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Cisco 7200シリーズ

Cisco 7200 性能の機能拡張

Cisco 7200
性能の機能拡張



-Ravi Prakash

本資料の目的は、Cisco 7200 ハードウェアおよびソフトウェア・コンポーネントに加えられた性能の改良について最新情報を提供することです。

Cisco 7200 システムの性能は、開発が続けられており、本資料では、ハードウェアおよびソフトウェアにおける性能の改良に関する包括的な概要およびそれによる利点を説明します。最新の開発では、Cisco 7200 は、次のような、より高いパフォーマンスの OC-3 接続を必要とするアプリケーションに最適です。

  • LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)-WAN(広域ネットワーク)統合
  • 仮想私設網(VPN)
  • マルチサービス

本資料には、低い CPU 利用率でより多くを実行する Cisco 7200VXR の能力の検証に、シスコ社内で実行された最新テストが含まれています。また、適切な QoS(Quality of Service)での音声アプリケーションの実行などのマルチサービス機能だけでなく、ルーティング機能に関連するテストも対象としています。性能の改良は継続的なプロセスですので、本サイトにて本資料の最新バージョンを再チェックしてください。

ハードウェアの機能拡張
ミッドプレーン

Cisco 7200 のハードウェアの機能拡張としては、Cisco 7200VXR の導入、およびシステムレベルの性能において 50 パーセントの 向上をもたらす新しい Network Processor Engine(NPE)300 があります。Cisco 7200VXR には、1 Gbps シャーシおよびミッドプレーンが含まれます。Cisco 7200VXR では、このキャパシティの向上に加え、新しい NPE-300 プロセッサと併用されると、Cisco 7200 ルータに構成できる高速アダプタの数も 6 に増えます。

マルチサービスの機能拡張

Cisco 7200VXR により、Cisco 7200 PCI バスから独立したスイッチ・メディアを使用して、DS0(64 kbps)音声チャネルをポート・アダプタのスロット間で交換できます。Cisco 7200VXR ミッドプレーンには、この機能を提供する MIX(Multiservice Interchange)が含まれます。

MIX では、図 1 に示すように、MIX 相互接続を経由した、ミッドプレーン全体の各ポート・アダプタ・スロットへの DS0 タイム・スロットのスイッチングがサポートされます。この利点は、時分割多重(TDM)スイッチにより使用できるように、DS0 音声チャネルを 1 つの T1 リンクから別のリンクへ、実行可能状態のまま交換できることです(注: DS0 チャネルが音声のみである必要はありません)。


図 1:Cisco 7200VXR での MIX 経由による DS0 チャネル・スイッチング

図 1:Cisco 7200VXR での MIX 経由による DS0 チャネル・スイッチング
NPE-300

NPE-300 は、Cisco 7200 シリーズ VXR システム用ネットワーク・プロセッシング・エンジンのファミリにおいて最も高性能のプロセッサです。NPE-300 では、CEF スイッチングを使用して、図 2 に示すように、以前の NPE-200 プロセッサの性能から 50 パーセントの向上にあたる、毎秒 300,000 以上のパケット(pps)で実行されます。


図 2:CEF スイッチングを使用した NPE の性能

図 2:CEF スイッチングを使用した NPE の性能

対価格性能の向上に加え、構成できる合計メモリも、倍増されました。

Cisco 7200 ネットワーク・プロセッシング・エンジン
図 3:Cisco 7200 における各種 NPE 間の比較
プロセッサ NPE-100 NPE-150 NPE-175 NPE-200 NPE-225 NPE-300

プロセッサの種類

R4700、

150 MHz CPU

R4700、

150 MHz RISC CPU

RM5270、200 MHz

RISC CPU

R5000、200 MHz

RISC CPU

RM5271、263 MHz

RISC CPU

QED RM7000、263 MHz RISC CPU

オンボード・パケット⁄データ RAM

スタティック RAM なし

1 MB SRAM

2 MB L2 キャッシュ

4 MB SRAM

2 MB L2 キャッシュ

32 MB SDRAM

構成可能 RAM

32 MB デフォルト、128 MB まで構成可能

32 MB デフォルト、128 MB まで構成可能

64 MB デフォルト、128 MB まで構成可能

32 MB デフォルト、128 MB まで構成可能

64 MB デフォルト、128 MB まで構成可能

32 MB デフォルト、256 MB まで構成可能

CPU キャッシュ・メモリ

512 KB、50 MHz L2 キャッシュ

512 KB、50 MHz L2 キャッシュ

2 MB、67 MHz L2 キャッシュ

512 KB、50 MHz L2 キャッシュ

2 MB、75 MHz L2 キャッシュ

256 KB、263 MHz L2 キャッシュ、2 MB、75 MHz L3 キャッシュ

シャーシのサポート

Cisco 7204、7206、7204VXR、7206VXR

Cisco 7202、7204、7206、7204VXR、7206VXR

Cisco 7204、7206、7204VXR、7206VXR

Cisco 7204、7206、7204VXR、7206VXR

Cisco 7204、7206、7204VXR、7206VXR

Cisco 7204VXR、7206VXR

ソフトウェアの機能拡張および改良

NPE-300 による性能の改良を測定するため、シスコでは最近、NPE-300 の強化された性能により、以前の NPE と比較して大幅な能力の向上が実現されることを示す包括的なテストを完了しました。前述のハードウェアの改良に加え、複数のソフトウェアの改良も実施されました。

ルータの基本機能は、次のとおりです。

  • ルーティング・プロトコルの実行
  • ルーティング対象機能:
    • RSVP(Resource Reservation Protocol)- アプリケーションおよびルータにより、希望レベルの QoS(Quality of Service)をエンドツーエンドで通知できる
    • CRTP(Compressed Real Time Protocol)- マルチメディア H.323 に準拠したトラフィックの UDP および IP ヘッダに加え、リアル・タイム・プロトコル(RTP)ヘッダを(ホップ単位に)圧縮することで、より優れた性能が得られる
    • D チャネル・シグナリング - ISDN の場合に有効にしておく必要がある
    • QoS 機能
      • CAR(専用アクセス・レート)- IP 優先順位を使用してパケットを分類したり、レート制限またはトラフィック管理を行う
      • WRED(重み付けランダム早期検出)- フローからの選択的パケット廃棄を使用し、適応フロー(TCP など)の流れを抑え、その後の輻輳を回避する
      • ジェネリック・トラフィック・シェーピング(GTS)、フレーム・リレー・トラフィック・シェーピング(FRTS)、および ATM トラフィック・シェーピング - SLA により決定されたレベルを達成するためにトラフィックをシェーピングまたは平滑化する

ルーティング対象機能では、高水準のルート・プロセッサ性能が必要であり、Cisco 7200 により、WAN 向けに、この要求レベルの性能が最大 OC-3 速度で提供されます。

ルータの CPU 利用率は、これらの機能を測る基準になります。主要な機能の CPU 利用率を低く抑えるほど、他の付加価値サービスを使用可能にするリソースが多くなります。さらに、主要な機能の CPU 利用率が低く抑えられると、ルータのハードウェア・キャパシティを増加する必要なしに、より多くのルータ隣接関係を確立できます。

CPU 利用率は、ルータが集中した高速回線からトラフィックを処理するようなセントラル・オフィスでは、重大な考慮事項となる場合があります。ルータの CPU が利用率が過剰と認識されれば、ネットワーク管理者には、次の選択肢しかありません。

  • ルータのプロセッサのアップグレード
  • 代替ルータへのトラフィックの転送

図 4 に示す、シスコのテストによって得られた結果を考慮してください。これらの結果から、PPP カプセル化を使用した同じベースラインでのテストに NPE-300 を使用すると、対応する CPU 利用率が大幅に低く抑えられることが示されています。


図 4:NPE-200 および NPE-300 における PPP の比較

図 4:NPE-200 および NPE-300 における PPP の比較

このテストは、640 DS0 チャネル(PPP または HDLC の場合)またはフレーム・リレー付き 1200 PVC を使用する Cisco IOS(R) ソフトウェア 12.0S を使用して実施しました。これらの改良は、Cisco IOS ソフトウェア 12.0(5)T において正式に使用できます。


図 5:カプセル化の変更による、CPU 利用率の微妙な変化

図 5:カプセル化の変更による、CPU 利用率の微妙な変化

図 5 では、PPP9、FR1、および HDLC11 が代表的なテスト・プロファイルです。ここで、FR1 では、入力および出力ルータ・インターフェース上で有効なスタティック・ルーティングによる、フレーム・リレーのカプセル化を使用します。PPP9 テストでは、入力では BGP(ボーダ・ゲートウェイ・プロトコル)、出力では OSPF(Open Shortest Path First)プロトコルによる、PPP(ポイントツーポイント・プロトコル)のカプセル化を使用します。HDLC11 テストでは、入出力でスタティック・ルーティングによる HDLC(高レベル・データ・リンク制御)のカプセル化を使用します。これら 3 つのケースすべてにおいて、キューイング・メカニズムは先入れ先出し(FIFO)でした。

カプセル化の種類にかかわらず、CPU 利用率は、余り変動がなく低く抑えられています。両方のグラフでは、「DS0 チャネル利用率」は、640 の DS0 チャネルがテストに使用された場合の、64 kbps DS0 チャネルのチャネルごとの利用率を指します。

CPU 利用率を抑えられる理由

NPE-300 が使用される場合に CPU 利用率が低下するのは、263 MHz 内部 RISC CPU および追加の 2 MB 3 次キャッシュの高性能の組み合わせに帰因すると考えられます。

QoS ツールをベンチマークとして使用した NPE 性能の検討
CBWFQ(Class-Based Weighted Fair Queuing)

CBWFQ(Class-Based Weighted Fair Queuing)は、音声および(ERP)トラフィックといった、特定のユーザ定義済みトラフィック・クラスに対する帯域幅の保証を提供するために使用されます。CBWFQ の前に使用されていたカスタム・キューイングは、いろいろな点で類似していましたが、CBWFQ とは異なり、カスタム・キューイングには、アドミッション制御がありませんでした。これは、ユーザは、新しいクラスを定義し続けたり、これらの新しく定義したクラス用の帯域幅を要求することができることを意味します。したがって、ERP に対して帯域幅の 30 パーセントを要求した場合に、実際に、使用可能な帯域幅の 30 パーセントを受け取れる確実な保証はありませんでした。一方、CBWFQ では、図 6 に示すように、より具体的な帯域割り当てが実行できます。


図 6:CBWFQ による、ユーザ定義済みトラフィック・クラスに対する帯域割り当て

図 6:CBWFQ による、ユーザ定義済みトラフィック・クラスに対する帯域割り当て

CPU 利用率が低く抑えられると、QoS などの、より多くの付加価値機能およびサービスが使用できます。NPE-200 を搭載した Cisco 7206 上で、すでに QoS を 動作させている状況を考慮してください。シスコでは、単一 Cisco 7206 ルータがフレーム・リレー・クラウドを ATM クラウドに接続している状況で、これを社内でテストしました。ルータは、片側が 60 の フレーム・リレー・インターフェースに接続され、15 の ATM 可変ビット・レート(VBR)PVC に接続されました。シスコでは、トラフィックのおよそ 3 分の 2 が 64 バイトの小パケットからなる、12.5 Mbps 双方向トラフィックを使用しました。CBWFQ が、ATM(非同期転送モード)インターフェース上で有効にされました。

NPE-200 の CPU 利用率が 92 パーセントである一方、NPE-300 を使用した場合、同じルータで 46 パーセントの CPU 利用率を示しました。

音声およびデータなどのマルチサービス・アプリケーション対応 QoS
Compressed Real-Time Protocol ヘッダ

CRTP(Compressed Real-Time Protocol)により、RTP、UDP、IP のヘッダの 40 バイトを 4~5 バイトに圧縮できます。これにより、音声のペイロード対ヘッダ比率が改善される結果、遅延またはジッタが低下し、音声品質も向上します。


図 7:音声ペイロードにおける RTP ヘッダ圧縮の利点

図 7:音声ペイロードにおける RTP ヘッダ圧縮の利点

シスコ内で実施された別のテストでは、Cisco 7200 の CPU 利用率における CRTP ストリームの影響について調査しました。Cisco AS5300 音声ゲートウェイは、4 台の Cisco 3640 音声対応ルータに接続された(4 つの T1 経由)Cisco 7200 に接続しました。この場合、図 8 のテスト結果になりました。


図 8:CPU 利用率の NPE-150 と NPE-300 での比較
音声コール数 相当する 1 秒当たりのパケット数 NPE-150 プロセッサを搭載した Cisco 7200VXR による、CPU 負荷の割合 NPE-300 プロセッサを搭載した Cisco 7200VXR による、CPU 負荷の割合

3

150

8%

3%

12

600

26%

10%

23

1155

54%

19%

33

1675

72%

28%

ネットワーク安定性の改良
ルーティング・プロトコルをベンチマークとして使用した NPE 性能の検討

別の例として、通常、近接テーブルから近接装置を削除するのに使用される「ip eigrp clear neigh」といったコマンドを考えてみます。このコマンドを 48 の近接装置および 2000 IP ルートで発行した場合、CPU の消費時間は、NPE-200 を使用すると 136 秒間ですが、NPE-300 を使用すると、わずか 60 秒です。


図 9:Cisco 72xx の異なるプロセッサによる、「clear IP eigrp neigh」の結果

図 9:Cisco 72xx の異なるプロセッサによる、「clear IP eigrp neigh」の結果
業界をリードする出版誌による Cisco 7200 の検証

米国ニュー・ジャージー州に本社を置く Mier Communications 社によって最近行われた IP 優先順位設定製品のテストにより、シスコは、Mier Communications 社の「NetWORKS As Advertised Award for Best Performing IP Prioritization Product」を受賞しました。1

このテストでは、適度(T1 負荷 = 0.562 MBPS)から、重度(T1 負荷 = 1.062 MBPS)、最後には過負荷(1 方向 T1 負荷 = 2.062 Mbps)までのバックグラウンド・トラフィックの各種レートに基づいた、VoIP(Voice-over-IP)トラフィックのコール完了レートが測定されました。

これらのテストでは、Cisco IOS ソフトウェア V12.0(5)T および Cisco QoS Policy Manager V1.0 を装備した Cisco 7206 が使用されました。

Mier Communications 社テクノロジー担当副社長、Rob Smithers 氏は、次のようにコメントしています。

「Cisco 7206 では、トラフィックの優先順位によって重負荷の状況下でも、高い優先順位の Voice over IP コールに対して
完璧なコール完了レートを達成できたとき、トラフィック・シェーピング製品としての効果が
歴然としていました」
まとめ

NPE-300 プロセッサおよびシステム・ソフトウェアの最新の改良版を搭載した Cisco 7200VXR は、高度なトラフィック・エンジニアリング、リアルタイム・トラフィックの低遅延要件、およびより新しいメディアをサポートするためのより広い帯域幅インターフェースに対する、伸びつづける需要を満たすように最適化されています。

最新の開発により、Cisco 7200 は、LAN-WAN 統合、WAN 集約、VPN、およびマルチサービスを含む、OC-3 WAN ベースの集約に対応した理想的なルータになっています。


1詳細については、http://www.mier.com/press/CiscoIOS12.htm
を参照してください。
更新日:2001 年 8 月 27 日