White Paperストレージ エリア ネットワークを拡張するための選択肢について2003 年の第 1 四半期を調査対象とした IDC のレポートによれば、IT 産業のストレージ容量は、毎年 49 % の拡大を示しています。政府の規制が厳しくなり、長期に渡ってデータを保存しなければならなくなったことや、ビジネスの自動化によって生成されるデータの量が一段と多くなったことから、この成長傾向は今後も継続していくと予想されます。企業から必要とされる膨大な量のデータに対応するために、多くの IT 組織では、直接接続のストレージからストレージ エリア ネットワーク(SAN)に切り替えるようになってきました。後者のモデルでは、ストレージ リソースがホスト サーバから分離され、SAN のさまざまなサーバで共用されます。SAN の最も一般的なプロトコルには、ファイバ チャネルや Enterprise Systems Connection(ESCON)、IBM Fiber Connection(FICON)などが含まれています。 広範囲にわたる停電やテロリズムの脅威の可能性、天災などは、未だに多くの IT 企画者の記憶に新しいため、局地的な大災害からデータ センターを保護するように設計されている災害復旧アプリケーション(たとえばジオクラスタリングやリモートのディスク複製)は、急を要する課題になっています。元々 SAN のプロトコルは、ほとんどがキャンパス内か、最大でもメトロポリタン エリア内で機能するように設計されていました。このため、SAN が地理的に分散できるように、追加の転送方式が求められています。 この文書では、SAN 拡張のさまざまなオプションについて説明します。 SAN 拡張における展開上の考慮事項SAN を拡張するためのテクノロジーやソリューションを選択する前に、ビジネスを動かす要因や技術的なシステム要件、インフラストラクチャおよびサービスのアベイラビリティを慎重に考える必要があります。これらについて、以下に概説します。 ビジネスを動かす要因
技術的なシステム要件
同期複製 ビジネス継続の要件が、複数の同期のとれたデータのコピーを、複数のサイトやデータ センターに持つことを決定する際に、同期複製が使用されます。すべてのディスク書き込み操作は、ネットワークをわたって代替のデータ センターのストレージ アレイに、同期で複製されます。インテリジェント コントローラ上にある同期アプリケーションは、両方のディスク ドライブがデータの書き込みを完了するまで待機し、その後、入出力(I/O)の要求元または発信側に確認応答を返信します。 同期複製は、ローカルの高速接続(低遅延)またはメトロ オプティカル ネットワークで最適化され、データの整合性に関するリスクを最小限にします(図 1)。複製は本質的にリアルタイムで実施されるため、データの整合性に関するリスクは、本番のデータ センターで障害が発生した場合に、予備のデータ センターに正確な最新データが存在するかどうかということによります。伝送距離が長くなるほど、遅延も大きくなります。遅延はスループットの主な決定要素です。遅延はホスト サーバのトランザクション レートにも影響を及ぼします。伝送距離とスループットの関係については、後で説明します。 図 1 同期複製 ![]() 非同期複製 非同期複製は、通常、低速のリモート接続に使用されます。たとえば、カリフォルニアのデータ センターでは、カンザスのデータ センターに対して非同期複製を使用します。非同期複製アプリケーションは、その前に行われた入出力操作から送信される確認応答を第一に待たずに、ミラー サイトに入出力要求を送信します。未確定処理の数は、アプリケーション間で変化することに注目してください。このため、可能な未確定処理が増えるほど、同じリンク速度が維持できる遅延の長さも長くなります。 表 1 は、主なストレージ ベンダーによる、同期および非同期アプリケーションの要約です。 表 1 ストレージ ベンダーのアプリケーション
ファイバ チャネル ファイバ チャネルは、ANSI によって開発された一連の階層化ネットワーク プロトコルであり、一般に、ホスト サーバとストレージ デバイス間のネットワーキングや、ストレージ デバイス間のネットワークに使用されます。転送速度は、1.0625 Gbps と 2.125 Gbps の 2 種類です。ファイバ チャネルの最大距離は、シングルモード ファイバ接続で約 10 キロメートル(6.2 マイル)になります。 長距離でファイバ チャネルを透過的に拡張する場合に起きる主な問題は、フロー制御のメカニズムやアプリケーションの効果的な入出力パフォーマンスに関する潜在的な影響によって発生します。入力バッファがオーバーランしてファイバ チャネル フレームが廃棄されないことを保証するために、バッファ間クレジットのシステムは、ストレージやホスト デバイスの転送にスロットル メカニズムを提供して、フレームのフロー速度を低下させます。一般原則では、1 Gbps の帯域幅を維持するために、2 km(1.2 マイル)ごとにバッファ間クレジットが 1 つ必要です。2 Gbps の場合は、1 つのリンク上の 2 つのインターフェイス間で、1 km(0.6 マイル)ごとにバッファ間クレジットが 1 つ必要になります。これらの数は、フルサイズのファイバ チャネル フレーム(2,148 バイト)使用する場合です。これより小さいフレームを使用する場合、必要なバッファ クレジットの数は大幅に増加します。適所で SAN 拡張の方式を使用しない場合、一般的なファイバ チャネル ファブリックは 10 km(6.2 マイル)を越えることができません。ファイバ チャネルの SAN 拡張 をもっと長い距離に延ばすためには、必ず Cisco® MDS 9000 ファミリなどの SAN のスイッチを使用して、インライン バッファ クレジットを追加します。大部分のストレージ デバイスは、それ自体のクレジットをほとんどサポートしないため(9 以下)、ストレージ アレイを直接拡張する機能が制限され、これらのクレジットが要求されます。 ESCON Enterprise Systems Connection(ESCON)は 200 Mbps の単方向シリアル ビット伝送プロトコルであり、IBM または IBM 互換のメインフレームを、それらのさまざまな制御装置と動的に接続するために使用されます。ESCON は、ポイントツーポイント接続または、ESCON Director と呼ばれる高速スイッチのどちらかを通じて、非ブロック化アクセスを提供します。全長が 8 km(5 マイル)を超える場合、ESCON のパフォーマンスに大きな影響が出ます。 FICON FICON(IBM Fiber Connection)は次世代の双方向チャネル プロトコルであり、メインフレームを制御装置、または ESCON 集約スイッチ(ブリッジ カードを装備した ESCON Director)に直接接続するために使用されます。FICON は、ファイバ チャネルを使用して、1,062 Gbps のデータ レートで実行します。FICON の主な利点の 1 つに、伝搬する距離全体にわたってパフォーマンスが安定している、という点があります。データのスループットで大幅な低下が発生する前に、FICON は 100 km(62 マイル)もの長距離に到達できます。
インフラストラクチャおよびサービス アベイラビリティさまざまな SAN 拡張の選択肢を検討する際の、もう 1 つの変数は、既存の企業インフラストラクチャまたはサービス プロバイダー ソリューションのアベイラビリティです。次のセクションでは、関連する可能性のあるテクノロジーの選択肢を説明します。 場合によっては、最終的なテクノロジーの決定に影響する可能性がある機器(ファイバ チャネル スイッチ、チャネル エクステンダ、IP ルータ、SONET/SDH)を、すでに企業が所有しているかもしれません。
SAN 拡張テクノロジーの選択肢の概要ダーク ファイバ場合によっては、企業がダーク ファイバを所有していたり、アクセスしています。その場合、メトロやそれ以上の規模で SAN を拡張する場合に利用できるオプションが増えます。前のセクションで説明したように、展開上の考慮事項に左右されることから、企業はダーク ファイバを使用した次のソリューションを 1 つ以上実装することを選択する可能性があります。
後半の 3 つのオプションについては次のセクションで詳細に説明するので、このセクションの残りの部分では、最初のオプションであるダーク ファイバを使用したネイティブのファイバ チャネルの詳細に目を向けることにします。図 2 は、Cisco MDS 9000 マルチレイヤ ファブリック スイッチが、さまざまなシングルモード ファイバのパスによって直接接続されている様子を示しています。 図 2 ダーク ファイバを使用したネイティブのファイバ チャネル ![]() Cisco MDS 9000 ファミリ製品についての詳細は、次の URL を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/ps4358/ 技術的な考慮事項
![]() 使用上の推奨事項図 2 に示すソリューションでは、さまざまな利点を提供できます。これは企業がキャパシティ要件を十分満たすダーク ファイバをもち、ロケーションの間隔が 90 km未満と仮定した場合です。このソリューションでは、あらゆる種類の外部伝送や、ネットワークからのメディア変換が排除されます。このため、最も簡素な実装であり、管理しやすい方法となります。このソリューションでは、先行投資費用を低く抑えて、展開間隔を短くすることができます(すでにファイバが配備されているか、リースされていると仮定)。また、主として機器要件を緩和したことなどから、低い運用コストを実現できます。 Coarse Wavelength Division MultiplexingCWDM は便利でコスト効果が高いメカニズムを提供して、ロケーションの間で消費されるファイバの数を最小限に抑えながら、ネットワーク帯域幅を増加させます。Cisco MDS 9000 ファミリで CWDM SFP を使用したり(前のセクションで説明したように)、シスコのパッシブ CWDM フィルタ ソリューションを追加することによって、企業は簡単にまたコスト面で効果的に、ネットワーク帯域幅を拡張することができます。Cisco CWDM ソリューションは、シングル ファイバ ペアを使用して、最大 8 チャネルを提供します。それぞれの伝送能力は、1 Gbps または 2 Gbps ファイバ チャネルです。シスコでは、シングル ファイバの、4 チャネルをサポートする双方向 CWDM フィルタも提供します。企業のファイバが厳しく制約されているか、シングル ファイバをリースする費用を正当化するので精一杯の場合、双方向フィルタは完全なソリューションを提供します。 このセクションで説明した CWDM フィルタ ソリューションは、CWDM SFP と業界をリードする Cisco Catalyst® スイッチで使用可能な Gigabit Interface Converters(GBIC; ギガビット インターフェイス コンバータ)とも併用できます。これにより企業では、ギガビット イーサネットのデータ接続と SAN 拡張の接続を、同じファイバを使用して自由に組み合せることが可能になり、より高度なネットワークの最適化を図ることができます。 Cisco CWDM ソリューションについての詳細は、次の URL を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/tech/tk713/tk772/tech_relevant_products.html CWDM SFP とフィルタにより接続された Cisco MDS 9000 マルチレイヤ ファブリック スイッチを、図 3 に示します。 図 3 Cisco MDS 9000 のスイッチを使用した CWDM フィルタ ソリューション ![]() 技術的な考慮事項
![]() 使用上の推奨事項図 3 に示すソリューションは、CWDM SFP とフィルタが追加された点を除けば、図 2 の最初のシナリオと同じです。このソリューションには、ファイバ要件の緩和という利点が追加され、最初のシナリオで説明したものと同じ利点が多数あります。シスコでは、さまざまなネットワーク トポロジをサポートするだけでなく、1 ファイバまたは 2 ファイバの実装や、シングル チャネルの追加と削除もサポートする、柔軟な CWDM フィルタ オプションを提供しています。 Dense Wavelength Division MultiplexingCWDM のように、DWDM もコスト効果が高いメカニズムを提供して、ロケーションの間で消費されるファイバの数を最小限に抑えながら、ネットワーク帯域幅を増加させます。ただし、ダーク ファイバを使用したファイバ チャネル、または前述の CWDM を使用したファイバ チャネル ソリューションは、多くの場合、ミッション クリティカルなデータを伝送するための SAN 拡張の設計要件を完全には満たさない可能性があります。DWDM によって提供されるソリューションでは、ファイバ チャネルや FICON、ESCON、IBM Sysplex および Coupling Link プロトコルなどの重要なプロトコルがサポートできる、高速で低遅延のネットワークを使用して、高密度集約を提供します。さらに、DWDM では、ストレージだけでなくデータ(ギガビット イーサネット、10 ギガビット イーサネット)や音声、ビデオを含めた、異なる複数のプロトコルのネットワーク統合もサポートします。 シスコのメトロ DWDM システムでは、より大きなネットワーク容量(8 CWDM チャネルの最高 16 Gbps と比較して、32 DWDM チャネルで最高 320 Gbps)、高密度のサービス集約、広範囲のクライアント インターフェイス全体にわたってサービスの透過性を可能にするための柔軟なトランスポンダ オプション、包括的なサービス プロテクション オプション、および超長距離をサポートするために必要な増幅を提供します。提供されるサービス集約機能の例として、Cisco ONS 15530 では、8 のファイバ チャネルまたは FICON サービスを 1 つの波長に集約したり、40 の ESCON サービスを 1 つの波長に集約したりできます。複数の Cisco ONS 15530 プラットフォームを展開して、256 のファイバ チャネル、FICON、またはギガビット イーサネット インターフェイスをサポートできます。あるいは、ファイバ ペアにつき 1,280 の ESCON チャネルをサポートできます。これにより、お客様はファイバの伝送容量を最大化できます。DWDM の展開にファイバ チャネル バッファ間クレジット メカニズムを使用すると、メトロ DWDM ネットワーク全体に、ストレージ アプリケーションを拡張できます。 図 4 に、シスコのメトロ DWDM オプションを示します。 サポートされるネットワーク トポロジや、サービス インターフェイス オプションのより包括的な概要については、シスコの販売担当者にご請求していただくか、次の URL からシスコ オンライン技術資料を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2011/ http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2006/ps5320/ 図 4 シスコのメトロ DWDM オプション ![]() 図 5 に、Cisco ONS 15530 メトロ DWDM の ESCON、ギガビット イーサネット、ファイバ チャネルの高密度サービスの集約を示します。 図 5 Cisco ONS 15530 メトロ DWDM ![]() 技術的な考慮事項次に示す技術的な考慮事項により、DWDM が SAN 拡張のために要求される(または最適な)テクノロジーの選択肢になる場合があります。
使用上の推奨事項シスコの メトロ DWDM システムは、可用性の高いメトロ オプティカル ネットワークを使用して、ミッション クリティカルなストレージ、データおよび既存のアプリケーションを伝送するように設計されています。これらのプラットフォームは、主要なシステムやストレージ ベンダーによって認定されているか、認定の過程にあります。ベンダーには、GDPS アプリケーションの IBM 社、SRDF アプリケーションの EMC 社、TrueCopy アプリケーションの Hitachi Data Systems 社、Continuous Access アプリケーションの Hewlett Packard 社などがあります。さまざまな SAN 拡張の要件を考慮したとき、シスコのメトロ DWDM システムは、最も高度な柔軟性と投資保護を提供します。 SONET/SDHSONET/SDH ベースのネットワークは、1980 年代の中頃から、サービス プロバイダーや企業のプライベート ネットワークに広く展開されました。SONET/SDH テクノロジーは、電気とクライアントの光インターフェイスの組み合わせを転送する、信頼性およびコスト効果が高い手段として認知され、信頼されています。近年では、イーサネット サービスと DWDM の統合などの追加機能によって、SONET/SDH ネットワーク要素の適応性がさらに広がっています。絶え間なく変化するネットワーク要件と広範囲に及ぶ展開に対処して、進化する能力が実証されたため、SONET/SDH は、SAN 拡張を含む多くのサービスを提供できる、有用なテクノロジーとして存続しています(図 6)。 シスコは、進化可能な機能を SONET/SDH ネットワークに導入することにおいて、業界をリードしてきました。すでに展開されている Cisco ONS 15454 Multiservice Provisioning Platform(MSPP; マルチサービス プロビジョニング プラットフォーム)システムは、33,000 以上になります。これには、45,000 以上のイーサネットまたはファースト イーサネット ポートと、4,000 以上のギガビット イーサネット ポートが含まれます。シスコシステムズ® は、SL シリーズの Fibre Channel-over-SONET/SDH モジュールを導入することで、この Multiservice-over-SONET/SDH(MSO)におけるリーダーシップを維持する予定です。SL シリーズ モジュールによって、シスコはファイバ チャネルの転送空間を 100 % カバレッジできるようになり、メトロポリタンおよび地域ネットワークとそれ以上の規模のネットワークにおいて、データ センターおよび企業のストレージが必要なエンドツーエンドのカバレッジを提供します。 Cisco ONS 15454 MSPP プラットフォームおよび Multiservice-over-SONET/SDH の戦略についての詳細は、次の URL を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2006/ps2010/ http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ps2006/ps2008/ 図 6 シスコの Fibre Channel over SONET/SDH ![]() 技術的な考慮事項Fibre Channel-over-SONET/SDH ソリューションを考慮する際には、次に示す技術的問題を検討する必要があります。(このドキュメントの後半で説明する Fibre Channel over IP(FCIP)と連携して、SONET/SDH を使用するためのオプションも示します)。
使用上の推奨事項SONET/SDH を介した SAN の拡張により、サービス プロバイダーと企業の両方が、SONET および SDH ネットワークの膨大な設置基盤を利用できるようになります。企業にとっては、スケーラブルな SONET/SDH の帯域幅オプションによるコスト効果の高さや長距離での SAN 拡張の適合性、保証されたパフォーマンスとサービスの品質など、さらに利点があります。サービス プロバイダーには、Fibre Channel-over-SONET/SDH によって、既存の SONET/SDH インフラストラクチャから追加の収益が得られ、迅速なサービス、統合管理と診断機能などを含む利点が追加されます。 Fibre Channel over IPFibre Channel over IP(FCIP)は、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)によって開発されたプロトコル仕様です。FCIP により、デバイスは IP ネットワークを使用して、ファイバ チャネル フレームを透過的に通過することができます。FCIP ゲートウェイまたはエッジ デバイスは、ファイバ チャネル スイッチに接続され、IP ネットワークへのインターフェイスを提供します。リモートの SAN アイランドでは、もう一方の FCIP デバイスで着信 FCIP トラフィックを受信し、ファイバ チャネル フレームを SAN に戻します。FCIP デバイスによってファイバ チャネル拡張ポートの接続性が提供され、1 つのファイバ チャネル ファブリックが作成されます。 FCIP のリモート接続性の主な利点の 1 つは、TCP/IP を使用して距離を延長できることです。しかし、距離を達成するためにパフォーマンスを代価にすることは、高価な WAN 帯域幅の完全な使用率を要求する IT 組織にとっては、受け入れられないトレードオフです。IETF RFC 1323 では、パフォーマンスについての TCP オプションが追加されており、標準の TCP ウィンドウ サイズを最大 1 GB まで拡大できます。TCP ウィンドウ サイズが広がると、長距離(遅延が増加する)での TCP 接続の全体にわたって、維持される帯域幅レートが増加します。Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールでは、最大 TCP ウィンドウ サイズを 32 MB にまで設定できます。実地試験の初期から、3,600 マイル以上に及ぶ距離での、非同期モードによるディスク複製が実行可能でした。さらに、長い転送距離でも達成可能です。理論上は、1 Gbps の帯域幅を使用した 32 MB の TCP ウィンドウでは、256 ミリ秒の遅延で 50,000 km(31,069 マイル)以上に延長可能です。 FCIP のもう 1 つの利点としては、IP サービスを提供する既存のインフラストラクチャを使用できることです。プライマリ データ センターと災害復旧サイトの間に IP 転送のためのルータを展開しており、QoS を有効化している IT 組織の場合、FCIP は SAN 拡張アプリケーションで今すぐ使用できます。SONET/SDH インフラストラクチャをすでに投資しているか、リースしている、大規模な IT 組織の場合には、追加のハードウェアを必要としないため、SAN 拡張サービスを追加する際に FCIP は最も高い柔軟性を提供します。 各種のリモート オフィスとセントラル オフィスにわたって SAN 拡張の展開が必要な企業の場合、FCIP 接続でのハブアンドスポーク構成も実現可能です。この場合、ディスク複製のようなアプリケーションは、それぞれ個別のオフィスにあるディスクアレイと、セントラル オフィスのディスクアレイの間に作成されますが、個別のオフィスのディスクアレイ自体の間では必ずしも作成されません。このシナリオで、最もコスト効果が高い展開は、ルータの間で FCIP を使用する方式です。 SONET を介した FCIP の場合、さまざまな構成が可能になります。図 7 では、基本的な構成例を示します。この構成では、Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールのギガビット イーサネット ポートが、Cisco ONS 15454 のギガビット イーサネット ポートに直接接続されています。このシナリオでは、専用のギガビット イーサネット ポートが Cisco ONS 15454 で利用できると仮定しています。図 8 で示すように、考えられる別の構成として、Cisco MDS 9000 と Cisco ONS 15454 の間にルータを組み込みます。この場合、Cisco ONS 15454 には必ずしもギガビット イーサネット カードが装備されているとはかぎりません。このため、ルータは Cisco MDS 9000 と Cisco ONS 15454 のギガビット イーサネット接続を結ぶ必要があります。ルータ上の VPN Acceleration Module を使用すると、このシナリオでさらにデータ圧縮も可能になります。図 9 で示すように、暗号化がビジネス要件となる場合には、VPN Services Module(VPNSM; VPN サービス モジュール)を装備した Cisco Catalyst 6500 シリーズのスイッチを構成に追加することもできます。さらに、図 10 で示すように、暗号化と圧縮が両方とも必要な場合には、ルータと VPNSM を装備した Cisco Catalyst 6500 シリーズの両方を組み込むことができます。 図 7 Cisco ONS 15454 への直接接続による、SONET を介したシスコの FCIP ![]() 図 8 ルータを使用して SONET を介したシスコ FCIP での圧縮 ![]() 図 9 Cisco Catalyst 6500 シリーズのスイッチを使用して SONET を介したシスコの FCIP での暗号化 ![]() 図 10 ルータおよび Cisco Catalyst 6500 シリーズのスイッチを使用して SONET を介した Cisco FCIP での暗号化と圧縮 ![]() 技術的な考慮事項Fibre Channel over IP を考慮する際は、次に示す技術的な問題に対処する必要があります。
Cisco MDS 9000 プラットフォームについての詳細は、次の URL を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/ps4358/ http://www.cisco.com/warp/public/cc/pd/ps4159/ps4358/prodlit/90ip_ds.htm 使用上の推奨事項FCIP を使用した SAN の拡張は、SAN 拡張の最も透過的な方式を提供して、サービス プロバイダーと企業が IP インフラストラクチャの巨大な設置基盤を完全に使用できるようにします。これは、実際の転送には関係ありません。FCIP は、IP データやストレージ トラフィックの両方の使用に柔軟性が必要な環境に、最適な形で展開されます。また、暗号化や圧縮が必要な状況で、追加コストが発生することなく、既存の IP のスイッチングとルーティング インフラストラクチャを使用できます。 要約前のセクションでは、さまざまなテクノロジー オプションと、SAN 拡張における展開上の考慮事項を説明しました。各テクノロジー、テクノロジー オプションを評価するための主な基準、シスコの SAN 拡張製品のリストを、表 2 に要約します。
表 2 SAN 拡張のオプション
図 11 は、ストレージ ネットワークおよび SAN 拡張に向けたシスコ エンドツーエンド ソリューションのセットを示します。 図 11 シスコ SAN ソリューション ![]() 規制要件と経営学により、ビジネス継続ソリューションは、企業にとって必須のものになってきました。SAN 拡張では、さまざまな方式やテクノロジーのオプションが、それぞれの利点と制限とともに利用できます。シスコでは、どのようなソリューションもそれ 1 つではすべてのアプリケーションには適合できないことを認識し、ストレージと光テクノロジーの両方に対して大規模な投資を行って、エンドツーエンド ストレージ ネットワークに対するお客様のニーズに応え、最も厳しいアプリケーション要件を満たします。 Cisco MDS 9000 ファミリは完全な製品ラインを提供して、すべての規模およびアーキテクチャのストレージ ネットワークに対する要求を満たします。これらの SAN アイランドを効率的に相互接続するために、シスコでは、CWDM、DWDM、および SONET/SDH テクノロジーにわたる、オプティカル トランスポート プラットフォームの完全なポートフォリオを提供します。Cisco Catalyst 4000 シリーズ、Cisco ONS 15454、Cisco ONS 15454 には、ネットワーク直径やサービスの種類、サービスの密度、復元力、パフォーマンス モニタリング、ネットワーク管理、コストにおいて、それぞれ固有の利点があります。Cisco FCIP のオプションにより、企業はすでに所有している IP インフラストラクチャを、さらなるネットワーク統合のために使用して、投資保護や、資本および運用コストの合理化を図ることができます。 シスコの SAN 拡張ソリューションは、EMC 社、IBM 社、HP 社および Hitachi Data Systems 社を含む、すべての主要なストレージ ベンダーからの認定を受けて、オープン インターフェイスを提供します。さらに、同じシスコ管理ツール(CiscoWorks、CiscoView、Cisco Transport Manager および Cisco IOS® コマンドライン インターフェイス)を使用することで、企業はこれらのソリューションを簡単かつ迅速に既存のネットワークに統合して、トレーニングおよび IT コストを一段と削減することができます。 参考資料シスコ ストレージ ネットワーキング製品:http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/ シスコ オプティカル プラットフォーム: http://www.cisco.com/en/US/products/hw/optical/ シスコ オプティカル ネットワーク管理用ソフトウェア: http://www.cisco.com/en/US/products/sw/opticsw/ シスコ ストレージ ネットワーキング ソリューション: http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns258/net_solution_home.html シスコ オプティカル ネットワーキング ソリューション: http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns112/net_solution_home.html シスコ ビジネス継続 ネットワーキング ソリューション: http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns112/ns113/ns283/networking_solutions_package.html シスコ データ センター ネットワーキング ソリューション: http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns110/ns53/net_solution_home.html |













