長い距離に延ばすためには、必ず Cisco® MDS 9000 ファミリなどの SAN のスイッチを使用して、インライン バッファ クレジットを追加します。大部分のストレージ デバイスは、それ自体のクレジットをほとんどサポートしないため(9 以下)、ストレージ アレイを直接拡張する機能が制限され、これらのクレジットが要求されます。

ESCON

Enterprise Systems Connection(ESCON)は 200 Mbps の単方向シリアル ビット伝送プロトコルであり、IBM または IBM 互換のメインフレームを、それらのさまざまな制御装置と動的に接続するために使用されます。ESCON は、ポイントツーポイント接続または、ESCON Director と呼ばれる高速スイッチのどちらかを通じて、非ブロック化アクセスを提供します。全長が 8 km(5 マイル)を超える場合、ESCON のパフォーマンスに大きな影響が出ます。

FICON

FICON(IBM Fiber Connection)は次世代の双方向チャネル プロトコルであり、メインフレームを制御装置、または ESCON 集約スイッチ(ブリッジ カードを装備した ESCON Director)に直接接続するために使用されます。FICON は、ファイバ チャネルを使用して、1,062 Gbps のデータ レートで実行します。FICON の主な利点の 1 つに、伝搬する距離全体にわたってパフォーマンスが安定している、という点があります。データのスループットで大幅な低下が発生する前に、FICON は 100 km(62 マイル)もの長距離に到達できます。

  • 現在および将来の要求-特定のトラフィック パターンや復元技術だけでなく、転送される SAN 拡張プロトコルのタイプと数量(密度)も考慮する必要があります。 タイプと密度の要件は、技術的なオプションを判別したり、導入する製品を決定するのに役立ちます。コスト効果が高いアップグレード パスにするため、設計の初期段階で増加を考慮に入れる必要があります。
  • 距離-SAN アプリケーションの遅延要件が特に同期環境で厳しいため、実装する SAN 拡張のテクノロジーのタイプは、パフォーマンスに多大な影響を与えます。表 2(このドキュメントの終わりの方)では、各テクノロジー オプションに対する距離の制限事項と、他の考慮事項に関する手引きを提供します。
  • 復旧の目標-組織の年間ダウンタイムを減らし、ダウンタイムによる潜在的なコストおよび無形の問題を削減するため、ビジネス継続戦略を実装できます。ローカルまたはリモートのテープ バックアップによる復旧では、実施に数日かかる場合がありますが、地理的に分散した同期ミラーリングのクラスタでは、復旧時間は分単位で測ることができる程度になります。最終的に、各企業の適切な復旧方針を決定するには、各ソリューションのコストとビジネス リスクを検討しなければなりません。
  • オリジナル ストレージの製造元の認定-IBM 社、EMC 社、HP 社、Hitachi Data Systems 社などの製造元では、SAN 拡張テクノロジーやベンダー固有の製品に対して、厳しいテストと関連する認定を要求しています。正式に認定されていない要素を含むネットワークを実装すると、ネットワークに問題が発生した場合に、製造元からのサポートが制限される場合があります。

インフラストラクチャおよびサービス アベイラビリティ

さまざまな SAN 拡張の選択肢を検討する際の、もう 1 つの変数は、既存の企業インフラストラクチャまたはサービス プロバイダー ソリューションのアベイラビリティです。次のセクションでは、関連する可能性のあるテクノロジーの選択肢を説明します。

場合によっては、最終的なテクノロジーの決定に影響する可能性がある機器(ファイバ チャネル スイッチ、チャネル エクステンダ、IP ルータ、SONET/SDH)を、すでに企業が所有しているかもしれません。

  • ダーク ファイバ-企業では、ファイバ チャネルや Coarse Wavelength-Division Multiplexing(CWDM; 低密度波長分割多重)、Dense Wavelength-Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)、または SONET/SDH ネットワークを自ら所有、管理して構築しています。
  • 管理サービスの提供-サービス プロバイダーは、特定のお客様専用の CWDM や DWDM、または SONET/SDH インフラストラクチャを構築し、運用および保守します。
  • 波長サービス-サービス プロバイダーは、共有の DWDM/CWDM ネットワークを使用して、お客様に 1 つの波長(または複数)をリースします。複数のお客様が、共通のサービス プロバイダーのインフラストラクチャを共有します。
  • SONET/SDH サービス-サービス プロバイダーは、共有の SONET/SDH ネットワークを使用して、Synchronous Transport Signal level n(STS-n; 同期転送信号レベル n)と Synchronous Transport Module level n(STM-n; 同期転送モジュール レベル n)キャパシティをお客様にリースします。企業の要件や既存の機器、サービス アベイラビリティによって、サービス プロバイダーは DS-3、OC-n/STM-n、ギガビット イーサネット、または Fibre Channel over SONET/SDH のクライアント インターフェイスを提供します。
  • IP ネットワーク ベースのサービス-企業では、自ら所有および運用している IP ネットワークか、サービス プロバイダーの IP ネットワークを使用して、Fibre Channel Interface Protocol(FCIP)を実装します。 特定のアプリケーション要件に応じて、Quality-of-Service(QoS)と Service-Level-Agreement(SLA; サービス レベル契約)の要件や、さまざまなフレーム サイズ(ジャンボ フレームを含む)のサポートを考慮する必要があります。

SAN 拡張テクノロジーの選択肢の概要

ダーク ファイバ

場合によっては、企業がダーク ファイバを所有していたり、アクセスしています。その場合、メトロやそれ以上の規模で SAN を拡張する場合に利用できるオプションが増えます。前のセクションで説明したように、展開上の考慮事項に左右されることから、企業はダーク ファイバを使用した次のソリューションを 1 つ以上実装することを選択する可能性があります。

  • ネイティブのファイバ チャネル ソリューション(ダーク ファイバを直接使用して拡張)。
  • ネイティブのファイバ チャネル ソリューション(CWDM を使用して拡張)。(詳しい説明は、次の CWDM セクションを参照してください。)
  • シングル ファイバ ペアを使用して、数種類のプロトコルを超長距離に転送できる、DWDM システム。(次の DWDM セクションを参照してください。)
  • 同様に、数種類のプロトコルを超長距離に転送できる、SONET または SDH システム。(次の SONET/SDH セクションを参照してください。)

後半の 3 つのオプションについては次のセクションで詳細に説明するので、このセクションの残りの部分では、最初のオプションであるダーク ファイバを使用したネイティブのファイバ チャネルの詳細に目を向けることにします。図 2 は、Cisco MDS 9000 マルチレイヤ ファブリック スイッチが、さまざまなシングルモード ファイバのパスによって直接接続されている様子を示しています。


図 2
ダーク ファイバを使用したネイティブのファイバ チャネル

Cisco MDS 9000 ファミリ製品についての詳細は、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/ps4358/

技術的な考慮事項

  • 1 つのファイバ ペアにつき、1 Gbps または 2 Gbps のファイバ チャネル ソリューション。
  • 下層にあるプロトコル(SAN またはアプリケーション)は、フェールオーバーを保護しなければなりません。
  • Cisco MDS 9000 で短波(850 nm)の Small Form-Factor Pluggable(SFP)光カードを使用すると、伝送距離は 62.5/125 ミクロンのマルチモード ファイバを接続した場合で、およそ 300 mに制限されます。
  • 短波(850 nm)の SFP を使用すると、伝送距離は 50/125 ミクロンのマルチモード ファイバを接続した場合で、およそ 500 mに制限されます。
  • 長波(1,310 nm)の SFP を使用すると、伝送距離は 9/125 ミクロンのシングルモード ファイバを接続した場合で、およそ 10 kmに制限されます。
  • CWDM(最大 8 波長)の SFP を使用すると、伝送距離は 9/125 ミクロンのシングルモード ファイバを接続した場合で、およそ 90 km(56 マイル)に制限されます(伝送距離は、CWDM フィルタなしでダーク ファイバを使用すると仮定)。
  • ファイバの数を増やしたり SFP を置き換えずに、コスト効率よく将来の成長に適合するには、ダーク ファイバを介した CWDM SFP を使用することをまず考えます(伝送距離を追加する必要がない場合でも)。これにより今後企業は、Cisco MDS 9000 内で SFP を置き換えずに パッシブ Cisco CWDM フィルタを追加して、簡単に帯域幅を拡張できます。これが成長戦略でありうる場合は、CWDM フィルタの挿入損失を、設計の初期段階で計上しておく必要があります。
  • Cisco MDS 9000 ファミリのシスコ Virtual SAN(VSAN)テクノロジーにより、ファブリックを実際にマージすることなく同じファイバ上で、複数の SAN ファブリックを転送できます。1000 もの異なる仮想ファブリックが、共通のファイバを使用して展開でき、転送できます。VSAN では、各複製インスタンスが利用可能な帯域幅のほんの少ししか必要としない場合、データ複製サービス用に複数の SAN を拡張するため、利用可能な転送用帯域幅を効率的に利用するメカニズムを提供します。

使用上の推奨事項

図 2 に示すソリューションでは、さまざまな利点を提供できます。これは企業がキャパシティ要件を十分満たすダーク ファイバをもち、ロケーションの間隔が 90 km未満と仮定した場合です。このソリューションでは、あらゆる種類の外部伝送や、ネットワークからのメディア変換が排除されます。このため、最も簡素な実装であり、管理しやすい方法となります。このソリューションでは、先行投資費用を低く抑えて、展開間隔を短くすることができます(すでにファイバが配備されているか、リースされていると仮定)。また、主として機器要件を緩和したことなどから、低い運用コストを実現できます。

Coarse Wavelength Division Multiplexing

CWDM は便利でコスト効果が高いメカニズムを提供して、ロケーションの間で消費されるファイバの数を最小限に抑えながら、ネットワーク帯域幅を増加させます。Cisco MDS 9000 ファミリで CWDM SFP を使用したり(前のセクションで説明したように)、シスコのパッシブ CWDM フィルタ ソリューションを追加することによって、企業は簡単にまたコスト面で効果的に、ネットワーク帯域幅を拡張することができます。Cisco CWDM ソリューションは、シングル ファイバ ペアを使用して、最大 8 チャネルを提供します。それぞれの伝送能力は、1 Gbps または 2 Gbps ファイバ チャネルです。シスコでは、シングル ファイバの、4 チャネルをサポートする双方向 CWDM フィルタも提供します。企業のファイバが厳しく制約されているか、シングル ファイバをリースする費用を正当化するので精一杯の場合、双方向フィルタは完全なソリューションを提供します。

このセクションで説明した CWDM フィルタ ソリューションは、CWDM SFP と業界をリードする Cisco Catalyst® スイッチで使用可能な Gigabit Interface Converters(GBIC; ギガビット インターフェイス コンバータ)とも併用できます。これにより企業では、ギガビット イーサネットのデータ接続と SAN 拡張の接続を、同じファイバを使用して自由に組み合せることが可能になり、より高度なネットワークの最適化を図ることができます。

Cisco CWDM ソリューションについての詳細は、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/tech/tk713/tk772/tech_relevant_products.html

CWDM SFP とフィルタにより接続された Cisco MDS 9000 マルチレイヤ ファブリック スイッチを、図 3 に示します。


図 3
Cisco MDS 9000 のスイッチを使用した CWDM フィルタ ソリューション


技術的な考慮事項

  • ファイバ 1 対あたり、1 Gbps または 2 Gbps のファイバ チャネル ソリューション。
  • アプリケーションは、フェールオーバーを保護しなければなりません。
  • CWDM SFP およびフィルタを使用すると、ファイバ減衰とフィルタの挿入損失によって、伝送距離が制限されます。図 3 では、ロケーション間の距離がおよそ 66 kmに制限されています。前のダーク ファイバ ソリューションで説明した、90 kmの伝送距離とは異なりますが、これは各ロケーションでの 4 チャネル CWDM マルチプレクサ/デマルチプレクサの挿入損失によるものです。
  • 現在、1 対のファイバ上で最大 8 チャネルか、シングル ファイバで 4 チャネルに制限されています。
  • CWDM チャネルを増幅して距離を延長することはできません。
  • Cisco MDS 9000 ファミリのシスコ VSAN テクノロジーにより、ファブリックを実際にマージすることなく、同じ CWDM 波長を使用して、複数の SAN ファブリックを転送できます。1,000 の異なる仮想ファブリックが、共通の波長を使用して展開し、転送できます。VSAN では、各複製インスタンスが利用可能な波長帯域幅のほんの少ししか必要としない場合、データ複製サービス用に複数の SAN を拡張するため、利用可能な転送用帯域幅を利用する効率的なメカニズムを提供します。
  • シスコの PortChanneling Inter-Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)集約テクノロジーを使用すると、さまざまな拡張ファイバ チャネル ISL を論理 ISL に集約して、より効率的に帯域幅を使用できます。CWDM ソリューションを使用して、それぞれ異なる波長を使用する 8 の ISL に拡張でき、また、1 つの 16 Gbps ISL として集約できます。

使用上の推奨事項

図 3 に示すソリューションは、CWDM SFP とフィルタが追加された点を除けば、図 2 の最初のシナリオと同じです。このソリューションには、ファイバ要件の緩和という利点が追加され、最初のシナリオで説明したものと同じ利点が多数あります。シスコでは、さまざまなネットワーク トポロジをサポートするだけでなく、1 ファイバまたは 2 ファイバの実装や、シングル チャネルの追加と削除もサポートする、柔軟な CWDM フィルタ オプションを提供しています。

Dense Wavelength Division Multiplexing

CWDM のように、DWDM もコスト効果が高いメカニズムを提供して、ロケーションの間で消費されるファイバの数を最小限に抑えながら、ネットワーク帯域幅を増加させます。ただし、ダーク ファイバを使用したファイバ チャネル、または前述の CWDM を使用したファイバ チャネル ソリューションは、多くの場合、ミッション クリティカルなデータを伝送するための SAN 拡張の設計要件を完全には満たさない可能性があります。DWDM によって提供されるソリューションでは、ファイバ チャネルや FICON、ESCON、IBM Sysplex および Coupling Link プロトコルなどの重要なプロトコルがサポートできる、高速で低遅延のネットワークを使用して、高密度集約を提供します。さらに、DWDM では、ストレージだけでなくデータ(ギガビット イーサネット、10 ギガビット イーサネット)や音声、ビデオを含めた、異なる複数のプロトコルのネットワーク統合もサポートします。

シスコのメトロ DWDM システムでは、より大きなネットワーク容量(8 CWDM チャネルの最高 16 Gbps と比較して、32 DWDM チャネルで最高 320 Gbps)、高密度のサービス集約、広範囲のクライアント インターフェイス全体にわたってサービスの透過性を可能にするための柔軟なトランスポンダ オプション、包括的なサービス プロテクション オプション、および超長距離をサポートするために必要な増幅を提供します。提供されるサービス集約機能の例として、Cisco ONS 15530 では、8 のファイバ チャネルまたは FICON サービスを 1 つの波長に集約したり、40 の ESCON サービスを 1 つの波長に集約したりできます。複数の Cisco ONS 15530 プラットフォームを展開して、256 のファイバ チャネル、FICON、またはギガビット イーサネット インターフェイスをサポートできます。あるいは、ファイバ ペアにつき 1,280 の ESCON チャネルをサポートできます。これにより、お客様はファイバの伝送容量を最大化できます。DWDM の展開にファイバ チャネル バッファ間クレジット メカニズムを使用すると、メトロ DWDM ネットワーク全体に、ストレージ アプリケーションを拡張できます。

図 4 に、シスコのメトロ DWDM オプションを示します。 サポートされるネットワーク トポロジや、サービス インターフェイス オプションのより包括的な概要については、シスコの販売担当者にご請求していただくか、次の URL からシスコ オンライン技術資料を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2011/

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2006/ps5320/


図 4
シスコのメトロ DWDM オプション

図 5 に、Cisco ONS 15530 メトロ DWDM の ESCON、ギガビット イーサネット、ファイバ チャネルの高密度サービスの集約を示します。


図 5
Cisco ONS 15530 メトロ DWDM

技術的な考慮事項

次に示す技術的な考慮事項により、DWDM が SAN 拡張のために要求される(または最適な)テクノロジーの選択肢になる場合があります。

  • CWDM が提供できるよりも大きい容量を必要としていますが、企業が所有しているまたはアクセスできるのは、限られた量のダーク ファイバです。
  • 数多くの多様なサービス タイプを、共通の伝送インフラストラクチャによって、効率的に転送する要件。このサービスには、ファイバ チャネル、FICON、ESCON、ギガビット イーサネットを介したデータ、10 ギガビット イーサネット、OC-n/STM-n などのストレージ プロトコルが、デジタル ビデオまたは音声の他に含まれる場合があります。Cisco ONS 15500 シリーズは、ビジネス継続ソリューションに業界最高のサービス密度を提供します。
  • EMC 社、IBM 社、HP 社、Hitachi DataSystems 社、およびその他のベンダー製の同期ストレージ アプリケーション用の、高速で低遅延の接続。Cisco ONS 15500 シリーズは、これらすべての主要ベンダーから、相互運用性における保証について認定されています。 
  • Cisco ONS 15500 シリーズでサポートされる、光増幅とプロトコルのバッファ間クレジット メカニズムの組み合せを使用した、超長距離のサポート。
  • プロトコルおよびオプティカルのパフォーマンス モニタリングと診断機能が、運用面から要求されます。これらは Cisco ONS 15500 シリーズに固有の利点です。
  • ネットワーク復元力の要件は、99.999 % 以上です。Cisco ONS 15500 シリーズでは、波長プロテクションとサービスプロテクションの両方に、多数のオプションを提供しています。オプションには、光単方向パス交換リング(UPSR)、1+1 光トランク プロテクション、1+1 クライアント プロテクション、1+1 波長プロテクション、波長光スプリッタ プロテクションなどがあります。いくつかのサービス タイプには、1+1 サービスプロテクションオプションもあります。
  • Cisco MDS 9000 ファミリのシスコ VSAN テクノロジーにより、ファブリックを実際にマージすることなく、同じ DWDM 波長を使用して複数の SAN ファブリックを転送できます。1,000 の異なる仮想ファブリックが、共通の波長を使用して展開し、転送できます。VSAN では、各複製インスタンスが利用可能な波長帯域幅のほんの少ししか必要としない場合、データ複製サービス用に複数の SAN を拡張するため、利用可能な転送用帯域幅を利用する効率的なメカニズムを提供します。
  • シスコの PortChanneling ISL 集約テクノロジーを使用すると、さまざまな拡張ファイバ チャネル ISL を論理 ISL に集約して、より効率的に帯域幅を使用できます。DWDM ソリューションを使用して、それぞれ異なる波長を使用する 16 の ISL(PortChannel の最大数)に拡張でき、また、1 つの 32 Gbps ISL として集約できます。

使用上の推奨事項

シスコの メトロ DWDM システムは、可用性の高いメトロ オプティカル ネットワークを使用して、ミッション クリティカルなストレージ、データおよび既存のアプリケーションを伝送するように設計されています。これらのプラットフォームは、主要なシステムやストレージ ベンダーによって認定されているか、認定の過程にあります。ベンダーには、GDPS アプリケーションの IBM 社、SRDF アプリケーションの EMC 社、TrueCopy アプリケーションの Hitachi Data Systems 社、Continuous Access アプリケーションの Hewlett Packard 社などがあります。さまざまな SAN 拡張の要件を考慮したとき、シスコのメトロ DWDM システムは、最も高度な柔軟性と投資保護を提供します。

SONET/SDH

SONET/SDH ベースのネットワークは、1980 年代の中頃から、サービス プロバイダーや企業のプライベート ネットワークに広く展開されました。SONET/SDH テクノロジーは、電気とクライアントの光インターフェイスの組み合わせを転送する、信頼性およびコスト効果が高い手段として認知され、信頼されています。近年では、イーサネット サービスと DWDM の統合などの追加機能によって、SONET/SDH ネットワーク要素の適応性がさらに広がっています。絶え間なく変化するネットワーク要件と広範囲に及ぶ展開に対処して、進化する能力が実証されたため、SONET/SDH は、SAN 拡張を含む多くのサービスを提供できる、有用なテクノロジーとして存続しています(図 6)。

シスコは、進化可能な機能を SONET/SDH ネットワークに導入することにおいて、業界をリードしてきました。すでに展開されている Cisco ONS 15454 Multiservice Provisioning Platform(MSPP; マルチサービス プロビジョニング プラットフォーム)システムは、33,000 以上になります。これには、45,000 以上のイーサネットまたはファースト イーサネット ポートと、4,000 以上のギガビット イーサネット ポートが含まれます。シスコシステムズ® は、SL シリーズの Fibre Channel-over-SONET/SDH モジュールを導入することで、この Multiservice-over-SONET/SDH(MSO)におけるリーダーシップを維持する予定です。SL シリーズ モジュールによって、シスコはファイバ チャネルの転送空間を 100 % カバレッジできるようになり、メトロポリタンおよび地域ネットワークとそれ以上の規模のネットワークにおいて、データ センターおよび企業のストレージが必要なエンドツーエンドのカバレッジを提供します。

Cisco ONS 15454 MSPP プラットフォームおよび Multiservice-over-SONET/SDH の戦略についての詳細は、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2006/ps2010/

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2006/ps2008/

http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns112/ns114/ns116/networking_solutions_white_paper09186a008011391e.shtml


図 6
シスコの Fibre Channel over SONET/SDH

技術的な考慮事項

Fibre Channel-over-SONET/SDH ソリューションを考慮する際には、次に示す技術的問題を検討する必要があります。(このドキュメントの後半で説明する Fibre Channel over IP(FCIP)と連携して、SONET/SDH を使用するためのオプションも示します)。

  • 企業では、ダーク ファイバを所有しているか、アクセスしており、共通の伝送インフラストラクチャを使用して、多様なサービス タイプを効率的に多重化する必要があります。サービス インターフェイスは、DS-1/E-1、DS-3/E-3/E-4、OC-n/STM-n、10/100 Mbps イーサネットおよびギガビット イーサネット(SAN 拡張に向けたファイバ チャネルを含む)が必要になる場合があります。
  • 企業は、「直接」Fibre Channel-over-SONET/SDH ソリューションを提供するローカルなプロバイダーから、管理されたサービスを選択します。技術的な考慮事項、たとえばサービス インターフェイス要件の混在、関係する距離、アプリケーション要件、サービス エンドポイント、既存の SONET/SDH インフラストラクチャのアベイラビリティなどは、サービス プロバイダーを決定する要因になります。
  • 企業(またはサービス プロバイダー)は、先に説明したように、導入と管理を容易にするために、サービス インターフェイスに対応する統合ソリューションを望んでいます。
  • ファイバ チャネルの帯域幅の要件は、STS-n(SONET)STM-n(SDH)帯域幅の倍数にできます。これには、最大ライン レートが 1 Gbps または 2 Gbps までのファイバ チャネルの SONET にマップされた、DS-3 が含まれます。この細かさにより、スケーラブルな帯域幅オプションとサービスのコストとのバランスを企業に提供できます。このオプションは、SAN 拡張のために専用 DWDM または波長サービスの費用を正当化できない中小規模の企業にとって、特に魅力的になる場合があります。
  • ストレージ ロケーション間の距離要件と、アプリケーションが許容できる遅延は、テクノロジーの選択に影響を及ぼします。たとえば、同期アプリケーションが許容できる最大遅延(1 方向)は、およそ 500 ミクロンです。この遅延は、伝送ノードでの処理遅延とファイバ伝搬(1 km あたり 5 ミクロン)に分けることができます。Fibre Channel-over-SONET/SDH におけるエンド ノードでの処理には、通常 20 ~ 25 ミクロンが処理遅延として追加され、中継(通過ノード)によって約 10 ミクロンの遅延が発生します。SONET/SDH から提供される利点の 1 つには、(FCIP など)上位レイヤに対しての、処理遅延の予測があります。それでも、保護下での、ファイバとノードの処理遅延によりシナリオが切り替わるといった、ワーストケースでの遅延を考慮する必要があります。このドキュメントの範囲外の話になりますが、多数のバッファ間クレジット(ファイバ チャネル スイッチの場合)と、伝送レイヤによるファイバ チャネル確認応答のスプーフィングのメカニズムは、どちらのメカニズムを使用しても長距離での効果的なスループットを拡張できることを述べておきます。
  • SONET/SDH のプロテクション メカニズム、たとえば UPSR や Subnetwork Connection Protection(SNCP)、2 および 4 ファイバ Bidirectional Line Switched Ring(BLSR; 双方向ライン スイッチ型リング)、Multiplex Section-Shared Protection Ring(MS-SPR)、1+1 Automatic Protection Switching/Multiplex Section Protection(APS/MSP)、または Path-Protected Mesh Networking(PPMN; パス プロテクション メッシュ ネットワーク)などが、要求されるネットワーク復元力のレベルを達成するために必要になります。
  • Cisco MDS 9000 ファミリのシスコ VSAN テクノロジーにより、ファブリックを実際にマージすることなく、同じ SONET/SDH を介した ISL 拡張を使用して複数の SAN ファブリックを転送できます。1,000 の異なる仮想ファブリックが、共通の回線を使用して展開し、転送できます。VSAN では、各複製インスタンスが利用可能な帯域幅のほんの少ししか必要としない場合、データ複製サービス用に複数の SAN を拡張するため、利用可能な転送用帯域幅を利用する効率的なメカニズムを提供します。
  • シスコの PortChanneling ISL 集約テクノロジーを使用すると、さまざまな拡張ファイバ チャネル ISL を論理 ISL に集約して、より効率的に帯域幅を使用できます。SONET/SDH ソリューションを使用して、それぞれ異なる SONET/SDH 回線を使用する 16 の ISL(PortChannel の最大数)に拡張でき、また、1 つの 32 Gbps ISL として集約できます。

使用上の推奨事項

SONET/SDH を介した SAN の拡張により、サービス プロバイダーと企業の両方が、SONET および SDH ネットワークの膨大な設置基盤を利用できるようになります。企業にとっては、スケーラブルな SONET/SDH の帯域幅オプションによるコスト効果の高さや長距離での SAN 拡張の適合性、保証されたパフォーマンスとサービスの品質など、さらに利点があります。サービス プロバイダーには、Fibre Channel-over-SONET/SDH によって、既存の SONET/SDH インフラストラクチャから追加の収益が得られ、迅速なサービス、統合管理と診断機能などを含む利点が追加されます。

Fibre Channel over IP

Fibre Channel over IP(FCIP)は、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)によって開発されたプロトコル仕様です。FCIP により、デバイスは IP ネットワークを使用して、ファイバ チャネル フレームを透過的に通過することができます。FCIP ゲートウェイまたはエッジ デバイスは、ファイバ チャネル スイッチに接続され、IP ネットワークへのインターフェイスを提供します。リモートの SAN アイランドでは、もう一方の FCIP デバイスで着信 FCIP トラフィックを受信し、ファイバ チャネル フレームを SAN に戻します。FCIP デバイスによってファイバ チャネル拡張ポートの接続性が提供され、1 つのファイバ チャネル ファブリックが作成されます。

FCIP のリモート接続性の主な利点の 1 つは、TCP/IP を使用して距離を延長できることです。しかし、距離を達成するためにパフォーマンスを代価にすることは、高価な WAN 帯域幅の完全な使用率を要求する IT 組織にとっては、受け入れられないトレードオフです。IETF RFC 1323 では、パフォーマンスについての TCP オプションが追加されており、標準の TCP ウィンドウ サイズを最大 1 GB まで拡大できます。TCP ウィンドウ サイズが広がると、長距離(遅延が増加する)での TCP 接続の全体にわたって、維持される帯域幅レートが増加します。Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールでは、最大 TCP ウィンドウ サイズを 32 MB にまで設定できます。実地試験の初期から、3,600 マイル以上に及ぶ距離での、非同期モードによるディスク複製が実行可能でした。さらに、長い転送距離でも達成可能です。理論上は、1 Gbps の帯域幅を使用した 32 MB の TCP ウィンドウでは、256 ミリ秒の遅延で 50,000 km(31,069 マイル)以上に延長可能です。

FCIP のもう 1 つの利点としては、IP サービスを提供する既存のインフラストラクチャを使用できることです。プライマリ データ センターと災害復旧サイトの間に IP 転送のためのルータを展開しており、QoS を有効化している IT 組織の場合、FCIP は SAN 拡張アプリケーションで今すぐ使用できます。SONET/SDH インフラストラクチャをすでに投資しているか、リースしている、大規模な IT 組織の場合には、追加のハードウェアを必要としないため、SAN 拡張サービスを追加する際に FCIP は最も高い柔軟性を提供します。

各種のリモート オフィスとセントラル オフィスにわたって SAN 拡張の展開が必要な企業の場合、FCIP 接続でのハブアンドスポーク構成も実現可能です。この場合、ディスク複製のようなアプリケーションは、それぞれ個別のオフィスにあるディスクアレイと、セントラル オフィスのディスクアレイの間に作成されますが、個別のオフィスのディスクアレイ自体の間では必ずしも作成されません。このシナリオで、最もコスト効果が高い展開は、ルータの間で FCIP を使用する方式です。

SONET を介した FCIP の場合、さまざまな構成が可能になります。図 7 では、基本的な構成例を示します。この構成では、Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールのギガビット イーサネット ポートが、Cisco ONS 15454 のギガビット イーサネット ポートに直接接続されています。このシナリオでは、専用のギガビット イーサネット ポートが Cisco ONS 15454 で利用できると仮定しています。図 8 で示すように、考えられる別の構成として、Cisco MDS 9000 と Cisco ONS 15454 の間にルータを組み込みます。この場合、Cisco ONS 15454 には必ずしもギガビット イーサネット カードが装備されているとはかぎりません。このため、ルータは Cisco MDS 9000 と Cisco ONS 15454 のギガビット イーサネット接続を結ぶ必要があります。ルータ上の VPN Acceleration Module を使用すると、このシナリオでさらにデータ圧縮も可能になります。図 9 で示すように、暗号化がビジネス要件となる場合には、VPN Services Module(VPNSM; VPN サービス モジュール)を装備した Cisco Catalyst 6500 シリーズのスイッチを構成に追加することもできます。さらに、図 10 で示すように、暗号化と圧縮が両方とも必要な場合には、ルータと VPNSM を装備した Cisco Catalyst 6500 シリーズの両方を組み込むことができます。


図 7
Cisco ONS 15454 への直接接続による、SONET を介したシスコの FCIP

図 8
ルータを使用して SONET を介したシスコ FCIP での圧縮

図 9
Cisco Catalyst 6500 シリーズのスイッチを使用して SONET を介したシスコの FCIP での暗号化


図 10
ルータおよび Cisco Catalyst 6500 シリーズのスイッチを使用して SONET を介した Cisco FCIP での暗号化と圧縮

技術的な考慮事項

Fibre Channel over IP を考慮する際は、次に示す技術的な問題に対処する必要があります。

  • 容量が制限された専用回線内で、データとストレージ トラフィック間の切り替えを可能にする場合、追加のプロビジョニングは不要です。自身の転送インフラストラクチャを管理していない企業のために、IP データとファイバ チャネル ストレージ トラフィックの両方の処理において、FCIP は最高の柔軟性を提供します。
  • コスト制限を考慮する場合、FCIP は既存の IP インフラストラクチャをすべて利用できるため、おそらく最もコスト効果が高いソリューションになります。最もシンプルなケースでは、SAN 拡張を開始するために必要なものは、2 つのロケーションの間に引かれた専用回線と 1 組のルータだけです。
  • 圧縮と暗号化が必要な場合は、IP ルータベースの圧縮と暗号化を使用できます。圧縮技術は、極めて長距離のストレージ拡張ネットワークで帯域幅を節約するのによく使用されています。
  • 複数のリモート オフィスがデータを複製してセントラル オフィスに返す必要がある場合、ルータを使用した FCIP 接続のハブアンドスポーク構成は、複数サイトにおけるディスク複製の SAN 拡張の、おそらく最もコスト効果が高い方式になります。
  • SONET を介した FCIP で、1 本の OC-48 専用回線を Fibre Channel over SONET 専用にすると費用がかかりすぎる場合は、STS-n(SONET)STM-n(SDH)帯域幅の倍数を使用して、SAN 拡張に向けたファイバ チャネル帯域幅の要件に対処することができます。
  • Cisco MDS 9000 ファミリのシスコ VSAN テクノロジーにより、ファブリックを実際にマージすることなく、IP 上に拡張した同じ ISL を使用して複数の SAN ファブリックを転送できます。1,000 の異なる仮想ファブリックが、共通の回線を使用して展開し、転送できます。シスコ VSAN では、各複製インスタンスが利用可能な帯域幅のほんの少ししか必要としない場合、データ複製サービス用に複数の SAN を拡張するため、利用可能な転送用帯域幅を利用する効率的なメカニズムを提供します。
  • シスコの PortChanneling ISL 集約テクノロジーを使用すると、さまざまな拡張ファイバ チャネル ISL を論理 ISL に集約して、より効率的に帯域幅を使用できます。 FCP ソリューションを使用して、それぞれ異なる IP 回線を使用する 16 の ISL(PortChannel の最大数)に拡張でき、また、1 つの 16 Gbps ISL として集約できます。

Cisco MDS 9000 プラットフォームについての詳細は、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/ps4358/

http://www.cisco.com/warp/public/cc/pd/ps4159/ps4358/prodlit/90ip_ds.htm

使用上の推奨事項

FCIP を使用した SAN の拡張は、SAN 拡張の最も透過的な方式を提供して、サービス プロバイダーと企業が IP インフラストラクチャの巨大な設置基盤を完全に使用できるようにします。これは、実際の転送には関係ありません。FCIP は、IP データやストレージ トラフィックの両方の使用に柔軟性が必要な環境に、最適な形で展開されます。また、暗号化や圧縮が必要な状況で、追加コストが発生することなく、既存の IP のスイッチングとルーティング インフラストラクチャを使用できます。

要約

前のセクションでは、さまざまなテクノロジー オプションと、SAN 拡張における展開上の考慮事項を説明しました。各テクノロジー、テクノロジー オプションを評価するための主な基準、シスコの SAN 拡張製品のリストを、表 2 に要約します。

表 2  SAN 拡張のオプション
  ダーク ファイバを介したファイバ チャネル  CWDM を介したファイバ チャネル  DWDM  SONET/SDH  FCIP 
サポートされる SAN のプロトコル

ファイバ チャネル

ファイバ チャネル

ファイバ チャネル、FICON、ESCON、IBM Sysplex Timer、IBM Coupling Facility

ファイバ チャネル、FICON

Fibre Channel over IP

サポートされる SAN の距離(比較目的のみの FCIP/ファイバ チャネル)

90 km(56 マイル)**

** CWDM SFP を使用、フィルタなしと仮定

60 ~ 66 km(37 ~ 41 マイル)**

** ポイントツーポイント構成と仮定

200 km まで(124 マイル)*

* 実際の距離は使用されるファイバの特性による

バッファ クレジット サポートにより 2,800 km(1,740 マイル)

末端アプリケーションの遅延許容による距離制限

** テストした最長距離は 5,800 km(3,604 マイル)

SAN 帯域幅のオプション(1 つのファイバ ペアにつき)

1 Gbps ファイバ チャネル(1.0625 Gbps)、2 Gbps ファイバ チャネル(2.125 Gbps)

1 Gbps ファイバ チャネル(1.0625 Gbps)、2 Gbps ファイバ チャネル(2.125 Gbps)、最大 8 チャネル

10 Gbps で最大 256 ファイバ チャネル/FICON チャネル、最大 1,280 ESCON チャネル、最大 32 チャネル

1 Gbps ファイバ チャネル(1.0625 Gbps)、サブレートで最大 32 チャネル

2 Gbps ファイバ チャネル(2.125 Gbps)、サブレートで最大 16 チャネル

1 Gbps ファイバ チャネル(1.0625 Gbps)

ネットワーク プロテクション オプション

Fabric Shortest Path First(FSPF)、PortChannel、VSAN に接続されていない

FSPF、PortChannel、VSAN に接続されていない

クライアント、1+1、Y 字型ケーブル、プロテクション スイッチ ファブリック、スイッチ ファブリック プロテクション トランク、プロテクション スイッチ モジュール、非プロテクション

UPSR/SNCP、2F および 4F BLSR/MS-SPR、PPMN、1+1 APS/MSP、非プロテクション

VRRP、冗長 FCIP トンネル、FSPF、PortChannel、VSAN に接続されていない

サポートされる他のプロトコル

-

CWDM フィルタもギガビット イーサネットをサポート

OC-3/12/48/192、STM-1/4/16/64、ギガビット イーサネット、10 ギガビット ファースト イーサネット、D1 ビデオ

DS-1、DS-3、OC-3/12/48/192、E-1、E-3、E-4、STM-1E、STM-1/4/16/64、
10/100 Mbps イーサネット、ギガビット イーサネット

-

シスコ製品

Cisco MDS 9000

Cisco MDS 9000、CWDM SFP、フィルタ

Cisco ONS 15530、Cisco ONS 15540、Cisco ONS 15454 MSTP

Cisco ONS 15454 MSPP(SONET および SDH)

Cisco MDS 9000、Cisco 7200、7400 シリーズ


図 11 は、ストレージ ネットワークおよび SAN 拡張に向けたシスコ エンドツーエンド ソリューションのセットを示します。


図 11
シスコ SAN ソリューション

規制要件と経営学により、ビジネス継続ソリューションは、企業にとって必須のものになってきました。SAN 拡張では、さまざまな方式やテクノロジーのオプションが、それぞれの利点と制限とともに利用できます。シスコでは、どのようなソリューションもそれ 1 つではすべてのアプリケーションには適合できないことを認識し、ストレージと光テクノロジーの両方に対して大規模な投資を行って、エンドツーエンド ストレージ ネットワークに対するお客様のニーズに応え、最も厳しいアプリケーション要件を満たします。

Cisco MDS 9000 ファミリは完全な製品ラインを提供して、すべての規模およびアーキテクチャのストレージ ネットワークに対する要求を満たします。これらの SAN アイランドを効率的に相互接続するために、シスコでは、CWDM、DWDM、および SONET/SDH テクノロジーにわたる、オプティカル トランスポート プラットフォームの完全なポートフォリオを提供します。Cisco Catalyst 4000 シリーズ、Cisco ONS 15454、Cisco ONS 15454 には、ネットワーク直径やサービスの種類、サービスの密度、復元力、パフォーマンス モニタリング、ネットワーク管理、コストにおいて、それぞれ固有の利点があります。Cisco FCIP のオプションにより、企業はすでに所有している IP インフラストラクチャを、さらなるネットワーク統合のために使用して、投資保護や、資本および運用コストの合理化を図ることができます。

シスコの SAN 拡張ソリューションは、EMC 社、IBM 社、HP 社および Hitachi Data Systems 社を含む、すべての主要なストレージ ベンダーからの認定を受けて、オープン インターフェイスを提供します。さらに、同じシスコ管理ツール(CiscoWorks、CiscoView、Cisco Transport Manager および Cisco IOS® コマンドライン インターフェイス)を使用することで、企業はこれらのソリューションを簡単かつ迅速に既存のネットワークに統合して、トレーニングおよび IT コストを一段と削減することができます。

参考資料

シスコ ストレージ ネットワーキング製品:

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/

シスコ オプティカル プラットフォーム:

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/

シスコ オプティカル ネットワーク管理用ソフトウェア:

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/opticsw/

シスコ ストレージ ネットワーキング ソリューション:

http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns258/net_solution_home.html

シスコ オプティカル ネットワーキング ソリューション:

http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns112/net_solution_home.html

シスコ ビジネス継続 ネットワーキング ソリューション:

http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns112/ns113/ns283/networking_solutions_package.html

シスコ データ センター ネットワーキング ソリューション:

http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns53/net_solution_home.html


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