Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア

Cisco SAN-OSデータ シート

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Cisco SAN OS 1.3(x)

Cisco® SAN-OSは、受賞歴のあるCisco MDS 9000ファミリー マルチレイヤ スイッチの基盤となるシステム ソフトウェアです。Storage Area Network(SAN;ストレージ エリア ネットワーク)向けOS(オペレーティング システム)であるCisco SAN-OSは、実績のあるCisco IOS®ソフトウェアを基礎とし、高い信頼性、パフォーマンス、スケーラビリティ、および多彩な機能を備えた戦略的なSANプラットフォームを構築できるように設計されています。

Cisco SAN-OSには、市場がストレージ ネットワーク スイッチに期待するすべての機能に加え、Cisco MDS 9000ファミリーによるTotal Cost of Ownership(TCO;総所有コスト)の軽減と投資対効果の迅速な回収に役立つようなユニークな機能が多数あります。

柔軟性とスケーラビリティ

Cisco SAN-OSは、高度な柔軟性とスケーラビリティを備えたエンタープライズSAN向けプラットフォームです。このようなCisco SAN-OSの特徴は、以下の機能によって実現されています。

全プラットフォームに共通のソフトウェア

Cisco SAN-OSは、マルチレイヤ ファブリック スイッチからマルチレイヤ ディレクタまで、すべてのCisco MDS 9000ファミリー スイッチで動作します。製品ライン全体の基本システム ソフトウェアが同じであるため、多様でありながらも一貫性と互換性を備えたフィーチャ セットをCisco MDS 9000ファミリーで使用できます。

マルチプロトコル サポート

Cisco SAN-OSは、単一プラットフォームで、Fibre Channel Protocol(FCP)、IBM Fiber Connection(FICON)、Small Computer System Interface over IP(iSCSI)、そしてFibre Channel over IP(FCIP)もサポートしています。Cisco MDS 9000ファミリーでは、iSCSIをネイティブでサポートしているため、さまざまな種類のサーバのストレージをSAN上の共通プールに統合できるようになります。また、FCIPもネイティブでサポートしているので、IPネットワークへの既存の投資を活用し、ファイバ チャネルとFICONの両方の環境で、費用効果が高く業務継続性のあるソリューションを構築することも可能です。Cisco SAN-OSのマルチプロトコル サポートは、お客様の社内資源の有効活用と、それによるコスト削減に役立ちます。

VSAN

Virtual SAN(VSAN;仮想SAN)技術を使用すると、1つの物理的なSANを複数のVSANに分割できます。Cisco MDS 9000ファミリー スイッチは、スイッチ ハードウェアにVSAN機能が組み込まれた市場初のSANスイッチです。Cisco SAN-OSのVSAN機能は、大規模な物理ファブリックを論理的な個別環境に分割することにより、ファイバ チャネルSANのスケーラビリティ、可用性、管理性、およびネットワーク セキュリティを強化します。FICONを使用する場合は、VSANによってFICONとオープン システムをハードウェアベースで確実に分離できます。

各VSANは、論理的かつ機能的に分離されたSANであり、それぞれに独自のファイバ チャネル ファブリック サービスを設定できます。このようなファブリック サービスの分離によって、ファブリックの再設定やエラー状態が個々のVSAN内に限定されるので、ネットワークの安定性が向上します。VSANがもたらす厳格なトラフィックの分離は、所定のVSANの制御トラフィックとデータ トラフィックをそのVSANのドメイン内に閉じ込めることによってSANのセキュリティを強化します。また、VSANを使用すると、可用性を低下させずに、隔離された各SAN領域を共通のインフラストラクチャに統合できるので、コストの削減にも役立ちます。

一定のVSAN範囲のみの限定的な権限を持つ管理者を設定することも可能です。たとえば、プラットフォーム固有のすべての機能を設定できるようなネットワーク管理者を1人指定し、さらに特定のVSANの設定および管理権限のみを持つVSAN管理者も指定できます。このようにすると、大規模SANの管理性能が向上し、また、特定のVSANへのユーザ アクションの影響がそのVSAN内に限定されるので、ヒューマン エラーによる混乱も少なくなります。

VSANを指定できる範囲は、SAN間のFCIPリンク全体です。VSANを拡張してリモート デバイスを含めることも可能です。Cisco MDS 9000ファミリーには、VSANのトランキングも実装されています。トランキングを使用すると、ISL(スイッチ間リンク)を通じて、同じ物理リンク上で、複数のVSANのトラフィックを伝送できます。

VSAN間ルーティング

VSAN間ルーティングを使用すると、異なるVSANを1つの論理ファブリックに結合しなくても、異なるVSAN上にある特定のイニシエータとターゲットの間でデータ トラフィックを伝送できます。ただし、ファイバ チャネル制御トラフィックは、VSAN間では伝送されません。また、イニシエータはVSAN間ルーティングで指定されたリソース以外のリソースにはアクセスできません。したがって、テープ ライブラリのような貴重なリソースを簡単かつ安全に共有できます。VSAN間ルーティングをFCIPと一緒に使用すれば、さらに効率的に業務継続性および障害復旧に優れたソリューションを構築できます。

インテリジェント ファブリック サービス

Cisco SAN-OSはインテリジェント ストレージ サービスに対応しており、ネットワーク内のCisco MDS 9000ファミリー スイッチに、仮想化、スナップショット、複製などのストレージ アプリケーションを提供するための基盤として機能します。このようなCisco SAN-OSの柔軟性は、将来的にも投資の保護に役立ちます。

ネットワーク セキュリティ

シスコは、Cisco SAN-OSのネットワーク セキュリティに包括的にアプローチしています。Cisco SAN-OSには、SAN接続デバイスを完全に隔離できるVSANを始めとして、多様なセキュリティ機能があります。

スイッチとホストの認証

Cisco SAN-OSのFibre Channel Security Protocol(FC-SP)機能は、企業全体のファブリックのスイッチ間およびホストとスイッチの間の認証を提供します。Cisco MDS 9000ファミリーのローカル認証、またはRADIUSまたはTACACS+を使用したリモート認証の実行には、Challenge Handshake Authentication Protocol(DH-CHAP)によるDiffie-Hellman拡張機能が使用されます。認証に失敗したスイッチやホストはファブリックに加入できません。

ロールベース アクセス制御

Cisco SAN-OSは、Cisco MDS 9000ファミリーのCLI(コマンドライン インターフェイス)とSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)MIBの管理アクセス用として、Roles-Based Access Control(RBAC;ロールベース アクセス制御)を提供します。スイッチにはデフォルトのロールが2つ組み込まれているほか、ユーザ定義のロールを最大64個設定できます。Cisco Fabric Managerのように、SNMP Version 3(SNMPv3)を使用するアプリケーションには、このプロトコルで管理されるスイッチ機能のための完全なRBACが組み込まれています。ロールとは、1つまたは複数のVSANで使用できるさまざまな機能別コマンドのアクセス制御ポリシーです。

ポート セキュリティとファブリック バインディング

ポート セキュリティは、エンティティとスイッチ ポートの1対1のマッピングを固定します。エンティティとは、World Wide Name(WWN)で識別されるホスト、ターゲット、またはスイッチです。ポート セキュリティは、未許可デバイスがスイッチ ポートに接続することによるSANファブリックの混乱を防ぐために役立ちます。また、ファブリック バインディングを使用すると、指定されたスイッチ間のISLだけがイネーブルになるので、ポート セキュリティはさらに強化されます。

ゾーニング

ゾーニングによって、SAN内のデバイスのアクセス制御が可能になります。Cisco SAN-OSは、次のゾーニング タイプをサポートしています。

  • N_Portゾーニング ― エンド デバイス(ホストおよびストレージ)のポート単位でゾーン メンバーを定義します。
  • - WWN

    - Fibre Channel Identifier(FC_ID)

  • Fx_Portゾーニング ― スイッチ ポート単位でゾーン メンバーを定義します。
  • - WWN

    - WWN+インターフェイス インデックス、またはドメインID+インターフェイス インデックス

    - ドメインID+ポート番号(Brocadeとのインターオペラビリティのため)

  • iSCSIゾーニング ― ホストのゾーン単位でゾーン メンバーを定義します。
  • - iSCSI名

    - IPアドレス

  • LUNゾーニング ― Cisco SAN-OSのLogical Unit Number(LUN;論理ユニット番号)ゾーニングでは、N_Portゾーニングと組み合わせることにより、 LUNへのアクセスを特定のホストだけに限定できます。これにより、異種ストレージ サブシステムへのアクセスの一元管理が可能です。
  • Read-onlyゾーニング ― 任意のゾーン タイプの入出力操作をSCSIの読み取り専用コマンドに制限するような属性設定が可能です。これは、特にバックアップやデータ ウェアハウスなどを目的としてサーバ間でボリュームを共有する場合に便利な機能です。

入力側スイッチに適用されているAccess Control List(ACL;アクセス制御リスト)を使用して、フレーム単位で常にゾーニングが強制されるので、厳しいネットワーク セキュリティを実現できます。ゾーニング ポリシーはすべてハードウェア上で実行されるので、パフォーマンスが低下することはありません。

その他のネットワーク セキュリティ機能

  • その他に、次のようなネットワーク セキュリティ機能があります。

    - RADIUSおよびTACACS+を使用したファブリック全体のロールベースのAuthentication, Authorization, and Accounting(AAA;認証、許可、アカウンティング)サービス

    - Secure Shell(SSH;セキュア シェル)プロトコル バージョン2およびSNMPv3による管理トラフィックの認証、データ整合性、機密性

    - Secure FTP(SFTP)によるファイル転送保護

  • IP ACLによる管理アクセス

可用性

Cisco SAN-OSは、回復力に富むソフトウェア アーキテクチャを提供するので、ミッションクリティカルなハードウェアの配置にも対応できます。

稼働状態でのソフトウェア アップグレード

冗長ハードウェアを備えたディレクタ クラスの製品では、Cisco SAN-OSによって稼働状態でのソフトウェア アップグレードが可能です。また、冗長スーパバイザ エンジン ハードウェアが搭載されていないファブリック スイッチでは、アップグレードによる停止を最小限に抑えることができます。

ステートフル プロセス フェールオーバー

Cisco SAN-OSは、エラーが発生したソフトウェア プロセスを自動的に再起動するとともに、スーパバイザ エンジンのステートフル フェールオーバーを提供します。したがって、コントロール プレーンのハードウェアやソフトウェアにエラーが発生してもファブリックのトラフィック フローが中断されません。

PortChannelによるISLの回復

PortChannelは、ファイバ チャネルとFICONのいずれのトラフィックでも、複数の物理ISLを、ポート回復力を備えた1本の広帯域幅論理リンクに集約します。この機能を使用すると、最大16の拡張ポート(E_Port)またはトランキングE_Port(TE_Port)を1つのPortChannelに結合し、最大32 Gbpsの集約帯域幅を実現できます。ISLポートには、任意のスイッチング モジュール上のポートを指定できます。また、マスター ポートを指定する必要もありません。そのため、ポートやスイッチング モジュールに障害が発生した場合、ファブリックを再設定しなくてもPortChannelは正常に機能し続けます。

iSCSI、FCIP、および管理インターフェイスの高い可用性

Virtual Routing Redundancy Protocol(VRRP)は、イーサネット ネットワークとファイバ チャネル ネットワークの両方を経由してルーティングされるCisco MDS 9000ファミリー管理トラフィックの可用性を向上させます。VRRPは、外部のCisco MDS 9000ファミリー管理アプリケーションの冗長パスを動的に処理するので、アプリケーションでは制御トラフィック パスのエラーを意識せずにすみます。

同様に、VRRPはモジュール間の接続のフェールオーバーも可能にするので、IPネットワークにおけるIP Storage Services(IPS)モジュールへのiSCSI接続およびFCIP接続の可用性も改善します。VRRPを使用すると、1台のCisco MDS 9000ファミリー スイッチ上でも別のCisco MDSファミリー スイッチとの間でも、1つのIPサービス ポートから別のIPサービス ポートへのiSCSIボリュームのフェールオーバーが可能となります。

IPSモジュールのAuto-Trespass機能は、ホスト ソフトウェアに関係なく、RAIDサブシステムへの可用性の高いiSCSI接続を可能にします。IPSモジュールがアクティブ パスの障害を検出すると、自動的にtrespassコマンドが実行されます。

管理機能

増大する一方のストレージ環境をリソースの追加なく管理できるように、Cisco SAN-OSにはさまざまな管理機能が組み込まれています。Cisco SAN-OSがサポートしている管理インターフェイスは、次のとおりです。

  • CLI ― シリアル ポート、帯域外イーサネット管理ポート、帯域内IP over Fibre Channelを介して使用可能
  • SNMPv1、v2、v3 ― 帯域外管理ポートおよび帯域内IP over Fibre Channelを使用可能
  • FICON Control Unit Port(CUP;制御ユニット ポート) ― IBM S/390またはz/900プロセッサからの帯域内管理用

Fabric ManagerとDevice Manager

Cisco Fabric ManagerとDevice Managerは、スイッチやファブリックを総合的に管理できるGUIを備えた反応が速く使いやすいJavaアプリケーションです。Cisco Fabric Managerを使用することにより、ディスカバリ、複数スイッチの設定、リアルタイム ネットワーク モニタリング、ネットワーク トラフィックのホットスポット分析用のパフォーマンス履歴モニタリング、トラブルシューティングなどの機能を通じて、ストレージ管理者はファブリック全体を管理できるようになります。この強力なツールを使用すると、スイッチの設定にかかる時間は大幅に短縮し、ファブリック全体の信頼性が高まり、また、さまざまな診断を通じて設定の矛盾を解決できるようになります。

Cisco IOSソフトウェアと同様のCLI

Cisco SAN-OSは、一貫性のある論理CLIをユーザに提供します。Cisco SAN-OSのCLIは、よく知られたCisco IOSソフトウェアと同じ構文を使用するので、覚えやすく、しかも広範な管理機能に対応できます。Cisco MDS 9000ファミリーのCLIは、エンタープライズ環境の管理者に最適な機能を提供できるように設計された、効率的かつ直接的なインターフェイスです。管理者は、標準のスクリプト言語でCLIスクリプトを書くことにより、Cisco MDS 9000ファミリーを管理できます。

オープンAPI

Cisco SAN-OSは、業界標準のSNMPに基づいて設計されているCisco MDS 9000ファミリー用の完全なオープンAPIです。Cisco Fabric Managerを通じてスイッチに実行されるコマンドには、このオープンAPIが広範に使用されています。また、ストレージおよびネットワークの主な管理ソフトウェア ベンダーもCisco SAN-OSを採用しています。

SAN-OSのFabric-Device Management Interface(FDMI)機能を使用すると、帯域内通信を使用したファイバ チャネルHost Bus Adapter(HBA;ホスト バス アダプタ)などのデバイスの管理が簡単になります。また、FDMIを使用すると、ベンダー固有のホスト エージョントをインストールしなくても、管理アプリケーションによってHBAやホストOSの情報を収集できます。

Cisco SAN-OSは、スイッチ、ファブリック、ゾーニングのプロファイルなど、Web-Based Enterprise Management(WBEM)、Common Information Model(CIM)、およびStorage Management Initiative-Specification(SMI-S)の標準に準拠したエージェントが組み込まれたExtensible Markup Language(XML)インターフェイスを提供します。

ネットワーク セキュリティ設定の自動学習

Cisco SAN-OSには自動学習機能があるため、Cisco MDS 9000ファミリー スイッチは接続先のデバイスとスイッチについて自動的に学習します。ポート セキュリティなどのネットワーク セキュリティ機能の設定と起動にこの機能を使用すれば、各ポートのセキュリティを手動で設定せずにすみます。

iSCSIホストのネットワーク ブート

Cisco SAN-OSにはネットワーク ブート機能があります。この機能を利用すると、iSCSI接続ホストの管理を簡単に行うことができます。

設定およびソフトウェア イメージの管理

CiscoWorksは、IPスイッチ、ルータ、無線デバイスなど、広範なシスコ製デバイスに使用されている共通のツール スイートです。Cisco SAN-OSはオープンAPIなので、CiscoWorks Resource Manager Essentials(RME)アプリケーションによって、Cisco MDS 9000ファミリーの設定や、ソフトウェア イメージ、インテリジェントなSyslog(システム メッセージ ログ)、およびインベントリの一元管理が可能です。

iSNS

Cisco SAN-OSは、IPストレージ サービス モジュールが認識するiSCSIターゲットや、ファイバ チャネル デバイスのステート変更通知を外部のInternet Storage Name Service(iSNS)サーバに登録します。これによって、iSCSIデバイスのディスカバリ、管理、設定が自動化されるので、既存のTCP/IPネットワークもSANと同様に効率的に機能します。

プロキシiSCSIイニシエータ

プロキシiSCSIイニシエータ機能を使用すると、複数のiSCSIイニシエータ(ホスト)をIPSモジュール上の同じiSCSIターゲット ポートに簡単に割り当てることができます。プロキシ モードを使用すると、ファイバ チャネルのゾーニングやストレージ デバイスの設定などのバックエンド タスクの実行回数を減らすことができます。

トラフィック管理

Cisco SAN-OSには、2つのスイッチ間のベスト パスを計算するFSPFプロトコルが実装されているので、適切な配信が可能です。また、Cisco SAN-OSは、負荷が大きく変動する状況でSANのパフォーマンスを安定させるのに役立つ高度なトラフィック管理機能も複数備えているので、Cisco MDS 9000ファミリーのアーキテクチャを強化できます。

制御トラフィックのQoS

4種類のQuality of Service(QoS;サービス品質)プライオリティ レベルを使用できます。そのうちの3種類はファイバ チャネル データ トラフィック用、残りの1種類はファイバ チャネル制御トラフィック用です。データのQoSプライオリティ レベルを使用すると、遅延に影響されやすいアプリケーションのファイバ チャネル データ トラフィックがスループット中心のアプリケーションよりも優先されるように設定できます。制御トラフィックは、自動的に最高レベルのQoSプライオリティに指定されるため、FSPFなどのファブリック全体のプロトコルのコンバージェンス、ゾーンの統合、およびプリンシパル スイッチの選択が高速化します。

ファイバ チャネル輻輳制御

ファイバ チャネル輻輳制御機能は、バッファツーバッファの標準ファイバ チャネル クレジット メカニズムを補完する画期的なエンドツーエンドの輻輳制御メカニズムです。輻輳状態になったスイッチは、この状態の信号を入力スイッチ(輻輳が生じているファブリックへのトラフィックの入力ポイント)に明示的に通知します。入力スイッチは、明示的な通知を受信すると、バッファツーバッファのクレジットを減らすことによってN_Port/NL_Portのトラフィックを抑えます。

仮想出力キューイング

Virtual Output Queuing(VOQ;仮想出力キューイング)では、ヘッドオブライン ブロッキングを回避するために、入力ポートでファイバ チャネル トラフィックのバッファリングを行います。スイッチは、SAN上に低速のN_Portがあっても、SAN内の他のポートのパフォーマンスには影響しないように設計されています。

ファイバ チャネル ポート レート制限

Cisco MDS 9100シリーズには、ファイバ チャネル ポート レート制限機能があります。この機能を使用すると、4つのホスト最適化ポートからなるグループ内で、個々のファイバ チャネル ポートが使用できる帯域幅を制御できます。1つまたは複数のファイバ チャネル ポートの帯域幅を制限することにより、帯域幅の使用率が最大になった場合でも、グループ内の他のポートが使用できる帯域幅の方が大きくなります。

PortChannelトラフィックの負荷分散

PortChannelは、送信元FC-IDおよび宛先FC-ID、さらに任意で交換IDのハッシュを使用して、ファイバ チャネル トラフィックの負荷分散を行います。PortChannelを使用した負荷分散は、ファイバ チャネルとFCIPの両方のリンクで実行されます。Cisco SAN-OSは、複数の同コストFSPFルート間で負荷を分散するように設定することもできます。

iSCSIおよびSAN拡張パフォーマンスの強化

Cisco SAN-OSは、配信順序の混乱への対処、IPネットワーク トポロジーに応じた転送サイズの調整、ほとんどのデータ転送に関してTCP接続の設定を回避することによる遅延の低減など、iSCSIおよびFCIPの機能が強化されています。SAN拡張のFCIPパフォーマンスは、圧縮機能と書き込みアクセラレーション機能によってさらに強化されます。

FCIP圧縮

Cisco SAN-OSのFCIP圧縮機能を利用すると、費用のかかるインスラストラクチャのアップデートをしなくてもWAN帯域幅を効果的に増やせます。データ圧縮機能はIPSモジュール内に組み込まれているので、別のデバイスを追加したり管理したりせずに、効率がよく、業務継続性および障害復旧性に優れたFCIPベースのソリューションを実現できます。2:1の圧縮比で多様なデータ送信元からのデータを圧縮できるLempel-Zif-Stac(LZS)圧縮アルゴリズムを使用することにより、IPSモジュールの各ギガビット イーサネット ポートあたり、圧縮時最大100 Mbps(非圧縮時最大200 Mbps)のデータ伝送が可能です。

FCIP書き込みアクセラレーション

FCIPを使用しWANを介してストレージ トラフィックがルーティングされる場合は、Cisco SAN-OSのFCIP書き込みアクセラレーション機能によってパフォーマンスが大きく向上します。FCIP書き込みアクセラレーション機能を有効にすると、コマンドがレディ確認応答を転送する際に生じるWAN遅延の影響が最小限に抑えられるため、WANのスループットが大幅に増大します。

便利な機能 ― トラブルシューティングと診断

Cisco SAN-OSは、SANの構築、拡張、メンテナンスのプロセスを簡略化する便利な機能を多数提供できる初めてのストレージ ネットワークOSです。これらの機能は、メンテナンス時のSANの中断を最小限に抑えるとともに、重大な障害からの復旧時間を短縮することにより、可用性の向上にも役立ちます。

SPANとCisco Fabric Analyzer

ファイバ チャネルSANのエラーをデバッグするには、通常、ファイバ チャネル アナライザを使用しなければなりませんが、これを使用すると、SANトラフィックが著しく中断します。Cisco SAN-OSのSwitched Port Analyzer(SPAN;スイッチド ポート アナライザ)機能を使用すれば、システムを稼働したまま、外部アナライザが接続されているSPAN宛先ポートにSPANセッション トラフィックを転送する方法で、ポート(SAPN送信元ポート)間のすべてのトラフィックを分析できます。SPAN宛先ポートは、SPAN送信元ポートと同じスイッチ上に存在していなくてもかまいません。ファブリック内の任意のファイバ チャネル ポートを送信元に指定できます。SPAN送信元には、ファイバ チャネル ポートのほか、IPサービスのFCIPとiSCSIの仮想ポートなども指定できます。

Cisco MDS 9000ファミリーは、内蔵されているCisco Fabric Analyzer機能によって、ファイバ チャネル制御トラフィックをスイッチ内部に保存し、テキストベースで分析を行うことができます。また、IPカプセル化したファイバ チャネル制御トラフィックをリモートPCに送信し、オープンソースのEtherealネットワーク アナライザ アプリケーションを使用してデコードと表示を行うことも可能です。したがって、高価なファイバ チャネル アナライザを使用しなくても、ファイバ チャネル制御トラフィックを取り込んで分析できます。

Fibre Channel PingおよびFibre Channel Tracerouteの機能

Cisco SAN-OSは、Fibre Channel PingやFibre Channel Tracerouteなど、IPネットワークのトラブルシューティングに必要なストレージ ネットワーク機能を提供します。Fibre Channel Pingを使用すると、Nポートの接続をチェックし、その往復遅延を判断できます。また、Fibre Channel Tracerouteでは、フレームがたどるパスを追跡してホップ単位の遅延を判断することにより、スイッチの到達可能性をチェックできます。

Call Home

Cisco SAN-OSには、Call Homeという予防的障害管理の機能があります。Call Homeは、ソフトウェアやハードウェアのイベントによってトリガされる通知システムであり、アラームとイベントを他の該当情報とともに標準フォーマットで外部エンティティに転送します。アラート グルーピング機能やカスタマイズ可能な宛先プロファイルにより、必要に応じて個人やサポート組織に柔軟に通知できます。これらの通知メッセージによって、テクニカル アシスタンス チケットを自動的にオープンしたり、重大な状態になる前に問題を解決することが可能です。通知先の外部エンティティには、管理者の電子メール アカウントまたはページャー、社内またはサービス プロバイダーの施設内のサーバ、Cisco Technical Assistance Center(TAC)などを指定できます(これらに限定されません)。

Syslog

Cisco MDS 9000ファミリーのSyslog(システム ログ)機能によって、デバッグと管理の能力が大幅に強化されます。Syslogの重大度レベルは、すべてのSAN-OSファシリティに個別に設定可能であり、概要から非常に詳細なデバッグ情報まで、多様なメッセージの記録と表示を行うことができます。メッセージは、コンソールおよびログ ファイルに選択的にルーティングできます。また、内部のログに記録されたメッセージを外部のSyslogサーバに送信することも可能です。

その他の便利な機能

Cisco SAN-OSには、上記のほかに、次のような機能もあります。

  • オンライン診断 ― Cisco SAN-OSには高度なオンライン診断機能があります。スーパバイザ エンジン、スイッチング モジュール、そしてこれらの相互接続が正常に機能しているかどうかを確認するテストが定期的に実行されます。このようなオンライン診断は、通常のファイバ チャネル動作に悪影響を及ぼすことはないので、実稼働SAN環境で実行できます。
  • ループバック テスト ― Cisco MDS 9000ファミリーは、オフラインでポートのループバック テストを行ってポートの機能をチェックできます。テスト中のポートは外部接続から隔離され、トラフィックは送信パスから受信パスへと内部でループされます。
  • IP-over-Fibre Channel ― Cisco MDS 9000ファミリーには、ファイバ チャネル ネットワークを通じてIPパケットを伝送する機能があります。この機能を使用すると、帯域外管理ポートを通じてファブリック内のCisco MDS 9000ファミリー スイッチに外部管理ステーションを接続し、帯域内IP-over-Fibre Channelプロトコルによってファブリック内の他のすべてのスイッチを管理できます。
  • Network Time Protocol(NTP)のサポート ― NTPはファブリック内のシステム クロックを同期化し、すべてのスイッチに正確なタイム ベースを提供します。ただし、帯域外イーサネット ポートを通じて、ファブリックからNTPサーバにアクセスできることが必要です。ファブリック内では、NTPメッセージはIP-over-Fibre Channelを通じて伝送されます。
  • SNMPトラップおよびSyslogによるイベント ロギングおよびレポーティングの強化 ― Cisco MDS 9000ファミリーのイベント フィルタリングおよびRemote Monitoring(RMON)機能は、SNMPトラップによる広範で柔軟な制御を可能にします。スレッシュホールド値、スイッチ カウンタ、またはタイム スタンプに基づいたトラップを作成できます。またSyslogも、多彩で補完的な情報源として、Cisco MDS 9000ファミリー スイッチの管理に役立ちます。重大イベントのメッセージから詳細なデバッグ メッセージまで必要に応じて選択的にログに記録することができます。

付録A ― Cisco SAN-OSソフトウェア パッケージのライセンス

Cisco MDS 9000ファミリーのほとんどのソフトウェア機能は、スイッチの基本コンフィギュレーションである「標準パッケージ」に含まれています。ただし、一部の機能は、エンタープライズ パッケージ、SAN Extension over IPパッケージ、メインフレーム パッケージ、Cisco Fabric Managerサーバ パッケージなど、個別にライセンスが必要なアドオン パッケージに分類されています。

エンタープライズ パッケージ

Cisco MDSスイッチに無料でバンドルされている標準ソフトウェア パッケージには、SANを構築するほとんどのお客様に必要であるとシスコが考える基本的な機能セットが含まれています。ただし、MDSスイッチには、エンタープライズSANに適した高度な機能セットもあり、これらの機能はエンタープライズ パッケージにバンドルされています。詳細は、エンタープライズ パッケージのファクト シートをご覧ください。

SAN Extension over IPパッケージ

SAN Extensionパッケージを利用すると、IPSモジュールでFCIPに対応できるようになります。そのため、IPSモジュールを使用して遠隔地にあるIPネットワークまでSANを拡張できます。詳細は、SAN Extension over IPパッケージのファクト シートをご覧ください。

メインフレーム パッケージ

メインフレーム パッケージには、FICONプロトコルが含まれており、IBM S/390またはz/900プロセッサからの帯域内管理によるCUPの管理が可能になります。FICON VSANもサポートされているので、FICONとオープン システムをハードウェアベースで確実に分離できます。このパッケージには、スイッチのカスケード、ファブリック バインディング、およびインターミキシングの機能も含まれています。詳細は、メインフレーム パッケージのファクト シートをご覧ください。

Cisco Fabric Managerサーバ パッケージ

Cisco MDSスイッチに無料でバンドルされている標準のCisco Fabric ManagerおよびDevice Managerアプリケーションには、基本的な設定とトラブルシューティングの機能が含まれています。 Cisco Fabric Managerサーバ パッケージでは、標準のCisco Fabric Managerが拡張され、ネットワーク トラフィック ホットスポット分析用のパフォーマンス履歴モニタリングや、集中管理サービスのほか、エンタープライズ環境における管理を効率化する高度なアプリケーション統合機能が追加されています。詳細は、Cisco Fabric Managerサーバ パッケージのファクト シートをご覧ください。

Cisco SAN-OSソフトウェア パッケージのファクト シートは、以下のURLでご覧ください。

http://www.cisco.com/en/US/products/hw/ps4159/ps4358/products_data_sheets_list.html

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