Cisco IOS ゲートウェイと SIP

Cisco IOS ゲートウェイと SIP(Session Initiation Protocol; セッション開始プロトコル)

データ シート





Cisco IOS VoiceXML ブラウザ


Cisco® IOS® 音声ゲートウェイは、PSTN と SIP との間のトランク ゲートウェイ機能を提供します。このゲートウェイを導入すると、現在の音声ネットワーキングのニーズを効果的に満たすとともに、将来の新しいアプリケーションを活用できるようになります。

音声および IP コミュニケーション製品とアプリケーションから成るシスコ ユニファイド コミュニケーション システムは、より効果的なコミュニケーションを企業に提供し、ビジネス プロセスの合理化、適切なリソースの迅速な配置、生産性の増強を支援します。シスコ ユニファイド コミュニケーション ポートフォリオは、シスコ ビジネス コミュニケーション ソリューションのなかで重要な役割を果たします。シスコ ビジネス コミュニケーション ソリューションとは、ネットワーク インフラストラクチャ、セキュリティ、およびネットワーク管理用の各製品、ワイヤレス接続、ライフサイクル サービス アプローチに加えて、柔軟な導入と管理オプションのアウトソーシング、エンドユーザとパートナー向けのファイナンス パッケージ、およびサードパーティのコミュニケーション アプリケーションなども含む、あらゆる規模の企業向けの統合ソリューションです。

Cisco IOS 音声ゲートウェイでは SIP シグナリング プロトコルを使用して、メディアの終端、および PSTN(Public Switched Telephone Network; 公衆電話交換網)と IP ネットワークの間のシグナル変換を行います。アプリケーションには、PBX(Private Branch eXchange; 構内交換機)相互接続、SIP トランキング、IP セントリックス、および住宅用音声サービスがあります。Cisco IOS 音声ゲートウェイは IETF 業界標準に準拠しており、シスコとサードパーティの両方のコール エージェントと連携して動作するように設計されています。Cisco IOS 音声ゲートウェイは、企業の本社および支社、およびサービス プロバイダー ネットワークにおける統合サービスのためのプラットフォームを提供します。これには、設定と管理の機能、強固なフェールオーバーとフォールバック、セッション ボーダー コントローラ、コール アドミッション制御、Quality of Service(QoS; サービス品質)、セキュリティ、会議、トランスコーディングなどが含まれます。また、Cisco IOS 音声ゲートウェイ ルータは、H.323 と MGCP(Media Gateway Control Protocol; メディア ゲートウェイ コントロール プロトコル)のほか、プロトコル インターワーキングもサポートしています。
Cisco IOS 音声ゲートウェイは、幅広いパケット テレフォニーのための音声インターフェイスをサポートしています。シグナリングのサポートには、T1/E1 PRI(Primary Rate Interface; 1 次群速度インターフェイス)、T1 CAS(Channel Associated Signaling; 個別線信号方式)、E1-R2、T1/E1 QSIG プロトコル、T1 FGD(Feature Group D; 機能グループ D)、BRI(Basic Rate Interface; 基本速度インターフェイス)、FXO(Foreign eXchange Office)、E&M、および FXS(Foreign eXchange Station)などがあります。次の Cisco 音声ゲートウェイ ルータは、2 ~ 2,688 の音声チャネルをサポートするような構成ができます。

  • Cisco 1700 シリーズ モジュラ アクセス ルータ
  • Cisco 2600 シリーズ マルチサービス プラットフォーム
  • Cisco ISR 2800 シリーズ サービス統合型ルータ
  • Cisco 3700 シリーズ マルチサービス アクセス ルータ
  • Cisco ISR 3800 シリーズ サービス統合型ルータ
  • Cisco 5000 シリーズ ユニバーサル ゲートウェイ


主な機能と利点

Cisco IOS 音声ゲートウェイには、次のような利点があります。

  • SIP IETF 標準に準拠した、業界をリードするテクノロジー:業界標準をサポートすることで、相互運用性が最大限に確保され、投資が保護されます。SIP により、データ、音声、およびビデオを 1 つのコールに集約し、統合ダイヤル プランを使用できるようになります。SIP は、インターネット テクノロジーを活用した、カスタマイズ可能な新しいアプリケーションを短時間で開発できるシグナリング プロトコルとして、多くの企業で採用が進められています。
  • QoS とコール アドミッション制御:音声品質の確保に役立つ機能として、Differentiated Services Code Point(DSCP)パケット マーキング、IP Precedence、LLQ(Low Latency Queuing; 低遅延キューイング)、CBWFQ(Class-Based Weighted Fair Queuing)、サービス保証エージェント、Response Time Reporter、Resource Availability Checks、Resource Reservation Protocol(RSVP; リソース予約プロトコル)などがあります。
  • セッション ボーダー コントローラ:Cisco IOS 音声ゲートウェイで利用できる Cisco Multiservice IP-to-IP Gateway には、セッション ボーダー コントローラ機能のツールキットが用意されています。これには、SIP と H.323 の間のシグナル インターワーキング、アドレス変換およびポート変換によるトポロジ隠蔽、課金と Call Detail Record(CDR; 呼詳細レコード)の正規化、QoS と帯域幅管理、TCL(Tool Command Language)と VXML(Voice Extensible Markup Language)を使ったリッチ シグナリング、DTMF(Dual Tone MultiFrequency)とコーデック変換用のメディア インターワーキング、ファイアウォールや DoS(Denial of Service)攻撃防御によるセキュリティなどが含まれます。
  • 耐障害性:プライマリ SIP プロキシまたはバックツーバック ユーザ エージェントに接続できなくなった場合は、接続が回復するまでの間、フォールバック機能がブランチ オフィス ルータの PSTN テレフォニー インターフェイスをサポートします。この機能を Cisco Unified Survivable Remote Site Telephony と組み合わせて、呼処理を有効にすることができます。また、Cisco Unified CallManager が第 3 のサーバにフェールオーバーした場合、Cisco IOS 音声ゲートウェイは次に利用可能なサーバを使用します。
  • マルチプロトコル サポート:Cisco IOS 音声ゲートウェイ ルータは、SIP、MGCP、および H.323 をサポートしています。複数のプロトコルをサポートすることで、ネットワーク設計の柔軟性が最大限に発揮され、プロトコルの移行が容易になります。さらに、Cisco Multiservice IP-to-IP Gateway では必要に応じて SIP と H.323 の間のプロトコル変換を行うことができます。
  • Cisco Unified CallManager Express の呼処理:Cisco ISR サービス統合型ルータおよびマルチサービス ルータの Cisco IOS ソフトウェアに組み込まれている Cisco Unified CallManager Express には、中小規模のオフィスやブランチ オフィス向けの豊富な呼処理機能が用意されています。Cisco Unified CallManager Express は、豊富な機能を持つ低コストで信頼性の高いテレフォニー ソリューションを 1 つのルータ プラットフォームだけで提供します。
  • サービス統合型ルータ プラットフォームを利用した設計:Cisco ISR サービス統合型ルータでは、プラットフォーム、インターフェイス セット、機能の幅広い組み合わせが用意されており、さまざまなネットワーク設計の要件に対応できます。1 台のサービス統合型ルータ内で複数の機能を有効にすることにより、全体の管理を簡素化してコストを削減できます。
  • 設定と管理:Cisco IOS 音声ゲートウェイは、従来と同じ Cisco Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を使って設定できます。また、CiscoWorks ファミリ製品のような管理ツールも用意されています。


図 1 に、Cisco Unified CallManager Express、IP セントレックス、住宅用音声サービス(Voice over Broadband)、PBX 相互接続、Cisco Unified Survivable Remote Site Telephony、エンタープライズ SIP トランクなど、SIP IOS 音声ゲートウェイを使用するさまざまなアプリケーションを示します。

図 1 SIP ネットワーク

図 1 SIP ネットワーク※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

表 1 に、Cisco IOS 音声ゲートウェイの Cisco IOS ソフトウェアで利用できる IETF 標準の機能の一覧を示します。

表 1 標準のサポート

IETF RFC 機能と利点 Cisco IOS ソフトウェア リリース
1889 Real-time Transport Protocol (RTP)は、リアルタイム アプリケーションをサポートします。 12.0M
2246 Transport Layer Security(TLS)は、信号を暗号化します。 12.4(6)T
2327 Session Description Protocol(SDP; セッション記述プロトコル)は、コールをセットアップするための情報を伝達する形式を定義します。 12.2(11)T
2617 HTTP 認証:基本アクセス認証およびダイジェスト アクセス認証により、ユーザ エージェント要求のチャレンジ/レスポンス認証が可能になります。 12.4(4)T
2782 DNS サービス(DNS SRV)の場所を指定する DNS リソース レコード(DNS RR)により、管理者は、1 つのドメインに対して複数のサーバを使用すること、サービスをホスト間で移動すること、および一部のホストをサービスのプライマリ サーバとして指定して残りをバックアップとして指定することができます。 12.2(8)T
2806 通話呼の URL(tel:URL)は、電話網を使って接続できる端末を記述します。この記述には、端末の加入者(電話)番号と、その端末に接続するために必要なパラメータが含まれます。
DTMF ディジット、テレフォニー トーン、およびテレフォニー シグナルの RTP ペイロードは、Dual Tone MultiFrequency(DTMF)シグナリングや他のトーン シグナル、およびテレフォニー イベントを RTP パケットで伝達する方法を記述します。
12.4M*
2976 SIP INFO メソッドは、オプションのアプリケーション レベルの情報をセッション シグナリング パスを通じて伝達するために使われます。 12.4M
3261 SIP は、セッションを作成、変更、および終了するための(RFC 2543 から発展した)標準アプリケーション層制御(シグナリング)プロトコルです。 12.3(8)T**
3262 Provisional Response Acknowledgement(PRACK)メソッドは、要求処理の進捗に関して信頼性のある暫定応答メッセージを提供します。 12.4M
3263 SIP サーバを見つけるために、SIP は DNS のプロシージャを使用して、クライアントが SIP の Uniform Resource Identifier(URI; ユニフォーム リソース識別子)を接続先への次のホップの IP アドレス、ポート、および転送プロトコルに解決できるようにします。また、DNS を使って、サーバがバックアップ クライアントに応答を送信できるようにします。 12.4M***
3264 オファー/アンサー モデルは、2 つのエンティティが Session Description Protocol(SDP; セッション記述プロトコル)を利用して、両者の間のマルチメディア セッションについて共通のビューを得る方法を定義します。このモデルでは、一方の当事者が自分たちの観点から望ましいセッションの記述を相手にオファーし、相手の当事者が自分たちの観点から望ましいセッションでアンサーします。 12.4M
3265 SIP-Specific Event Notification を使用すると、ネットワーク内のエンティティ(または代理のエンティティ)は、ネットワーク内の各種リソースやコールのリソース状態またはコール状態にサブスクライブして、それらの状態が変化したときに通知を送ることができます。 12.4(2)T
3311 UPDATE メソッドにより、クライアントはセッションのパラメータ(メディア ストリームとそのコーデックのセットなど)を更新できますが、ダイアログの状態は影響を受けません。これは通常、最初の INVITE 要求に対する最終応答が生成される前に、最新のセッション情報を伝えるために使われます。 12.4M
3515 REFER メソッドにより、REFER を送信したエンティティは、参照された要求の結果の通知を受け取ることができます。これを使って、コール転送を含む多くのアプリケーションを有効にすることができます。 12.4M
3326 Reason ヘッダー フィールドは、SIP 要求が発行された理由に関する情報を提供する手段です。 12.4M
3665 SIP 基本コール フローの例が定義されています。 12.3(8)T
3666 PSTN インターワーキングのベストプラクティス コール フローの定義です。
1 つのエンティティが他の複数のパーティ間の通信関係をセットアップおよび管理するための Third Party Call Control(3pcc; サードパーティ コール制御)のベストプラクティスが定義されています。
12.3(8)T
3842 メッセージ サマリとメッセージ待機表示イベント パッケージは、メッセージ待機状態とメッセージ サマリをメッセージング システムから関連ユーザ エージェントに伝達する SIP イベント パッケージについて記述します。 12.4(4)T****
3891 「Replaces」ヘッダーは、既存の SIP ダイアログを新しい SIP ダイアログで論理的に置き換えるために使われます。Replaces ヘッダーの 1 つの使用法は、会話の 1 人の参加者を別の参加者に入れ替えることです。 12.4(4)T*****
3892 Referred-By メカニズムでは、参照側が被参照側を中継者として使い、REFER 要求に関する情報を参照対象に提供することができます。この情報には、参照側の身元と、参照側が参照した URI が含まれます。コール転送は、このメカニズムの 1 つの使用例です。 12.4(4)T******
Draft-levy-sip-diversion-06.txt Diversion Indication は、着信側の SIP ユーザ エージェントがコールの転送元とコールの転送理由を確認する手段です。 12.4(4)T
draft-ietf-sip-resource-priority-03 Communications Resource Priority ヘッダーは、電話ゲートウェイや IP 電話、SIP プロキシなどの SIP ユーザ エージェントのリソース優先度を伝達および受諾するために使われます。 12.4(4)T
* Tel:URL のみのサポートです。Fax:URL と modem:URL はサポートされません。
** TLS のサポートは 12.4(6)T で導入されました。
*** DNS の A レコードと SRV レコードがサポートされます。NAPTR レコードはサポートされません。
**** Message-summary がサポートされます。Msg-account、msg-summary-line、Account-URI、および opt-msg-headers はサポートされません。
***** Replace 付きの Invite の実装は転送(Transfer)に制限されます。
****** コール転送(Transfer)でサポートされます。429 応答はサポートされません。


シスコ ユニファイド コミュニケーションのサービスおよびサポート

シスコとパートナーは、シスコのライフサイクル サービスの考え方を活用して、シスコ ユニファイド コミュニケーション システムをサポートするための幅広いエンドツーエンド サービスを提供しています。これらのサービスは、IP コミュニケーション ソリューションの構築、運用、および最適化に効果のある手法を基にしています。たとえば、早期段階に計画サービスおよび設計サービスを活用すると、厳しいスケジュール要件を満たすことができ、導入作業中のネットワークの停止を最小限に抑えます。運用サービスを使用すると、専門家の技術サポートによって通信の中断リスクを軽減できます。最適化サービスを使用すると、ソリューションのパフォーマンスが向上し、運用効率が高まります。シスコとそのパートナーは、耐障害性の高い統合型ネットワークの構築および維持に役立つシステムレベルのサービスおよびサポートを提供し、企業ニーズに対応しています。

お問い合わせ