Cisco Network Services Orchestrator

Cisco Elastic Services Controller:仮想化環境のシンプル化および自動化


Cisco Elastic Services Controller:仮想化環境のシンプル化および自動化



エグゼクティブ サマリー

サービス プロバイダーは、今日の急速な変化に対応するため、ネットワーク機能の仮想化(NFV)を活用して俊敏性と顧客のニーズへの応答性を高めようとしています。さまざまなネットワーク機能を仮想化することにより、新しいサービスを迅速に提供し、それらのサービスを需要に応じて柔軟にスケーリングするとともに、手動タスクを自動化された繰り返し可能なプロセスに置き換えようとしています。ところが実際には、現在使用されているほとんどの NFV 管理ツールがこの理想に届いていません。通常これらのツールは複雑で、ドメイン固有の知識、カスタムの自動化、および手動操作を必要とします。

Cisco® Elastic Services Controller(ESC)は、NFV 向けの包括的なライフサイクル管理プラットフォームを提供します。仮想化機能の導入、モニタリング、柔軟なスケーリングなどのさまざまなタスクを自動化するエンドツーエンドの機能を備えており、仮想化機能を単なる仮想マシンの集まりとしてではなく、ビジネスレベルのサービスとして利用できるようにします。つまり、ビジネスにおいて NFV(エンドツーエンドの自動化、俊敏性、および簡素化)が実現するのです。

仮想化のトレンドと課題

ビジネスの成功が俊敏性によって決まる傾向はますます高くなってきています。俊敏性とは、変化に迅速に対応し、新しいサービスを早急に市場に投入し、簡単かつ低コストで運用できる IT 環境内でこのすべてを行う能力です。ただし、サービス プロバイダーにとって、そしてますます多くの企業にとって、従来のネットワーク アーキテクチャが俊敏性を確保するうえで大きな障壁になる可能性があります。

従来のネットワーク モデルでは、ほとんどのサービスは専用のハードウェア アプライアンスに結び付けられています。そのため、顧客向けの新規サービスの実装のリード タイム、すなわちアプライアンスの導入から、アプライアンスの設定、そしてサービスのプロビジョニングに要する時間が数週間、ときには数ヵ月に及ぶ場合があります。サービスのスケーリングも複雑な手動作業であるため、組織は需要に十分迅速に対応できないことが原因でビジネス機会を失ってしまう可能性があります。また、ネットワークがピーク時の負荷に対応できるように設計されているため、ほとんどのリソースが通常はアイドル状態のままになり、運用コストが必要以上に高くなります。

仮想化機能とビジネス プロセスの分断

これらの理由により、サービス プロバイダーおよび企業は、さまざまなネットワーク機能を仮想化して環境の俊敏性、拡張性、および管理性を高めようとしています。現在は、さまざまな仮想化ネットワーク機能管理(VNFM)ツールを使ってさまざまな VNF を管理できます。しかし、これらのツールのほとんどは、サービスの提供ではなく、仮想化されたワークロードの管理に主眼を置いて設計されています。これは、仮想マシンをインスタンス化することには優れていますが、顧客へのサービスの提供というコンテキストでの仮想マシンのプロビジョニングやモニタリング(仮想マシン内のサービスの状態やパフォーマンスがサービス レベル契約 [SLA] を満たすようにモニタリングするなど)に関しては、その大部分をユーザ自身で行う必要があります。この作業は通常、手動のプロセスや顧客ごとまたはアプリケーションごとに開発されたカスタム スクリプトのパッチワークを使用して行う必要があります。

最新の NFV の要件を満たす

必要なものは、単なる仮想化タスクではなく、ビジネスとサービスに主眼を置いて構築された VNF 管理プラットフォームです。次の機能を備えたソリューションが必要です。

    • 新しいアプリケーションを迅速にオンボードきるように、動的に VNF を導入、モニタリング、およびスケーリングする機能によってもたらされるサービスの俊敏性
    • NFV の複雑さを取り除き、再利用可能なデータ モデルを使ってサービスをプロビジョニングできる、オープンで拡張可能なアーキテクチャによってもたらされるシンプルな運用
    • VNF のモニタリング、柔軟なスケーリング、サービス リカバリの自動化によってもたらされる低い運用コストと最適化されたリソース消費
    • 任意の標準ベースの VNF、調整または保証システム、またはカスタム アプリケーションとの統合機能によってもたらされるイノベーションの促進

ソリューション:Cisco Elastic Services Controller

Cisco Elastic Services Controller(ESC)は、Cisco NFV Orchestration ポートフォリオの主要製品で、NFV 向けの包括的なライフサイクル管理プラットフォームを提供します。設計上、Cisco ESC はオープンなモジュラ システムとして構築されています。Cisco ESC は、デフォルトでは Netconf-Yang API を使用して Cisco Network Service Orchestrator と統合します。また、スタンドアロンで導入することもできます。Cisco NSO と Cisco ESCは、物理環境と仮想環境の両方に包括的な VNF およびサービス ライフサイクル管理機能を提供します。業界標準およびオープン API を利用できるため、使用している VNF と管理ツールがシスコ製であるかサードパーティ製であるかにかかわらず、すべての仮想化リソースの完全なライフサイクルを管理できるとともに、業界最高のソリューションを使用する選択肢を残しておくことができます(図 1 を参照)。

図 1.       Cisco ESC VNF ライフサイクル サービス

以下のセクションでは、主要な属性と機能について詳しく説明します。

標準ベースのモデル主導のソリューション

Cisco ESC は、ETSI NFV フレームワークに準拠する、オープンで標準ベースのプラットフォームを通じて、高度な VNF ライフサイクル管理機能を提供します。業界標準に準拠するとともに適切に定義された API を公開しているため、任意の標準ベースの VNF インフラストラクチャ(VNFI)システムまたは NFV オーケストレーション(VNFO)システムと相互運用できます(図 2)。

図 2.       Cisco ESC のモジュラ特性

同様に、Cisco ESC ライフサイクル管理機能はデータ モデル主導型(VNF Descriptor(VNFD))で、Yang データ モデルと NETCONF インターフェイスをサポートします。そのため、XML テンプレート(仮想化ファイアウォール サービス テンプレートなど)を使用してデータ モデルを一度定義すれば、そのテンプレートを複数の導入に繰り返し使用することができます。

次に、Cisco Cloud Services Router CSR 1000V(CSR 1000V)仮想ルータ用のサンプル XML の抜粋を示します。

<name>vCSR</name>

          <bootup_time>300</bootup_time>

          <recovery_wait_time>0</recovery_wait_time>

          <disk>

            <src>file://cisco/images/csr/csr1000v-universalk9.03.13.01.S.154-3.S1-ext.qcow2</src>

            <disk_format>qcow2</disk_format>

            <container_format>bare</container_format>

            <serial_console>true</serial_console>

            <disk_bus>virtio</disk_bus>

          </disk>

          <vm_flavor>

            <vcpus>2</vcpus>

            <memory_mb>4096</memory_mb>

            <root_disk_mb>0</root_disk_mb>

            <ephemeral_disk_mb>0</ephemeral_disk_mb>

            <swap_disk_mb>0</swap_disk_mb>

          </vm_flavor>

この設定例では、VNFM がリカバリ イベントを発生させる前に仮想マシンの起動を待機する時間を指定しています。また、仮想インフラストラクチャ マネージャ(VIM)でこの VNF をインスタンス化するために使用されるイメージも定義しています(<disk> セクション)。最後に、仮想マシンのフレーバー(<vm_flavor> セクション)を定義します。同じ VNFD に複数のフレーバーを組み込むことができる点に注意してください。こうすることで、設計者がサービスの設計時にさまざまなサイズ(小、中、大など)から選択できるようになります。フレーバーは、サービス定義のオンボーディング(公開)時に VIM で動的に作成されます。

これらの機能は、基盤となるデバイスに依存しません。サービスを提供するのが Cisco Cloud Services Router(CSR)であるか、サードパーティ ベンダーの仮想化ファイアウォールまたはセキュリティ アプライアンスであるか、仮想マシンの組み合わせであるかにかかわらず、同じツールを使用して導入、プロビジョニング、スケーリングを自動化および迅速化できます。

Cisco ESC は、マルチハイパーバイザ環境の複雑さをユーザから取り除きます。ハイパーバイザに依存しないよう設計されているため、OpenStack、コンテナ、VMware 環境など、業界で最も支配的な仮想インフラストラクチャ管理システムでこれらの機能を活用できます。

VNF ライフサイクル管理

Cisco ESC は、VNF のライフサイクル全体を管理します。ノースバウンド要求が発生すると、Cisco ESC は仮想マシンをインスタンス化して VNF サービスの要件を容易に満たせるようにします。要求者は、一般に仮想マシンの起動または管理に関連するすべての特性(vCPU、メモリ、ディスク、モニタリング KPI など)を、XML テンプレートで指定できます。

VNF を導入すると、Cisco ESC は新しいサービスの「day-zero」設定を適用します。この設定には通常、クレデンシャル、ライセンス、接続情報(IP アドレス、ゲートウェイ)など、システムで新しい仮想リソースを利用できるようにするための静的なパラメータが含まれます。Cisco ESC はさらに、新しい VNF のライセンスをアクティブにします。

このソリューションは、BGP、DNS、RADIUS などのカスタム メカニズムを使用して新しく作成された仮想マシンのアドバタイズメントを有効にし、新しい VM を使ってすぐにサービスを提供できることをシステムの残りの部分に通知します。同様に、仮想マシンがアクティブでなくなると(障害イベントが発生した場合や、需要がユーザ定義のしきい値を下回って仮想マシンが閉じられた場合など)、これらのアドバタイズメントを解除できます。

Cisco ESC は、以前まで手動で行われていたこれらのプロセスをすべて結合して自動化します。このため、新しい仮想サービスを以前よりもはるかに迅速に、そしてより簡単に導入できます。新しいサービス要求により迅速に対応することで、サービスの速度と収益の両方を向上できます。また、ある時点で必要なリソースのみを使用し、リソースが不要になると VNF を柔軟にスケール バックできるため、運用コストが低下します。

単一または連結 VNF の管理

ビジネス プロセスは仮想マシンのインスタンス化ではなく、サービスの提供に基づく設計になっており、複数の仮想マシンが連携して動作したり、特定の方法で実装されていたりする可能性があります。たとえば、特定のアプリケーションのために Cisco CSR などの仮想マシンを実装しなければならない場合があります。また、サービスが、相互に依存する仮想マシンのグループに関連する場合もあります。ひとつのホストに複数の仮想マシンを導入している場合もあります。あるいは、複合仮想サービスを作成するために、リンクされた仮想マシンのグループを特定の順序で起動しなければならない場合もあります。

一般的な仮想化環境では、相互に依存している複数の仮想マシンをインスタンス化するために複雑な手動プロセスが必要になります。そのため、新しいサービスの開発に数日、ときには数週間もかかる場合があります。Cisco ESC では、仮想マシンのライフサイクルをマシンごとに、またはグループ単位で管理することができます。そのため、新しいサービスが単一の仮想マシンによって提供されるか、連携して、または順番に動作する複合 VNF のグループによって提供されるかにかかわらず、プロセス全体を自動化できます。これにより、新しいサービスを数時間から数分で提供できます。

マルチベンダー VNF に対する独自のサポート

Cisco ESC では、どんな新しい VNF タイプでも、OpenStack 環境におけるサポートの前提条件を満たしていればオンボードできます。たとえば、Openstack 環境では、Cisco ESC は VNF ブートストラップ メカニズムの QCOW2 イメージ形式と設定ドライブをサポートします。

Cisco ESC ではこれが簡単にできます。ESC でオンボードする新しい VNF タイプの XML テンプレートを定義するだけです。このプラットフォームは、SNMP MIB、ICMP Ping、およびカスタムのアプリケーション モニタリング方法による、新しい VNF タイプに対する独自のモニタリング サポートも提供します。

これらの機能を組み合わせて使用すれば、サービス VNF を、それがどこで開発されたかに関係なく、柔軟な仮想インフラストラクチャに簡単に統合して、サービスの速度と俊敏性を高めることができます。

VNF ライセンス

仮想化環境において一般に手動プロセスが必要になるもう 1 つのコア タスクは、VNF のライセンスのアクティブ化です。Cisco ESC はこのプロセスをシンプル化します。

Cisco ESC は、シスコの新しい「従量制」ライセンス モデルである Cisco Smart Licensing 設定を VNF で有効にします。Smart Licensing を使用すると、各仮想マシンのライセンスを手動でアクティブ化する必要がなくなります。代わりに、仮想マシンが起動時に集中型ライセンス サーバに自身を登録し、リソースの使用法を追跡して、使用量ベースで請求します。

この設定により、弾力的な環境に重要な柔軟性が提供され、必要に応じて完全に自動的なやり方で拡大および縮小できるようになるとともに、料金は実際に使用したリソースの分だけ支払えば済みます。Cisco Network Service Orchestrator(NSO)と組み合わせて使用した場合、Cisco ESC は、カスタマイズ機能を使用して自動化された静的なライセンス管理をサポートします。

トランザクションの再開とロールバック

再現性はビジネスの俊敏性を確保するために不可欠な要素です。仮想化サービスが定義されたら、1 つのボタンを 1 回クリックするだけで、何百回も何千回もそのサービスを繰り返し導入が可能でなければなりません。しかし、すべてが常にうまくいくとは限りません。カスタム スクリプトを使ってサービスを 100 回自動導入しているときに、50 回目の導入で問題が発生したとします。この状況は、場合によっては重大な問題になります。前の操作の取り消しは、非常に複雑で時間のかかる作業になることがあるからです。

Cisco ESC は、これらのプロセスをシンプル化するためのトランザクションベースのシステムと、高度なロールバックおよび再開機能を備えています。そのため、前の例では、最初の 50 個の操作を簡単にロールバックしたり、Cisco ESC が 51 回目の操作から開始して残りの導入を完了するようにプログラムしたりできます。

高度なヘルスおよびサービス モニタリング、リカバリ、柔軟性

Cisco ESC は、仮想マシンをインスタンス化するだけでなく、仮想マシンの状態とパフォーマンスをモニタリングします。プラットフォームに組み込まれている多数の機能を組み合わせて仮想マシンから情報を収集し、それを分析してシステムの状態を判断し、ユーザ定義のしきい値またはイベントに応じて定義済みまたはカスタムのアクションを実行します。

このような自動化機能は、意思決定を迅速に行う必要がある仮想化環境では非常に重要です。また、柔軟な拡張性の実現にも不可欠です。たとえば、サービスのパフォーマンスが低下した場合、システムは、新しい仮想マシンをインスタンス化してキャパシティを拡張することによって、その状況に自動的に対応します。あるいは、需要が低下して仮想マシンがアイドル状態になった場合は、その仮想マシンの電源を切ってリソースと電力を節約します。

仮想マシンのヘルスおよびサービス モニタリング

Cisco ESC は、ホスト ハイパーバイザ(KVM/OpenStack であるか VMware であるかにかかわらず)と連携して仮想マシンの状態をモニタリングします。CPU 使用率、メモリ使用量、その他の主要なパラメータなどのパフォーマンス指標を追跡します。さらに、サービス パフォーマンス関連の指標やユーザ定義のその他の主要なパラメータをモニタリングするための精巧なフレームワークも提供します。

このソリューションは、エレメント マネージャと連携してサービス関連の指標(キャパシティ、ロード バースト、同時セッションの数など)が予想されるしきい値と時間の範囲内に収まっているかどうかを判断できます。このようにして、仮想マシン自体ではなく、VNF 内の実際のサービスの状態をモニタリングできるようにします。そのため、たとえば Cisco CSR 仮想ルーティング インスタンスを導入した場合は、仮想マシンの全体的な状態と VNF 内の個々の VPN セッションの両方をモニタリングできます。

エージェントレス モニタリング

現在市場に出回っているほとんどの管理システムでは、VNF そのものにエージェントを導入してその状態をモニタリングする必要があります。ただし、実際の NFV 環境ではこのアプローチには次のような明らかな欠点があります。

    • 市場投入までに時間がかかる:使用しているすべての VNF で導入前にエージェントの統合が必要な場合、このプロセスによって導入にさらに時間がかかる可能性があります。
    • 再検証/再認証が必要:VNF 内にエージェントを統合すると、そのパフォーマンスや安定性に影響することがよくあり、VNF を VNF ベンダーが再検証または再認証しなければならない場合があります。
    • 潜在的なサポートの問題:サービス プロバイダーが、あるベンダーの VNF と別のベンダーのオーケストレーション システムおよびエージェントを使用するのは珍しいことではありません。エージェントを VNF 内に統合した後に問題が発生した場合、誰がその問題を修正する責任を負うのでしょうか。このように明確な説明責任が欠如していると、NFV 環境を運用可能にする際に重大なビジネス リスクが生じます。
    • 潜在的なリソースと TCO への影響:エージェントは、最適なパフォーマンスを維持するために VNF のフットプリント(CPU やメモリの要件)を増やす可能性があり、その結果ソリューション全体の TCO が増加する場合があります。
    • 拡張性の制限:エージェントを幅広いベンダーのさまざまな VNF に統合している場合、環境をスケーリングするのが難しくなる場合があります。

Cisco ESC は、エージェントをまったく必要としない VNF 導入モデルをサポートすることで、これらすべての問題を取り除きます。他の管理プラットフォームとは異なり、複雑さやビジネス リスクを増大させることなく、VNF の状態やパフォーマンスを継続的にモニタリングできます。

Cisco ESC はそのエージェントレスな運用モードにより、CPU やメモリの使用率をモニタリングして VNF のパフォーマンスをトラッキングできます。SNMP などの他のプロトコル、または CPU やメモリベースのモニタリングでは明らかにならない、より具体的な内容をモニタリングする必要がある場合は、カスタム スクリプトも使用できます。

カスタマイズ:モニタリングとルール

Cisco ESC は、アクションを必要とする問題やイベントを識別する分析エンジンと、ルールおよびしきい値を定義するルール エンジンを提供して、そのモニタリング機能を構築しています(図 3)。これらのエンジンは連携して、特定の状況やイベントに対するシステムの反応を自動化および迅速化します。Cisco ESC は独自の特殊な VNF のモニタリングを可能にするカスタマイズ可能な環境を提供します。モニタリング イベントを Cisco ESC のワークフローに結び付けることで、適切なカスタム アクションまたはシステム定義のアクションをトリガーできます。

図 3.       カスタマイズ可能な分析とルールによるエンドツーエンドのモニタリング

Cisco ESC は、Tail-f ベースの Cisco Network Service Orchestrator(NSO)、またはサードパーティのオーケストレーション システムに統合して、しきい値を超えた場合や、到達不可能な仮想マシンなどのイベントが識別されたときにシステムに通知を行うことができるノースバウンド API を提供します。または、Cisco ESC そのものでこれらのルールを定義し、オーケストレータなしで Cisco ESC の統合されたヒーリングおよびリカバリ機能を使用できます。

このソリューションは、シンプルなルールと複雑なルール両方を処理するインテリジェンスを提供します。シンプルなルールは、サービスが稼働するときに、その可用性をシステムの他の部分にアドバタイズできます。より複雑なルールは、特定のイベントに応じて一連のアクションを定義できます。たとえば、リソースがオーバーロードしている場合に、自動的にスケール アップ、スケール アウトして、オーケストレータに通知するようシステムに指示できます。

このすべてのインテリジェンスと自動化は、改善されたサービスの俊敏性に変換されます。オンデマンド サービスの提供と柔軟なスケーリングに対応し、SLA をより簡単に満たすという NFV の約束を完全に実現できます。

オーケストレーションおよび仮想化プラットフォームとの統合

オープンな標準ベースのプラットフォームである Cisco ESC は、NFV のオーケストレーション システムに統合されるノースバウンド インターフェイスを公開します。このソリューションは、適切に定義されたノースバウンド REST API を使用して完全にプログラム可能です。また、シスコの幅広いソリューションに加え、サードパーティのオーケストレーションおよび保証システムと簡単に統合できる、NETCONF および Yang データ モデルも「独自に」サポートしています。また、ノースバウンド(Web ポータル、NETCONF、REST、CLI)とサウスバウンド(OpenStack REST API、SNMP、Gangila、CLI)両方の幅広い API プロトコルもサポートします。ノースバウンド API を通じて、Cisco ESC はソリューションのイベント マネージャにサブスクライブしているすべてのシステムに通知を行うことができ、非常に複雑なプロビジョニング シナリオであっても、簡単にオーケストレーションおよび自動化できます。

拡張性と高可用性

Cisco ESC は拡張性に優れたシステムで、ESC インスタンスごとに最大 1,000 の仮想マシンをサポートし、オプションで複数のインスタンスを導入することもできます。また、高可用性環境もサポートします。

Cisco ESC の使用例

Cisco ESC は、シスコの VNF を使用するときに優れたインテリジェンスと自動化を提供します。ただし、VNFM ツールとは異なり、Cisco ESC はオープンで相互運用可能なプラットフォームであり、あらゆるベンダーの標準ベースの VNF、つまり事実上すべての NFV の使用例または導入をサポートできます。

ここでは、Cisco ESC を使用して組織でサービスを促進し、運用をシンプル化する例をいくつか示します。

Cisco vMS 1.0、クラウド VPN

Cisco Virtual Managed Services(vMS)ソリューションは、ソフトウェア定義型ネットワーク(SDN)/NFV サービス提供と、クラウド VPN などの一連のサービス ソフトウェア パッケージ向けのプラットフォームです。Cisco vMS を使用すると、サービス プロバイダーは 1 回クリックするだけで、コスト効率、安全性、クラウドベースのビジネス接続、およびアプリケーション サービスをエンド カスタマーに提供できます。

クラウド VPN を使用すると、サービス プロバイダーの企業の顧客は、どのネットワークからでも安全にアクセス可能なビジネス接続サービスを迅速に作成して導入できます。クラウド VPN ソフトウェア機能パッケージには、SSL VPN、IPsec VPN、リモート アクセス機能が含まれています。これらの機能は、ファイアウォール、侵入からの保護、Web および E メール セキュリティの各アプリケーションと組み合わせることができます。これらのアプリケーションは数分で作成し、アクティベーションできます。

この使用例は、Cisco ESC と Cisco NSO を含む大規模な Cisco NFV ソリューションにおいて、クラウドで仮想サービスを提供する際に Cisco ESC が果たす役割を示しています。

Cisco ESC は NETCONF-Yang インターフェイスを使用して Cisco NSO オーケストレータと独自に統合し、サービスの VPN、ファイアウォールおよび Web セキュリティ VNF に対するすべてのライフサイクル管理機能(これらの VNF の動的な作成、モニタリング、失敗した場合の自動リカバリ/応答など)を提供します。

図 4.       Cisco vMS ソリューションの Cisco ESC

このソリューションは、各テナントの VPN の配置(各サービス プロバイダーの顧客など)に対するアフィニティ インテリジェンスも提供します。

ここで説明する vMS の使用例は、データセンター全体にまたがります。GUI で 1 回クリックするだけで、テナントのオンボーディングから物理および仮想デバイスの設定、サービスのアクティベーションまでサービス ライフサイクル全体が自動的に実行されます。ポータルが Cisco NSO を呼び出すと、その顧客に必要なサービスに基づいてトポロジ ファイルが作成され、それらが Cisco ESC に渡されてサービスがインスタンス化されます。また、このプロセスはすべてリアルタイムで行われます。NSO は Cisco ESC と通信して設定プロファイルのダウンロード、VNF の起動、および Cisco Smart Licensing のアクティベーションを行います。次に、Cisco ESC が VNF を NSO に渡し、VPN トンネル、ファイアウォール ポリシーなど、動的なサービス設定がセットアップされます。

次世代の仮想ブロードバンド

次世代の仮想ブロードバンド ソリューションでは、仮想化は通常小さなステップで行われます。特定のシナリオでは、仮想インテリジェント サービス ゲートウェイ(vISG)または仮想 Layer-2 Tunneling Protocol ネットワーク サーバ(vLNS)サービスは初期段階で仮想化されます。この段階で、Cisco ESC は仮想化サービスを管理および自動化し、vLNS サービス モジュールを柔軟にプロビジョニングおよび管理することができます。この使用例では、Cisco ESC で vLNS 仮想マシンの導入を自動化し、day-zero 設定(スタティック LNS 設定を含む)をプロビジョニングする方法を確認できます(図 5)。


vLNS がアライブな場合、Cisco ESC は RADIUS サーバの更新をトリガーして、ソリューションで新しいサブスクライバの要求を受け入れることができるよう新しい vLNS サービス モジュールをアクティブにします。

図 5.       次世代仮想ブロードバンド サービスで柔軟性を実現する Cisco ESC

Cisco ESC が選ばれる理由

NFV の導入により、サービス プロバイダーと企業はこれまでにないスピードと効率化を実現できます。しかし、これらの利点は、一般的な仮想化管理システムで避けられない複雑さ、手動操作、およびドメイン固有の専門性により制限されます。

Cisco ESC を使用することで環境で NFV の約束を実現できます。VNF のライフサイクル全体(VNF のアドバタイズメント、Smart Licensing、柔軟なスケーリングなど)を自動化すると同時に、仮想化されたリソースやサービスの状態をモニタリングする包括的なツールも提供します。標準ベースのインターフェイスと適切に定義された API により、既存の環境に迅速に適応する、オープンで相互運用可能な、仮想インフラストラクチャにも VNF にも依存しないプラットフォームを提供します。すべての機能を組み合わせた Cisco ESC により、仮想化革命を完全に活用してサービスを迅速かつ効率的に提供し、変化の激しいビジネス ニーズにすばやく対応できる俊敏性も得られます。

詳細については、http://www.cisco.com/c/en/us/products/cloud-systems-management/network-services-orchestrator/index.html [英語] を参照してください。