Cisco Security Device Manager

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Cisco Security Device Manager


Cisco® Security Device Manager(SDM)は、Cisco IOS® アクセス ルータに組み込まれた Web ベースの直感的なデバイス管理ツールです。Cisco SDM ではインテリジェントなウィザードによってルータおよびセキュリティの設定が容易に行えるようになっており、Cisco IOS ソフトウェア Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)の知識のないユーザでも、Cisco アクセス ルータを短時間で容易に導入、設定し、監視できます。

柔軟性と使いやすさ

Cisco SDM を使用すると、Cisco アクセス ルータの Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ機能をデバイス単位で容易に設定するとともに、パフォーマンス モニタリングによって予防的な管理を実現できます。新しいルータを導入するか、または既存のルータに Cisco SDM をインストールするかにかかわらず、Cisco 831、1700、2600xm、3600、および 3700 シリーズ ルータを、Cisco IOS ソフトウェア Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を使用せずにリモートから設定および監視することが可能になります。

Cisco IOS ソフトウェア CLI はルータを設定する効果的な手段ですが、高度な熟練性と専門知識が要求されます。Cisco SDM には GUI が装備されており、Cisco IOS ソフトウェアの初心者ユーザが日常業務で使用する際の助けとなります。また、使いやすいインテリジェントなウィザード、自動化されたルータ セキュリティ管理、および広範なオンライン ヘルプとチュートリアルが用意されています(図 1)。


図 1   Cisco SDM のグラフィカル ユーザ インターフェイス

ユーザは Cisco SDM のウィザードを使用することで、ルータ設定およびセキュリティ設定ワークフローに従って LAN および WAN インターフェイス、ファイアウォール、および VPN を体系的に設定できます。Cisco SDM のウィザードには、適切でないセキュリティ設定をインテリジェントに検出し、修正方法(たとえば、WAN インターフェイスのアドレスが Dynamic Host Control Protocol(DHCP; 動的ホスト制御プロトコル)によって設定される場合に、DHCP トラフィックがファイアウォールを通過できるようにするなど)を提示する機能があります。Cisco SDM に組み込まれたオンライン ヘルプには、適切な背景情報に加えて、ユーザが Cisco SDM アプリケーション ウィンドウに正しいデータを入力するために利用できるステップバイステップの手順が記載されています。また、ユーザがよく目にするネットワーク関連およびセキュリティ関連の用語と定義を含むオンライン用語集もあります。

Cisco SDM には、Cisco IOS ソフトウェアとそのセキュリティ機能に習熟したネットワークの専門家向けに、ルータのセキュリティ機能を迅速に設定および微調整するための詳細モードが用意されています。これにより、ルータに設定変更を適用する前に Cisco SDM によって生成されたコマンドを確認できます。上級ユーザは、Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)エディタなどの機能を使用して設定をすばやく微調整することもできます。

Cisco SDM を使用すれば、どのようなタイプのユーザでも、Secure Sockets Layer(SSL)接続を通じてリモートからルータを設定し、監視できます(図 2)。このテクノロジーにより、ユーザのブラウザとルータとの間で、インターネットを経由した安全な接続が可能になります。Cisco SDM 対応のルータをブランチ オフィスに導入すれば、そのルータを本社から設定および監視できるため、ブランチ オフィスで IT サポートを行う必要が少なくなります。


図 2   SSL 接続による SDM 対応ルータへの安全なリモート接続

セキュリティ設定

新しいルータを導入するときに Cisco SDM を使用すると、International Computer Security Association(ICSA)および Cisco Technical Assistance Center(TAC)によって推奨されたベスト プラクティスに従って Cisco IOS ファイアウォールを迅速に設定できます。Cisco SDM ユーザは最も強力な VPN のデフォルトを設定でき、セキュリティ監査が自動的に実行されます(図 3)。また、ファイアウォールに関するルータのロックダウンと、安全なサイト間接続を迅速に導入する VPN の作成をそれぞれ 1 ステップで実行できます。


図 3   ルータのセキュリティ監査

既存のルータに Cisco SDM をインストールすると、1 ステップでセキュリティ監査を実行し、一般的なセキュリティ脆弱性に照らしてルータ設定の強さと弱さを評価できます。管理者は詳細モードを使用して、自社のビジネス要件に合わせて既存のセキュリティ設定を微調整できます。Cisco SDM は継続的なモニタリング、障害管理、およびトラブルシューティングにも利用できます。

ルータ設定

Cisco SDM では、セキュリティ設定だけでなく、LAN および WAN インターフェイスの設定といった基本的なルータ設定も迅速かつ容易に行うことができます。LAN 設定ウィザードを使用することで、イーサネット インターフェイスに IP アドレスとサブネット マスクを割り当て、DHCP サーバを有効または無効に設定できます。

WAN 設定ウィザードを使用すると、T1/E1、イーサネット、および xDSL インターフェイスにスタティックまたはダイナミック IP アドレスとサブネット マスクを割り当てることができます。シリアル接続については、フレームリレー、Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)、High-Level Data Link(HDLC; ハイレベル データリンク コントロール)のカプセル化を実装できます。また、PPP 接続およびフレームリレー接続について認証を設定し、Local Management Interface(LMI; ローカル管理インターフェイス)および Data-Link Connection Identifier(DLCI; データリンク接続識別子)パラメータを入力することもできます。さらに、OSPF、RIP、EIGRP などの一般的なルーティング プロトコルの設定も可能です。

モニタリング

Cisco SDM の「モニタ」モードでは、Cisco IOS ソフトウェア リリース、インターフェイスの状態(アップまたはダウン)、CPU やメモリの使用状況といったルータの状態やパフォーマンス メトリックの概要が表示されます。Cisco IOS ファイアウォールによって拒否されたネットワーク アクセス試行の数を表示したり、ファイアウォールのログに簡単にアクセスしたりすることもできます。また、アクティブな IP Security(IPSec)トンネルの数など、VPN の状態も監視できます。インターフェイス、ファイアウォール、VPN、およびロギングの状態とパフォーマンスも、それぞれ個別に、詳細なレベルで監視できます。

コストの削減

Cisco SDM は、ネットワーク管理コストに敏感な企業のブランチ オフィスや中小企業に最適です。Cisco SDM を使用すると、ルータのセキュリティ設定をデバイス単位でタイムリーに実装できます。ネットワーク管理ソフトウェアを新たに購入する必要はありません。大規模なネットワークを持つ企業では、Cisco SDM によって、経験の少ないブランチ オフィスの管理者が個々のルータを容易に導入できるようになります。導入したデバイスは本社から中央管理ツールを使用して管理できるため、ブランチ オフィスでは時間と IT サポートの面でコストを削減できます。

Cisco SDM とその他のシスコ管理アプリケーション

シスコでは、Cisco SDM と組み合せて使用できる追加のデバイス管理アプリケーションやネットワーク管理アプリケーションを提供しています。CiscoView は CiscoWorks 専用サーバにインストールできる Web ベースの管理アプリケーションで、Cisco デバイスの物理構成図を表示し、監視します。Cisco SDM と CiscoView のクライアント インターフェイスは同じワークステーションに共存できます。Cisco SDM は主にルータ設定とセキュリティ機能の設定に使用するのに対し、CiscoView はルータの物理的な状態のリアルタイム表示や、Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)ベースのデバイス モニタリングに使用します。Web ベースの Quality of Service(QOS)管理アプリケーションである Cisco QoS Device Manager(QDM)と Cisco SDM も同じルータ上で共存できます。Cisco QDM は主にルータで QOS 関連の Cisco IOS ソフトウェア設定を設定する際に使用します。

Cisco IP Solution Center(ISC)と CiscoWorks VPN/Security Management Solution(VMS)はどちらも Cisco IOS ルータに対して非常にスケーラブルなセキュリティ管理ソリューションを提供します。Cisco ISC は低コストで 10,000 台以上のデバイスに拡張できます。Cisco SDM は、これらの中央集中型管理ソリューションを補完するために、セキュリティ設定のミスマッチをデバイス レベルで検出し訂正できるインテリジェントなウィザードによって、ルータへの LAN、WAN、およびセキュリティ機能の導入を支援します。

Cisco 831 シリーズ ルータでは、Cisco Router Web Setup(CRWS)ツールまたは Cisco SDM のどちらかを設定に使用できます。CRWS は複数の Cisco 831 シリーズ ルータを同じ設定で導入する場合に最も適しています。Cisco SDM はサイト別に異なる設定が必要な場合に使用します。

表 1 に Cisco SDM の機能と利点を示します。

表 1   Cisco SDM の機能と利点

機能 利点
組み込みの Web ベース管理ツール
  • ルータが独自の管理ツールを備えた完全なソリューションになる
  • 管理ステーションを別に用意する必要がない
  • サポートされたデスクトップまたはラップトップからリモート管理が可能
SSL ベースの安全なリモート アクセス
  • WAN を越えた安全な管理
ルータの状態の一覧表示
  • ルータのハードウェア、ソフトウェア、およびセキュリティ設定の一覧を迅速に表示
ルータのセキュリティ監査
  • 一般的なセキュリティ脆弱性に照らして既存のネットワーク インフラストラクチャを評価
  • 専門機関(TAC、ICSA)によって推奨されたルータのセキュリティ ポリシーに容易に適合
1 ステップでのルータのロックダウン
  • セキュリティや Cisco IOS ソフトウェアに関する専門知識がなくてもファイアウォールを容易に設定できる
ファイアウォール、VPN、Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)などの Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ機能の迅速な設定を支援するウィザード
  • 新しい Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ機能についてネットワーク管理者に教育する必要がなくなる
  • 既存のネットワーク インフラストラクチャを低コストで容易にセキュリティ保護できる
スタートアップ ウィザード
  • Cisco ルータの導入に関する時間を短縮し、複雑さを軽減できる
詳細な設定モード
  • セキュリティの専門家がサイト固有の要件に基づいてセキュリティ ポリシーを微調整できる
Cisco IOS ソフトウェア CLI コマンドのプレビュー
  • Cisco IOS ソフトウェアの専門知識の習得を支援
ACL 管理(エディタ)
  • 上級ユーザが ACL を容易かつ迅速に管理できる
モニタリングとロギング
  • セキュリティに関連した問題のトラブルシューティングや、ネットワーク上のミッションクリティカルなアプリケーションに影響が出ないうちにルータのパフォーマンスを管理する際に役立つ
統合されたオンライン ヘルプとチュートリアル
  • IT スタッフがセキュリティ テクノロジーの最新情報や複雑なセキュリティ設定を常に把握しておく必要がない

表 2 に Cisco SDM の仕様を示します。

表 2   Cisco SDM の仕様

仕様 Cisco SDM
サポートされるプラットフォーム
  • Cisco 831、836、および 837
  • Cisco 1710、1721、1751、および 1760
  • Cisco 2610XM、2611XM、2620XM、2621XM、2650XM、2651XM、および 2691
  • Cisco 3620、3640、3661、および 3662
  • Cisco 3725 および 3745
必要な Cisco IOS ソフトウェア
  • Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(11)T6 以降(詳細については SDM の FAQ を参照)
メモリ要件
  • ルータのフラッシュ メモリに 2.3 MB 以上の空き領域が必要
オペレーティング システム要件
  • Windows 2000
  • Windows NT 4.0(Service Pack 4)
  • Windows 98
  • Windows ME
  • Windows XP
ブラウザ要件
  • Microsoft Internet Explorer 5.5 以降
  • Netscape Navigator 4.79
Java 要件
  • クライアント デバイスには、Internet Explorer および Netscape ブラウザのように JDK 1.1.4 をサポートしているブラウザが必要
  • Java プラグイン、JRE2 バージョン 1.3.1 以降
推奨される接続速度
  • 56 Kbps 以上
基本的なルータ設定パラメータ
  • IP
  • パスワード
  • ユーザ
  • Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)
  • DHCP
  • SNMP
  • Telnet
高度なルータ設定パラメータ
  • ルーティング プロトコル:スタティック、Routing Information Protocol(RIP)、Open Shortest Path First(OSPF)、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)
  • NAT
  • ACL
設定可能な WAN インターフェイス
  • イーサネット
  • xDSL
  • T1/E1
サポートされる WAN カプセル化
  • フレームリレー
  • PPP
  • PPP over Ethernet(PPPoE)
  • RFC 1483 ルーティング
  • HDLC
設定可能な VPN パラメータ
  • Internet Key Exchange(IKE)
  • IPSec
  • Easy VPN Remote
  • Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)トンネル
サポートされるファイアウォール パラメータ
  • Context-Based Access Control(CBAC)
CiscoView との併用
  • Cisco SDM と併用可能
Cisco QDM との併用
  • Cisco SDM と併用可能
ライセンス
  • ライセンス料は不要
入手方法
  • すべての Cisco 1700、2600xm、3600、3700 VPN バンドルにプリインストール
  • サポート対象のすべての Cisco ルータ モデルにオプションでプリインストール可能
  • www.Cisco.com の Software Center から無償でダウンロードできる