データ シート
Cisco Enterprise Reporting
コンタクト センター事業の成功には、カスタマー サービスと生産性の向上は欠かせません。人員配置やコンタクトの処理プロセス、技術投資などの戦略的決定を行うためには、管理者がコンタクト センターの活動に関する正確でタイムリーなレポートを有効活用できる環境が必要です。Cisco Intelligent Contact Management(ICM)Enterprise Edition、Hosted Edition、および Cisco IP Contact Center(IPCC)Enterprise Edition なら、ミッション クリティカルなコンタクト センターのレポートを作成するのに必要なリアルタイム データや履歴データを、会社全体で標準化して収集できます。
Cisco ICM Enterprise Edition と Cisco IPCC Enterprise Edition は、今日のコンタクト センターの枠を越えるカスタマー インタラクション ネットワークという新しいレベルのカスタマー コンタクトを可能にする戦略的プラットフォームです。カスタマー インタラクション ネットワークは IP ベースの分散型カスタマー サービス インフラストラクチャで、常に進化し続ける革新的なマルチチャネル サービスと顧客関係管理アプリケーションのスイートで構成されています。これらのサービスやアプリケーションは、最高のカスタマー サービスを可能にする高度な応答と合理的な取り引きを提供します。カスタマー インタラクション ネットワークは、カスタマー サービス機能を組織のすみずみにまで拡張し、顧客の満足度を高める総合的な共同アプローチを可能にします。
Cisco Enterprise Reporting の概要
オープン ソフトウェア アーキテクチャを採用しており、キャリア ネットワーク、IP コンタクト センター、従来の time-division multiplexing(TDM; 時分割多重方式)、automatic call distributor(ACD; 自動着信分配機能)、interactive voice response(IVR; 音声応答装置)システム、データベース、デスクトップ アプリケーション、ローカルおよびリモートのエージェント、あるいはその他のリソースから企業全体のタイムリーで正確な情報を収集できます。この一本化されたレポート作成ソリューションによって、企業レベルのレポートを作成する際に、これまでのような手作業によるデータの集約やカスタム プログラミングが不要となります(図 1 を参照)。
図 1
企業規模のレポート作成戦略

Enterprise Reporting によって収集されたコンタクト、顧客、ペリフェラル、エージェントなどの幅広いデータは、製品に搭載されている Cisco Pre-Routing® 機能および Post-Routing® 機能で活用され、最適な決定を下します。この情報は、Microsoft Structured Query Language(SQL)サーバのデータベースに保管され、リアルタイム レポートや履歴レポートの作成に使用されます。Enterprise Reporting には豊富なテンプレートが用意されており、それらを活用して簡単にレポートを生成できるだけでなく、特定のデータ要素を監視するしきい値の追加、より詳細なレポートの作成、定期レポートの作成と印刷も可能です。レポートのデータは、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフ、方眼など、さまざまな形式で表示できます。
さらに、ユーザはカスタム レポート作成ソフトウェアを使用して独自のレポートを作成したり、サードパーティ製のさまざまなデータベース アクセス ツールを活用して情報を操作、表示したり、業界標準のファイル形式にエクスポートして他のアプリケーションで使用できます。このソフトウェアのレポート作成機能により、ユーザはコンタクト センターのデータを、ビジネス目標全体の達成に役立てることができます。Enterprise Reporting は、Cisco ICM Enterprise および Cisco IPCC Enterprise プラットフォームの標準機能で、単一サイトでもマルチサイトでも運用できます。
製品の機能と利点
全社にわたるプロセス全体のレポート作成
Cisco Enterprise Reporting では、企業全体のコンタクト センターのリソースを一貫した視点で見渡すことができます。このシステムでは、インタラクションごとにその発生から終結にいたるまでのコンタクト データと顧客データを、キャリア ネットワークから収集します。データは、IVR や ACD 経由、または他のアプリケーションを介して、エージェント間およびサイト間の伝送から収集されます。その結果、リアルタイムで監視できる処理を企業全体にわたって正確にまとめられるため、コンタクト センターの管理者はリソースをより効果的に配備し、コストを最小限に抑えることができます。
一本化され、標準化されたデータ
Cisco Enterprise Reporting は、イベントが発生するたびにコンタクト センターのさまざまなリソースからデータを連続して収集し、標準化された単一の形式に変換します。こうして「標準化された」情報は、中枢部分にある Microsoft SQL サーバのデータベースに保存されます。データベースの各レコードはコンタクトごとに作成されるため、Enterprise Reporting ではコンタクトが重複してカウントされたり、あるいはカウントされなかったりすることがありません。その結果、的確なデータから正確で包括的なレポートを作成できます。レポートの例は、図 2 を参照してください。
図 2 レポートの例
レポート内の各テンプレートは、さらに掘り下げた詳細の確認が可能。このようにして掘り下げたレポートを、別のレポートとして保存することも可能です。たとえば、会社のサービスに関するレポートを見ているときに、そのサービスを構成しているペリフェラル サービスのデータ(キュー待ちの状態など)を個別に掘り下げて見ることができます。

この例は、社内の各エージェントの活動内容を表した詳細レポートです。

リアルタイム データと履歴データ
Cisco Enterprise Reporting は、イベントが発生するたびにリアルタイムでデータを収集してレポートを作成し、さまざまな時間間隔で履歴データを作成するため、推測ではなく実績を活用したコンタクト センター管理ができます。リアルタイム データは、特定のスキル グループ、サービス、トランク グループ、ペリフェラル、エージェント、ルート、スクリプト関する現在の情報で、常に最新データに書き換えられています。履歴データは、30 分間隔で保存されます。
レポート作成機能
Enterprise Reporting ではオープン ソフトウェア アーキテクチャを採用して大量データの収集機能を備え、各種のレポート オプションが利用できます。Enterprise Reporting ユーザは、標準の Web ブラウザを使用して、一定間隔でレポートを自動的に作成、印刷するようスケジューリングすることもできます。さらに、リアルタイム レポートの作成にしきい値を設定し、イベントやコンタクトの流れが事前に設定したパラメータ値の範囲を外れた際は即座にコンタクト センター管理者に警告するので、管理者はプロアクティブかつ効果的にリソースを割り当てることができます。
柔軟なレポート作成
Cisco Enterprise Reporting には、事前定義された標準のレポート テンプレートが 180 種類以上あり、Cisco IPCC Enterprise Reporting 専用のテンプレートも 75 種類あります。ソフトウェアに含まれているカスタム スクリーン ビルダ(PowerBuilder Infomaker をベースとしたクライアント データベースへのアクセス ツール)を使用して、ビジネスの目的に合ったカスタム レポートを作成できます。必要に応じて、レポートを掘り下げることで、詳細なコンポーネントを表示することも可能です。さらに、コンタクト センターのレポート データは、業界標準のさまざまなサードパーティ製ファイル形式にエクスポートできるため、管理者は既存のデスクトップ アプリケーションでもデータを活用できます。
強化された予測機能
Enterprise Reporting では、コンタクトのルーティング時、またはリアルタイム レポートや履歴レポートの作成時に、外部の人員管理システムのスケジュール データを活用して、コンタクト センターをより有効に機能させることもできます。会社全体にわたって一本化されたレポートに予測データと実データを含めることで、予測と実際のコンタクトの量や人員配置レベルを簡単に比較でき、価値の高い管理ツールとして予測の精度向上に利用できます。また、こういった比較データをもとに最適なスケジューリングを行い、エージェントをより効率的に活用できるため、コンタクト センターのパフォーマンス レベルもアップできます。
エージェント レポートの作成
Cisco Enterprise Reporting は、コンタクト センター内の各エージェントに関するリアルタイム データと履歴データを総合的に自動収集できるため、こういった情報をスイッチ別に収集する必要がありません。この機能をエージェント用のレポート テンプレートと組み合わせて使用することで、より柔軟にレポートを作成でき、エージェントの活動を包括的に見ることができます。標準のレポート作成機能に加え、エージェント データも収集できるため、すべてのリソースとアプリケーションから標準化された情報を取得し、コンタクト センターの全体像を把握できます。
Web ベースのレポート作成
WebView レポート作成パッケージは、Cisco ICM Enterprise および Cisco IPCC Enterprise 用の Web インターフェイスです。この機能を標準のブラウザ機能と組み合わせることで、見慣れた使いやすいインターフェイスを使用してリアルタイム レポートと履歴レポートを作成して、オンデマンドのダウンロードや連続した監視が可能です。WebView では、Cisco IPCC など特定レポートの種類を選択し、Cisco IPCC 専用のレポート テンプレートの完全スイートに追加できます。システムの責任者やコンタクト センターの管理者、その他の責任者は、Web を介してアクセスすることで、単一サイトのアクティビティだけでなく、会社全体のアクティビティも簡単に監視できます。
フォールト トレラントなレポート データ処理
Cisco ICM Enterprise および Cisco IPCC Enterprise は、二重構造のフォールト トレラント アーキテクチャを装備しており、必要なときにいつでもレポート データを利用できます。リアルタイム データと履歴データは、中央コントローラの冗長 Logger コンポーネントに保存されており、高い可用性と、データの自動同期化およびリカバリを提供します。履歴データは、Historical Database Server(HDS)にオフロードされています。HDS はレポート生成要求からコール ルータを保護しています。
マルチチャネルのレポート作成
Cisco ICM Enterprise および Cisco IPCC Enterprise は、お客様が電話回線、Web コールバック、voice over IP(VoIP)、テキストを使ったチャット、あるいは電子メールのうち、コンタクト センターとインタラクティブに接続する手段を選択できます。コンタクト センターの管理者にとって、このアクティビティは有用です。WebView は、マルチチャネル上の情報を含むレポートを作成できます。1 つのレポートで、エージェントがサポートしているすべてのチャネル上で行われたアクティビティをすべて表示できます。スキル グループとエージェントのレポートは、ドメインをルーティングしているメディア別にグループ分けされ、チャネルごとにパフォーマンスを正確に確認できます。さらに、Cisco Outbound Option を介した外向けのダイヤリングのあるコンタクト センターをサポートしているエージェントの場合、外向けのアクティビティをレポートするため、WebView はそのエージェントとスキル グループ内のレポートを分類して提供します。
図 3
マルチメディア レポート、電子メール、および音声の例

図 4
Outbound Option のエージェント レポート

レポート作成時に使用できるデータの種類
Cisco Enterprise Reporting システムで収集されるデータの概要は次のとおりです。このリストはすべてを網羅しているわけではありませんが、レポートで利用できる主な情報を記述してあります。ネットワーク内でブラウザから WebView を使用して、どのコンタクト センターからもデータにアクセスし、ACD と IVR データだけでなく、IP と TDM データなど、あらゆるデータを混合したり、組み合わせたりできます。
表 1 Cisco Enterprise Reporting システムで収集されるデータの概要
まとめ
Cisco Enterprise Reporting は、会社全体のリアルタイム データと履歴データを正確でタイムリーなレポートを提供します。このソフトウェアに装備されている柔軟なレポート作成機能、収集された包括的な情報によって、責任者はコンタクト センターのデータを、真のカスタマー インタラクション ネットワークへと進化させつつ、ビジネスの目標全体を達成できる形で活用できます。