■Cisco 2513~2515 デュアルLANシリーズ
はじめに
米国シスコ・システムズ社は、LANインタフェースの数をオリジナル機種の2 倍にした3つの新Cisco 2500機種を発売する。定評あるCisco 2500テクノ ロジーおよび信頼性を基盤として、各新機種は従来1つだったLANインタフェ ースをEthernet×2、Token Ring×2、または各1ずつ搭載する。既存のLAN を分割する方法として、またはWANを介して媒体混合LANインストレーショ ンをリンクするコストパフォーマンスの高い方法として、密度を高める必要の あるブランチオフィス環境で使用されることを目的としている。
機能一覧
- 固定構成ハードウェア3機種:Cisco 2513、2514、および2515
- Ethernet、Token Ring、および媒体混合をサポート
- 最高4Mbps(全二重 2Mbps)で動作する同期シリアルインタフェース2 つをサポート
- ダイアルオンデマンドルーティング用またはダイアルバックアップ接続用 の低速WANアクセスを実現する非同期シリアルインタフェース1つをサポート
- 3つのIOS機能セットに対応

写真:Cisco 2515(新Cisco 2500デュアルLAN3機種の1つ)
特長のまとめ
- 混合または同一のLAN媒体種類を使用するリモートアクセス環境におけ る非常に低コストなLAN統合を実現する。
- 輻輳緩和およびネットワークセキュリティを提供する、非常に低コストな LAN分離を実現する。
- 1つの非同期シリアルインタフェースと2つの同期シリアルインタフェー スが備わっており、リンク冗長性、リンク速度移行、およびWANコスト最適化 を実現できるため、WAN接続の柔軟性が高い。
- 業界最低価格でIPルーティング機能をすべて提供するセットから、すべて のプロトコルおよび機能を網羅したCiscoのIOS Enterprise機能セットまで、 柔軟な構成のIOSTM機能セットを搭載できる。
- 信頼性には定評のあるCisco 2500ルータプラットフォームを採用。
- セキュリティ制御、輻輳緩和、およびアプリケーション分離を提供する、 コストパフォーマンスの高いLAN分離を実現する。
アプリケーション
LAN分離
Cisco 2500シリーズに2つのLANインタフェースを搭載したルータを発売する ことによって、シスコ社は同一のルータプラットフォームでLANトラフィック 分離とWAN接続性とを実現する非常にコストパフォーマンスの高い方法を提供 できるようになった。このため、ユーザがリモートサイトまたはブランチオフィ スに2つのLANしか持たないときに、ルータを2台設置したり、より大型で、 より高価なモジュール式ルータを1台導入する必要がなくなる。
LAN分離には以下の特長がある。
- トラフィック輻輳緩和:ビジーなEthernetまたはToken Ring LANを2 つに分離することによって、ユーザはアプリケーション可用性の増加および ネットワーク応答時間の短縮化を即座に実感できる。
- セキュリティ管理:コストパフォーマンスの高い1つのプラットフォー ムを用いることにより、ネットワーク管理者は1つのLAN上のユーザを別の LAN上のユーザから分離できる。このため、3層フィルタを活用してネット ワークセキュリティを向上できる。この機能が特に重要になる環境の例とし て、管理部門トラフィックと学生使用トラフィックを分離する必要がある学 校システムがある。
- アプリケーション分離:ネットワーク管理者はリモートアプリケーショ ンを2つのLAN上に分離することもでき、2つのLAN間にファイアーウォー ルを設定して1つのLAN上で稼働する重要なアプリケーションが別のLAN上 のアプリケーションと影響し合わないようにできる。この機能は、オペレー ショナルデータがリアルタイムで伝送され、同時に管理またはモニタリング アクティビティが処理されるようなリモートの無人ステーションにおいて、 特に重要である。
DDR(ダイアルオンデマンドルーティング)
ダイアルオンデマンドルーティング機能を用いると、必要な場合のみにWAN リンクを使用することが容易になる。ネットワークサービスへのアクセスを まれにしか必要としないリモートロケーションでは、Cisco 2513~2515の ダイアルオンデマンド機能は、コストのかさむ専用回線の代わりにISDNまた はダイアルアップ回線を使用することにより、WANアクセスコストを削減す る。現在シスコ社のIOSは、IP、IPX、およびAppleTalkプロトコルを対象 にしたDDRをサポートしている。

図:Cisco 2513~2515モデルには、2つのWANインタフェースがあるので、効率的にアプリケーションを分離でき、コストパフォーマンスの上でも優れています。
ダイアルバックアップ
ダイアルバックアップ機能は、ユーザが障害回復用バックアップリンクを必要 する場合に、専用回線をもう1つ引くより経済的なソリューションとなる。 1次WANリンクを介したアクセスがダウンすると、2次ダイアルアップ回線が 自動的にオンラインになる。この機能を用いて、1次リンクがユーザが定義し たしきい値に達すると2次回線を起動させて、トラフィックをロードシェア させることもできる。
パケット交換および回線交換サービス
Cisco 2513~2515にはフレームリレー、X.25、X.25 DDNおよびSMDSソフ トウェアが標準で付属しているため、リモートサイトにおいてパケット交換 ネットワークへのコストパフォーマンスの高いアクセスを実現する。両機種 には、回線交換ネットワークへのコストパフォーマンスの高いアクセスを実 現するV.25bisシグナリングソフトウェアも付属している。
SDLC統合
IOS Enterprise機能セット(次項「製品情報」を参照)の搭載を指定して注文 すると、Cisco 2513~2515ルータの同期シリアルポートを用いてローカル SDLC装置を企業インターネットワークに接続するように構成できる。この構 成によって、組織はパフォーマンスおよび管理能力を向上させながら、これま でのSDLCへの投資を保護できる。
プロトコルトランスレーション
Enterprise機能セットのシスコ社のプロトコルトランスレーション機能は、 接続性を高めることによってアプリケーションの可用性を高め、既存の端末 ネットワークへの投資を保護することによってコストを節減する。この機能は LANベースアプリケーションへの移行を可能にしながら、端末対ホスト環境の 寿命も拡張する。シスコ社のトランスレーションソフトウェアはTelnet、LAT (Local Area Transport)、X.25 PAD、TN3270、およびrloginをサポー トしている。
データ圧縮
今年はじめにシスコ社はデータ圧縮機能の包括的なサポート戦略を発表した。 TCP/IPヘッダおよびDEC LAT圧縮に加えて、Cisco 2513~2515は、最高 128kbpsを実現するリンク圧縮、LAPBカプセル化、およびフレームリレーヘ ッダ圧縮をサポートしている。IOSリリース10.2では、X.25ペイロード圧縮も サポートされる予定である。以上の圧縮手法によって、広域インターネットワ ーキングコストを最適化する方法が広範囲にサポートされる。
製品情報
Cisco 2513~2515デュアルLAN機種には以下の3つのハードウェア構成が ある。
- Cisco 2513
- Ethernetインタフェース×1
Token Ringインタフェース×1
低速非同期シリアルインタフェース×1
同期シリアルインタフェース×2
- Cisco 2514
- Ethernetインタフェース×2
低速非同期シリアルインタフェース×1
同期シリアルインタフェース×2
- Cisco 2515
- Token Ringインタフェース×2
低速非同期シリアルインタフェース×1
同期シリアルインタフェース×2
各機種は、3つのIOS機能セットの任意のセットを指定して発注できる。IOS 機能セットには、安価なIP専用機能セット(IP、)IP、IPX、AppleTalkお よびDECnetを含むDesktop(DT)機能セット、シスコ社のIOSプロトコル スイートをすべて含むEnterprise(EN)機能セットがある。各セットはシ スコ社独自のAutoInstall機能、リモートサイトにおいて最小限の専門知識 だけで迅速で経済的なルータインストレーションを実現する「プラグアンド プレイ」ルータ機能などを含む。各機能セットでサポートされているプロト コルおよび機能を下表にまとめた。

★SMDSはリリース10.0のEN機能セットでのみサポート。SMDSが3つの機能セットすべてでサポートされるのはリリース10.2(2)の予定。
各機種には4MBのフラッシュEPROMおよび発注されたIOS機能セットに応じ て2MB、4MB、または6MBのDRAMメモリが必要である。フラッシュメモリ の拡張方法には2つある。1つは、IOSアップグレード時にルータ機能に割り 込まない「デュアルバンキング」である。2つめは、将来のIOSリリース用の コード空間を拡張するためにさらに4メガフラッシュを追加する方法である。 DRAMメモリは、共用パケットメモリとシステムメモリとして使用され、合計 で最大18MBまで増設できる。標準メモリとオプションメモリをこのように組 み合わせることによって、コストパフォーマンスが高く、拡張性に富むメモリ 構成が可能になるため、Cisco 2513~2515が現在のみならず将来のあらゆる アクセス環境をサポートすることが約束される。下表にメモリ構成をまとめた。
フラッシュメモリ

DRAMメモリ

Cisco 2513~2515接続性
Ethernet
Cisco 2514デュアルEthernet機種は、Ethernetバージョン2およびIEEE 802.3 インタフェースプロトコルに準拠するAUIコネクタを2つ装備している。
Token Ring
Cisco 2515デュアルToken Ring機種は、IEEE 802.5プロトコルに準拠する9 ピンDコネクタを2つ装備している。
混合LAN媒体
Cisco 2513シングルEthernet、シングルToken Ring機種は、Ethernetバージョ ン2およびIEEE 802.3インタフェースプロトコルに準拠するAUIコネクタを1つ ならびにIEEE 802.5プロトコルに準拠する9ピンDコネクタを1つ装備している。
同期シリアル
Cisco 2513~2515のシリアルポートは、最高4Mbps(全二重 2Mbps)の専用 回線、回線交換、およびパケット交換サービスと互換性のある、DCEまたはDTE モードで動作する専用シリアルポートインタフェースを2つ搭載する。シリアル ポートコネクタは、柔軟性のあるシリアル伝送ケーブルを使用しており、Cisco 7000 FSIPインタフェースカード、Cisco 4000 4T NPM(network processor module)、およびCisco 2500ファミリーの他の機種に共通のユニバーサルデ ザインを採用している。このため、V.35、EIA/TIA-232、EIA/TIA-449、 EIA/TIA-530、X.21などの一般的な物理インタフェースのいずれとも、シス コ社の全製品ライン共通スペアとも、容易に交換できる。
非同期シリアル(AUXポート)
2つの専用同期シリアル回線に加えて、Cisco 2513~2515の予備インタフェ ースを構成して非同期ルーティング用の追加ダイアルアップ回線とすることが できる。AUXインタフェースは最高38.4kbpsまでのIP、IPX、およびAppleTalk プロトコルの非同期ルーティングをサポートしている。
SDLC
IOS Enterprise機能セットを指定して発注すると、Cisco 2513~2515の 同期ポートを使用してSDLC装置を企業インターネットワークに接続できる ようになる。Cisco STUNおよびSDLLC機能はシリアルリンクのSDLC制御を 実現する。シリアルポートはNRZ/NRZIおよび全二重または半二重機能をサポ ートしている。
製品認証
Cisco 2513~2515ルータは以下の製品安全基準を達成または上回っている。
- UL 1950
- CSA 22.2から950
- EN 60950
- EN 41003
- BABT
- AUSTEL(AS3260、AST00)
さらに、Cisco 2513~2515は以下の電磁場適合性(EMC)仕様を達成または 上回っており、European EMC Directiveに合致することが認証されている。
- FCCクラスA
- EN 55022クラスB
- VDE 0878パート3および30、クラスB
- CISPR 22クラスB
- VCCIクラス2(日本)
- NFC 98020(フランス)
- CE Mark(欧州)
- IEC 801-2、3、4、5、6
発注受付けおよび発売時期
Cisco 2513~2515は1994年9月30日のIOSリリース10.0(5)の出荷に合わせ て発売の予定である。すべてのメモリオプションは初回出荷と同時に発売の予定 である。すべての製品の受注は1994年9月12日から受け付ける。