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White Paper


株式会社新生銀行  IP ベースのユニファイド コミュニケーション システム~UMS と IP Phone 大規模なメッセージ統合環境を実現、既存銀行の業務スタイルを打ち破る~


目次

導入の背景

ビジネスの課題

ソリューション

UMS と IP Phone の導入によるビジネス バリュー

今後の展開



導入の背景

本格的リテール業務への参入など新たな経営方針のもと、迅速で柔軟なビジネスへの対応を求められる新生銀行では、新たにコミュニケーション基盤の強化に着手しました。新しいコミュニケーションの基盤を導入することにより、行員の生産性を向上し同時にコストの削減も目指しています。「当行の方針は、収益を多角化することです。新しい商品やサービスを顧客に提供し、新しいビジネスに参入し、ビジネスを大きくしたい。もう 1 つは、行員の数を増やさず、コストを抑えることです。そして、これらをスピーディに実施することが重要なのです」と、ジェイ デュイベディ執行役員は語っています。

ビジネスの課題

コミュニケーション基盤システムの見直しは、新生銀行にとって重要な課題です。行員の生産性を向上し、かつ全社的なコストを削減します。パソコンと電子メールや電話、FAX などの各種メッセージを統合することにより、これまでにない業務処理フローを構築することを目指しています。行員の業務効率化のためにボイスメールなどのコミュニケション ツールの検討や通信費、PBX の運用保守などのコストを削減するための比較を行いました。その結果、新しいコミュニケーション基盤に UMS(ユニファイド メッセージング システム)と IP Phone を採用しました。「当行の戦略のひとつは、カスタマー サービスを改善することですが、新システムによって、どこの支店でも、世界中のどんな場所でも、カスタマーからのメッセージを簡単に受けることができます。このインテグレーションによって、総合的なコストを削減し、カスタマー サービスの改善に大きく貢献できました」と、システム企画部のピーテル フランケン部長は話しています。

ソリューション

従来は、SNA、TCP/IP、電話回線など数多くのネットワークでインフラを構築していましたが、新システムでは、これらをすべて IP ネットワークに統一、PBX を含む、全支店の勘定系、OA 系をすべてルータで接続しました。このようなネットワーク構築は、国内の金融機関としては初めてのケースです。今回、新しいコミュニケーション ツールとして、電話機に代わってシスコの IP 電話「Cisco IP Phone」を導入しました。「Cisco IP Phone」は、Windows 2000 Server 上のソフトウェアスイッチで呼制御を行う「Cisco CallManager」によって動作しています。一部の PC には、ソフトウェアベースの「Cisco IP SoftPhone」を導入し、自宅や外出先からも利用できます。

図 1
図 1 グラフ:REJ によるユニファイド コミュニケーション システムの投資効果分析

「Cisco Unity」は、マイクロソフトの Windows 2000 Server、Active Directory、Exchange 2000 Server と統合しています。社内外から送られてくる電子メールやボイスメール、FAX などを「Cisco Unity」から Exchange 2000 Server を経由して、サーバのフォルダに単一のメッセージとして蓄積します。行員は、その時々の環境に応じて、PC 上の Microsoft Outlook、あるいは IP 電話や携帯電話などの機器からメッセージを引き出せます。FAX は、オランダ Fenestrae 社の FAX ソリューション システム「Faxination」を採用し、Exchange Server と統合しました。将来は、ユーザ アカウントや電話帳などの管理情報はすべて Active Director で一元的に管理し、システム管理者の作業負荷を軽減する予定です。UMS は、新生インフォメーション・テクノロジー株式会社が中心となって構築しました。

「日本では、まだボイスメールという文化が浸透していませんが、席を外している隣の人にかかってきた電話を代行してとり、要件をメモして置く文化を、IP ベースのユニファイド メッセージで統一することでコミュニケーションの仕方を変えたいと考えました」と、システム企画部の岑豪龍(サムホウロン)部長代理は話しています。

現在、IP ネットワークを利用した FAX over IP 網の構築を進めており、12 月までにはりよう可能になるといいます。これが稼動すると 600 ユーザ ID 以上で利用する、世界でもまれに見る IP ベースの FAX ネットワークが完成することになります。新生銀行では、今後さらなるユニファイド コミュニケーション システムの拡張を計画しています。

UMS と IP Phone の導入によるビジネス バリュー

5 年間で、約 9 億円のベネフィット、回収期間 10 ヵ月を見込む

本システムの導入によって具体的にどれくらいベネフィットが見込めるか。今回は、Microsoft REJ により投資効果の定量分析を行いました。REJ(Rapid Economic Justification)」は、IT に関する投資効果をビジネス中心のアプローチにより分析する手法で、投資コストと投資から得ることができるビジネス上のベネフィットを基にキャッシュフローを算出し現在価値(NPV)、内部収益率(IRR)、回収期間を導き出します。

REJ の結果、新生銀行では IRR は 86 %に達し、わずか 10 ヵ月で投資を回収できると計算されました。(投資コストに含まれるのは、IP Phone、Cisco CallManager、Windows 2000 Server、Exchange 2000、Unity、Faxination に関連する費用です。インフラとしてすでに統合 IP ネットワークが整備されているため、ネットワークの投資は対象外としています)

ビジネス ベネフィット:UMS のベネフィットは、電話の音声情報、FAX のイメージ情報、電子メールといったすべてのメッセージ環境を単一のインターフェイス(Microsoft Outlook)に統合し、FAX 送受信やボイスメールのやり取りを楽にして行員の生産性向上を促します。検索、転送、一斉配信などの機能により、情報共有に関する時間を大幅短縮します。また、旧来の電話や FAX に比べてメッセージへのアクセス性が格段に向上しているため、外出先や他支店でのメッセ-ジを確認してシームレスに業務を遂行します。「旧来のシステムでは電話での言付を他の行員に伝えるのは大変でした。テキストにおとす作業や皆に電話をかける手間があり、テキストにしたときは書いた人の主観が入ってしまいます。UMS では、ボイスメールを他の行員に転送できるため、手間を省くことができ、また、その人の言葉のニュアンスがそのまま伝わります」と、システム企画部の野場文明次長は話しています。新生銀行では、UMS を利用して意思決定も迅速化しビジネスのスピードを高めています。

IP Phone のベネフィットは、所属以外の支店、外出先や自宅からも電話が自分のオフィスと同じように使用できることや、電話会議を簡単に開催できることです。これは、素早い顧客対応による顧客満足度向上や行員の生産性を促します。また移設や新設作業に時間がかからないため、行員を場所にこだわらず素早く最適配置できます。これは、ビジネス ニーズにフレキシブルに対応する上で重要なことです。さらに、IP Phone をバーチャル コール センターで利用することで、実際のコール センターでの許容量を超えた電話が届いた場合は、銀行の支店に着信するほか、夜間は行員が在宅のまま対応できます。

IT サービスベネフィット:旧来の電話や FAX に比べ、初期投資額が小さく、運用管理コストが 3 分の 1 になります。新生銀行は、新しい顧客サービスに対応するため、機動的に組織を編成しています。レイアウト変更や人事異動に伴う電話の設定変更が簡単に自社でできるため、配線工事や PBX 設定のコストを大幅に削減できます。順次、旧来のシステムを撤去するため、PBX や FAX 装置の保守費用も不要となります。今回の REJ 分析結果からこの費用の削減効果が大きく見込まれ、この新しいコミュニケーションシステムへの投資の健全性を高めています。また、IT サービスで強調したいベネフィットは、UMS と IP Phone のスケーラビリティの高さです。IP ネットワークをベースとしているため、取り扱いが簡単で拡張性に優れています。

今後の展開

今回開発したシステムは、新生インフォメーション・テクノロジーが外部に販売する予定です。「我々が持っている強みとノウハウによって、新生銀行を変えるだけでなく、すべての企業が恩恵を得るため、我々のノウハウとテクノロジーを共有することを促進します。新生銀行が現在使用しているテクノロジーと同等のレベルを達成するために、新生インフォメーション・テクノロジーがお手伝いをします。」と、ジェイ デュイベディ執行役員は語ります。

* Microsoft、Windows、Active Directory は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
* Cisco、CiscoSystems、Cisco Unity および Cisco ロゴは、米国及びその他の国における Cisco Systems, Inc. の商標または登録商標です。
* その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
* 本ホワイトペーパーは、マイクロソフト社とシスコが共同して作成したものであり、内容は 2002 年 4 月現在のものです。

更新日:2002 年 4 月 23 日


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