データ シート
Cisco 800 シリーズ、Cisco 1812J、および Cisco ISR 1800、2800、3800 シリーズによるワイヤレス サービス
ワイヤレス サービスを備えたシスコシステムズのルータは、企業のブランチ オフィス、中小・中堅企業、パブリック Wireless LAN(WLAN; ワイヤレス LAN)ホットスポットまたは Wi-Fi ホットスポット、小規模リモート オフィス、および在宅勤務者向けに、包括的でセキュアなワイヤレス インフラストラクチャ ソリューションを提供します。シスコのルータ製品ポートフォリオは、統合された WLAN 接続、Wi-Fi ホットスポット サービス、Cisco Land Mobile Radio(LMR)over IP サービス、およびワイヤレス インフラストラクチャ サービスをサポートしています。
製品概要
シスコシステムズでは、データ、音声、映像、およびワイヤレスの同時サービスをセキュアに配信するため、クラス最高のルーティング技術を提供しています。モジュラ型の Cisco ISR 1800、2800、3800 サービス統合型ルータ シリーズ、および固定構成の Cisco 800 シリーズおよび Cisco 1812J は、業界で最も包括的なワイヤレス サービスを提供し、企業のブランチ オフィス、中堅・中小企業、パブリック WLAN ホットスポットおよび Wi-Fi ホットスポット、小規模リモート オフィス、および在宅勤務者などのワイヤレス環境における生産性の向上を実現します(図 1)。
図 1 ワイヤレス サービスを備えたシスコのルータ製品ポートフォリオ
以下のワイヤレス ソリューションは、それぞれシスコのルータ製品ポートフォリオの特定モデルによってサポートされます。
- WLAN 接続 - 統合型 802.11 WLAN アクセス ポイントが、Cisco 800 シリーズおよび Cisco 1812J 固定構成ワイヤレス ルータ、および Cisco ISR 1800、2800、3800 シリーズのモジュラ型ルータのオプションとしてサポートされています。この機能は、内蔵型アクセス ポイント、あるいは High-speed WAN Interface Card(HWIC; 高速 WAN インターフェイス カード)アクセスポイント モジュールとして提供されています。
- パブリック WLAN ホットスポット - 統合型 WLAN アクセス ポイント、Access Zone Router(AZR)サービスなど、用途に応じたルータ選択が可能です。
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- 単一のアクセス ポイントと AZR サービスを使用する小規模なホットスポットの場合、アクセス ポイントを内蔵したルータを採用することによって対応できます(Cisco 800 シリーズ、Cisco 1812J、Cisco ISR 1800、2800、3800 シリーズ)。
- 複数のアクセス ポイントと AZR サービスまたは Power over Ethernet(PoE)を使用するホットスポットの場合は、1 台のルータと複数の Cisco Aironet® アクセス ポイントによってサポートできます(Cisco 1812J、Cisco ISR 1800、2800、3800 シリーズ)。
- 大規模なマルチプロバイダーまたは分散型ホットスポット(空港など)の場合は、複数の Cisco Aironet アクセス ポイント、および AZR 機能と SSG を備えた 1 台のルータによってサポートできます(Cisco ISR 2800、3800 シリーズ)。
- LMR over IP - LMR over IP サービスは、特定のルータ(Cisco ISR 2800、3800 シリーズ)でサポートされています。このサービスは、Push to Talk 無線通信の適用範囲を大幅に拡大し、さまざまな通信デバイス(IP 電話、アナログ電話、携帯電話など)からのリモート アクセスおよびディスパッチ動作に対応するとともに、異種無線システム間の相互運用性を強化して、無線ユーザの生産性とコラボレーション能力を高めます。
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- 大企業 - 企業のセキュリティおよび緊急対応サービス(警備員、医療技術者)、ビル管理および修復サービス(メール、電気設備、Heating, Ventilating, and Air Conditioning [HVAC; 冷暖房空調設備])、輸送サービス(運送、設置作業、修理技術者)など。
- 中小・中堅企業 - 配管工、電気技師、配送員、建設現場など。
- 公共安全機関 - 警察、消防署、救急医療など。
- ワイヤレス インフラストラクチャ サービス - Cisco ISR 2800、3800 シリーズは、ブランチ オフィスやリモート サイトに配置された Cisco Aironet アクセス ポイントと連携して WLAN の耐障害性を強化し、モビリティ サービスを向上させます。SSG によってカスタム ゲスト アクセスが可能となり、Cisco IOS® ソフトウェアのモバイル IP ホーム エージェント機能によって、WLAN およびモバイル(携帯)ネットワーク全体にわたるモビリティを実現します。
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- 耐障害性を持つ IEEE 802.1X ローカル認証機能をルータに備えることによって、独立した Authentication, Authorization, and Accounting(AAA; 認証、許可、アカウンティング)サーバを使用しなくても、リモート サイトのセキュアなワイヤレス ネットワークに対して最大 1,000 のワイヤレス クライアントを認証でき、この機能を本社の AAA サーバのバックアップとして利用できます。
- WLAN と有線 IP テレフォニーは、Cisco CallManager Express(CCME)と Survivable Remote Site Telephony(SRST)を使用してサポートされます。
- 大規模企業向けのカスタム ゲスト アクセス ソリューションは、SSG と Cisco CNS Subscriber Edge Services Manager(SESM)によって利用可能となっています。
- モバイル IP ホーム エージェントによって、IP ネットワークの境界を越えてローミングする場合、あるいは異なるタイプのアクセス ネットワーク間(WLAN、2.5 世代および 3G [第 3 世代] モバイル [携帯] ネットワークなど)をローミングする場合に、モバイル ユーザとモバイル ネットワークのための透過的なモビリティおよびアプリケーション セッションの維持が可能となります。
- WLAN コントローラ機能 - Cisco ISR 2800、3800 シリーズは、Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールに WLAN コントローラ機能を提供します。統合型の WLAN コントローラ ネットワーク モジュールは、セキュリティ ポリシーの作成と適用、侵入防御、RF 管理、Quality of Service(QoS; サービス品質)、モビリティなど、システム全体に WLAN 機能を提供します。
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- すべてのアクセス ポイントを 1 つの完全な WLAN システムとして管理することで、アクセス ポイントを自動的に設定できます。
- Radio Resource Management(RRM)アルゴリズムを使用したソフトウェアを組み込むことで、無線環境における変化をリアルタイムで検出して対応できるため、自己設定、自己最適化、および自己修正が可能な WLAN 環境を構築できます。
- 75 Mbps の集約されたスループットにより、最大 6 つのアクセス ポイントをサポートします。
機能概要
表 1 に、シスコのルータ製品でサポートされている主なワイヤレス サービスをまとめます。
表 1 ワイヤレス サービスを備えたシスコのルータ製品ポートフォリオ
外付けのミッドスパン モジュールと電源装置が必要
外付け冗長電源装置を使用
機能と利点
WLAN 接続サービス - 統合型 802.11b/g および 802.11a/b/g アクセス ポイント
ルータの IEEE 802.11 Wi-Fi 認定統合型アクセス ポイントは、強力な無線感度と優れた性能によって、安定した予測可能な IEEE 802.11 カバレッジを提供します。また、Wi-Fi Protected Access(WPA)エンタープライズのサポートにより、セキュリティの強化を可能とします。これには、802.1X および Cisco LEAP、Protected Extensible Authentication Protocol(PEAP)、または Extensible Authentication Protocol Transport Layer Security(EAP TLS)による認証や、Temporal Key Integrity Protocol(TKIP)、ダイナミック WEP、またはスタティック WEP による暗号化、さらに、Simple Secure Network(SSN)および MAC アドレス フィルタリングなどの機能が含まれます。また、WLAN VLAN および 802.1Q もサポートされています。
統合型アクセス ポイントは、単一のアクセス ポイントを使用する小規模サイト向けに最適化されています。複数のアクセス ポイントを必要とするサイトでは、個別の Cisco Aironet アクセス ポイントの使用が推奨されます。統合型アクセス ポイントは、現場で交換できる脱着式のダイバーシティ アンテナを備え、標準またはカスタマイズされたアクセス ポイント構成をサポートしています(単一の固定型アンテナを備えた Cisco 851W シリーズを除く)。ルータ管理は、CiscoWorks、CiscoView、および Cisco Router and Security Device Management(SDM)ベースのワイヤレス デバイス管理によって行うことができます。GUI ベースのワイヤレス インターフェイス用ネットワーク管理ツールが用意されています。
統合型 802.11b/g WLAN 接続
ワイヤレス ルータに搭載される統合型 802.11b/g アクセス ポイントは、最大 54 Mbps の接続をサポートしています。シングルバンド(2.4 GHz)の統合型アクセス ポイントは、Cisco 800W シリーズ、およびモジュラ型の Cisco ISR 1800、2800、3800 シリーズ用の 802.11b/g HWIC-AP WLAN インターフェイス カードでサポートされています。
統合型 802.11a/b/g WLAN 接続
ワイヤレス ルータに搭載される統合型 802.11a/b/g アクセス ポイントは、最大 108 Mbps の接続をサポートしています。デュアルバンド(2.4 GHz と 5 GHz の同時使用が可能)の統合型アクセス ポイントは、Cisco 1812JW でサポートされています。
表 2 に、シスコのルータ製品ポートフォリオで利用できる WLAN 接続オプションをまとめます。
表 2 WLAN 接続機能
パブリック WLAN ホットスポット サービス - 統合型 802.11 アクセス ポイント、AZR、PoE、および SSG のサポート
シスコのルータ製品は、パブリック WLAN ホットスポット(アクセス ゾーン)向けの包括的なソリューションを単一のデバイスで提供します。
統合型 802.11b/g および 802.11a/b/g WLAN 接続
前述のとおり、シスコのルータは、Wi-Fi ホットスポット サービス向けに、統合型の 802.11b/g または 802.11a/b/g アクセス ポイント オプションを提供します。
AZR
AZR 機能は、ホットスポット ネットワークのセキュリティを確保し、許可されたパブリック アクセスを実現するのに役立ちます。AZR を統合型 802.11 WLAN とともに使用すると、アクセスしやすいセキュアなパブリック Wi-Fi ホットスポットの実現に必要な展開と設定が容易に実行できます。AZR として動作するルータは、統合型アクセス ポイントとともに使用することもでき、また、10/100BASE-T スイッチ ポートに接続する個々のアクセス ポイントにサービスを拡張するために利用することもできます。さらに、外部のアクセス ポイントにインライン PoE を提供できます。
シスコのルータ製品は、次のような AZR 機能スイートを完全にサポートしています。
- セキュアな Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)- IP スプーフィング
- Called Station ID(CSID)フォーマット
- 許可された ARP - IP スプーフィングおよびセッション終了
- 自動的に動作するスタティック アドレスのサポート
- 自動的に動作するスタティック アドレスを使用した Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)アカウンティング
- 自動的に動作するスタティック アドレスを使用した NAT タイムアウトによるセッション終了
- 自動的に動作するスタティック アドレスと認証
- ARP セッション終了
- Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)Option 82 でセキュリティ保護されたアドレス割り当ておよびアカウンティング
図 2 パブリック WLAN または Wi-Fi ホットスポット ネットワーク
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図 2 に示すとおり、統合型 AZR サービスは、パブリック Wi-Fi ホットスポットでのセキュアな管理しやすいサービスの実現を支援します。表 3 に、シスコのルータ製品ポートフォリオで使用できるパブリック WLAN ホットスポット機能を示します。
表 3 パブリック WLAN ホットスポット機能
外付けのミッドスパン モジュールと電源装置が必要
イーサネット スイッチおよび PoE のサポート
シスコのルータでは、個別の 802.11 アクセス ポイント(Cisco Aironet アクセス ポイントなど)を使用するサイトをサポートするために、統合型の IEEE 802.3af PoE によるアクセス ポイントへの給電が可能となっています。これにより、個別のケーブル配線や電力インフラストラクチャは不要です(表 4)。
表 4 イーサネット スイッチおよびインライン PoE 機能
外付けのミッドスパン モジュールと電源装置が必要
外付け冗長電源装置を使用
Service Selection Gateway(SSG)
Cisco IOS ソフトウェアベースの SSG サービスは、Windows、UNIX、または Linux サーバに配置するソフトウェア ツールキットである Cisco CNS SESM と連携して、加入者認証、サービス選択、サービス接続、およびアカウンティング機能を提供します(図 3)。SSG サービスを備えたルータは、最大 1,000 ユーザをサポートでき、大規模なマルチサービス プロバイダーのホットスポット(空港など)や分散型のパブリック WLAN ネットワークの展開に最適なシステムを実現できます。
- SSG は、パブリック(またはエンタープライズ)WLAN サービスに対する加入者アクセスを認証および許可できます。
- SSG は課金サーバと連携して、事後課金モードおよびプリペイド課金モードの両方で、加入者単位およびサービス単位の課金を行うことができます。
- SSG は SESM と連携し、加入者の認証とセルフサブスクリプション、およびサービス プロバイダーのブランディングに対応する Web ポータルを提供できます。
- SSG はオープンガーデン(open-garden)サービスおよびウォールドガーデン(walled-garden)サービスを提供し、情報への加入者アクセスを制御します。
図 3 サービス プロバイダーおよび企業における SSG を利用した加入者単位サービス
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内蔵型の 802.11 アクセス ポイント、AZR サービス、PoE、および SSG サービスを備えたルータは、業界で最も包括的な Wi-Fi ホットスポット ルータ ポートフォリオです。
LMR over IP サービス - Push to Talk 無線との相互運用性
Push to Talk 無線(LMR システム)は、人員と物資の調整、重要な安全性とセキュリティに対するニーズ、および緊急時の迅速な対応といったさまざまな通信要件を満たすために、企業、地方自治体、その他の組織で使用されます。LMR システムは高い信頼性とプライバシーを備え、ローカルな制御が可能ですが、独立したシステムであるため、ほかの LMR システムやタイプの異なる通信デバイスと相互運用する機能はありません。LMR over IP は、LMR システムの利点を維持しながら、通信の適用範囲を大幅に拡張し、さまざまな通信デバイスからのリモート アクセスおよびディスパッチ動作を可能にするとともに、異種無線システム間の相互運用に対応できます。
シスコのルータ(表 5)は、IP ネットワークへの LMR「ゲートウェイ」として機能します。このルータは、LMR 専用のソフトウェア機能によって、標準の Ear and Mouth(E&M)インターフェイスを使用します。これらのゲートウェイは、既存の LMR システムにリンクし、LMR の音声およびシグナリング機能を IP へ対応させます。標準規格ベースの IP ネットワークを LMR ゲートウェイと相互接続することで、リアルタイムのポイントツーマルチポイント トラフィックに必要なインテリジェント サービスを提供できます。この柔軟性の高い経済的なソリューションによって、複数の LMR システムを一時的または恒常的に結合することができます。このようなスケーラブルな分散管理型のアーキテクチャは、通信距離を問わず、パブリック ネットワークまたはプライベート ネットワーク全体にわたって、数人から数百人あるいは数千人のユーザ サポートを可能にします。サーバベースのアプリケーションによって LMR チャネルを管理でき、ユーザ単位のアクセス、PC や他のクライアントへの配信、およびエージェンシ間の相互運用に対応する計画外の会議またはスタティック定義された会議といった機能を備えています。
LMR over IP には、主に次の 3 つのアプリケーションがあります(図 4 を参照)。
- IP 対応の伝送 - LMR ゲートウェイを使用すると、LMR システムをポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイント構成で IP ネットワークに接続できます。これによって、ユーザは IP インフラストラクチャを活用できるため、専用線使用時に必要な経常費用を負担せずに済みます。
- 電話およびその他のデバイスからのリモート モニタおよびディスパッチ - このアプリケーションによって、ユーザは IP ネットワークに接続された 1 つまたは複数の無線チャネルをモニタし、これと通話することができます。そのため、ネットワーク接続または電話を備えたあらゆる場所から、さまざまなクライアント(IP 電話、PC、基本電話サービス用の電話、または携帯電話)を通じて無線システムにアクセスすることが可能になります。
- マルチエージェンシの相互運用性 - このアプリケーションは、異なる無線システム間を「ブリッジ」する機能を提供します。
図 4 LMR over IP - Push to Talk 無線との相互運用性
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表 5 LMR over IP 機能
ワイヤレス インフラストラクチャ サービス - 耐障害性およびモビリティ
耐障害性を備えたローカル認証
シスコのルータは、WAN リンクまたは RADIUS サーバに障害が発生した場合に、リモート オフィスまたはブランチ オフィスの WLAN に対してバックアップ認証サービスを提供します。このサービスによって、AAA サーバを利用できない場合でも、ルータがワイヤレス クライアントの認証を行うローカル認証サーバとして機能し、リモート サイトの耐障害性を強化します。ルータのローカルな Cisco LEAP 認証データベースには、最大 1,000 のユーザ アカウントを設定できます。各アカウントには、1 つのユーザ名とパスワードが含まれます(図 5 を参照)。
図 5 最大 1,000 のユーザ アカウントに対応する IEEE 802.1X ローカル認証サービス
CCME と SRST による WLAN および有線 IP テレフォニー
ルータは、有線および WLAN による IP コミュニケーションをサポートします。これには、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 のサポートも含まれます。また、ルータは CCME を使用することで、有線電話および WLAN IP 電話に対してキー テレフォン システムと PBX(構内交換機)機能を提供することができます。集中管理型の Cisco Unified CallManager を使用する場合は、サービス統合型ルータに SRST を備えることによって、WAN に障害が発生しても電話サービスが中断しないように保証できます(図 6 を参照)。
図 6 CCME または SRST による有線および WLAN IP テレフォニーのサポート
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透過的なモビリティによる IP ネットワーク間の移動およびメディア タイプ ローミング
シスコのルータでは、前述したサイト全体でのレイヤ 2 モビリティのサポートに加えて、標準規格ベースのモバイル IP ホーム エージェントをサポートすることにより、そのモビリティ ポートフォリオを拡張しています。標準規格ベースのモバイル IP ホーム エージェントを使用することによって、モバイル ユーザはレイヤ 3 バウンダリ間および異なるアクセス ネットワーク間を透過的にローミングすることができます。この機能により、キャンパス ネットワーク全体で複数の異なる IP サブネットが使用されている場合でも、モバイル ユーザはキャンパス内を自由にローミングすることができ、また、異なるアクセス テクノロジーが使用されているキャンパス外部との行き来も可能です。このとき、アプリケーションの接続が切断されることはありません。こうした個々のモバイル ユーザに対する透過的なモビリティの提供に加えて、ルータのモバイル IP ホーム エージェントでは、ネットワーク全体についても同様の透過的なモビリティ(モバイル ネットワーク)をサポートしています。モバイル ネットワークによって、複数のデバイスが 1 つのユニットとして移動する場合でも(パトロール カーなど)、モバイル IP プロトコルを認識することなく透過的なモビリティを利用できます。IP Security(IPSec)をモバイル IP と統合すると、透過的でセキュアなモビリティを実現できます。
図 7 WLAN およびモバイル ワイヤレス ネットワーク全体にわたる IP モビリティ
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表 6 に、Cisco 800 シリーズ、Cisco 1812J、Cisco ISR 1800、2800、3800 シリーズ ルータでサポートされているワイヤレス インフラストラクチャ サービスをまとめます。
表 6 ワイヤレス インフラストラクチャ サービス
各プラットフォームで推奨されるユーザ数については、Cisco 851 および 871 のデータ シートを参照。
アプリケーション
ワイヤレス サービスは、次のようなさまざまなアプリケーションで使用できます(図 8)。
- 企業 - 企業のブランチ オフィス、銀行の支店など
- 小売業 - 小規模および大規模小売店、配送センターなど
- 政府および公共安全機関 - 官庁、警察署、消防署など
- 中堅・中小企業 - 医療機関、サービス専門家(配管工、電気技師など)、その他
- 在宅勤務者 - ホーム オフィスなど
図 8 無線および有線を備えた統合型ブランチ オフィスにおけるセキュアなデータ、音声、スイッチング、およびワイヤレスの使用
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WLAN コントローラ機能
WLAN コントローラ モジュールを使用すると、中小・中堅企業および大企業のブランチ オフィスでは、安全な WLAN をコスト効率的に導入および管理できます。WLAN コントローラ モジュールは、優れたセキュリティ、モビリティ、および操作性を提供し、セキュリティ レベルの最も高いワイヤレス システムを実現します。このモジュールを シスコのサービス統合型ルータに搭載すると、WLAN のセキュリティ ポリシー、ワイヤレス Intrusion Prevention System(IPS; 侵入防御システム)機能、優れた RF 管理、Quality of Service(QoS; サービス品質)、およびレイヤ 3 高速セキュア ローミングの統合システムを実現できます。Cisco Wireless LAN Controller モジュールは、Cisco ISR 2800/3800 シリーズ ルータに搭載でき、最大 6 つの Cisco Aironet Lightweight アクセス ポイントを管理できます(図 9 を参照)。
図 9 サービス統合型ルータを搭載した Wireless LAN Controller ネットワーク モジュール
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WLAN コントローラ ネットワーク モジュールを使用すると、企業はビジネス クリティカルなアプリケーションをサポートするポリシーを作成して適用できます。音声およびデータ サービスからロケーション トラッキングまで、Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールは、エンタープライズ クラスの安全な 802.11 無線ネットワークを構築するのに必要な制御機能、スケーラビリティ、セキュリティ、および信頼性を提供します。
インテリジェントな RF 管理
Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールには、状況に応じてリアルタイムで RF 管理を行うソフトウェアが組み込まれています。集中管理型のワイヤレス ソリューションでは、無線環境内の変化をリアルタイムで検出して対応する、シスコの特許出願中の Radio Resource Management(RRM)アルゴリズムを使用しています。これにより、ルーティング プロトコルが IP ネットワークの最適なトポロジーを算出するのとほぼ同様の方法で、ワイヤレス ネットワーキングのトポロジーを最適化できます。Cisco RRM は、ワイヤレスの設定、回復、および最適化を自動的に行うインテリジェントな RF コントロール プレーンを提供します(図 10)。
図 10 企業全体に導入したインテリジェントな RF 管理
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Cisco Wireless LAN Controller のインテリジェントな RF 管理には、次のような機能があります。
- ダイナミックなチャネル割り当て - RF 状態の変化に応じて、ネットワークのカバレッジとパフォーマンスを最適化するように 802.11 チャネルを調整します。
- 干渉の検出と回避 - 干渉を検出して、パフォーマンスが低下しないようにネットワークを調整します。
- ロード バランシング - 複数のアクセス ポイント間でユーザ数のロード バランシングを自動的に行い、負荷が大きい場合でも最適なネットワーク パフォーマンスを提供します。
- カバレッジ ホールの検出と修正 - RRM ソフトウェアを使用してカバレッジ ホールを検出し、アクセス ポイントの出力を調整してカバレッジ ホールの修正を試みます。
- ダイナミックな出力制御 - ネットワーク状態の変化に合わせて個別のアクセス ポイントの出力をダイナミックに調整し、安定したワイヤレス パフォーマンスとアベイラビリティを実現します。
エンタープライズクラスのセキュリティ
Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールは、次のような強固なセキュリティ基準に準拠しています。
- 802.11i Wi-Fi Protected Access 2(WPA2)、WPA、および Wired Equivalent Privacy(WEP)
- 複数の Extensible Authentication Protocol(EAP)タイプを使用した 802.1X - Protected EAP(PEAP)、EAP-Transport Layer Security(EAP-TLS)、EAP-Tunneled TLS(EAP-TTLS)、および Cisco LEAP など
これにより、業界で最も包括的な WLAN セキュリティ ソリューションが実現します。
シスコの集中管理型の WLAN ソリューションでは、アクセス ポイントはエア モニタとして機能し、ワイヤレス ドメインに関するリアルタイムな情報を Cisco Wireless LAN Controller に送信します。セキュリティ上の脅威はすべて迅速に検知され、Cisco WCS を通じてネットワーク管理者に提示されます。Cisco WCS では精密な分析や修正処理を行うことができます。
シスコが提供する WLAN システムは、無線の保護と WLAN サービスの提供を同時に実現する唯一のシステムです。シスコの WLAN を利用すると、WLAN の完全な保護が可能であるため、余分な機器や監視デバイスを導入する必要はありません。また、シスコの集中管理型 WLAN ソリューションは、最初にスタンドアロンの無線 IPS として導入し、あとで WLAN データ サービスを追加して再構成することもできます。この方法を採用すれば、WLAN サービスの導入準備が整うまでの間は、RF ドメインの周りに「防御シールド」を構築して不正なワイヤレス アクセスを防止することができます。
シスコは WLAN セキュリティ対策として、次のような多層的な保護機能を提供しています(図 11)。
- RF セキュリティ - 802.11 干渉を検出して回避し、不要な RF の伝播を抑制します。
- WLAN の侵入防御と特定 - 不正なデバイスまたは潜在的なワイヤレス上の脅威を検出するだけでなく、これらのデバイスの位置を特定します。これにより、IT 管理者は脅威のレベルをただちに判断し、必要に応じて迅速に脅威を軽減することができます。
- アイデンティティベースのネットワーキング - IT スタッフは、WLAN を保護する際に、さまざまなユーザ アクセス権限、デバイス形式、およびアプリケーション要件をサポートする必要があります。シスコの WLAN システムを使用すると、企業は、ワイヤレス ユーザまたはユーザ グループごとに個別のセキュリティ ポリシーを提供できます。たとえば、次のセキュリティ ポリシーを適用できます。
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- レイヤ 2 セキュリティ - 802.1X(PEAP、LEAP、TTLS)、WPA、802.11i(WPA2)
- レイヤ 3 セキュリティ以上 - IPSec、Web 認証
- VLAN 割り当て
- Access Control List(ACL; アクセス制御リスト)- IP 制限、プロトコル タイプ、ポート、および Differentiated Services Code Point(DSCP)値
- QoS - 複数のサービス レベル、帯域幅契約、トラフィック シェーピング、および RF 使用率
- Authentication, Authorization, and Accounting(AAA)/RADIUS - ユーザ セッション ポリシーおよび権限の管理
- Network Admission Control(NAC)- クライアントの設定および動作に関連するポリシーを適用して、セキュリティ ポリシーに適合するエンドユーザ デバイスのみが、ネットワークへのアクセス権を取得するようにします。
- セキュアなモビリティ - Cisco Proactive Key Caching(PKC)を使用して、モバイル環境における高度なセキュリティを維持します。PKC は、802.11i 標準の拡張機能であると同時に 802.11r 標準の先行機能であり、Advanced Encryption Standard(AES)暗号と RADIUS 認証を使用して、セキュアなローミングを可能にします。
- ゲスト トンネリング - ゲスト ユーザが企業ネットワークにアクセスする際のセキュリティを向上させます。この機能を使用すると、ゲスト ユーザは企業のファイアウォール経由でしか企業ネットワークにアクセスできなくなります。ゲスト スイッチ トンネリングは、Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールから開始することはできますが、終端することはできません。ゲスト スイッチ トンネリングを終端するには、Cisco 44xx WLAN コントローラが必要です。
図 11 WLAN の多層的な保護
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リアルタイムのアプリケーション サポート
シスコの集中管理型 WLAN ソリューションは、クラス最高レベルのパフォーマンスで、音声などのリアルタイム アプリケーションをサポートします。Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールは、アクセス ポイント間で迅速なハンドオフを実行し、クライアントへのサービスが中断されない、スムーズなモビリティを実現します。インテリジェントなキューイングおよびコンテンション管理方式により、無線環境のリソースを効率的に管理します。さらに、Wi-Fi Multimedia(WMM)に準拠し、開発中の IEEE 802.11e 標準を厳密に反映させた QoS 機能もサポートしています。標準が最終的に承認された時点で、ソフトウェア アップグレードを通じて、新しい標準への準拠が完了します。
モビリティ
Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールを使用すると、基盤となるインフラストラクチャを変更することなく、アクセス ポイント間、ブリッジド サブネット間およびルーテッド サブネット間でのローミングが可能になります。ユーザのセキュリティおよび QoS コンテキスト情報はローミング先にも提供されるため、モビリティの確保のためにパフォーマンス、信頼性、またはプライバシー保護が低下することはありません。Cisco Wireless LAN Controller モジュールでは、モビリティを実現するために既存のインフラストラクチャやクライアント デバイス(モバイル IP など)を変更する必要がありません。
導入と管理の簡素化
Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールは導入が容易で、所有コストや運用コストを抑えることができます。中小・中堅企業や大企業のブランチ オフィスなど、あらゆる場所に柔軟に導入できます。Cisco Wireless LAN Controller ネットワーク モジュールを使用すると、アクセス ポイントの導入時に手動で設定したり事前に設定したりする必要がありません。また、テンプレート ベースの設定管理もサポートしています。この便利なテンプレートを利用すると、システム全体のセキュリティ設定、QoS ポリシー、モビリティ グループ、バックエンド サービスといった各種設定を、シスコの集中管理型 WLAN ソリューションの使いやすく、評価の高いユーザ インターフェイスを介して迅速に適用できます。
Cisco WCS と組み合わせると、便利なヒート マップ表示、アラーム フィルタリング、イベント相関分析、詳細なレポーティング ツールといった高度なモニタリング機能やトラブルシューティング機能が利用できます。
表 7 WLAN コントローラ機能
まとめ
シスコのルータ製品ポートフォリオは、さまざまなワイヤレス接続オプションを提供します。統合型 WLAN 接続(全モデルで利用可能)、Wi-Fi ホットスポット サービス(全モデルで利用可能)、セキュアなワイヤレス インフラストラクチャ サービス(特定モデルで利用可能)、あるいは LMR over IP サービス(特定モデルで利用可能)のいずれの場合も、単一の統合型プラットフォームを通じて、有線および無線によるデータ、音声、映像、およびセキュリティ サービスを利用できます。
発注情報
シスコ製品の購入方法の詳細は、「発注方法」をご覧になるか、表 8 を参照してください。
表 8 発注情報
サービスおよびサポート
シスコは、お客様がそのネットワーク サービスを最大限に活用するため、各種サービス プログラムを用意しています。これらのサービスは、スタッフ、プロセス、ツールをそれぞれに組み合わせて提供され、お客様から高い評価を受けています。ネットワークへの投資を無駄にすることなく、ネットワーク運用を最適化しネットワーク インテリジェンスの強化や事業拡張を進めていただくためにシスコのサービスを是非お役立てください。サービスの詳細については、以下の URL を参照してください。
関連情報
Cisco 800 シリーズについてはhttp://www.cisco.com/jp/product/hs/routers/c800/、Cisco 1812J についてはhttp://www.cisco.com/jp/product/hs/routers/c1812j/、Cisco ISR 1800、2800、および 3800 シリーズの詳細については http://www.cisco.com/jp/product/hs/routers/isr/ をご覧ください。シスコのワイヤレス ソリューション(Cisco Aironet アクセス ポイント、アンテナ、ケーブル、アクセサリなど)の詳細については、http://www.cisco.com/jp/product/hs/wireless/ をご覧ください。