White PaperMDS 9000 ファミリのマルチレイヤ スイッチを使ったファイバ チャネル over IP の設計はじめにデータ分散、データ保護、およびビジネス継続の各戦略は、今日の情報中心のビジネスの重要なコンポーネントです。世界規模で重要なデータを効率的に複製する機能は、重要な企業情報をより安全に保護するだけでなく、バックアップ リソースの活用の向上、単一サイトでの壊滅的な障害による影響の抑制、ストレージ所有総コストの削減などを実現できます。Cisco® MDS 9000 ファミリのマルチレイヤ ディレクタとファブリック スイッチは、現在の重要な Storage-Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)インフラストラクチャを構築する上でのスケーラビリティ、パフォーマンス、およびアベイラビリティの面で、業界をリードするものです。企業が、ビジネス継続ソリューション実現のために SAN 環境を長距離にわたって外部へ拡張することを検討する際には、Cisco MDS 9000 が業界唯一の統合ソリューションを提供します。Cisco MDS 9000 ファミリで IP ストレージ サービス モジュール(IPS Module)を使用することにより、SAN の設計者は、オープン スタンダードの ファイバ チャネル over IP(FCIP)プロトコルを使って、現在のファイバ チャネル ソリューションが抱える距離の障壁を克服し、長距離を隔てた SAN アイランドの相互接続を可能にすることができます。カスタマーは、Cisco Fabric Manager による統合管理機能に加え、FCIP に対して Cisco MDS 9000 ソリューションを使用することにより、高速かつ長距離対応の SAN 拡張アプリケーションに必要な転送を実現する統合ソリューションを活用することができます。 この文書では、Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module の概要を詳細に説明し、IPS Module をストレージ環境に実装する場合の設計指針と推奨事項についても説明します。 Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールCisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールは、FCIP や iSCSI などの大容量の統合 IP ストレージ サービスを、Cisco MDS 9000 ファミリのマルチレイヤ ディレクタやファブリック スイッチで使用することを考慮して設計されています。 各 IPS Module には 8 個のギガビット イーサネット ポートが搭載され、各ポートは 3 本の FCIP トンネルおよび iSCSI のターゲット機能を同時にサポートしています。 この構成では、最大 24 本の FCIP トンネルと 8 個の iSCSI ターゲット インターフェイスがすべて同時にサポートされます。 このポート容量に加え、次の機能もサポートされています。
B_Port モードへの切り替え機能を装備した Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス モジュールでは、Cisco 7200/7400 ルータ製品ライン用の Cisco FCIP ポート アダプタ モジュール(PA-FC-1G)など、ブリッジング ポート(B_Port)デバイスとの互換性が考慮されています。 FCIP によるリモート接続の拡張リモート接続に関する FCIP の主要な利点の 1 つは、TCP/IP を使って、距離を伸ばすことができる点です。 ただし、パフォーマンスを犠牲にして距離を伸ばすということは、コストのかかる WAN 帯域幅の完全活用を必要とする IT 組織にとって受け入れることができないトレードオフです。 IPS Module により、標準 TCP と比べて大幅に拡張された距離を経由して、効率的に全帯域幅が使用できる高性能な TCP 拡張(RFC 1323)が実装されます。 IETF RFC 1323 では、標準の TCP ウィンドウ サイズを最大 1 GB まで拡張する機能など、パフォーマンス用の TCP オプションが追加されています。 TCP ウィンドウのサイズが大きくなるにつれて、長距離の TCP 接続を越えて維持される帯域幅レートも増加します(遅延も増加します)。 Cisco MDS 9000 IPS Module では、TCP ウィンドウの最大サイズは 32 MB まで設定可能です。 SAN セキュリティと安定性の改善Cisco MDS 9000 ファミリの VSAN 機能を使用すると、ネットワークに接続されていない仮想 SAN ファブリックを共通の物理インフラストラクチャ内に構築して、SAN の分離性と安定性を損なうことなく、コストのかかる SAN アイランドを統合することができます。 VSAN では、単一の物理 SAN ファブリック内でハードウェアベースの分離環境を複数サポートすることにより、SAN の利用効率が向上します。 各 VSAN は、一般的な SAN アイランドと同じようにゾーン分けすることができ、スケーラビリティと復元力の向上のため、ファブリック サービスを維持します。VSAN を使用すると、SAN インフラストラクチャのコストをより多くのユーザ間で共有することができると同時に、必要とされるトラフィックの分離とセキュリティが実現できます。また VSAN では、1 つ 1 つの VSAN ごとに個別に制御と構成を行うこともできます。 Cisco MDS 9000 IPS Module により、FCIP トンネルを介して VSAN を拡張することができます。 VSAN テクノロジーでは、VSAN に属するものとしてフレームを識別するフレーム タグ メカニズムが実装されるため、こうしたタグ付きフレームも IPS Module 上の FCIP を介してトンネリングすることが可能です。 したがってユーザは、仮想 ISL、および複数の VSAN から分離されたトラフィックを搬送する仮想拡張 ISL(EISL)を拡張することができます。 FCIP 接続を介した複数の VSAN の搬送機能により、分離を維持しつつ、共通のワイド エリア サービスを複数の VSAN で共有することが可能になります。 たとえば、データ センターでリモート データの複製に、2 つの異なるインスタンスが使われている場合、1 つのインスタンスは 1 つの VSAN に分離可能で、2 つ目のインスタンスは、2 番目の VSAN に分離可能です。 これにより、共通する FCIP リンク内で、厳格に分離されたこの 2 つの VSAN をリモート データ センターまで拡張し、それぞれを対応するディスクアレイに接続することができます。 図 1Cisco MDS 9000 IPS Module を使用した FCIP の展開例 ![]() FCIP ネットワークを設定するためのベスト プラクティスIP ネットワークの観点から見た場合、各 FCIP トンネルは、1 組の静的な IP アドレスと TCP ポート番号(デフォルトでは 3225)が割り当てられた TCP ポートを必要とします。 ベスト プラクティスは、ワイド エリア ネットワーク全体に広がる複数のトンネルを使って、各 FCIP トンネルに個別のサブネットを割り当てることです。 Quality of Service(QoS)を実装することは絶対的な要件ではありませんが、FCIP トラフィックに高い優先度が割り当てられ、ネットワーク遅延と輻輳に起因するパフォーマンス低下を最小に抑えるため、QoS を使用することを強く推奨します。 ネットワークの異常を容認するように FCIP タイムアウトを調整することはできますが、ディスク複製ソフトウェアなどの上位レイヤ アプリケーションはそれほど寛容でない可能性があります。 したがって、IP レイヤにおける使用可能な FCIP 帯域幅を保護すると、SAN 拡張ソリューション全体の安定したパフォーマンスが大幅に向上します。 FCIP 帯域幅の要件を決定する場合、リモート サイト間の距離、アプリケーションの修復に必要な時間、ネットワークのフェールオーバー時間、およびダウンタイムのコストなどを考慮する必要があります。 ディスクの同期複製の 1 インスタンスでは、通常 1 秒当たり 15 ~ 20 MB のネットワーク帯域幅が必要です。 データ ネットワーキングでは、OC-3(155 Mbps)レートが、ほぼ最小の要件です。 しかしながら、長距離を隔てたアクティブなドライブ間の同期複製を実際に義務づけているストレージ災害復旧設計はほとんどありません。 むしろ、ローカルなディスク同期複製が実行され、通常の場合、ミラーリング コピーはリモート ディスクにオフラインでバックアップされます。 したがって一般的な SAN 拡張設計の場合、はじめのうちは OC-3 レート以下の帯域幅でも十分です。 FCIP を使用している SAN 拡張は、長距離(100 Km 以上)を隔てたリモートディスク用のディスク複製に使用されることがほとんどですが、この FC カプセル化テクノロジーには、別の使用方法も考えられます。 IP インフラストラクチャに多額の投資をし、投資の何割かをストレージ複製に使用することを望む組織は、FCIP を使用すれば、ネイティブなファイバ チャネル拡張を行うためにファイバを追加する必要はありません。 ネットワークに接続されていない組織内のさまざまな SAN を相互接続することによって、ディスクとテープの使用状況を向上させることができます。 また、ファイバ チャネル インフラストラクチャを拡張するためにメトロ光ソリューションを実装する際に、コストが限られているような状況では、FCIP は比較的コストがかからない選択肢となります。 超長距離(大陸規模の SAN 拡張、1000 Km 以上)の場合は、長距離 IP インフラストラクチャを介した FCIP も実装可能です。 IPS Module 設計と設計時の考慮要因Cisco MDS 9000 ファミリ IP ストレージ サービス モジュールを使って、FCIP SAN 拡張ソリューションを設計する場合、考慮しなければならない複数の設計要因があります。 これらの設計要因は、FCIP 接続の実現可能な距離とパフォーマンスを決定する場合に役立ちます。 次のセクションでは、展開環境とサービス目的に合わせて最適化しなければならない調整可能なパラメータについて説明します。 TCP パラメータの設定前述のように、FCIP では、基本転送プロトコルとして TCP/IP が使用されています。 IPS Module 内で使用されている TCP 実装では、IETF RFC 1323 - TCP Extensions for High Performance の記載に従って、高速なパフォーマンスを実現可能にする TCP オプションが活用されています。 SAN 拡張用に FCIP トンネルの設計と設定を行う場合、Maximum Window Size(MWS; 最大ウィンドウ サイズ)およびパスの Maximum Transmission Unit(MTU; 最大転送単位)として、こうした TCP パラメータを考慮する必要があります。 さらに、ソリューションの設計と設定を行う場合に、高可用性が持つさまざまな側面を考慮する必要もあります。 TCP Maximum Window Size の設定TCP 設定の観点から見た場合、ネットワークの遅延の増加に伴い、TCP Maximum Window Size を増やす必要があります。 この関係が成り立つのは、TCP にウィンドウの確認応答機構が組み込まれているためです。 TCP では、各 MWS に相当するデータは、もう一方の側で確実に受信したものとして確認応答されなければなりません。 したがって、ネットワークの遅延に対して MWS が小さすぎると、リモート エンドからの TCP 確認応答を待っている遅延の影響により、FCIP 接続で事実上スロットリングが発生します。 しかし MWS が不必要に大きすぎると、TCP パケットが失われたり、破損した場合に、より多くのデータ(全 MWS)を再送信しなければなりません。 したがって、帯域幅が持つ潜在能力を完全活用した上で、しかも送信中の TCP パケットの喪失や破損による影響を抑えるために必須の均衡点というものがあります。 Cisco MDS 9000 IPS Module の場合、デフォルトの MWS は 64 KB で、最大 32 MB まで拡張できます。 通常、MWS はネットワークの帯域幅(B)と、IP パケットのラウンド トリップ時間(ここでは遅延(D)として表記)に基づいて計算されます。 したがって、MWS はネットワークの帯域幅(B)と遅延時間(D)の積よりも大きくなければなりません。 MWS > B × D ここで、B はビット/秒で表されたエンドツーエンドの帯域幅(ネットワーク パス内で最も遅いリンク)、D は秒で表された遅延(ラウンドトリップにかかる時間)です。 たとえば、ネットワークの帯域幅が 155 Mbit/秒(OC3)で、遅延が 10 ms であると測定された場合、MWS は最低 194 KB でなければなりません。 MWS > 155 × 106 ビット/秒 × 10 × 10-3 秒 バイトへの変換: MWS > 155 × 106 ビット/秒 × 10 × 10-3 秒 8 ビット/バイト = 193,750 バイト(194 KB) 遅延の計算Cisco MDS 9000 ファミリでは Ping コマンドを使用して、ラウンドトリップ時間(遅延)を決定します。 この手順では、ピア IPS Module のギガビット イーサネット ポートの IP アドレスに、Ping の対象となる IP アドレスを設定し、repeat count を 10 に設定し、datagram size を 2112 に設定し、timeout in seconds を 1s に設定します。 上記計算には、秒で表した平均遅延を使用することを推奨します。 次の出力は、Ping の手順とその結果を示しています。 w16-excal-1# ping Target IP address: 5.5.5.2 Repeat count: 10 Datagram size: 2112 Timeout in seconds: 1 Extended commands (y/n): n PING 5.5.5.2 (5.5.5.2): 2112 data bytes 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=0 ttl=255 time=3.5 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=1 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=2 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=3 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=4 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=5 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=6 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=7 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=8 ttl=255 time=3.4 ms 2120 bytes from 5.5.5.2: icmp_seq=9 ttl=255 time=3.4 ms --- 5.5.5.2 ping statistics --- 10 packets transmitted, 10 packets received, 0% packet loss round-trip min/avg/max = 3.4/3.4/3.5 ms 上の例から判明した遅延の値は 3.4 ms です。 パスの MTU の設定Path Maximum Transmission Unit(PMTU; パスの最大伝送ユニット)の検出は、MDS 9000 ファミリ スイッチではデフォルトで無効に設定されています。 PMTU 検出が無効の場合、すべてのリモートの宛先 IP アドレスに対して、1500 バイトの MTU が使用されます。 PMTU は、ジャンボ フレーム(IEEE 規格の 1518 バイトよりも大きいフレーム サイズがサポートされているイーサネット フレーム)のサポートを利用できるように調整できます。 ジャンボ フレームを使用すると、フル サイズのファイバ チャネル フレーム(2148 バイト)に完全に合うように FCIP ペイロードを設定できるため、フレームを 2 つの TCP パケットに分割する必要がなくなります。 ジャンボ フレームのサポートを使用するには、接続された 2 つの IPS Module 間の IP インフラストラクチャ全体でジャンボ フレームがサポートされている必要があります。 FCIP トンネルが Cisco MDS 9000 IPS Module と、Cisco 7200/7400 シリーズ ルータの FC-PA-1G ポート アダプタ モジュール間で確立されているシナリオの場合、Cisco MDS 9000 IPS Module で、ジャンボ フレームがサポートされている必要はありません。これは、FC-PA-1G PAM によって FCIP データ フレームが 1500 バイトの最大 MTU に分割されており、かつ FC-PA-1G ではジャンボ フレームがサポートされていないためです。 Selective Acknowledgement(SACK)の設定TCP は非常に堅牢で、順応性の高いプロトコルであり、数世代を経て、複数の追加機能が追加されてきました。 これらの機能の多くは、衛星を使った転送などに必要な、遅延が大きい環境で TCP を実行する機能を拡張するものです。 中継遅延が非常に大きくなる(100 ms 単位)可能性があるこうした環境では、TCP の制御トラフィックを抑え、ドロップされたフレームを迅速に復旧する機能を有効にするため、多くの TCP 拡張機能が追加されています。 こうして追加され、Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module でサポートされている機能の 1 つが TCP Selective Acknowledgment(SACK) です。 TCP SACK を使用すると、長距離延長した TCP 接続で、発生した可能性があるフレーム損失を復元できるようになります。 TCP プロトコルでは、受信したデータ セグメントに対して確認応答を送信することによって、信頼性が実現されます。 これは累積型の確認応答スキームで、シーケンス内の データ セグメントだけが確認応答されます。 パケット損失が発生した場合、後続のセグメントの受信に成功しても、そのセグメントは受信側によって確認応答されません。 このため、パケット損失が発生した場合、現在転送中のウィンドウのどのセグメントの受信に成功したかを送信側が知る方法はありません。 したがって、再送信タイムアウトによってパケット損失が検出された後、送信側はすべてのセグメントを再送信しなければなりません。 このような動作では、実際には受信側が受信に成功したセグメントも再送信するので、結果的にネットワーク帯域幅が浪費されます。 また、再送信タイムアウトにより輻輳ウィンドウの速度が格段に低下するため、以降の送信は、それまでと比べ遅い速度で実行されることになります。 Selective Acknowledgment(SACK)機構を使用すると、受信側はパケット損失発生後に受信したセグメントを選択的に確認応答することができます。 Selective Acknowledgement によって通知された送信側は、失われたセグメントを再送信するだけですみます。 このような損失セグメントや損失パケットは、データ ストリームの「ホール」と呼ばれることもあります。 Cisco MDS 9000 IPS Module では、FCIP プロファイル単位で有効にできるオプションとして、SACK 機能が提供されています。 SACK オプションはデフォルトでは無効で、SACK を使用するには、FCIP 回線の両端で SACK がサポートされ、かつ SACK を有効にする必要があります。 SACK オプションはパフォーマンスに影響を与えずに有効にすることができますが、帯域幅の接続が長距離に及ぶ大規模なものでなければ、目に見えるほどの利点はありません。 したがって、低速の(帯域幅 * 遅延)ネットワークの場合、データ損失が発生した場合でもパフォーマンスが大幅に向上することはありません。 長距離に及ぶ大規模データ回線で SACK を使用すると、SACK を使用していない TCP と比べた場合のみ、データ損失が発生した場合にパフォーマンスが大幅に向上します。 2 台の Cisco MDS 9000 IPS Module 間で FCIP トンネルが構築されているシナリオでは、SACK を有効にすることを推奨します。 高可用性と FCIPFCIP ソリューションを設計する場合、高可用性の点で考慮しなければならない要因がいくつかあります。 FCIP サービス内でシングル ポイント障害が確実に存在しないようにするため、高可用性設計とその機能を使用する必要があります。 さらに、障害が発生したリンクやハードウェアをどのように復旧するか、またその結果がアプリケーションにどのように影響するかを計画しておくことが重要です。 次のセクションでは、Cisco MDS 9000 ファミリに関する高可用性設計の原則と機能をいくつか説明します。 冗長 FCIP トンネルの展開FCIP 設計で復元力のレベルを向上させるため、2 つのデータ センター サイト間で複数の FCIP トンネルを構成することができます。 FCIP トンネルは、ローカル サイトとリモート サイト上にある 2 台の MDS 9000 スイッチ間の仮想 E_Ports(VSAN を搬送している場合は TE_Ports)として表されます。 追加の FCIP トンネルを追加することによって、2 つのデータ センター間に予備の等コスト パスを効果的に追加することができます。 こうした等コスト パスは、ロード バランシングと復旧目的で、ファイバ チャネル FSPF ルーティング プロトコルで使用できます。 単一の IPS Module から複数のトンネルを構築することが可能ですが、高可用性の適用範囲を広げるため、異なるポート、モジュール、およびスイッチ上でパラレル トンネルを構築することを推奨します。 2 つのデータ センター間に 2 つのパラレル FCIP トンネルを構築するシナリオの場合、次のいずれかの構成でトンネルを展開することを推奨します。 以下の構成は、先頭より望ましい順に紹介しています。 1. 2 つのトンネル2 つの IPS Module2 台の MDS 9000 スイッチ: この構成では、ポート障害、IPS Module 障害、スイッチ障害、リンク障害、および IP サービス障害が保護されます。 これが最も推奨される構成です。 2. 2 つのトンネル2 つの IPS Module1 台の MDS 9000 スイッチ: この構成では、ポート障害、IPS Module 障害、リンク障害、および IP サービス障害が保護されますが、スイッチ障害は保護されません。 目標のスイッチ高可用性を達成するために 1 台のスイッチを使用している場合のみ、Cisco MDS 9500 Director で IPS Module を使用することを推奨します。 3. 2 つのトンネル2 つの異なるポート1 つの IPS Module: この構成では、ポート障害、リンク障害、および IP サービス障害だけが保護されます。 目標のスイッチ高可用性を達成するために 1 台のスイッチを使用している場合のみ、Cisco MDS 9500 Director で IPS Module を使用することを推奨します。 4. 2 つのトンネル1 つのポート1 つの IPS Module: この構成では、単一の FCIP トンネルを介して、最小の増分である高可用機能が提供されます。 各 IPS Module インターフェイスでは、最大 3 本の FCIP トンネルがサポートされますが、これらのトンネルは同じ ISL または EISL の一部として使用することはできません。 シナリオ 3 と同様、トンネルを構築するため、最低 2 つの異なる IPS Module ポートを使用することを推奨します。 また、IP トランスポート ネットワークを提供するために使用されている WAN または MAN 接続を、復元力のある方法で設計することも非常に重要です。 完全な高可用性ソリューションを実現するため、冗長ルータ接続と帯域幅回線を使用することを推奨します。 上記リストのシナリオ 1 を、推奨される冗長 WAN 構成とともに、図 2 に示します。 多くの場合、SAN 設計者は、使用可能な予算や使用可能な WAN/MAN サービスなどの要因に基づいた選択をすることになります。 ただし、経済的に可能ならば、冗長 FCIP トンネル インフラストラクチャはできるだけ分離することを推奨します。 2 つのサイト間で 2 つ以上のトンネルが使用されていると、FCIP 実装の高可用特性が向上します。 次のセクションでは、設計の可用性を高めるため、FCIP インフラストラクチャを介して Cisco MDS 9000 ファミリ ポート チャネル機能をどのように拡張できるかについて説明します。 図 22 つのパラレル トンネルを使った高可用性 FCIP の実装 ![]() ポートチャネルと FCIP トンネルFCIP は、2 台の Cisco MDS 9000 スイッチ間の仮想 ISL または EISL リンクの延長に過ぎないため、このような(E)ISL は Cisco MDS 9000 ファミリ ポートチャネル機能を使って、バンドルすることができます。 ポートチャネル機能を使用すると、2 台のスイッチ間の複数のパラレル(E)ISL を論理的に 1 つの仮想(E)ISL にバンドルすることができます。 ポートチャネル構成は、FSPF ルーティング プロトコルに対して 1 つの仮想(E)ISL としてバンドルされたリンクを表します。 集約されたリンクのいずれかで障害が発生した場合、FSPF ルーティング レベルではなく、ポートチャネル レベルで修復が実行されるため、結果としてサブセカンドで中断を伴わずに復旧されます。 ポートチャネル機能により、2 種類のロード バランシング アルゴリズムのいずれかを使用したロード バランシング機能も提供されます。 2 種類のアルゴリズムにより、交換 ID(OX_ID/RX_ID)を伴うFC_ID ペア(/dst)または FC_ID ペアのいずれかに基ずいて、トラフィックをバンドル全体に分散できます。 ロード バランシング機能を使用すると、同一のファイバ チャネル交換に関連する 2 つのフレームを、2 つの異なるパスを通過させることなく、バンドル内のすべてのリンクを利用することができます。 ポートチャネル機能を使用すると、ファイバ チャネル ISL レベルで 2 本の FCIP トンネルを結合させ、1 つの仮想(E)ISL を構築することができます。 このため、拡張された(E)ISL の可用性が向上します。 ただし、ポートチャネルを構築するための要件は、ポート チャネルとのすべてのリンクが同じスイッチ ペア間で接続しなければならないということです。 FCIP トンネルをバンドルする場合もこの要件が存在します。 したがって、完全な冗長化ソリューションのためには、FCIP トンネル両端の 2 基の Cisco MDS 9000 Director によるソリューションを推奨します。 ただし、各 IPS Module ポートでは 最大 3 本の FCIP トンネルがサポートされているため、リモート サイトに対するトンネルのバックアップ セットを構築し、プライマリのトンネル セットで障害が発生した場合のみ使用されるように、FSPF を使って重み付けをすることができます。 図 3 にこの構成を示します。 ここでは、定義済みの 8 本のトンネルを使って、完全な復元性が実現されています。 図 3ポート チャネルを活用した完全な復元力を持つ FCIP 設計 ![]() VSAN と FCIP トンネル前述のように、Cisco MDS 9000 ファミリの VSAN 機能を使用すると、より大きな物理ファブリック内に、ネットワークに接続されていない仮想ファブリックが作成され、異なる部門、アプリケーション、環境間で必要な分離化が実現できます。 VSAN テクノロジーには、特定の VSAN に対して、トラフィックの特定と分離を可能にするハードウェア ベースのフレーム タグの追加機能も含まれています。 Cisco MDS 9000 ファミリの IPS Module を使うと、VSAN のタグを付加されたフレームを、FCIP 環境に拡張することもできます。 VSAN テクノロジーを使用すると、VSAN を使ってローカル データ センター内で構築した分離化をリモート データ センターにまで延長できるため、FCIP 環境の管理性と復元性が向上します。 この分離化では、ワイド エリア接続を必要としないデバイスやアプリケーションと、ワイドエリア接続を必要とするデバイスやアプリケーションとを分離することもできます。 VSAN 機能を使用することによって、ルーティング、ゾーン化、ネーム サービス、ファブリック管理など、独自のファイバ チャネル ファブリック構成をそれぞれが備えた個別の仮想ファブリックを、ワイド エリア全体に選択的に拡張することができます。 IPS Module を使って構築された各 FCIP トンネルは、仮想トランキング E_Port(TE_Port)となるように構成できるため、VSAN のタグ付きトラフィックに FCIP トンネルを通過させることができます。 たとえば、それぞれが異なるアプリケーションを収納し、DR 設備に対するワイド エリア接続を必要とする複数の SAN アイランドで構成されている環境では、VSAN は強力なソリューションを提供します。 各アプリケーションは、独自の VSAN にローカルに移行できます。 こうした VSAN は安全で、独自のファイバ チャネル サービスと管理ドメインのセットが用意されています。 VSAN タグを使って FCIP トンネル全体に VSAN ベースのサービスを拡張することによって、これらの仮想ファブリックは完全な分離を維持しながら、同一の DR 転送設備を使うことができます。 独自のデータ複製機能を持つ複数のディスク アレイが個別の VSAN に割り当てられ、ファブリックからの完全な分離を維持しながら、数少ないワイド エリア FCIP トンネルを介して転送されるシナリオでも、VSAN は効果的です。 また VSAN には、ワイド エリアを介した接続を必要としないファブリック デバイスを分離できるという大きな利点もあります。 たとえば、DR 設備へのリモートデータ複製を使用しているデータ センターでは、ディスク アレイ ポートだけが FCIP トンネルに対するアクセスを必要とします。 したがって、特定のディスク アレイ ポートだけで構成されている共通 SAN インフラストラクチャ上で専用の VSAN を構築することにより、ほかのローカル データ センター トラフィックからの干渉を受けることなしに、この複製トラフィックを、ワイド エリアを介して転送することができます。 さらに、ゾーン セットの設置、ファブリックの再構築、複製に関連しないディスク アレイ ポートに属する RSCN などのローカルなファブリック イベントは、こうしたイベントの影響を受けません。 また、こうしたファブリック イベントによって転送されるファブリック内の制御フレームはローカルのまま残り、ワイド エリアを介して送信されることはありません。 これらは VSAN が FCIP とともに使用できる数多くの利点およびシナリオのほんの 2 例に過ぎません。 VRRP と FCIP トンネルVirtual Router Redundancy Protocol(VRRP; 仮想ルータ冗長プロトコル)を使って、Cisco ルータなど、2 台の IP デフォルト ゲートウェイ間にシームレスなフェールオーバー機能を構築することができます。 1 組のデフォルト ゲートウェイを使用している場合、生成された仮想デフォルト IP アドレスと MAC アドレスは、2 台のゲートウェイ間で共有されます。 一時点では 1 台のゲートウェイだけが IP/MAC アドレスを所有しています。 しかし、そのアドレスを所有しているゲートウェイで障害が発生すると、もう一方のゲートウェイに即座に同じ IP/MAC アドレスが割り当てられ、ゲートウェイの機能を再開します。 ゲートウェイとして仮想 IP アドレスを使用しているクライアント ワークステーションでは、ゲートウェイへの接続が切断されることはなく、障害発生後も、ゲートウェイの MAC アドレスや IP アドレスを再取得する必要はありません。 IPS Module には VRRP 機能も組み込まれているため、IPS Module ポートに対して同一レベルの可用性が提供されます。 VRRP 機能を使用している場合、IPS Module ポート間、IPS Module モジュール間、さらに IPS Module を装備した異なる MDS 9000 スイッチ間で、冗長 FCIP エンドポイントを確立することができます。 ただし、どのような状況でどの高可用機能を使用するかを検討する必要があります。 VRRP の 1 つの側面は、IPS Module の IP アドレスと MAC アドレスに対して、実際に仮想フェールオーバー ポイントが提供されることです。 しかし、フェールオーバーが発生すると、異なる IPS Module ポート間では TCP 接続状態が維持されないため、結局は FCIP トンネルを再構築しなければなりません。 IP レイヤおよびファイバ チャネル レイヤにおける FCIP ソリューションの復旧機能を考慮する必要があります。 VRRP は、IPS Module のモジュール上でダウンした FCIP エンドポイントが原因で FCIP トンネルに障害が発生した場合に、IP レイヤ での復旧を支援するために使用されるツールです。 VRRP は、冗長エンドポイントの提供に有用で、これにより障害が発生した FCIP 接続を再確立できます。 しかし、この形態の復旧は FCIP トンネル上で混乱を引き起こすため、ソリューション内でこの形態の高可用機能しか有効に設定されていない場合、ファイバ チャネル接続でも混乱が起こります。 冗長 FCIP トンネルを使用すると、2 台のファブリック間に必然的に 1 組の仮想冗長(E)ISL が提供されます。 この構成では、FCIP トンネルの障害から保護されるため、仮想 ISL の障害からも保護されます。 したがって、IPS Module を装備した Cisco MDS 9000 ファミリを活用している FCIP ソリューションの場合、VRRP は障害に対する最後の防御線として使用するものです。 VRRP 機能は、FCIP トンネル障害に対する追加保護機能として、いつでも追加可能です。 VRRP ソリューションを使用すると、障害が発生した FCIP トンネルを復旧することができます。 IPS Module 上の各物理ギガビット イーサネット ポートは、最大 3 本の FCIP トンネルをサポートできるため、復旧を VRRP に依存するだけでなく、図 3 に示すような完全なメッシュ構成で、冗長アクティブ FCIP トンネルを構築することを推奨します。 冗長 FCIP トンネルを構築することによって、IPS Module 上の IP ゲートウェイだけでなく、ネットワークのすべてのポイントが障害から保護されます。 そのうえ、2 台の同じ Cisco MDS 9000 スイッチ上で FCIP トンネルを構築する場合に、複数の FCIP トンネル(仮想(E)ISL)およびポートチャネル(E)ISL 集約機能を利用すると、単一の FCIP トンネルで障害が発生しても、まったく中断のない復旧を行うことができます。 ただし、異なるスイッチ間でポート チャネルを構築することはできません。 このホワイト ペーパーのカバー範囲外ですが、VRRP は、SCSI サービス用に IPS Module にアクセスする SCSI クライアントに対して、数多く使用されています。 しかし、VRRP を使用することにより大幅なメリットを得る FCIP 構成が 1 つあります。 図 3 に示したような FCIP トンネルの完全メッシュが不可能なシナリオでは、VRRP を利用して、障害が発生した FCIP トンネルを再構築し、プロビジョニングされたすべての WAN/MAN 帯域幅を使用することができます。 たとえば、完全に切り離された 2 つの WAN または MAN 設備がデュアル ポイントツーポイント構成でプロビジョニングされている場合、VRRP は、オフライン状態の MDS 9000 スイッチを使用して障害が発生した FCIP トンネルを復旧できることがあります。 この構成では、スイッチやゲートウェイで障害が発生した場合でも、プロビジョニングされた WAN/MAN の両方の機能が有効です。 図 4VRRP を活用している FCIP 設計 ![]() 圧縮と暗号化に関する考慮事項Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module には、暗号化と圧縮はネイティブでは搭載されていませんが、Cisco 7200 シリーズ ルータでは、VPN 暗号化と圧縮をオフロードするための SA-VAM モジュールがサポートされています。 したがって、構築された FCIP トンネルに対して暗号化と圧縮を提供するため、Cisco FCIP トラフィックの WAN エッジ アタッチメントとして、Cisco 7200 シリーズ ルータを使用することができます。 SA-VAM は、100 Mbps のスループットに制限されているため、比較的低速の WAN リンクに対してのみ考慮すべきです。 SA-VAM では、平均圧縮比が 2:1 の IPPCP LZS 圧縮がサポートされています。 トラフィックの全体的な圧縮比は、転送するデータによって異なります。 0 または 1 で構成された大容量の継続文字列データでは、圧縮比が向上しますが、データが混合している場合、圧縮比が低下します。 データの圧縮によって WAN リンクの FCIP 接続の全体的なスループット パフォーマンスが向上することはありませんが、送信 WAN インターフェイスに使用する帯域幅が削減されます。 Cisco MDS 9000 IP ストレージ サービス の相互運用性前述のように、シスコは Cisco 7200 シリーズおよび Cisco 7400 シリーズ ルータを活用した FCIP 用の追加ソリューションを提供しています。 Cisco 7200/7400 ルータ製品ライン用の Cisco FCIP ポート アダプタ モジュール(PA-FC-1G)により、ルータ から FCIP トンネルを 1 本構築する手段が提供されます。 この FCIP トンネルは、リモート エンドのもう 1 台の Cisco ルータで終端できます。また、Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module で終端することもできます。 Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Modle と Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM という 2 系統の製品オファリングはまったく異なるものですが、ソリューションに両製品を組み込むと極めて効果的なものとなります。 セントラル データ センターと複数のリモート データ センター間に、ハブアンドスポーク SAN 拡張ネットワークを構築する場合のシナリオを検討します。 Cisco 7200/7400 をリモート データ センターのエッジ FCIP トンネル デバイスとして使用して、セントラル サイトへの FCIP トンネルを 1 本または 2 本構築するとします。 これらのトンネルはデータ複製やリモート データへのアクセスに使用できます。 ヘッドエンド データ センターでは、Cisco MDS 9000 ファミリ用の IPS Module を使って、複数のリモート データ センターからの複数のトンネルを終端することができます。 次のセクションでは、FCIP PAM を装備した Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module および Cisco 7200/7400 シリーズ ルータを相互運用するための構成指針について説明します。 FCIP 設計の考慮事項MDS 9000 IPS Module と Cisco 7200/7400 FCIP PAMCisco FCIP PAM と Cisco MDS 9000 IPS Module の機能を組み合わせると、独自の FCIP ソリューションがいくつか実現できます。 SAN の設計者はこれら 2 つの補完し合う製品を使用して、小規模なリモート サイトで FCIP PAM を使用する費用効果の高いハブアンドスポーク FCIP ソリューションを構築することができます。 ただし、この 2 つの FCIP 製品を組み合わせる場合、考慮しなければならない設計要因が 2 つあります。 ず第一に、FCIP PAM を使用した Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ ソリューションでは、単一 VSAN の転送しかサポートされないという点を憶えておいてください。 FCIP PAM では、フレームへ VSAN タグを追加したことによりフレーム サイズが若干増加したフレームを取り扱うことができません。 しかし、Cisco MDS 9000 IPS Module では、異なる VSAN を Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM で終端しているさまざまなデータ センターに拡張することができます。 その結果、FCIP リンクはどちらかの端で、仮想 TE_Port を持つ EISL リンクに対応して、仮想 E_Port を持つ仮想 ISL として表されます。 これら 2 つの製品が関連する設計で考慮しなければならない 2 番目のポイントは、Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM が B_Port 実装のみをサポートしている点です。 このため、FCIP 設計に関して 2 つの要因が派生します。 第 1 の要因は、FCIP トンネルの両端は B_Port モードでなけれならないということです。 Cisco MDS 9000 IPS Module 上では、B_Port モードはシンプルな構成で、この文書内で後述します。 2 番目の要因は、ISL リンクを終端するため、Cisco FCIP PAM のバック サイドに別のファイバ チャネル スイッチが存在しなければならないということです。 このスイッチは Cisco MDS 9000 ファミリと互換性がなければなりませんが、必ずしも別の Cisco MDS 9000 スイッチである必要はありません。 このスイッチは、Cisco SN 5428 ストレージ ルータの場合もあれば、互換性のあるサード パーティ製のスイッチであることもあります。 図 5Cisco MDS 9000 IPS Module と Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM を活用した結合型 FCIP ソリューション ![]() MDS 9000 IPS Module と Cisco 7200/7400 FCIP PAM 間の FCIP中央集中型の SAN ファブリック が複数のリモート SAN アイランドへの接続を必要とするシナリオを検討します。 このシナリオでは、セントラル データ センターのテープおよびディスク リソースを、ほかのリモート SAN にあるホスト デバイスと共有しなければならないケースがあります。 このようなシナリオでは、Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module を使って、FCIP ハブとして動作させ、Cisco 7200/7400 シリーズ ルータと FCIP PAM を使用している FCIP を介して、複数のリモート オフィスを接続することができます。 図 5 に、シンプルなポイントツーポイント構成を示します。 ハブ & スポーク トポロジ複数のリモート データ センターで、FCIP PAM を装備した Cisco 7200/7400 シリーズ ルータにファイバ チャネル スイッチが 接続されている場合、ハブ & スポーク トポロジが可能となります。 このようなデータ センターは次に FCIP トンネルを使って、セントラル データ センターにバックホールされます。 Cisco MDS 9000 IPS Module 上にある、最大 3 本の FCIP トンネルを処理することが可能な 8 個のギガビット イーサネット ポートをすべて使用すると、24 本の FCIP トンネルを同時使用できます。 Cisco FCIP PAM をサポートするため、Cisco MDS 9000 IPS Module から構築された各トンネルを個別の VSAN に構成することができます。 このソリューションから最もメリットが得られる環境は、現在セントラル データ センターから切り離されていて、接続されていない既存のリモート SAN です。 ハブ & スポーク ソリューションを使用すると、ディスクやテープ ライブラリなどのリモート リソースおよびセントラル リソースを、リモート データ アクセスや災害復旧データ複製のために透過的に共有することができます。 図 6 に、2 つのリモート データ センターに関する例を示します。 図 6ハブ & スポーク FCIP ソリューション ![]() FCIP トンネル構成Cisco MDS 9000 IPS Module と、Cisco 7200/7400 シリーズ ルータの FCIP PAM(PA-FC-1G)間に FCIP サービスを適切に構成するためには、2 つの FCIP 実装で使われている用語を理解することが重要です。 IPS Module の場合、各ギガビット イーサネット ポートは、最大 3 本の異なる FCIP トンネルをサポートすることができます。 各トンネルには、FCIP プロファイルと、FCIP インターフェイスというコンセプトが関係しています。 この 2 つの仮想エンティティは、特定の物理的ギガビット イーサネット ポート上に常駐しています。 1 つのギガビット イーサネット ポートに複数の FCIP インターフェイスが存在することもあります。FCIP インターフェイスは、特定のギガビット イーサネット ポート上に実際に構築された FCIP トンネルを表す仮想エンティティです。FCIP プロファイルは FCIP トンネルのエンドポイントを定義するプロファイルで、ギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。 1 つの物理的なギガビット イーサネット インターフェイスで最大 3 本のトンネルがサポートできるため、特定のギガビット イーサネット ポートに複数の FCIP プロファイル を適用することができ、その結果、複数の FCIP インターフェイスがアクティブになります。 IPS Module を使って FCIP トンネルの一端で FCIP トンネル エンドポイントを確立する場合、IP エンドポイントとそのほかのトンネル パラメータを定義する FCIP プロファイルを作成する必要があります。 次に、このプロファイルは、トンネルのエンドポイントを特定の ギガビット イーサネット インターフェイスに結合する FCIP インターフェイスに適用されます。 FCIP トンネルのもう一方の端と同じく、対応する IPS Module も同様に構成する必要があります。 図 7 に、Cisco MDS 9000 IPS Module 上の該当する物理インターフェイスと仮想インターフェイスの構造を簡単に示します。 図 7Cisco MDS 9000 ファミリ IPS Module 内の FCIP モデル ![]() Cisco 7200/7400 シリーズ ルータに FCIP PAM を実装した場合も、同じような仮想および物理インターフェイス モデルとなります。 FCIP PAM 実装は、FCPA インターフェイス と FCIP トンネルから構成されています。FCPA インターフェイスには FCPA 仮想エンティティの IP アドレスが含まれ、FCIP トンネルには発信元 IP アドレスと TCP ポート番号のトンネル情報と、宛先 IP アドレスと TCP ポート番号、Selective Acknowledge(SACK)と Maximum Windows Size(MWS)など、そのほかの TCP オプションが含まれています。 図 8 に、FCIP PAM 内の FCIP インターフェイス モデルを示します。 FCPA インターフェイスは独自の IP サブネット内にあるため、トンネルのリモート エンドへの IP 接続を有効にするため、適切な IP ルーティングを設定する必要があります。 図 8Cisco MDS 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM 内の FCIP モデル ![]() Cisco MDS 9000 IPS Module の用語次の定義は、Cisco MDS 9000 IPS Module で FCIP トンネルを確立するために使用される構成要素に関連するものです。 これらの要素は、図 7 で図表化されています。 FCIP プロファイル:FCIP プロファイルは、FCIP トンネル インスタンスを定義するために使用します。 特定のギガビット イーサネット ポートに関係付けられ、使用するローカル IP アドレスや TCP パラメータ(タイムアウト時間、再送時間、Path Maximum Transmission Unit(PMTU)、Selective Acknowledgment(SACK)、Maximum Window Size など)などの情報が記述されています。 1 つのギガビット イーサネット ポートでは最大 3 本のトンネルをサポートできるため、1 つのギガビット イーサネット ポートに複数の FCIP プロファイルが関連付けられていることがあります。 FCIP インターフェイス:FCIP インターフェイスは、FCIP プロファイルがギガビット イーサネット ポートに割り当てられた場合に有効になる実際の FCIP トンネルです。 仮想拡張ポート(VE_Port):1 つのギガビット イーサネット ポートは、IP ネットワークを介して拡張された仮想(E)ISL(FCIP トンネル)を最大 3 本までサポートできるため、各仮想(E)ISL エンドポイントは実際には、標準 E_Port に対応する仮想 E_Port として表されます。 ブリッジ ポート(B_Port)モード:実際にはファブリック スイッチではない FCIP デバイス(FCIP PAM など)との相互運用性を実現するため、B_Port モードを IPS Module 上で有効にする必要があります。 B_Port デバイスは、単に、すべての情報をファブリック スイッチ上の接続された E_Port に受け渡します。 IPS Module の場合、B_Port モードを有効にすると、内部 E_Port 上で情報が終端されます。 B_Port モードは、IPS Module 構成ダイアログで、FCIP トンネル単位で割り当てられます。 FCIP PAM(PA-FC-1G)の用語次の定義は、Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM(PAーFC-1G)内で FCIP トンネルを確立するために使用される構成要素に関するものです。 これらの要素は、図 8 でグラフによって示されています。 FC トンネル:FC トンネルは、PAM 内で定義されている実際の FCIP トンネルです。 FC トンネルには、発信元の IP アドレスと TCP ポート番号、および宛先の IP アドレスとポート番号が含まれています。 FC トンネル アドレスの IP アドレス指定、および、FCPA インターフェイス アドレスと FC トンネル アドレスとの関係を考慮する必要があります。 FC トンネルの場合、発信元 IP アドレスは FCPA インターフェイスの IP アドレスとは異なります。 これらのエンティティに対する 2 つの IP アドレスは、異なる IP サブセット内に存在する必要があるため、構成済みの 2 つの IP サブネットワークは、定義済みのトンネルのどちらの端からでも到達できるように、構成済みのルーティング プロトコルに追加しなければなりません。 FCPA インターフェイス:FCPA インターフェイスは、FCIP PAM 独自の物理インターフェイスで、独自の IP サブネットが割り当てられています。 FCIP PAM と協調的に動作するように Cisco MDS 9000 シリーズ IPS モジュールを構成するには、IPS Module 内で相互接続されている FCIP トンネル インスタンスを B_Port モードに設定する必要があります。 構成済み FCIP インターフェイス内のピア IP アドレス設定は、対応する FCIP PAM FC トンネル で定義されている発信元 IP アドレスを示す必要があります。 FCIP PAM 構成と同様、宛先の IP アドレスとポートには、IPS Module の FCIP プロファイルで割り当てられた IP アドレスを割り当てる必要があります。 さらに、FC トンネルの送信元 IP アドレスを示すように、IPS Module 内で適切なルートを構築する必要もあります。 図 9 に、Cisco MDS 9000 IPS Module で Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM によって FCIP トンネルが確立されるシナリオを示します。 詳細なセットアップと構成情報については、「付録 B」を参照してください。 図 9Cisco MDS 9000 シリーズ IPS Module と Cisco FCIP PAM を装備した FCIP モデル ![]() 結論Cisco MDS 9000 ファミリのマルチレイヤ ディレクタとファブリック スイッチは、業界初の完全統合型マルチプロトコル ストレージ ネットワーキング プラットフォームです。 Cisco MDS 9000 IPS Module を任意の MDS 9000 マルチレイヤ プラットフォームに組み込むことによって、ローカルおよびリモート SAN 接続用に最適化されたコストと距離を利用し、エンタープライズ クラスのストレージ エリア ネットワークを構築できるようになりました。 重要なデータ資産保護の必要性とともに、コスト削減に絶えず直面している今日の世界で、FCIP は、リモート データ センターや災害復旧サイトに重要なデータを移動するための、費用効果が高く、長距離をカバーするソリューションを提供します。 Cisco の MDS 9000 FCIP ソリューションを、業界をリードするディスク サブシステム ベースのデータ複製ソリューションと組み合わせることにより、メトロ エリア内で、あるいは大陸規模の距離を隔てて、堅牢なデータ複製を行うことが可能になります。 シスコのインテリジェントな統合型ファイバ チャネルおよび FCIP フロー制御ソリューションにより、長距離を介しての 1 Gbps という完全なワイヤ速度の FCIP 転送が実現されます。 ソリューションが必要とする距離が 20 Km なのか、あるいは 2000 Km なのかにかかわらず、Cisco MDS 9000 IPS Module は、すべてのパフォーマンスや必要な復元力を備えて SAN を拡張することができます。 シスコは、完全な統合型管理マルチプロトコル ソリューションを提供します。 シスコでは、ローカル データ センター MDS 9000 ファイバ チャネル ファブリックの管理と、FCIP インフラストラクチャの構成と管理を Cisco ファブリック マネージャに組み合わせることにより、SAN 拡張ソリューションでの FCIP の活用を容易なものとしています。 付録 Aディスク アレイに関する考慮事項ディスク複製に関する考慮事項IP ネットワークを介した SAN 拡張は、ディスク アレイ ベースのデータ複製を実装するための実用化テクノロジーとしての役割があります。 しかし、非同期と同期のどちらの形態で複製サービスを展開するかを決定する必要があります。 これには、次のような要因を考慮する必要があります。
ただし推奨する MWS が補填できる範囲、またはアプリケーションが管理できる範囲を越える遅延が発生するリモート サイトの場合、非同期複製が唯一の選択肢となります。 非同期データ複製と同期データ複製リモート施設を介して実行可能なデータ複製には、2 種類の基本的な形態があります。 それぞれの形態では、データの「完全性」とアプリケーション パフォーマンス上で、考慮する点が異なっています。 同期複製モードの場合、データはプライマリ サイトからセカンダリ サイトへコピーされます。 こうしたデータは I/O サイクル中、つねに検証されてからセカンダリ サイトへ委任されます。 このため、リモート データの信頼性と「完全性」は非常に優れています。 しかし、同期複製の欠点としては、データがリモート サイトへ委任され、確認応答が返るまで、アプリケーションが待機状態になり、その後、アプリケーションで書き込み I/O が継続されることです。 したがって、2 つのサイト間で遅延が増加すると、I/O サイクル時間も増加し、最終的にはアプリケーションのパフォーマンスを持続できないほどの影響を受けることがあります。 非同期複製モードの場合も、データはプライマリ サイトからセカンダリ サイトへコピーされます。 ただし、各サイトでのデータの委任処理は、プライマリ サイトとセカンダリ サイトでは個別に実行されます。 ローカル エンドで書き込み I/O を受信すると、その書き込み I/O はディスクのサブ システムへ委任された後、アプリケーション ホストへ確認応答されます。 I/O データがコピーされ、リモート エンドに委任されることによって、第 2 ステップが実行されます。 このようにタスクが分割されているため、ローカルのアプリケーションは、リモート サイトで委任プロセスが完了するのを待たずに、I/O 処理を継続することができます。このため、アプリケーションが受ける影響も小さくなります。 ただし、データがリモート サイトに完全に委任されていなかった場合に障害が発生すると、同期がとれていないデータが存在する可能性があります。 付録 B ソフトウェア構成次に 図 9 で示したサンプル構成を示します。この例では、Cisco MDS 9000 IPS Module は、Cisco 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM への FCIP トンネルを確立しています。 Cisco MDS 9000 IPS Module は、次の設定で構成されています。
w16-excal-1# config terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. w16-excal-1(config)# int gigabitethernet 2/1 w16-excal-1(config-if)# ip address 10.0.150.1 255.255.255.0 w16-excal-1(config-if)# shut w16-excal-1(config-if)# no shut w16-excal-1(config-if)# end w16-excal-1(config)# fcip profile 1 w16-excal-1(config-profile)# ip address 10.0.150.1 w16-excal-1(config-if)# end w6-excal-1(config)# int fcip 1 w16-excal-1(config-if)# bind-profile 1 w16-excal-1(config-if)# bport w16-excal-1(config-if)# peer-info ip-address 10.0.150.2 w16-excal-1(config-if)# end GigabitEthernet2/1 is up Hardware is GigabitEthernet, address is 0005.3000.9f36 Internet address is 10.0.150.1/24 MTU 3000 bytes, BW 1000000 Kbit Port mode is IPS Speed is 1 Gbps Beacon is turned off 5 minutes input rate 672 bits/sec, 84 bytes/sec, 0 frames/sec 5 minutes output rate 672 bits/sec, 84 bytes/sec, 0 frames/sec 143985059 packets input, 131549535644 bytes 0 multicast frames, 0 compressed 0 input errors, 0 frame, 0 overrun 0 fifo 143726417 packets output, 131488131638 bytes, 0 underruns 0 output errors, 0 collisions, 0 fifo 0 carrier errors w16-excal-1# sh int fcip 1 FCIP1 is trunking Hardware is GigabitEthernet Port WWN is 20:42:00:05:30:00:6c:de Peer port WWN is 20:42:00:05:30:00:66:9e Admin port mode is auto, trunk mode is on Port mode is TE vsan is 10 Trunk vsans (allowed active) (1,10,20,30) Trunk vsans (operational) (1,10,20,30) Trunk vsans (up) (1,10,20,30) Trunk vsans (isolated) () Trunk vsans (initializing) () Using Profile id 10 (interface GigabitEthernet2/1) Peer Information Peer Internet address is 10.0.150.2 and port is 3225 Special Frame is disabled Maximum number of TCP connections is 2 Time Stamp is disabled B-port mode enabled TCP Connection Information 2 Active TCP connections Control connection: Local 10.0.150.1:65491, Remote 10.0.150.2:3225 Data connection: Local 10.0.150.1:65492, Remote 10.0.150.2:3225 14 Attempts for active connections, 7 close of connections TCP Parameters Path MTU 3000 bytes Current retransmission timeout is 100 ms Round trip time: Smoothed 6 ms, Variance: 6 Advertized window: Current: 30 KB, Maximum: 30 KB, Scale: 0 Peer receive window: Current: 30 KB, Maximum: 30 KB, Scale: 0 Congestion window: Current: 63 KB 5 minutes input rate 39 bits/sec, 312 bytes/sec, 0 frames/sec 5 minutes output rate 39 bits/sec, 312 bytes/sec, 0 frames/sec 223153926 frames input, 90785732536 bytes 136299 Class F frames input, 12580812 bytes 223017627 Class 2/3 frames input, 90773151724 bytes 0 Error frames 223677104 frames output, 90891727692 bytes 136301 Class F frames output, 12581508 bytes 223540803 Class 2/3 frames output, 90879146184 bytes 0 Error frames 522 reass frames Cisco MDS 7200/7400 シリーズ ルータ FCIP PAM は、次の設定で構成されています。 c7200_bottom#config tEnter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. c7200_bottom(config)#int fcpa6/0 c7200_bottom(config-if)#ip address 10.0.161.1 255.255.255.0 c7200_bottom(config-if)#no shut c7200_bottom(config-if)#fc-tunnel bottom c7200_bottom(config-if-fc-tunnel)#-ip 10.0.161.2 c7200_bottom(config-if-fc-tunnel)#dest-ip 10.0.150.1 c7200_bottom(config-if-fc-tunnel)#-port 3225 c7200_bottom(config-if-fc-tunnel)#dest-port 3225 c7200_bottom(config-if-fc-tunnel)#inservice c7200_bootom(config-if)#exit c7200_bottom(config)#exit c7200_bottom#copy running-config startup-config c7200_bottom# show fc-tunnel Interface: Fcpa2/0 FC Tunnel name: bottom INSERVICE: configured ARP entry: Installed Source IP: 10.0.161.2 Destination IP: 10.0.150.1 Source port: 3225 Destination port: 3225 TCP SACK option set TCP MWS: 32KB TCP KAD: 7200sec IP TOS: 0 MTU: 1500 MSS: 1440 SM state: SM_UP_ST FC Port Type: B_Port FC Port WWN : 100000E0B0FFF2CF Switch Port WWN: 200000C0DD00C248 Switch WWN : 100000C0DD00C248 FC BB_Credit: 128 FC RA_TOV: 120000msec FC ED_TOV: 60000msec FC Link state: UP |









