ダウンロードホワイトペーパー高度交通管理システム要約多くの国や自治体が、コストを節約しながら道路の輸送効率を高める方法を模索しています。それは、実際の路面改修や道路拡張を行わずに済むものでなければなりません。ワイヤレス IP 対応の交通信号制御を使用すれば、自動車の流れを改善でき、さらに効率向上とコスト削減のための新しいアプリケーションも利用できるようになります。高度交通管理システム(ATMS)によって信号制御機をインテリジェント ネットワークに接続すれば、データ収集と分析の効率が向上するだけでなく、適切なタイミングで交通信号の切り替えができるようになります。標準ベースのワイヤレス IP インフラストラクチャの上に構築されたインテリジェント ネットワークに信号制御機を接続することで、コスト効果の高い、柔軟な設計が可能になります。また、展開に要する時間が短縮されると共に、将来のアプリケーション追加も可能なネットワーク インフラストラクチャが作られます。 課題現在の交通制御機の多くは中央ネットワークにリンクされており、その接続には低速のシリアル接続が使用されています。このシリアル リンクのための回線を自治体がサービス プロバイダーから借りていることもありますが、その場合は継続的費用が発生するため、多額の支出が必要になります。このシリアル リンクは帯域幅が限られているだけでなく、56 Kbps 回線でしかないことも珍しくありません。結果として、制御機が送受信可能なデータの量が制限されます。道路の効率と安全性を高めるためのアプリケーションを追加しようにも、回線の帯域幅と速度の制約から断念せざるを得ません。 有線インフラストラクチャ(ファイバ、イーサネット、または銅線)を自治体が所有している場合は、既存の IP ネットワークに交通信号制御機を接続すればよいので、前述の継続的費用は回避できます。しかし、各制御機への有線バックホールを自治体が所有していない場合に ATM ソリューションの利点を手にしたければ、他の手段で制御機をメイン ネットワークに接続しなければなりません。初めに思いつくのは、低速のシリアル リンクと比較して帯域幅が大きくコストも抑えられるブロードバンド ワイヤレス リンクでしょう。ただし、信頼性を維持しながらワイヤレス リンクを別のカバレッジ エリアへと拡張するのは難しいこともあります。802.11 準拠のワイヤレス ブリッジを使用したとしても、多くの場合、そのリーチは有線バックホール ポイントが存在する場所から 1 ホップまでに制限されます。さらに、設計時にリンクの冗長性やフェールオーバーが考慮されていなければ、唯一のワイヤレス バックホール リンクで障害が発生したときに脆弱になります。 ソリューション解決策の一つが Cisco® 3200 シリーズ耐環境性強化型サービス統合型ルータです。この製品の特長である、スケーラビリティに優れた標準ベースのワイヤレス テクノロジーを活用すれば、ワイヤレス バックホールが存在しない場所にある交通信号制御機も接続することができます。屋外向けに耐環境性を高めたワイヤレス ソリューションである Cisco 3200 シリーズは、802.11 機能を内蔵しているだけでなく、イーサネット ポートとシリアル ポートも備えているため、交通信号制御機の他に監視カメラやケミカル センサーなどのデバイスも接続することができます。過酷な環境でも使用可能なワイヤレス ソリューションという、シスコのポートフォリオの中でもユニークな存在である Cisco 3200 シリーズは、既存の交通制御キャビネットにも屋外設置用の外部 NEMA エンクロージャにも収容可能であり、次のような特徴を備えています。
Cisco 3200 シリーズは、ATMS ネットワークの展開のための新しい能力と柔軟性を備えています。まず、Cisco 3200 シリーズは組み込み型のネットワーキング ソリューションとして設計されており、既存の交通制御キャビネットに収容することも、市販のさまざまな NEMA 規格エンクロージャと共に使用することもできます。組み込み型という方法を取ることで、エンクロージャと電力供給に既存の資産を活用できるだけでなく、交通信号制御ユニットの近くに設置できるという利点もあります。Cisco 3200 シリーズの動作可能温度は -40℃ 〜 80℃ で、衝撃および振動への耐性要件も満たしています。 交通制御機の多くはモジュラ システムとして構成されており、通信モジュールと CPU は、容易にアップグレードできるように、それぞれ独立した取り外し可能モジュールとして設計されています。交通制御機を ATMS ソリューションの一部として機能させるには、IP ネットワークに接続する必要があります。交通制御機が IP 対応となるには、最低でもイーサネット インターフェイスと TCP/IP スタックが必要です。たとえば、Naztec 製の交通制御機 2070-1B を、ATMS ソリューションの一部として機能するようにアップグレードして IP 対応にするには、オンボード イーサネット インターフェイスを持つ CPU-1B プロセッサ ボードを追加します。 図 1 は、交差点でのワイヤレス接続の詳細図です。交通信号制御機へのネットワーク接続を可能にするために、Cisco 3200 シリーズは標準ベースのイーサネット ポートとシリアル ポートを備えており、これらのポートが信号制御機ハードウェアとのインターフェイスとなります。信号制御機が設置されている交差点のそれぞれにネットワークが存在する場合に追加デバイスを接続するときも、同じ標準ベースの IP 接続を使用することができます。この追加デバイスには、ビデオ監視カメラ、非常用電話、ケミカル センサー、気象観測装置などがあります。
図 1 交差点でのワイヤレス接続 図 2 は、パスが冗長化された、交差点間のワイヤレス接続を示しています。交差点はそれぞれ、プライマリ交差点またはセカンダリ交差点に分類されます。プライマリ交差点が他の交差点と異なるのは、中央サイトへの有線またはワイヤレスのバックホールを持つことです。この設計では、さまざまな交差点からの複数のバックホール ポイントが存在するため、ネットワーク全体が冗長化されます。プライマリ交差点には周辺のセカンダリ交差点からのすべてのトラフィックが集められ、プライマリ交差点のバックホール リンクを使用してトラフィックがコア ネットワークに返されます。プライマリ交差点とセカンダリ交差点をグループ化したものがクラスタとなります。1 つのクラスタは、2 つのプライマリ交差点と複数のセカンダリ交差点で構成されます。各クラスタの中で、プライマリ交差点だけが中央サイトへのワイヤレスまたは有線のバックホールを持っています。
図 2 交差点どうしの接続 セカンダリ交差点には 2 つのブリッジがあり、このブリッジを使用してライン オブ サイトの範囲内の他のセカンダリまたはプライマリ交差点とのポイントツーポイント リンクが確立されます。プライマリ交差点の構成はセカンダリ交差点と同様で、Cisco 3200 シリーズ耐環境性強化型サービス統合型ルータ 1 台も含まれており、このルータが持つ 2 つの 802.11 ブリッジによって近隣のセカンダリ交差点とのポイントツーポイント リンクが確立されます。 図 2 に示した、プライマリ交差点とセカンダリ交差点から成るクラスタ設計を使用して、すべての交差点がコア ネットワークに接続されます。クラスタを形成するには初めに、1 つのプライマリ交差点から他のセカンダリ交差点へ、ポイントツーポイント ブリッジ リンクを使用してデイジーチェーン接続します。最終的には、プライマリ交差点と多数のセカンダリ交差点が 1 本の鎖として結ばれます。1 つのクラスタ(チェーン)の中にプライマリ交差点が 2 つあるのは、冗長性を持たせるためです。2 つのプライマリ交差点の間に接続できるセカンダリ交差点の数は、ライン オブ サイトの限度や必要な帯域幅の量など、さまざまな要因によって変動します。 メトロポリタン規模へのカバレッジ拡大図 3 は、標準的な碁盤の目の道路と交差点を表したものです。交差点どうしは、Cisco 3200 シリーズを使用してリンクされています。各交差点に設置された Cisco 3200 シリーズがワイヤレス ネットワーク アクセス機能を持ち、パスは冗長化されています。これはレイヤ 3 機能の重要な利点であり、ネットワーク設計におけるシングル ポイント障害の排除に役立ちます。この設計では、各交差点に Cisco 3200 シリーズ耐環境性強化型サービス統合型ルータが設置されます。有線バックホールを利用できない場所では、Cisco 3200 シリーズ耐環境性強化型サービス統合型ルータ上の複数の 802.11 ブリッジを使用してルータがバックホール ポイントに接続されます。このブリッジは、ワイヤレス リンクを近隣の交差点に中継するのにも使用されます。
図 3 Cisco 3200 シリーズ ワイヤレス ネットワーク このような設計になっているのは、セカンダリとプライマリのすべての交差点においてある種の IGP(Interior Gateway Protocol)を実行するためです。その結果、すべてのセカンダリ交差点およびプライマリ交差点へのパスがネットワーク全体にアドバタイズされます。この目的は、一つは交差点に設置された交通制御機へのアクセスを可能にすること、もう一つは、ビデオなどのアプリケーションにネットワーク内のどこからでもアクセスできるようにすることです。モバイル ユニットからパケットが到着したときに、どのリンクを使用してそのパケットをルーティングするかは Cisco 3200 シリーズが選択します。パケットの転送先となるのは、クラスタの両端にある 2 つのプライマリ交差点のいずれかです。Cisco 3200 シリーズは、ルーティング メトリックに基づいて最短パスを選択します。 交差点間を流れるトラフィックを保護する方法には、さまざまなものがあります。Cisco 3200 シリーズ耐環境性強化型サービス統合型ルータのレイヤ 3 機能には、ネットワーク セキュリティと管理性という利点もあります。ワイヤレス接続のセキュリティと信頼性を確実に維持するために、何層ものネットワーク セキュリティをネットワーク全体に適用することができます。各交差点からコア ネットワーク内の VPN ゲートウェイまでの VPN トンネルを作成することも可能です。このようにすれば、2 つのエンドポイント間のデータはすべて 3DES(Triple Data Encryption Standard)によって暗号化されます。また、各交差点に Cisco IOS® ファイアウォールを設定すれば、ネットワークへの不正アクセスを防止できます。ファイアウォール上のフィルタを通過できるのは、モバイル ユニットからの、またはその交差点からのトラフィックだけです。さらに、Cisco LEAP を使用してすべてのワイヤレス デバイス(ルート ブリッジ、非ルート ブリッジ、およびモバイル ワーク グループ ブリッジ)の認証を行うこともできます。認証時に生成されたキーは、Temporal Key Integrity Protocol Per-Packet Keying(TKIP PPK)暗号化と TKIP Message Integrity Check(MIC)に使用され、これらの機能によって、ワイヤレス リンクのメッセージ完全性が維持されます。 まとめ標準ワイヤレス IP に基づくインテリジェント ネットワークは、メトロポリタン エリア全域の交差点に設置された交通信号制御機を接続するためのソリューションとしてコスト効果に優れているだけでなく、自治体の求めるセキュリティと柔軟性を持たせることができます。Cisco 3200 シリーズ耐環境性強化型サービス統合型ルータは、ワイヤレス接続とデータ セキュリティのために理想的な製品です。ネットワーク レイヤ 3 ルーティングと、交差点のクラスタ設計が可能であるため、リンクの障害に備えた冗長化が可能です。 |
