Cisco 7300 インターネット ルータ ソリューション ガイド
[目次]
製品概要と適用エリア
| 概要 |
Cisco 7300 シリーズ インターネット ルータは、 高性能、高信頼性、優れたIP機能を特徴とする、コストパフォーマンスの高いネットワーク エッジ向けの製品です。Cisco 7300 は、コンパクトなモジュラタイプのフォームファクタ(4ラックユニット高、4 スロット)、優れたパフォーマンスおよび充実したIP機能、プロセッシングエンジンの冗長化に対応しており、 高性能、高機能、高信頼性が求められる、ミッションクリティカルな高速ネットワークエッジに最適です。その適用エリアには、ハイエンドな企業向けコアルータとして、またプロバイダのミッドレンジIPエッジルータとして、高収益性、サービスの差別化、ビジネスの迅速な展開などを実現する優れたデバイスです。 適用形態の例として、ハイエンド企業のルーティング、サービス プロバイダーの Tier 2 および Tier 3 の PoP における中速度/中密度の専用回線集約、サービス プロバイダー管理の CPE(顧客宅内機器)利用などがあります。
ここでは、Cisco 7300 の製品概要、および Cisco 7300 の主要なアプリケーションについて説明します。Cisco 7300 は、インターフェイス の追加だけでなく、ソフトウェアアップグレードにより PXF にてハードウェア処理される IP サービスを拡張することができるため、数多くのアプリケーション エリアに 柔軟に対応することができます。 このソリューション ガイドで説明するエリアは、Cisco 7300 が現在有する既存機能とインターフェイスの組み合せにより、 もっとも適合するエリアです。Cisco 7300 は今後さらに発展を続け、適用エリアはますます拡大していきます。
| Cisco 7300 概要 |
Cisco 7300 はコンパクトかつハイパフォーマンス、高い信頼性を有する汎用ルータです。 この製品は、高密度なラック環境において重要な機能である、NEBS-3 準拠 およびフロントバックエアーフローに対応しています。
6 スロットのシャーシで構成されている Cisco 7300 シャーシは、NSE-100 プロセッサ モジュールが 下方 2 つのスロット(スロット 0, 1)を使用し、残りの 4 つのスロットがラインカード用となります。そのためラインカード最大 4 枚までを WAN 接続に利用することが可能です。 あるいはオプションとして、2 枚目の NSE-100 を中央 2 つのスロットに設置してプロセッサモジュールの冗長化を図ることも可能です(この場合、最大 2 枚のラインカードを搭載できます)。
NSE-100 プロセッシングエンジンには、ギガビット イーサネット インターフェイス(GBICベース)が 2 ポート、およびアウトバンド管理用の ファストイーサネットポートが1ポート、デフォルトで装備されています。 NSE-100を冗長化することにより、4ポートの ギガビット イーサネット インターフェイスを 使用することができます。
フォワーディングは PXF 技術をベースとしており、各種の IP サービスをPXFにて高速化することで、最適のパフォーマンスを実現できます。 現在 PXF では充実した IP 機能セットが利用可能で、長期的にはさらに機能を追加 、拡張する予定です。 マルチプロトコル(AppleTalk、IPX、DLSw、SNA スイッチングなど)およびコントロール プレーン プロトコル(BGP、OSPF、CDP、SNMP など) は、PXFでなく、メインCPUにて処理されます。
Cisco 7300 PXF 機能Cisco 7300 の高度なフォワーディング パフォーマンスの要因は、PXF プロセッサにあります。 以下は現在 PXFによる高速化がサポートされている機能です。
- Cisco Express Forwarding (CEF; シスコ高速転送機能)
- Turbo Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)
- NetFlow バージョン 8
- QoS 分類とマーキング
- プライオリティ キューイング
- ポリシング
- Network Address Translation(NAT)
- Weighted Random Early Detection (WRED; 重み付けランダム早期検出)
- Multiprotocol Label Switching (MPLS)
- MPLS Virtual Private Networking(VPN; バーチャル プライベート ネットワーキング)
- トラフィック シェーピング
Cisco 7300 は DS3 から OC-48 速度までのインターフェイスを提供します。 レイヤ 2 では、イーサネット、Packet over SONET(POS)、ATM、HDLC、フレームリレーなど、幅広いカプセル化がサポートされています。
以下のインターフェイスが現在サポートされています。
- ギガビット イーサネット(NSE-100 上で2ポート)
- OC-48 POS
- OC-3 POS
- T3
- OC-12 POS
- OC-3 ATM
ハイエンド CPE ルータ
企業は通常 インターネットサービスプロバイダー(ISP)、もしくはサービスプロバイダー(SP)の提供するIP サービス、ネットワークサービスを介してインターネット接続をします。 接続の速度は、ニーズ、価格、またはその特定のエリアで運用される SP/ISP のサービス内容などに応じて、32kbps から、1Gbps、OC48クラスにまでおよびます。 アクセス技術は、単純な TDM ベースのテクノロジーから ATM や SONET/SDH まで、種類はさまざまです。 その接続形態もまた、専用線、PVC(相手先固定接続)または、IP 接続(MPLS ネットワーク)など多様です。(図 1 参照)
Cisco 7300 は、SP や ISP に中~高速(T3、OC-3 POS、OC-3 ATM またはそれ以上)で接続する必要のある企業にとって非常に優れた選択肢です。このような ケースでは、IP 機能もまた、接続速度に見合ったパフォーマンスが必要です。
例えば、企業ネットワークで、ISP、SPへの接続個所に必要とされる一般的な機能として、ネットワークやネットワークの特定部分へのアクセスをコントロールするセキュリティ用 ACL、企業の IP アドレスを隠したり、プライベート アドレスをパブリック アドレスに変換する NATなどがあります。 NetFlow はトラフィック モニタリングやネットワーク プランニングを可能にします。 分類、マーキング、キューイング、ポリシングおよびシェーピングなどの QoS 機能により、異なるトラフィック クラスの実装が可能になるほか、トラフィックの特性や QoS ポリシーに応じて、異なる種類のトラフィックに異なる優先順位をつけることができます。 これらの機能を高いパフォーマンスで実現することで、企業は高速接続を十分に生かすことが可能になります。
図 1: ハイエンド CPE ルータ

| 企業向け ハイエンド WAN 集約ルータ |
エンタープライズ WAN ルータは、多数の WAN または MAN リンク経由で異なるサイトを接続する場合に使用されます。これらのルータの帯域幅は、企業の規模、伝送する必要のあるデータの量、使用可能な接続などによって異なります。 障害時に備えてのバックアップとして、冗長リンクがある場合もあります。
企業ネットワークはサイト間をつなぐメッシュの全体または一部分、または 1 つのリングとして、一般的にハブ アンド スポークのトポロジとして配置されています。 その構成は、距離、ケーブリング、また自社所有のケーブルがない場合はサービスプロバイダーが提供する回線メニューの内容に依存します(図 2 参照)。
図 2: エンタープライズ WAN ルータ

Cisco 7300 は、WAN または MAN のリンクによって接続される企業のサイトやキャンパスの接続に最適です。Cisco 7300 は各ラインカードで 最大 4ポートまでの OC-3 集線密度を実現しており、各サイトのキャンパス LAN 向けには複数のギガビット イーサネットの接続を提供します。
一般的に LAN への接続には 1 ないし 2 ポートのギガビット イーサネット ポートが使用されます。 2 つのギガビット イーサネット ポートを経由したロード バランシングによる冗長化は、レイヤ 1 で Gigabit EtherChannel(対応予定)を介して実行されます。また、レイヤ 3 で CEF や均等/不等コストのロードバランシングをサポートするダイナミック ルーティング プトロコルを使用して、冗長化およびロード バランシングも可能です。
| 小規模 POP 向けアプリケーション |
ひとくちの POP(Point of Presence)と言っても、そこではいくつかの機能要素が複合して成り立っています。たとえば WAN とメトロを集約するための低速リンク集約、サーバのホスティング、キャッシュ エンジンやファイアウォールなどのサービス、コアまたはバックボーン ネットワークへの接続(インターネット ピアリングを含む)などです。
これらの要素は、専用機を用いて別々に行うことも、1 つの機器に統合して実装することも可能です。 Cisco 7300 は、中~高速でのアクセス集約や、高速のバックボーン接続に最適のオプションです (より低速なリンクには、Cisco 7200 を使用できます)。それだけでなく、Cisco 7300 は、レイヤ 2 のスイッチなどを介した POP 内のサーバ群への LAN 接続、バックボーンへのアップリンク接続も、ワンボックスで提供します。
図 3: 小規模 POP 向けアプリケーション
この場合、Cisco 7300 はバックボーン接続に最大 OC-48 速度までのパフォーマンスを実現し、ラインレート IP サービスによって、中帯域幅接続(最大 18 T3 または 12 OC-3 まで)を適度な数に集約します。
小規模なサービスプロバイダー POP に使用するルータには、スケーラブルな IP ルーティングとインターネット ピアリングのサポートが必須です。 同時に、IP サービスの展開にパフォーマンスの低下が伴わないことも非常に重要な点です。 Cisco 7300 はメインCPU上で IOS を動作させ、これまでもよく知られて 使われてきたルーティング プロトコル全てを処理します。一方で、ACL、NetFlow アカウンティング、および QoS(分類、マーキング、キューイング、ポリシング )など、ハイパフォーマンスな POP に欠かせないサービスは PXFによる高速化を図っています。 この処理機能の分散により、Cisco 7300 は、スケーラブルなルーティングと、ハイパフォーマンスIPサービスを同時に実現しています。
| まとめ |
Cisco 7300 は、オプティカル エッジ向けのハイパフォーマンス ルータです。 T3 から OC-48 高速インターフェイスを サポートしたこのルータは、ハイパフォーマンス CPE、企業とサービスプロバイダーの接続、比較的少数の中 ~ 高帯域幅 WAN/MAN 集約、小規模の POP での WAN アクセス集約と高速アップリンクによるバックボーン接続、およびインターネット ルーティング/ピアリングなどに最適のプラットフォームです。 Cisco 7300 は 、今後もインターフェイスや PXF 機能の拡充を進め、さらに幅広いアプリケーション エリアに適合していきます。
| 更新日:2002 年 10 月 15 日 |
