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[目次]
| 要約 |
ただしサービスプロバイダは、これらの機会をいかにうまく利用するかという問題に直面しています。既存のメトロネットワークのほとんどは、SONET/SDH(同期光ファイバネットワーク/同期デジタルハイアラーキ)装置を使って構築されています。従来の SONET/SDH 装置は、TDM(時分割多重)ベースの音声を中心としたトラフィックに最適化されているので、IP ベースのデータトラフィックに特有な要求を効率的には処理できないからです。
メトロポリタンIP 用に最適化されたネットワークの要求を満たすために、シスコシステムズは、Cisco IP + オプティカル ソリューションの一部として DPT(Dynamic Packet Transport)を開発しました。DPT は、シスコが開発した SRP( Spatial Reuse Protocol)に基づいた RPR( Resilient Packet Ring)テクノロジであり、光ファイバリングの帯域幅効率と復旧要件を IP ルーティングのインテリジェンスとともに利用することができます。DPT をベースにしたネットワークは、ISP(インターネットサービスプロバイダ)の PoP(Points of Presence)、地域のメトロネットワーク、およびメトロアクセスネットワークなどのさまざまな環境に導入されています。この技術は、サービスプロバイダにとって次のような利点があります。
- 高いコスト効率
- 従来の IP サービスと拡張した IP サービスのサポート
- ネットワークの堅牢性
- 将来のマイグレーションパス
- SONET ADM(Add Drop Multiplexer)などのように高価でパケットの帯域幅を有効利用できない TDM 装置に対する資本支出の削減
- パケットリングソリューションでは帯域幅を増大させる機能(大きなトランスポートパイプ上での統計的多重化およびスペース再利用など)を利用するため、帯域幅効率が大幅に向上
- 新しい「プラグアンドプレイ」機能と統合型ネットワーク管理機能により、スイッチングおよびトランスポートネットワークのプロビジョニング、コンフィギュレーション、および管理にかかる時間と費用を削減
- パフォーマンスと障害の予防的モニタリングと障害隔離機能
- IP サービスの迅速な復旧を可能にするマルチレイヤ認識を備えたインテリジェントな保護スイッチング
- 埋め込みベースのトランスポート機能を利用する SONET フレーミグなどの構造を提供する一方で、新しいアーキテクチャへの効率的な移行が可能な柔軟性
- パケットトラフィックとサービス要件の連続的な急増に対応できるスケーラビリティ
| イントロダクション |
- インターネットおよび企業イントラネットによるネットワークの利用が大幅に増え続けています。
- 広域イーサネットサービスなどの大規模なイーサネットサービスの導入が続いています。
- VoIP(Voice over IP)とマルチキャスティングをベースにした高度な IP サービスが急速に出現しています。
- xDSL とケーブルモデムテクノロジによる、コスト効率の高いブロードバンドの家庭向けサービスの加入者が増えています。
同時に、SONET/SDH テクノロジとリングアーキテクチャは、サービスプロバイダ環境に広範囲に導入され、ハイエンドなエンタープライズ市場での関心も高まっています。SONET/SDH リングは、トランスポート市場に大きな革新をもたらし、OC-48/STM-16 および OC-192/STM-64 の回線速度の光ファイバキャパシティの利用、プロアクティブなパフォーマンスモニタリング、APS(自動保護スイッチング)による自動復旧といった重要な機能を実装しています。また、高速データ転送の分野における大きな革新のための基盤、つまり155 Mbps 以上のデータ速度で動作する POS(Packet-over-SONET)/SDH 端末を提供しています。
しかし、ありとあらゆる場で高速の IP 接続とサービスが発展する一方で、SONET/SDH 装置経由の IP ルータの相互接続において重要な問題が多数発生しています。
帯域幅の効率の点 - SONET/SDH リングには、常にリング帯域幅の半分を予備として確保する専用の保護タイムスロットがあります(図1 参照)。また SONET/SDH リングは、TDM テクノロジをベースとし、実際に利用するかどうかに関わらず、帯域幅を消費するポイントツーポイント接続を準備します(たとえばルータ間を 155 Mbps で接続した場合、利用率が時間によって大きく変化するにも関わらず、常に 155 Mbps を固定で確保します)。
図1: SONET/SDH の帯域幅の割り当て

コストと複雑性 - 光ファイバを介した高速の IP トランスポート用として、さまざまなプロトコルスタックが利用または提案されています(図2 参照)。スタックのレイヤ数を減らすことにより、設備投資を最小限に抑え、利用できる転送帯域幅を最大限にするためにかかる経費を削減することができます。また、これによりプロビジョニング、運用、障害検出と復旧、ネットワークプランニングとエンジニアリング、およびネットワークの復旧が容易になります。従来の4 レイヤモデルの TDM 装置には、コンテンツを含むトラフィック用の IP レイヤ、トラフィックエンジニアリング用の ATM、SONET/SDH トランスポートネットワーク、およびオプティカルレイヤが含まれます。このモデルでは、各レイヤに多重化、保護、および管理の機能が必要です。このように機能が重複していると、帯域幅の効率が悪いばかりでなく、かなり複雑になってしまいます。したがって各分野のスペシャリストが数人必要になり、ネットワークの運用コストが大幅に高くなります。市場調査会社 Probe Research 社によれば、運用、経理、管理、およびプロビジョニング(OAM & P)はサービスプロバイダのネットワークコストの 49% を占めるということです。
図2: IP トランスポートの例

IP の世界では、ずっと前からリングベースのアーキテクチャの価値が認められており、トークンリングや FDDI などのソリューションを開発するために、広範囲にわたって尽力してきました。しかしこれらのソリューションでは、次に説明するような急速に発展する IP トランスポートとサービス配信の問題を解決することはできませんでした。
- IP トラフィック量とファイバ帯域幅の増大への対応
- 輻輳のある状況下でも広帯域の利用を維持し、変化するトラフィックパターンにも迅速に対応
- 建物内だけでなくメトロポリタンおよびワイドエリアのリングなどといった大規模なリングトポロジを、ノード数の面でもノード間の距離の面でもサポート
- ノード間の公平な帯域幅の割り当てを保持し、帯域幅の不足を回避
- 複数のトラフィッククラスのさまざまな帯域幅と遅延時間の要件に対応
- トランスポートメディアおよびノードの障害などを迅速に復旧
- コンフィギュレーションとプロビジョニングの要件が最小限のリングノードを、プラグアンドプレイモードで追加、削除、および復旧
- SRP-fa(SRP フェアネスアルゴリズム)
- IPS(Intelligent Protection Switching)
| DPT テクノロジと特徴 |
DPT リングの基本 DPT リングは、反対方向に回転する2つのファイバで構成されます。各ファイバを同時に使用してデータパケットおよび制御パケットを送信します(図3 参照)。
図3: DPTリングの基本

2つのリングを区別するため、一方を「内側」リング、もう一方を「外側」リングといいます。DPT は、1つの方向(ダウンストリーム)でデータパケットを送信し、もう1 つの方向(アップストリーム)で対応する制御パケットを送信します。保護のためリングの半分を確保する SONET/SDH ネットワークと違って、DPT は両方の光ファイバを同時に使用してサービスプロバイダが実装された帯域幅の各単位を最大限に活用できるようにします。 トランスポートの柔軟性と進化 DPT は、SONET/SDH フレーミングを使用し、あらゆる主要なファイバトランスポートインフラストラクチャで透過的に実行されます。そのなかには、次のようなオプションがあります。
- ダークファイバ
- WDM(波長分割多重)
- SONET/SDH のポイントツーポイント接続とリング
このような透過性により、サービスプロバイダの戦略的なマイグレーションパスとして、SONET/SDH 装置の拡張埋め込みベースが提供されます。IP サービスは、最初は SONET/SDH 装置上の予備キャパシティを使って導入できます。そして IP トラフィックが増加したら、そのトラフィックをパケット用に最適化されたダークファイバまたは WDM 装置によるトランスポートに迅速かつ効率的に移行できます。さらに DPT は、顧客が現在持っている SONET/SDH に関する知識ベースとネットワーク装置のテストツールを利用します。これにより、ネットワーク管理の観点から簡単でコスト効率の高い DPT 導入が可能になります。
DPT が SONET/SDH フレーミングを利用するもう1つの大きな利点は、SONET と SDH では、OAM & P(運用、管理、保守、およびプロビジョニング)の要件としきい値がよく理解され標準化されているということです。たとえば、B1、B2、およびB3などのエラーしきい値、IP の DCC(Data Communication Channel)、および SONET/SDH の階層(ロックアウト、強制的なラップ、信号エラー、信号劣化など)がすべてサポートされ、これらに SNMP(Simple Network Management Protocol)トラップが関連付けられています。また、すべての DPT システムで SONET MIB(Management Information Base)の RFC 1595/2558 がサポートされているうえ、適切なタイミングと同期化を確実にするために高精度の Stratum® クロックが採用されています。
155 Mb 以上の IP トラフィックを伝送するトランスポートクロスセクションについては、IP 用に最適化されたインフラストラクチャへの移行を慎重に評価する必要があります。その場合、前述した最高の経済的価値と機能を考慮すべきです。最終的には、サービスプロバイダが増大した TDM トラフィックを埋め込みベースのインフラストラクチャ( SONET/SDH など)上で統合してこの装置に対する設備投資の限度を設定します。さらに、IP トラフィックを IP 用に最適化されたインフラストラクチャに迅速に移行し、将来の収益の伸びに大きく関わってくる IP トラフィックとサービスに対する将来の設備投資に焦点をしぼる必要があります。 光ファイバのオプション DPT 製品は、主なアプリケーション要件を満たす光ファイバオプションを提供します。
- PoP 内接続用のマルチモードおよび VSR(Very Short Range)
- MAN とWAN の PoP 内接続および地域接続アプリケーション用のシングルモードの IR(Intermediate Reach)とLR(Long Reach)
- ノード間距離(80 km 以上)が延長されているリングアプリケーションでは、DPT リング製品は Cisco ONS 15104 の OC-48/STM-16 双方向光リジェネレータと統合され、同様にサードパーティ製の SONET/SDH リジェネレータとも統合されます。
スペース再利用 - SRP の名前は、プロトコルの宛先ノードでのパケット排除操作に由来します。FDDI (Fiber Distributed Data Interface)、トークンリングなど、従来のデータリングテクノロジでは、送信元でパケット排除が行われていました。たとえば、パケットを転送するとき、そのパケットは帯域幅を使用してリング全体を一周し、そのあとで送信元がパケットを排除するという方式になっています。これに対して、SRP では宛先ノードでパケットが排除されます。宛先ノードでパケットがリングから排除されるので、リングの他のセグメントでは他のパケットが帯域幅全体を使用できます。このように、各リングノードが同時にパケットをリングに送出できるので、ネットワークはリング帯域幅を最大限にすることができます。図4 は、スペース再利用の利点の一例です。たとえば、トラフィックの大部分がルータ4、5、6、および A に流れ、個別にルータ1、2、3、および B に流れる集約アプリケーションでは、スペース再利用により、容易に帯域幅を倍増させることができます。また、トラフィックの局所性の高いアプリケーションやコミュニティ(分散 VPN サービスなど)では、特に高い効率性が得られます。
図4: スペース再利用

SRPフェアネスアルゴリズム - DPT リング上の各ノードでは、それぞれ SRP-fa と呼ばれるアルゴリズムの分散コピーを実行しています。SRP-fa は、次に説明するグローバルフェアネス、ローカルの帯域幅最適化、および帯域幅のスケーラビリティを DPT リングのすべてのセグメント上で実現するように設計されています。
- グローバルフェアネス - パケットをアップストリームソースからリング上に転送する速度を、リングノードがパケットを送出する速度と対比させて制御することにより、各ノードに平等にリング帯域幅が与えられるようにします。その目的は、隣接するノードが帯域幅を独占して帯域幅不足や著しい遅延を引き起こさないようにすることです。
- ローカル最適化 - リングノードがリングのスペース再利用の特性を最大限に活用できるようにし、トラフィックの局所性によって他のリングノードが悪影響を受けないかぎり、ローカルセグメントでの公平な配分以上の帯域幅を利用できるようにします。
- スケーラビリティ- SRP-fa は、広い地域に分散し、高速(OC-48c/STM-16c および OC-192c/STM-64c)で動作する大量のルータで構成されるリング(最大 128 ノード)に対応するために、高度に効率的でスケーラブルな帯域幅制御機能を提供します。
統計的多重化 - TDM リングと違って、タイムスロットおよび専用の帯域幅または割り当てられた接続はありません。その代わりに DPT は、統計的な超過要求のためにバーストトラフィックを処理できる柔軟性の高い機能を提供することにより、リングのトラフィック伝送容量を最大化します。また、サービスプロバイダも柔軟に超過要求の要因を処理してリングアプリケーション(バックボーンリングに対するアクセスリングなど)に対応できます。 堅牢な耐障害性と復旧 DPT リングは、プロアクティブなパフォーマンスモニタリング、迅速な自動復旧、およびリングノードまたは光ファイバ設備におけるイベント/障害発生後の迅速な IP サービス復旧を可能にするため、IPS(Intelligent Protection Switching)を採用しています。
SONET/SDH リングでは、APS(Automatic Protection Switching)というパフォーマンスモニタリングと自動復旧機能のセットを提供しています。IPS は、APS と同様に次の機能を提供します。
- SONET/SDH オーバーヘッドバイトによるプロアクティブなパフォーマンスモニタリングおよび障害検出/切り離し
- レイヤ1で障害/イベントを検出した場合、リングラップにより50ミリ秒以内に自動復旧
- 複数の障害またはイベントが同時に発生した場合に対処する保護スイッチング階層

さらに IPS では、APS と違って次のようなパケット最適化機能も提供しています。
- SONET/SDH オーバーヘッドバイトに依存せず、SONET/SDH 以外のインフラストラクチャ(ダークファイバおよび WDM など)上でも運用できます。
- レイヤ3 ルーティングプロトコルの再コンバージェンスなしで、50 ミリ秒以内に IP サービスを復旧します(16 以上のノードで構成される大規模なリングも含む)。
- 専用の保護帯域幅を必要とせず(したがって保護用にリング帯域幅の半分を取っておく必要はありません)、リングラップ後に最適リホーミングパケットパスを選択します。
- レイヤ1 だけでなく、レイヤ1、2、3 でのイベントをモニタおよび処理し、パケットパススルーモード(サービスに影響を及ぼすレイヤ3 イベントが発生した場合にリングラップを防止する)など、その他のパケット最適化機能を提供することにより、マルチレイヤ認識を提供します。
- プラグアンドプレイ動作により、リングノード名/アドレスおよびトポロジマップ作成に関連する細かいプロビジョニングやコンフィギュレーションを必要としません。
- パケット優先度 - データパケットは、高優先度パケットまたは低優先度パケットとして分類およびスケジューリングされます。低優先度パケットは、リング上でベストエフォートの処理を受けます。高優先度パケットは、遅延時間およびジッタの制御または帯域幅の保証を要求するサービス(いくつかの代表的なサービスについて後で説明します)に合わせて優先的に処理されます。
- マルチキャスティング- DPT リングは、ネイティブの IP マルチキャスティングをサポートしています。したがって、マルチポイントの情報分散および高品質ビデオのブロードキャスティングなど、現在および将来の収益を生む高度なサービスのホストを直接サポートします。
- 帯域幅のスケーラビリティ- DPT リングは、回線速度のパケット処理と帯域幅を増大させる機能を備えたBFP(Big, Fat Pipe)を提供し、パケットロスおよび遅延特性を最小限に抑えます。またリングは、初期の OC-12c/STM-4c 製品から OC-48c/STM-16c および OC-192c/STM-64c リングにまで容易に拡張できるように設計されています。
- グローバルにユニークな永久に割り当てられた MAC レイヤアドレス
- 迅速に新しいノードを追加したり、既存のノードをリングから削除するための IPS 手順
- サービスに影響を及ぼすイベントが発生した場合に自動復旧(リングラップとラップ解除)するための IPS 手順
- 自動トポロジディスカバリ、ARP(Address Resolution Protocol)および情報の分散とダイナミックなパケットパス選択のためのルーティング手順
- イベント、警告、およびニアエンドとファーエンドのパフォーマンスモニタリングに関する現在の情報と履歴情報のための RFC 1595 SONET/SDH MIB
- モニタリング、デバッグ、およびリングトラフィック処理のためのMAC レイヤパケットカウンタ
- リングのルーティングおよびステータス情報をノード単位で参照できるようにするトポロジ MIB
| DPT アプリケーション |
図6: DPTリング階層

PoP 内アプリケーション 大規模 IP サービスプロバイダの主な課題は、堅牢でパフォーマンスの高い PoP 内接続です。IP トラフィックの大幅な増加が続き、DPT テクノロジが出現したことにより、SONET/SDH のアプローチは、経済面でも機能面でも最適とは言えなくなりました。図7 に POS インターフェイスを使った従来の PoP 内メッシュアーキテクチャを示します。
図7: SONET/SDH の PoP 内接続

図8 は、上記と同じ PoP を DPT テクノロジを使って再設計した例です。この例では、DPT カードを備えたCisco 12000 シリーズのインターネット ルータがファイバ上に直接配置されています。
図8: DPT のPoP 内接続

PoP のトポロジは、DPT アーキテクチャによってずっとシンプルになっていることが分かります。そしてネットワーク管理者が管理すべきリングは1 つだけであり、設定するサブネットも少なくなっています。さらに、ルータの相互接続ポートが減ったため、コストと設備関連のメンテナンスが大幅に軽減されます。 地域メトロアプリケーション 図9 は、地域メトロで DPT を使ったサービスプロバイダのネットワークを示しています。この例では、DPT カードを備えたCisco 12000 シリーズのインターネットルータがファイバ上に直接配置されています。(地域メトロエリアでは、DPT カードを備えたCisco 7200 および7500 シリーズのルータも利用できます。)これにより、フラットなネットワークが構築され、従来のTDM インフラストラクチャにおける複数の不必要なレイヤ、DACS、および ADM が排除されています。
図9: 地域メトロにおけるDPT

さらに PoP 内では、地域メトロで DPT アーキテクチャを利用することにより、ネットワーク管理者が管理すべきリングは1 つだけとなり、設定するサブネットも少なくなります。したがって、コストと設備関連のメンテナンスが軽減されます。
PoP および地域メトロアーキテクチャの主な課題は、次のとおりです。
- より広い帯域幅へのスケーリング(2.5 Gbps、それからすぐに10 Gbpsへ)
- プロアクティブなパフォーマンスモニタリング、およびサービスに影響を及ぼす障害が発生した場合の迅速な自動復旧
- デュアルホーミング要件およびアクセスルータ数の増大に起因するポートカウントの急増
- 複数のテクノロジの並存、ネットワーク要素(中間スイッチなど)の増加、および帯域幅効率の悪い負荷分散による複雑性
- 帯域幅のスケーラビリティ - DPT リングは、最初は 622 Mb(統計的多重化およびスペース再利用のエレメントを組み込む前)から始めて、2.5 Gb および 10 Gb ソリューションまで簡単に拡張することができます。また DPT リングを使用することで、リングの拡張に応じてポイントツーポイントの接続を作成する場合の大きな管理コストを削減することができます。たとえば、Cisco 12000 インターネット ルータ上で DPT が運用されていれば、ルータがキャパシティの限界に達した場合、サービスプロバイダは Cisco 12000 インターネット ルータをもう1 つ DPT リングに追加します。各カードはすでにリングに接続されているので、これにより他のルータ上のラインカードに対する影響を抑えることができます。したがって、すべてのラインカードと新しいルータ間をメッシュ接続するのに手動でコンフィギュレーションする必要がなく、運用コストは大幅に削減され、簡単に拡張できるようになります。
- ポートカウントの削減 - 各ルータに必要なのは、1 つの DPT リングカードのみです。既存の集約ルータ上の影響を受ける各ラインカード間を新しいルータと接続する必要はありません。接続すれば管理がわずらわしく、拡張も困難になります。典型的な PoP の場合、集約ルータが 50 ~ 100 以上存在する場合があります。PoP では、各集約ルータ上に OC-3 ~ OC-192 の複数の POS リンクを作り、それらを複数のルータに接続するように設定できます。そして帯域幅要求の増加に応じて、サービスプロバイダはインターフェイスカードを POS ルータに随時追加する必要があります。
- 中間的なレイヤ2 スイッチングソリューションに伴う複雑さの解消
- プロアクティブなパフォーマンスモニタリング、デュアルホーミング、自動復旧、および負荷分散機能を提供します。
- 50 ミリ秒以内の復旧、OAM&P 機能のための SONET/SDH フレーミングにより、キャリアクラスのパフォーマンスを提供します。
- SONET/SDH ネットワークがすでにインストールされている場合にも、将来の立証済みのマイグレーションパスを提供します。これにより、顧客はデータサービスに新しいアプローチを適用する一方で、従来の TDM サービスも実行できます。そして後で、データトラフィックを SONET/SDH 装置上から DPT ネットワーク上に移行して並列処理することができます。したがって、このソリューションは、SONET/SDH を使用する現行のプロバイダだけでなく、ダークファイバまたは WDM を使用する新しいプロバイダにも適しています。
図10: メトロアクセスリング

これらのリングは、事業用/居住用高層ビルおよび近郊産業地区にある複数のテナントへのアクセスを提供します。建物の地階に設置したルータにより、TLS および大規模なイーサネットサービスだけでなく、VPN、インターネットアクセス、IP サービスプロバイダが販売している低コストな Voice/Video over IP サービスなど、さまざまな堅牢な広帯域 IP サービスに、複数の建物内のテナントからアクセスできます。
メトロアクセスエリアにおいてプロバイダがますます心配していることは、減少コストにより設備コストを低く維持したり、メトロエリアにおけるイーサネットと IP サービスの可能性を高めたりしながら、さまざまな接続オプションと高度な IP 管理サービスを提供することです。 エンハンスド IP サービスの例 DPT テクノロジは、エンハンスド IP サービスをメトロエリアにまで透過的に拡張します。主な例を以下に示します。
- VoIP および Video over IP サービス - DPT リングは、広帯域で回線速度のパケット処理、優先度スケジューリング、およびレイヤ3 IP CoS インターネットワーキングを連携させることにより、遅延時間とジッタの厳しい制御を要求する音声およびビデオなどのリアルタイムサービスを強力にサポートしています。
- サービス保護- サービスプロバイダは、IPS の優れたプロアクティブなパフォーマンスモニタリング、保護スイッチング、および迅速なサービス復旧機能を、優先度スケジューリングと組み合わせて利用できます。これにより、T1/E1 および T3/E3 アクセスサービスに対して高い速度を保持するなど、コスト効率の高い帯域幅保護サービスが提供されます。
- IP VPN と帯域幅管理サービス - DPTリングは、広帯域の建物内接続、ミッションクリティカルなアプリケーションと高速インターネットアクセスサービスのためのスケジューリングサポート、およびセキュリティのための MAC レイヤベースのアドレスフィルタリングなど、マルチサイトの IP VPN サービスを強力にサポートします。また、サービスプロバイダにはインフラストラクチャを低コストで提供し、大規模な法人顧客にはコスト効率と柔軟性の高い広帯域幅のパケットトランスポートをサポートすることにより、SONET/SDH ベースの帯域幅管理サービスからの優れたアップグレードを提供します。
MAN つまりメトロベースのアクセスリングは、ISP および CLEC(Competitive Local Exchange Carrier)にとってますます一般的になっています。それは、これらの企業がIP ベースのトランスポートサービスを提供し始めたからです。ISP やキャリアサービス会社では、典型的な MAN は既存のメトロ SONET/SDH と DWDM ベースのトランスポートインフラストラクチャにより接続されます。これは、CAP( Competitive Access Provider)および CLEC によってメトロエリアにすでに実装されているリングネットワークに最適です。
新しいプロバイダは、SONET/SDH インフラストラクチャを経由せずに DPT を使ってルータをファイバに直接接続し始めています。これは、SONET レベルの信頼性を保持したまま顧客に究極のサービス、つまりインテリジェントなエッジルータ経由のイーサネットアクセスを提供したいというさらに新しい IP トランスポートプロバイダにとって、コスト効率の高いソリューションです。
現在の運用企業に取って代わろうとしている新興キャリアは、IP インフラストラクチャに完全に焦点をしぼっています。彼らは、インフラストラクチャの面で極めて有能である必要があります。そのためには、ネットワーク要素数を最小限に抑え、ネットワークの運用を最適化する必要があります。これらの企業がこの目的を達成できる唯一の方法は、IP をネットワークのエッジまで、またはファイバインフラストラクチャを介してビルにまで延長することです。もちろん DPT ソリューションは、ダークファイバまたは WDM を使用する新しいキャリアだけでなく、SONET/SDH を使用する現行のキャリアにも適しています。DPT は、すでにインストールされている SONET/SDH 装置に対するマイグレーションパスを提供し、これによりプロバイダはデータサービスに新しいアプローチを適用しながら従来の TDM サービスを引き続き実行できます。そして後でデータ部分を SONET/SDH 上での運用から並列運用へと移行できます。
| まとめ |
| DPT 製品 |
インターネットルーティングプラットフォーム用の業界初の OC-12c/STM-4c RPR ソリューションである DPT ポートアダプタは、デュアル幅の OC-12c ポートアダプタであり、Cisco 7200 シリーズ、Cisco 7200 VXR、または Cisco uBR7200 シリーズのルータに、SONET 上での共有 IP 機能を提供します。DPT ポートアダプタには、PA-SRP-OC12MM(マルチモードファイバ)、PA-SRP-OC12SI(シングルモードファイバ、中距離)、およびPA-SRP-OC12SL(シングルモードファイバ、長距離)という3 つのモデルがあります。また、Cisco 7200シリーズ、Cisco 7200 VXR、およびCisco uBR7200 シリーズのルータに、2 つのSC 二重ポートを提供します。これらのSC 二重ポートを使用して、ルータを DPT リング上の隣接装置に物理的に接続します。このアダプタは、SONET OC-12 DPT リングに導入することを前提に設計されています。DPT リングは SONET ADM にも接続することができ、これにより小規模から非常に大規模な DPT リングの作成が可能になります。
Cisco 7500 シリーズルータ用の DPT リングインターフェイスプロセッサは、1 つのルータシャーシスロットを完全に占有し、インターフェイスポートを1 つ提供します。このインターフェイスプロセッサは、マルチモードまたはシングルモードのどちらかの光ファイバを選択して利用することもできます。また、受信側のペイロードバッファリングおよび優先度ベースのキューイングといった強力なハードウェアベースの速度不一致と適応の機能を提供します。DRR アルゴリズムの採用により、高優先度パケットを優先的に処理します。DPT インターフェイスプロセッサは、プロアクティブな輻輳管理のためにハードウェアベースの RED 機能も提供します。これらの強力な機能により、低速度の装置をそれよりも高速度、たとえば DPT-OC-12c/STM-4c、DPT-OC-48c/STM-16c などのリング上に配置することができます。
Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータの DPT ラインカード
インターネットルーティングプラットフォーム用の業界初の OC-12c/STM-4c および OC-48c/STM-16c RPR ソリューションである Cisco 12000 シリーズルータ用 DPT リングインターフェイスプロセッサは、1 つのルータシャーシスロットを使って、1 つのインターフェイスポートを提供します。このインターフェイスプロセッサは、マルチモードまたはシングルモードの OC-12c/STM-4c または OC-48/STM-16c で利用できます。
Cisco 10720 インターネット ルータ
Cisco 10720(図11 参照)は、メトロポリタンエリアにおける SONET/SDH、ダークファイバ、または DWDM に対応したインフラストラクチャ上での共有 IP 機能を提供し、主にオフィスビルなどに設置されます。通常は、インターネット ルータ(特に Cisco 12000 シリーズ ルータ)により、地域メトロとコアネットワーク全体の残りの部分に接続されます。また、スケーラブルで信頼性があり、シンプルでコスト効率の高い統一された IP インフラストラクチャ上でのデータ、音声
、およびビデオの統合などといった高速サービスを提供します。
図11: Cisco 10720 インターネット ルータ

Cisco ONS 15104 光リジェネレータ
Cisco ONS 15104 は、双方向型 OC-48/STM-16 リジェネレータで、光信号をできるだけ遠くまで伝送します。Cisco 12000 シリーズのインターネットルータに搭載された OC-48/STM-16 ラインカードに接続した場合、シングルモードの長距離光ファイバ伝送をサポートします。
Cisco ONS 15194 IP トランスポート コンセントレータ
Cisco ONS 15194は、高密度でパフォーマンスの高い IP トランスポート管理プラットフォームです。この製品は、PoP、地域メトロ、およびメトロアクセスリング内でのキャリアクラスの IP トランスポートサービスを提供します。OC-48/STM-16 をサポートするように設計されており、拡張性に優れ、RPR および POS ネットワークのための管理ソリューションとなります。 DPT 製品の発展 DPT は極めて重要な技術革新の一要素です。シスコは、顧客のニーズを満たすために、積極的にテクノロジの発展に取り組み、機能面でもコスト効率の面でも大きな改善を続けて行きます。
| 更新日:2002年1月30日 |
