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White Paper
Cisco マルチサービス トランスポート プラットフォームの定義
メトロ ネットワークとリージョナル ネットワークの変換
1999 年、シスコシステムズ®が Multiservice Provisioning Platform(MSPP; マルチサービス プロビジョニング プラットフォーム)をメトロポリタン市場に投入した際、「従来型」光伝送機器に分類される機器と、今「次世代」とされている機器の間に明白な境界線が引かれました。Cisco MSPP は、テクノロジー上の注目すべき進歩と製品マイグレーションにより、DS1/E1 から OC-192/STM-64 に及ぶ従来型 Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重)と Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy (SONET/SDH; 光同期伝送ネットワーク/同期デジタル ハイアラーキ)サービス、さらに、イーサネットと IP サービスを提供していました。このプラットフォームはスケーラブルで、同ビット レートの従来型機器の数分の一の大きさでした。MSPP は省スペース、省電力のプラットフォームにより、優れた機能とスケーラビリティを提供するだけでなく、高い費用効果を実証し、群を抜いて新しい市場セグメントの要求を満たすものでした。Cisco ONS 15454 MSPP 製品系列は、短期間のうちに市場リーダーとしての地位を確立しました。
Cisco MSPP の世界中での成功により、メトロ ネットワークにおいてより高い帯域幅が利用可能となり、より高い帯域幅のマルチサービス トラフィックの集約とスイッチを行うため、メトロ用に最適化された新しいスイッチング プラットフォームのニーズが生まれました。このような背景により、シスコは Multiservice Switching Platform (MSSP; マルチサービス スイッチング プラットフォーム)を投入しました。高密度、高帯域幅の光インターフェイス、リング相互運用性、および MSPP とのシームレスな統合の提供により、MSSP では大規模なメトロポリタン エリアでの効率的なスケーリングが可能となりました。Cisco ONS 15600 MSSP は、このセグメントでの明白な製品リーダーです。
メトロ光ネットワーキングにおける革新性とリーダーシップの伝統を維持するだけではなく、シスコはここに、Multiservice Transport Platform(MSTP; マルチサービス トランスポート プラットフォーム)を投入します。このプラットフォームは、メトロや地域の Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)ネットワークに変革をもたらします。メトロ DWDM 市場は 2007 年まで 25.5% の Compound Annual Growth Rate(CAGR; 年間平均成長率)で拡大すると予測されています(出典: IDC、2003 年)。
メトロおよび地域の DWDM の初期展開では、主にファイバの負荷軽減に焦点が当てられ、長距離 DWDM テクノロジーが使用されていました。しかし、長距離 DWDM 製品は高価格で、メトロ空間での運用効率は不十分なものでした。Competitive Local Exchange Carrier(CLEC; 競合地域電話会社)での DWDM の採用により、このテクノロジーはビット単価の安いソリューションで活用されてきましたが、一方、特にフットプリント、電力、ネットワーク セットアップ、および光出力管理に関して、運用効率には依然として課題が残っていました。より高い帯域幅サービスの出現により、ギガビット イーサネットや Storage-Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)など、いくつかの製品が導入されましたが、さまざまなサービス を提供する際には、これらのソリューションは依然として非効率的でした。
Cisco ONS 15454 MSTP は、常に増大を続けるマルチサービスに対する要望、より大きな伝送容量、ネットワーキングの柔軟性、用途に応じた光到達距離の選択、および単一プラットフォームにおける管理の簡略さなどに対処することによって、資本および運用上の効率を実現します(図 1)。革新的なテクノロジーが使用され、メトロ用に最適化された Cisco ONS 15454 MSTP を使用することにより、メトロ DWDM 伝送に対してインテリジェンスが導入されると同時に、帯域幅の増大に対するサービス プロバイダーのニーズに対処されます。
図 1
Cisco ONS 15454 MSTP を使ったメトロ ネットワークおよびリージョナル ネットワークの変換

マルチサービス トランスポート
Cisco ONS 15454 MSTP では、広い範囲に渡る標準ベースの波長サービスが、単一プラットフォームでサポートされています。こうした波長サービスには、集約された TDM やデータ サービスを搬送できる 2.5 Gbps および 10 Gbps の SONET/SDH マルチサービス トランスポンダから、TDM(OC-3/STM-1、OC-12/STM-4、OC-48/STM-16、OC-192/STM-64)、データ(ギガビット イーサネット、10 ギガビット イーサネット LAN、10 ギガビット イーサネット WAN)、SAN(ファイバ チャネル、ファイバ結合、エンタープライズ システム接続)、およびビデオ波長サービス用の 150 Mbps ~ 10 Gbps のマルチレート トランスポンダや Muxponder まであります。低帯域幅のサービスは、伝送帯域幅を効率化するため、統合された STS-1/VC-3/VC-4 および VT1.5/VC-11/VC-12 スイッチング マトリックスを使って、単一の波長に集約できます。すべてのサービスは今日のサービス プロバイダーのネットワークにおいて柔軟性と相互運用性を最大限に発揮するため、標準的な SONET/SDH の波長にマッピングされます。G.709 デジタル ラッパー テクノロジーにより、Forward Error Correction(FEC; 転送エラー訂正)に対応した光の到達距離が伸びるだけでなく、波長管理の拡張が可能となりました。マルチサービス集約、波長集約、および波長転送という選択肢が、単一プラットフォーム上で統合型のインテリジェント DWDM 伝送と組み合わされた結果、どのような合わせのサービスに対しても、ネットワーク コストの最適化を図ることができるようになりました。
設計の革新性
従来のメトロ DWDM ソリューションには厳格なネットワーク アーキテクチャがあり、管理には手動によるインタラクションが相当に必要で、新しいサイトを追加する場合やネットワーク容量をアップグレードする場合は特に手間がかかります。従来のソリューションはビット当たりのコストが低い、固定トポロジ向けに最適化されいて、メトロネットワークや地域ネットワークの運用上の制限に対して効率的に対応できません。またメトロ ネットワークは、TDM、データ、SAN、ビデオなどのサービスや、1 Gbps、2.5 Gbps、および 10 Gbps の速度のサービス帯域幅に対する需要の予測が、元々の性質上困難であるという、特有の課題に直面しています。さらに、通常はリング トポロジ(オープン リング、マルチハブ リング、クローズド リング)として構成されるメトロ DWDM ネットワーク アーキテクチャの管理は、トラフィック パターンがダイナミックにアドとドロップされるため、その管理は複雑です。従来のソリューションでは、光ノイズ、分散、波長のダイナミックなアドとドロップ、光のパフォーマンス モニタリングなど、DWDM「アナログ」変数の自動管理ができませんでした。
Cisco ONS 15454 MSTP は最初からこれらの課題に対処するため、設計されてきました。MSPP のマルチサービス機能を活用することによって、Cisco ONS 15454 MSTP では、従来の波長だけの DWDM ソリューションと比べて低コストで、メトロ ネットワークまたはリージョナル ネットワークを介して任意のサービス(TDM、データ、または波長)をネイティブに転送することができます。マルチサービスにより、サービスの計画が簡単になります。またインテリジェントなソフトウェアにより、操作が簡単です。図 2 に、Cisco ONS 15454 MSTP の一般的なアーキテクチャを示します。
図 2
Cisco ONS 15454 MSTP アーキテクチャ

テクノロジーの革新性
Cisco ONS 15454 MSTP では、メトロ ネットワークとリージョナル ネットワークの独自の要件に対処するため、革新的な技術と組み合わされた先進のフォトニクス テクノロジーが使用されています。
- 優れた拡張対コストのトレードオフを実現するため、単一ネットワークで 1 ~ 64 チャネルの波長に拡張可能
- サービスの柔軟性を最高にするため、150 Mbps ~ 10 Gbps 波長サービスのトランスポート、さらに TDM とデータ サービスの集約
- 高度な増幅、分散代償、および FEC テクノロジーを使用した数十から数百 km(最長 1,000 km)の伝送機能
- ネットワークの増幅、非増幅にかかわらず、ネットワーク内において DWDM ネットワーク エレメント(端末ノード、光アド / ドロップ ノード、増幅器、分散補償)を構成する場合に、完璧な柔軟性を実現する「プラグアンドプレイ」カード アーキテクチャ
- 高帯域幅(10 Gbps)の波長サービス用の高いシェルフ密度
- ネットワーク計画とサービス予測の複雑さを軽減するため、帯域およびチャネル OADM の両方のサポートで、柔軟で、細かく対応可能な 1 ~ 64 チャネルの Optical Add/Drop Multiplexer(OADM)
- プリアンプとポストアンプの統合
- インベントリ削減のための、ソフトウェアで提供可能な Small Form-Factor Pluggable(SFP; 小型フォーム ファクタ プラガブル)クライアント コネクタと、波長の調整機能の使用
- マルチレベルのサービス モニタリング: 最高のサービス信頼性を実現するための SONET/SDH、G.709 デジタル ラッパー、および光サービス チャネル
ソフトウェアによるインテリジェンス
Cisco MSPP では、ドリルダウン グラフィカル インターフェイス、すべてのサービス プロビジョニング、リング プロビジョニングや帯域幅のアップグレードなどの操作を簡略化するためのグラフィカル ウィザード機能が搭載されているため、操作が簡単になりました。Cisco ONS 15454 MSTP では、DWDM ネットワークに操作の簡略化を導入するため、このアーキテクチャが使用されています(図 3)。光サービス チャネルと MSPP に類似したソフトウェアで IP プロトコルを使用することによって、Cisco ONS 15454 MSTP では次の機能がサポートされます。
図 3
Cisco ONS 15454 MSTP を使ったインテリジェントな光トランスポート

自動光出力管理
Cisco ONS 15454 MSTP の重要な機能は、自動光出力管理です。従来の DWDM ソリューションでは、DWDM ネットワークの強化、管理およびアップグレードは、かなりの部分が手動による作業を必要としました。Cisco ONS 15454 MSTP ソフトウェアでは、戦略的な光出力モニタリングと Variable Optical Attenuation(VOA)により、増幅された DWDM ネットワークの重要な操作である光出力のモニタリングと制御をダイナミックに行うことができます。Cisco ONS 15454 MSTP ソフトウェアにより、プロビジョニングされた DWDM ネットワークのモデルが再構築されます。ソフトウェア アルゴリズムによりネットワーク全体の光出力管理が提供され、元来均一でないチャネルが均一化され、さまざまな挿入損失(挿入、ドロップ、明示、ヒットレス パス)の光パス用に調整され、波長の挿入やドロップ時に一定の出力が維持されます(図 4)。
図 4
ネットワーク全体の出力管理およびイコライゼーション

トポロジの柔軟性
従来の DWDM ソリューションは、ポイントツーポイント伝送用に最適化されていました。メトロおよびリージョナル DWDM ネットワークでは、複雑なトラフィック パターンを持つリング トポロジが必要となります。Cisco ONS 15454 MSTP では、図 5 に示すように、任意のメトロまたはリージョナル DWDM トポロジをサポートするように構成することができます。
図 5
Cisco ONS 15454 を使った柔軟なネットワーク

- アクセス リング: 複数のリモート サイトからセントラル ハブへトラフィックを収集します。リングごとの容量は、通常低容量(最大 8 波長)です。
- メトロ IOF(Inter-Office Facility)リング: メトロ Central Office(CO; セントラル オフィス)を相互接続します。リング容量は大容量の場合もあり、トラフィック パターンは分散的な場合もあります。1 つまたはすべての波長は、中間サイトでアドやドロップが行われることがあります。
- メトロ コア: 大規模なメトロ ネットワークのバックボーンです。リング容量は通常大きく、リング円周は大です。波長のアドやドロップに関する柔軟性が必要不可欠です。
- 長距離地域スパン: 中間サイトで波長のアドやドロップを必要としない、長距離スパンの IOF およびコア リングです。
- 専用の長距離ネットワーク代替: トラフィック容量が多くない場合、長距離ネットワークを別のレイヤとして削除し、相互接続されたリージョナル ネットワークの空き容量を利用すると、さらに費用効果が上がります。
マルチサービスのプロテクション オプション
Cisco ONS 15454 MSTP により、サービスを保護するために複数のオプションが提供されます(図 6)。クライアントのプロテクションは、信号送信がクライアント機器の機能となるオプションです。クライアントは、リニア 1+1、SONET/SDH、またはそのほかのプロテクション機構を使用していることもあります。Cisco ONS 15454 MSTP では、インテリジェントな光ネットワークを介したさまざまなルートが提供されます。Y 字型ケーブル プロテクションは、クライアント信号が分割され、ネットワークを介して多様にルーティングされるオプションです。プロテクションは Cisco ONS 15454 MSTP により提供されます。第 3 のオプションは波長分割です。この場合、DWDM 信号が分割され、多様なルートでルーティングされます。この場合も、Cisco ONS 15454 MSTP によって保護されます。プロテクション オプションは、サービス契約によって決まり、最高の信頼性を実現するため、複数のオプションが組み合わされることもあります。
図 6
マルチサービスのプロテクション オプション

ネットワーキングの柔軟性と拡張
DWDM テクノロジーをメトロ ネットワークに採用する場合の大きな障害は、初期コストとネットワークの拡張に関して柔軟性がないことです。Cisco ONS 15454 MSTP は、ネットワーキングの柔軟性と拡張を目的としてアーキテクチャが構築されています。
- 波長の追加: 波長は、ネットワーク内のほかの波長に干渉せずに、必要に応じて追加できます。また、複数の光パラメータをネットワーク全体で調節する必要もありません。
- 2.5 Gbps から 10 Gbps への波長のマイグレーション: 今日ほとんどの波長には 2.5 Gbps の帯域幅容量がありますが、将来 10 Gbps の波長が必要となることは明らかです。Cisco ONS 15454 MSTP は波長の拡張に備えた設計になっています。たとえば、専用に設計された増幅器を使用すると、波長の容量をアップグレードした場合、リンク バジェットに悪影響を及ぼさずに、分散を管理することができます。
- 波長のアド/ドロップの柔軟性: 柔軟な OADM アーキテクチャによって、ほかの波長に影響を与えずに、波長ごとに変更可能な許容構成を介して、波長をアド/ドロップまたはパス スルーさせることができます。
簡単な管理とモニタリング
Cisco ONS 15454 MSTP ネットワーク管理は、使いやすいグラフィカル ユーザ インターフェイスをベースにしています。光サービス チャネルは、MSPP 内の Data Communication Channel(DCC; データ通信チャネル)と同じように、ネットワーク内の通信に使用されます。グラフィカル インターフェイスの使用により、ネットワーク レベルのビューからポート レベルにドリル ダウンし、プロビジョニングやモニタリングを簡単に実行することができます。Cisco ONS 15454 MSTP ネットワーク管理では DWDM「アナログ」コンポーネントもモニタリングされ、SONET/SDH と同様のアラームが生成されます。図 7 は、プロビジョニングされているしきい値を超えた場合のソフトウェア生成によるアラームを図示したものです。Cisco ONS 15454 MSTP を SONET/SDH および G.709 デジタル ラッパーの「デジタル レベル」モニタリングと組み合わせると、サービスでの比類のない信頼性が得られます。収益源のサービスに影響が出る前に、問題を発見して修正することが可能です。
図 7
出力のモニタリングとレポート

変革されたメトロ ネットワークとリージョナル ネットワーク
マルチサービス機能、革新的な光テクノロジー、自動光出力管理、および MSPP と同様の使いやすさを備えた Cisco ONS 15454 MSTP を使用すると、メトロおよび リージョナル DWDM ネットワークの構築方法と管理方法に変革が起こります。Cisco ONS15454 MSTP は、さまざまなサービスやインテリジェントな DWDM を組み合わせて、今日のサービス プロバイダーの資本コストと運用コストの両方を大幅に削減します。
