Cisco NX-OS ソフトウェア

Cisco NX-OS ソフトウェア リファレンス ガイド

ホワイトペーパー





Cisco NX-OS ソフトウェア リファレンス ガイド


Cisco® NX-OS は、モジュール性、復元性、サービサビリティを基盤として構築された、データセンター クラスの OS です。実績のある Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアを基に開発された Cisco NX-OS は、継続的なアベイラビリティの保証に役立ち、ミッションクリティカルなデータセンター環境の標準を確立します。自己修復機能を備え、高度にモジュール化された Cisco NX-OS は、透過的な運用を実現し、きわめて柔軟な運用を可能にします。

データセンターの要件に特化した Cisco NX-OS は、現在および将来のデータセンターで要求されるルーティング、スイッチング、およびストレージ ネットワーキングの要件を満たす、堅牢な機能を豊富に備えています。Cisco IOS® ソフトウェアと同様に XML(Extensible Markup Language)インターフェイスと CLI(コマンドライン インターフェイス)を備える Cisco NX-OS は、主要なネットワーキング標準およびシスコが持つ真のデータセンター クラスの革新的技術を実装した、最先端の OS です。

概要

シスコは、Cisco NX-OS ソフトウェアの包括的なリリース方式を開発しました。この方式によって、ミッションクリティカルなネットワークの整合性と安定性を維持すると同時に、高度なネットワーキング機能とマルチレイヤ インテリジェンスのタイムリーな提供を求める市場のニーズに柔軟に対応します。

このドキュメントは、Cisco NX-OS ソフトウェアのリリース方式を理解するためのガイドブックです。ソフトウェア リリースのタイプ、機能、およびさまざまなシナリオでのライフサイクルについて説明します。Cisco NX-OS ソフトウェアのリリースとイメージの命名規則についても説明します。

Cisco NX-OS ソフトウェア リリースのタイプ

表 1 に、Cisco NX-OS ソフトウェアのメジャー リリース、マイナー リリース、メンテナンス リリース、およびサポート パッチを示します。

表 1 Cisco NX-OS ソフトウェア リリースのタイプ

Cisco NX-OS ソフトウェア リリースのタイプ 説明
メジャー リリース メジャー リリースでは、重要な新しい機能またはプラットフォームが導入されます。
マイナー リリース 各メジャー リリースは複数のマイナー リリースから構成されます。各マイナー リリースによってメジャー リリースが強化されます。
メンテナンス リリース メンテナンス リリースでは主に、マイナー リリースで見つかった製品の不具合が解決されます。各メンテナンス リリースにおいて製品の不具合に確実に対処することで、マイナー リリースの整合性と安定性が維持されます。メンテナンス リリースで新しい機能が追加されることはほとんどありません。
サポート パッチ サポート パッチでは、重大でサービスに支障をきたすような製品の不具合に対処します。

各 Cisco NX-OS ソフトウェア リリースには、X.Y(z) のように固有の番号が付けられます。X はメジャー リリース、Y はメジャー リリースを強化するマイナー リリース、および z はマイナー リリース Y で見つかった製品の不具合に対処するメンテナンス リリースを表します。図 1 に、Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの番号の付け方の例を示します。

図 1 Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの番号の付け方

図 1 Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの番号の付け方
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Cisco NX-OS ソフトウェア リリースのライフサイクル

メジャー リリースのライフサイクルには、複数のマイナー リリースおよびメンテナンス リリースが含まれます。

メジャー リリースのライフサイクル

図 2 に、メジャー リリースのライフサイクルを示します。見やすくするため、メンテナンス リリースは示していません。

図 2 Cisco NX-OS ソフトウェアのメジャー リリースのライフサイクル

図 2 Cisco NX-OS ソフトウェアのメジャー リリースのライフサイクル
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メジャー リリースのライフサイクルは、最初のマイナー リリースの First Customer Shipment(FCS)から始まります。FCS は、ソフトウェア リリースを顧客販売用に初めて出荷する日付を表します。メジャー リリースは通常、12 〜 16 か月ごとに行われます。

メジャー リリースは次に、マイナー リリース導入フェーズに入ります。この段階では、複数のマイナー リリースとメンテナンス リリースが公開され、前者によって機能の強化、後者によって製品の不具合の解決が図られます。マイナー リリースのライフサイクルについては、次の項で説明します。

最後のマイナー リリースの整合性と安定性が確立されると、メジャー リリースは General Deployment ステータスを獲得します。General Deployment とは、メジャー リリースが広範囲な市場におけるさまざまなシナリオでの導入が実証され、安定性と問題のトレンドを分析する厳密なメトリック テストに合格したことを意味します。General Deployment ステータスを獲得したメジャー リリースに新しい機能が追加されることはありません。General Deployment フェーズは 18 〜 24 か月続き、このフェーズで見つかった製品の不具合はメンテナンス リリースで対処されます。

General Deployment フェーズが終了したメジャー リリースは、Mature Maintenance フェーズに移行します。このフェーズでは、お客様によって報告された重大度 1 および 2 の不具合に限り修復が行われます。内部的に見つかった問題は、ケースバイケースで対処されます。

Mature Maintenance フェーズ中、メジャー リリースは End-of-Sale(EoS; 販売終了)マイルストーンに達します。これは、シスコのカスタマー サービスまたは製造部門を通じて製品を注文できる最後の日付を表します。

EoS マイルストーンの後、メジャー リリースは End-of-Engineering(EoE; 技術サポート終了)ステータスを獲得します。これは、メジャー リリースについて最後に予定されているメンテナンス リビジョンを表します。エンジニアリング部門は、これ以降、不具合の発生元または重大度に関係なく(セキュリティ上の不具合を除く)、リリースに対する積極的な不具合の修復を行いません。

最後に、メジャー リリースは End-of-Life(EoL; サポート終了)ステータスに移行します。このステータスになると、ソフトウェア イメージはシスコによって一切サポートされず、Cisco.com から削除されます。

シスコでは通常、製品の販売終了日または影響を受ける製品の注文可能最終日の 6 か月前にその旨を通知します。

このサイトには、定期的にアクセスすることをお勧めします。シスコ EoL プログラムに関連する、役立つ情報が掲載されています。Cisco NX-OS ソフトウェアに関する問題については、EoS 日から 5 年間は、毎日 24 時間いつでも Cisco Technical Assistance Center(TAC)にアクセスできます。

マイナー リリースのライフサイクル

図 3 に、マイナー リリースのライフサイクルを示します。各マイナー リリースの FCS が終わると、Initial Deployment フェーズに入ります。このフェーズでは、製品の不具合が 4 〜 6 週ごとにメンテナンス リリースで対処されます。

マイナー リリースの整合性、安定性、および品質を維持するため、メンテナンス リリースでは主に製品の不具合が対処されます。新しい機能は製品を不安定にする可能性があるため、メンテナンス リリースで追加されることはほとんどありません。

図 3 Cisco NX-OS ソフトウェアのマイナー リリースのライフサイクル

図 3 Cisco NX-OS ソフトウェアのマイナー リリースのライフサイクル
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メトリックを使って認定され、数量化されたマイナー リリースは、Generally Qualified ステータスを獲得します。マイナー リリースは、整合性、安定性、および問題のトレンドについて分析され、広範な認定テストとさまざまなストレージ ネットワークへの導入を通して実証されます。

Generally Qualified ステータスを獲得したマイナー リリースは、Restricted Maintenance フェーズに移行します。このフェーズでは、重大で波及性があり、サービスに影響を及ぼす、重大度 1 と 2 の製品の不具合だけが対処されます。その他のあらゆるタイプの不具合は、別の機会のマイナー リリースへのアップグレードによって対処されます。これらの不具合のシナリオについては、次の項で推奨事項と合わせて説明します。

図 4 に、Cisco NX-OS ソフトウェアのメジャー、マイナー、およびメンテナンス リリースの変遷を示します。

図 4 Cisco NX-OS ソフトウェアのメジャー、マイナー、およびメンテナンス リリースの変遷

図 4 Cisco NX-OS ソフトウェアのメジャー、マイナー、およびメンテナンス リリースの変遷
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Cisco NX-OS ソフトウェア リリース管理のシナリオ

ここでは、Cisco NX-OS ソフトウェアのリリース方式を、例を使って説明します。

リリースの整合性と安定性

Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(1) では、FCS 後のすべてのアクティビティは製品の不具合への対処だけなので(図 5)、このリリースの整合性と安定性は維持されます。新しい機能および機能強化に対する要求は、以降のマイナー リリースで対処されます。このシナリオでは 4.1(1) になります。

図 5 リリースの整合性と安定性

図 5 リリースの整合性と安定性

Initial Deployment フェーズでの製品の不具合

Initial Deployment フェーズ中、Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(x) で見つかった製品の不具合は、4 〜 6 週ごとに実施されるメンテナンス リリース 4.0(2) と 4.0(3) で対処され、Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(5) で Generally Qualified ステータスを獲得します(図 6)。

図 6 Initial Deployment フェーズ

図 6 Initial Deployment フェーズ

お客様は、Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(5) にアップグレードすることによって、既知の製品の不具合すべてに対処したアップデートを受け取ることができます。メンテナンス リリースである Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(5) では、製品の不具合が対処され、すべての機能について完全な回帰テストが行われるので、マイナー リリースである Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(x) の整合性、安定性、および品質は維持されます。

Restricted Maintenance フェーズで見つかった製品の不具合

Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(x) は、メンテナンス リリースである Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(5) に移行します。ここで Generally Qualified ステータスを獲得し、Restricted Maintenance フェーズに移行します。このフェーズで、メンテナンス リリースである Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(5) を実行しているファブリックが製品の不具合に遭遇した場合は、不具合の重大度に応じて 2 つの対処方法があります(図 7)。

図 7 Restricted Maintenance フェーズ

図 7 Restricted Maintenance フェーズ

波及性のある重大な製品の不具合の場合は、新しいメンテナンス リリースである Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0(6) が導入されます。これは、Generally Qualified フェーズの後にメンテナンス リリースが導入される、唯一の例外となるシナリオです。

製品の不具合が重大ではない場合は、次回のマイナー リリースへのファブリック アップグレードである Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.1(3) を予定すればよいでしょう。この予定したアップグレードでは、製品の重大な不具合を除く、その他すべての不具合に対処したアップデートがファブリックで行われます。重大ではない製品の不具合は、マイナー リリースの Restricted Maintenance フェーズでは対処されません。次回のマイナー リリースで新しい機能が導入されても、シスコが採用する包括的な回帰テスト プロセスによって、Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.1(3) の整合性、安定性、および品質は新しい機能とともに確実に維持されます。

General Deployment ステータスへの移行

メジャー リリース 4.0 には、4.0(x)、4.1(x)、4.2(x) の 3 つのマイナー リリースがあります(図 8)。最後のマイナー リリース(この例では 4.2(x))が Generally Qualified ステータスに移行すると、メジャー リリースは General Deployment ステータスを獲得します。前の項で説明したとおり、General Deployment ステータスに移行したメジャー リリースで新しい機能が導入されることはありません。また、General Deployment ステータスは、メジャー リリースが広範囲な市場におけるさまざまなシナリオでの導入が実証され、安定性と問題のトレンドを分析する厳密なメトリック テストに合格したことを意味します。General Deployment フェーズ中に製品の不具合が見つかった場合は、メンテナンス リリースで対処されます。

図 8 General Deployment ステータスへの移行

図 8 General Deployment ステータスへの移行
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まとめ

Cisco NX-OS ソフトウェア リリース方式は、お客様のミッションクリティカルなネットワークの整合性、安定性、および品質を保証します。また、革新的な機能のタイムリーな提供を求める市場のニーズに柔軟に対応します。このリリース方式の主な特徴を次に示します。

  • メジャー リリースでは、重要な新しい機能またはプラットフォームが導入されます。
  • マイナー リリースでは、既存のメジャー リリースの機能が強化されます。
  • メンテナンス リリースでは、マイナー リリースで見つかった製品の不具合が対処されます。