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Cisco Network Registrar 7.0


製品概要

Cisco® Network Registrar® は、IP Address Management(IPAM; IP アドレス管理)機能を提供する IP アドレス管理アプリケーションで、Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)サービスおよび DHCP サービスの管理を容易にします。企業カスタマー向けには、わかりやすい GUI と組み込みの詳細な管理ロール機能を組み合わせて提供するため、ユーザは、DNS サービスおよび DHCP サービスの管理に時間を費やすことなく、業務に集中できます。またケーブル プロバイダーに導入した場合には、数百台、数千台ものデバイスに対して拡張性に優れた DNS サービスおよび DHCP サービスを提供し、DOCSIS® ケーブル モデム プロビジョニング システムの基盤を形成します。また、通信サービス プロバイダー向けには、データ、Voice/Video over IP、およびモバイル サービスにおける重要な役割を引き続き担います。

Cisco Network Registrar には、増分ゾーン転送、ダイナミック アップデート、および通知のサポートをはじめとする業界で最も進んだ機能が、標準準拠の DNS サーバとともに組み込まれています。DNS サービスを保護するために、Cisco Network Registrar では Transactional Signature(TSIG)をサポートして、DNS ゾーン転送とアップデート要求を認証します。また、Cisco Network Registrar の DHCP サーバは、冗長 DHCP サーバによる DHCP セーフ フェールオーバー、ダイナミック DNS アップデート、DOCSIS ケーブル モデム、および Lightweight Directory Access Protocol バージョン 3(LDAPv3)によるディレクトリ サービスとの統合をサポートしています。さらに、Cisco IOS® デバイスとの緊密な統合によって、Cisco Powered Network ソリューションの価値を一層高めます。

拡張性に優れた Cisco Network Registrar のシステムは、いくつかのローカル クラスタと 1 つのリージョナル クラスタで構成されます。ローカル クラスタはネットワークに配置され、DNS サービスおよび DHCP サービスの処理を行います。リージョナル クラスタは、一般にデータセンターまたはネットワーク オペレーション センター(NOC)に配置され、ローカル クラスタを集中管理します。

リージョナル クラスタに搭載されたさまざまな IPAM 機能は、運用コストの削減に役立ちます。Cisco Network Registrar の管理者は IPAM を使用して、DNS サーバおよび DHCP サーバを中央のロケーションから制御および監視できます。この機能により、ネットワークに配置したローカル サーバを設定するための、手動による反復的でエラーの発生しやすい作業を大幅に省略し、一元的なデータの集約と委任を実現することができます。

アドレス スペースの管理により、アドレス ブロックの管理作業を簡単に行うことができます。 この機能は、リージョナル クラスタから実行できます。アドレス ブロックには、スタティック アドレスが含まれる場合もダイナミック アドレスが含まれる場合もあります。 また、子アドレス ブロックを任意の数だけ含むことができ、それをサブネットに対応させることができます。管理者は 1 つのアドレス ブロックを分割し、この小さいブロックをローカル クラスタに置くことができます。同様に、ローカル クラスタで親ブロックの下に複数のアドレス ブロックを統合し、アドレス スペースの統合ビューを提供することもできます。Cisco Network Registrar 管理者はローカル クラスタを 1 つずつ調べてサブネット使用状況やリース履歴情報を収集する代わりに、リージョナル クラスタによって同じ情報を得ることができるので、使用状況に関するデータの収集が簡単になります。このような自動化ソリューションがなければ、アドレス ブロックの管理は複雑かつ煩雑な時間のかかる作業になりがちです。

リージョナル クラスタは、クラスタ管理機能を通じてローカル クラスタの管理とモニタリングを行います。クラスタ管理機能により、アドレス スペースの集中管理と、ポリシー、クライアント クラス、スコープ テンプレートなどのグローバルなプロトコル サーバ設定が可能になります。管理者はリージョナル クラスタから Web UI を介して、Cisco Network Registrar ローカル クラスタのリストおよび各クラスタの証明書の追加や管理を行うことができます。この機能により、リージョナル クラスタ上で Web UI 経由での Cisco Network Registrar ローカル クラスタのリストの作成と管理が可能になります。管理タスクをさらに容易にするために、ローカル クラスタを集中管理し、VPN の作成、プル、プッシュのほか、DHCP クライアント クラス、スコープ テンプレート、ポリシー、フェールオーバー ペア、ゾーン分散の管理などを行うことができます。Web UI を使用して、サブネットの使用状況や IP リース履歴のデータをローカル クラスタからプルすることもできます。

拡張インターフェイスによって、名前およびアドレスのタスク管理が容易になり、DNS および DHCP を設定するためのタスク指向型の Web ページが提供されます。設定モードには、基本モードとアドバンスト モードの 2 つがあります。基本モードは、Cisco Network Registrar の設定に使用します。ユーザが入力するフィールドのリストを表示するのではなく、新しいユーザ インターフェイスが実行中の作業に基づいてデータ エントリを体系化します。さらに、ユーザの設定タスクを支援するために、Cisco Network Registrar では設定ステップをナビゲートするウィザードをサポートしています。また、DHCP サーバと DNS サーバの状態をリアルタイムに表示するダッシュボードも用意されています。このステータス ダッシュボードによって、ユーザは Cisco Network Registrar コンソールを一見しただけで特定の DHCP と DNS の統計が理解できるだけでなく、選んだ情報をグラフ化し表示することも可能です。データはアラートとして機能し、ネットワーク動作に重大な影響を及ぼす可能性のある状況をユーザに通知するので、ユーザは問題の原因を調べて特定することができます。IP アドレスの不足を緩和し、収益を生み出す新しいサービスを容易に導入するために、Cisco Network Registrar では DHCPv6 と DNSv6 をサポートしています。これにより、Cable Multiple Service Operator(MSO; マルチプル サービス オペレータ)が、IPv6 を必要とする DOCSIS 3.0 仕様をサポートするサービスを展開できます。


機能と利点

Cisco Network Registrar 7.0 では、ハイ パフォーマンスでスケーラブルな DNS サービスおよび DHCP サービスと、お客様が Cisco Network Registrar を簡単に設定できる機能を組み合わせて提供することで、Voice over IP(VoIP)、ワイヤレス、LAN などの IP ベースのサービスを実現します。

表 1 機能と利点
機能 利点
使いやすさ
設定ウィザード Cisco Network Registrar のさまざまな設定ステップをナビゲートできる。ウィザードにより、ユーザは 設定に不可欠なパラメータを入力することで、DHCP と DNS の設定を簡単に実行できる(基本設定モードの場合)。アドバンスト設定モードでは、DNS と DHCP のより詳細な設定が可能
リアルタイムのサービス ステータス ダッシュボード ダッシュボードは、サーバの状態、システム メトリック、アラームとアラート、および Cisco Network Registrar サーバのインベントリが一見してわかる、リアルタイムのインジケータを提供。ダッシュボードには、DHCP と DNS の一般情報、スループット、およびネットワークの運用に影響するエラー データを監視するためのグラフが表示。アドレスの使用状況を長時間にわたって測定するために、ダッシュボードは DHCP の使用状況を一定期間収集することが可能。さらにキャパシティ プランニングに役立つ、使用状況の傾向を示すグラフが表示可能
検索機能の向上 ユーザは IP アドレスを検索し、アドレスに関連する情報を取得可能。アドレスの現在の状態、アドレスが属しているスコープ、およびリースが許可された日時を確認できる。IP アドレス、または IP アドレスに関連付けられた MAC アドレスを入力することで、検索を開始できる
キャリアクラスのリース予約のパフォーマンス 固定 IP アドレスの割り当てを必要とするユーザのために、Cisco Network Registrar は最大 500,000 のリース予約を処理できる。Cisco Network Registrar はフェールオーバー構成をサポートしているため、拡張リース予約機能によりメイン サーバとバックアップ サーバ間でリース予約を同期する。これによって設定の更新がこれらのサーバ間で確実に移植される。予約済みのリース設定は、Web UI、CLI(コマンドライン インターフェイス)、および Java Software Development Kit(SDK)を使用して変更できる
ライセンス
FlexLM Cisco Network Registrar 7.0 は、標準のライセンス メカニズムとして FlexLM を利用する。新しいライセンス メカニズムでは、ユーザはシスコが管理するリポジトリからライセンス資格を取得するため、お客様は Cisco Network Registrar のライセンス キーを保存する必要がない。FlexLM メカニズムでは、ネットワークに導入されたノードの数が Right-To-Use(RTU)の制限値に近づくとただちに警告を表示
インストール
インストール ウィザード インストールを容易にするために、ウィザードは各データ ポイントまたは決定が必要な場所でサポートを提供。デフォルト設定を使用すると、Cisco Network Registrar を簡単にインストールできる。ウィザードには、入力したすべての内容が要約して表示されるため、インストールを進める前に、設定値を効率的に確認できる
インストールの健全性チェック Cisco Network Registrar では、インストール プロセスを進める前に、サーバで必要な最小メモリとディスク容量を確保できるようにする。チェックリストには、オペレーティング システムの適切なバージョン、ハードウェアの依存性、および Java のような必要なソフトウェア コンポーネントが含まれる。サーバがチェックリストのすべての項目を満たしていない場合、インストールは続行されないため、システム リソースが不十分なために発生する潜在的な問題を回避できる
インストール監査 Cisco Network Registrar では、インストール中に生成されたユーザ入力、応答、およびエラー情報をすべて取り込むログ ファイルが作成される。インストール中に問題が発生した場合は、インストール アクティビティを完全に再現する入力および出力情報を確認することで、問題を診断できる
標準準拠
DHCP リース クエリー Cisco Network Registrar は RFC 4388 を通じて DHCP リース クエリーに準拠している。これにより、外部のデバイスとプロセスは、リースに関する情報を Cisco Network Registrar に問い合わせることができる
エラー処理
エラー レポートの改善 Cisco Network Registrar には一貫したエラー レポート メカニズムが用意されており、ユーザはネットワークで発生した DHCP および DNS の問題を十分に理解し、修正できる。さらに、Cisco Network Registrar は中間の変換をなくし、問題の識別と修正に不可欠な情報を強調することで、レポート方式を簡素化する
IPv6
DHCPv6 拡張 Cisco Network Registrar は、DHCPv6 をサポートするために DHCP 拡張機能を展開する。新たに追加された拡張機能により、ユーザは IPv6 ネットワーク内のクライアント タイプを分類できる
DHCPv6 ダイナミック DNS アップデート RFC 3315 を通じた ダイナミック DNS アップデートにより、Cisco Network Registrar DHCPv6 サーバは DNSv6 ゾーンとレコードを更新できる。ユーザは、Web UI、CLI、または Java SDK を使用してダイナミック DNS アップデートを設定できる。このサポートにより、クライアントが DHCPv6 リースを受信または返信時に DNS 情報を自動的に更新できるため、DNSv6 と DHCPv6 の統合が簡素化される
クライアント クラスのフルサポート ユーザは、これまでと同様にクライアント クラスの処理が DHCPv6 クライアントを以前と同様に処理することを許可できる。クライアント クラスのサポートにより、ユーザは Cisco Network Registrar を設定するオプションを使用して、クライアントを差別化しそれに応じてクライアントを処理できる
DOCSIS 3.0 のサポート
CableLabs® DHCPv6 オプション

DOCSIS 3.0 のサポートは、ユーザが CLI および Web UI から設定できる新しいオプションで主に構成される。この CLI および Web UI により、Cisco Network Registrar は設定された値をデコードして表示し、クライアントに返すことができる

DOCSIS 3.0 DHCPv6 のオプション

  • CableLabs のベンダー固有情報オプション:
    • CL_OPTION_ORO(オプション要求)
    • CL_OPTION_TFTP_SERVERS(TFTP サーバ アドレス)
    • CL_OPTION_CONFIG_FILE_NAME(設定ファイル名)
    • CL_OPTION_SYSLOG_SERVERS(Syslog サーバ アドレス)
    • CL_OPTION_TLV5
    • CL_OPTION_DEVICE_ID(DOCSIS デバイス ID)
    • CL_OPTION_CCC(クライアント設定):PacketCable™/CableHome™ のプレースホルダ
    • リレー エージェント Cable Modem Termination System(CMTS; ケーブル モデム ターミネーション システム)機能とサブオプション(1 = DOCSIS バージョン番号)
  • DHCPv6 リレー エージェント リモート ID オプション(RFC 4649)
  • DHCPv6 リレー エージェント サブスクライバ ID オプション(RFC 4580)
  • DHCPv6 リレー エージェント割り当て通知オプション(draft-ietf-dhc-dhcpv6-agentopt-delegate)
  • DHCPv6 リレー エージェント RADIUS 属性オプション(draft-ietf-dhc-v6-relay-radius)
  • デバイス クラスの DHCPv6 ベンダー固有情報 PacketCable/CableHome
  • DHCPv6 タイム プロトコル サーバとタイム オフセット オプション(draft-ietf-dhc-dhcpv6-rfc868-servers)

DOCSIS 3.0 のサポートにより、Cisco Network Registrar は収益を生み出す新しいサービスを展開する機能を Cable MSO に提供


システム要件

表 2 に、Cisco Network Registrar のシステム要件を示します。

表 2 システム要件
コンポーネント 推奨事項
ディスク スペース 18 GB を推奨。インストールには 300 MB 必要
オペレーティング システム Windows 2003、Windows XP、Solaris 9 または Solaris 10、Red Hat Enterprise Server 4.0
ハードウェア Intel Pentium III または同等品(Windows または Linux の場合)、Sun Netra AC200(Solaris の場合)
メモリ 512 MB
ソフトウェア Java Runtime Environment(JRE)5.0、Java Development Kit 1.5.0_06 以降、Microsoft Internet Explorer 6.0(Service Pack 2)、Mozilla Firefox 1.5、または Netscape 7.0


発注情報

シスコ製品の購入方法の詳細は、「購入案内」参照してください。ソフトウェアをダウンロードするには、Cisco Software Center にアクセスしてください。


サービスおよびサポート

シスコとパートナー各社がシスコのライフサイクル サービス アプローチを通じて提供する、幅広いエンドツーエンドのサービスおよびサポートは、お客様のネットワークのビジネス上の利点と投資回収率を拡大するお手伝いをしています。このアプローチでは、テクノロジーとネットワークの複雑さに応じて、シスコのテクノロジーを適切に導入および運用し、ネットワークのライフサイクル全体にわたってパフォーマンスを最適化するために必要なアクティビティの、最小限のセットを定義します。