IP ルーティング

Cisco パフォーマンス ルーティング

Q&A





Cisco パフォーマンス ルーティング



Q: Cisco® パフォーマンス ルーティング(PfR)について教えてください。
A: Cisco パフォーマンス ルーティング(PfR)は、アプリケーション パフォーマンスの要件を満たす最適パスを選択するインテリジェンスを追加することによって、従来のルーティング テクノロジーを補完します。PfR テクノロジーの最初のフェーズでは、WAN を経由したりインターネットとやり取りしたりするアプリケーション パフォーマンスをインテリジェントに最適化します。このテクノロジーにより、企業ネットワーク全体でアプリケーション パフォーマンスの最適化が促進され、パフォーマンスを意識したエンドツーエンド ネットワークが実現します。

Cisco PfR は、到達可能性、遅延、コスト、ジッタ、MOS(Mean Opinion Score)などの、アプリケーション パフォーマンスに影響を及ぼすパラメータに基づいて、出力または入力の WAN パスを選択します。WAN をアップグレードしなくてもトラフィックのロード バランシングの効率が高まることと、アプリケーション パフォーマンスが向上することで、ネットワーク コストを抑えることができます。Cisco PfR は、特定のパスを使用したときの負荷、スループット、コストなどのパラメータに基づいて WAN パスを選択します。EIGRP(Enhanced IGRP)、OSPF(Open Shortest Path First)、RIP(Routing Information Protocol)、BGP(Border Gateway Protocol)などの従来のルーティング プロトコルでは一般に、到達可能性に重点が置かれており、そのために最短のパスまたは最小コストのパスに基づいてループフリー トポロジを作成するようになっています。Cisco PfR では、アプリケーション要件と現在のネットワーク パフォーマンスを把握することによって、アプリケーション パフォーマンスを高めることに重点が置かれています。
Return to Top

Q: Cisco PfR によってどのような問題が解決されますか。
A: エンタープライズ企業のビジネスが成長するにつれて、リアルタイムのアプリケーション パフォーマンスやユーザにとって快適なアプリケーション エクスペリエンスに対する要求は高まります。たとえば、音声や TelePresence のアプリケーションは企業にとって不可欠な要素になりつつあり、企業が成功を収めるにはこのようなアプリケーションのパフォーマンスがきわめて重要です。企業のアプリケーション パフォーマンス向上のために、これまでよく利用されてきた解決策は 2 つあります。1 つはネットワーク接続の数を増やして帯域幅を広げるというもので、もう 1 つは Cisco Wide Area Application Services(WAAS)などのアプリケーション最適化テクノロジーを利用するというものです。WAN の帯域幅を広げれば、総スループットが向上する可能性がありますが、重要なアプリケーションの遅延や損失が改善されるとは限りません。Cisco WAAS などのアプリケーション最適化テクノロジーを利用した場合は、データ削減手法によってパフォーマンスを向上させることはできますが、この場合も、ネットワーク パフォーマンスの変動の影響がアプリケーションに及ぶ可能性があります。Cisco パフォーマンス ルーティングは、ネットワーク パフォーマンスの問題に対処するためのテクノロジーです。アプリケーション パフォーマンスに関する現在の要件を満たすパスをネットワークがインテリジェントに選択することが可能になります。また、リソースがネットワークによって適切に選択されるので、企業が負担する運用コストが削減されます。
Return to Top

Q: Cisco パフォーマンス ルーティングにはどのような利点がありますか。
A: 
  • 帯域幅コストが最小化されることで、企業は高価なリンクを介して送られるトラフィックを最小化したり、複数契約している定額接続を減らしたり安価なサービスに変更したりすることができます。
  • パフォーマンス最適化が自動化されることで、人手によるネットワーク パフォーマンス分析やルーティング インフラストラクチャの調整に関するエンジニアリングの運用コストを削減できます。
  • ルート最適化前と最適化後のトラフィックの分散状況や利用率に関するレポートが生成されます。企業は ISP(Internet Service Provider)よりも詳細なリンク コスト レポートを入手できるので、ISP とのサービスレベル契約(SLA)の管理を効率化できます。
  • 次の要因が、顧客満足度を高めるのに役立ちます。
    • Cisco PfR の自動ルート最適化により、応答時間が短縮されます。最適な出口パスが探索されることで、パフォーマンスの低いパスを検出して迂回できるからです。
    • パフォーマンス最適化により、ネットワーク障害の影響を最小限に抑えることができます。障害状況(高遅延、パケット損失、「ブラックホール」状態など)が監視され、影響を受けるトラフィック クラスは自動的によりパフォーマンスの高い代替パスに再ルーティングされるからです。
Return to Top

Q: Cisco PfR 統合の主な利点は何ですか。
A: 
  • アプリケーション要件に基づいてトラフィックが最適化されます。
  • リンク バンドルを利用でき、たとえば緊急時には一部のリンク セットのみを使用できます。
  • インバウンドとアウトバウンドのパスが提供されます。
  • ネットワーク パフォーマンスが受動的および積極的に監視されます。
  • 動的ロード バランシング機能を利用できます。
  • 多種多様なインターフェイス タイプを使用できます。
  • Cisco IOS® ソフトウェア スイッチおよびルータに組み込まれているので、ネットワーク アプライアンスが不要です。
  • ネットワーク パフォーマンスの問題をよりよく把握できます。
  • 監視専用モードで運用すると、ネットワーク パフォーマンスの動作をよりよく認識できます(監視専用モードでは、PfR はルート制御を行わず、ポリシーや SLA に基づいてネットワークの動きを判断できます)。
  • 必要に応じて 3 秒ごとにユーザ ポリシーに基づいてトラフィックを再ルーティングできます。
  • Cisco IOS ソフトウェアの知識があれば構成できます(新製品用の広範なトレーニングは不要)。
  • Cisco Technical Assistance Center(TAC)による 24 時間サポート。
  • NAT(Network Address Translation)互換。
Return to Top

Q: Cisco PfR のソフトウェア要件とハードウェア要件を教えてください。

A: 図 1 および図 2 を参照してください。

図 1 Cisco PfR プラットフォーム サポート

図 1 Cisco PfR プラットフォーム サポート


図 2 Cisco IOS ソフトウェア機能セット

図 2 Cisco IOS ソフトウェア機能セット

Return to Top

Q: Cisco PfR は世界中でサポートされていますか。
A: . はい。Cisco TAC がグローバル サポートを提供しています。
Return to Top

Q: このソリューションは誰を対象にしたものですか。
A: Cisco PfR テクノロジーは一般に、次のような企業で使用されます。
  • インターネット プレゼンスが業務上不可欠である企業
  • 複数の多様な WAN パスを持つ企業
  • リモート オフィスとの通信のためにプライマリおよびバックアップの WAN サービスを利用している企業
  • インターネット接続を二重化している小規模オフィス
Return to Top

Q: 企業内で内部 BGP(iBGP)を稼働していないネットワークに Cisco PfR を導入するにはどうすればよいですか。
A: 企業内でルーティングを同期化して新しい最適な Cisco PfR ルートを利用するには、EIGRP、OSPF、RIP などローカルの IGP(Interior Gateway Protocol)にルートを再配布する必要があります。Cisco PfR によって挿入されたスタティック ルートには、明確に再配布できるように識別子が付けられます。他方、BGP ルートは通常は IGP に再配布されることはありません。
Return to Top

Q: Cisco PfR のパッシブ モニタリングの用途を教えてください。
A: パッシブ モニタリングの場合、Cisco PfR は次のように Cisco IOS ソフトウェアに組み込まれた多くのサービスを使用します。
  • トップ スループットおよびトップ遅延トーカーのリストを作成します。
  • 学習したプレフィクスや指定されたプレフィクスのリストに基づいて、すべてのフローのトラフィックを(現在の出口で)受動的に監視し、遅延、パケット損失、到達可能性を計測します。
Return to Top

Q: Cisco PfR は、どのようにアクティブ プローブを使用しますか。
A: Cisco PfR はパッシブな計測から現在のパスのパフォーマンス特性を判断しますが、アクティブ プローブを使用すると、考えられるすべてのパスでプレフィクスの遅延と到達可能性を計測できます。IP プローブ パケットを構成してシステム デフォルトを取得できます。また、次の用途に使用することもできます。
  • アクティブ プローブが有効で、特定のプローブ構成が作成されていない場合(システム デフォルトを取得)、トップ トーカーのリストがあれば(以前に Cisco PfR を構成してトップ トーカー リストを作成した場合)、Cisco PfR は ICMP(Internet Control Message Protocol)プローブを一部のトップ トーカーの宛先に動的に送信します。
  • アクティブ プローブを使用して CODEC の現実的なプローブの遅延、損失、ジッタを計測することで、VoIP(Voice over IP)の MOS を算出できます。
Return to Top

Q: . プレフィクス スプリットは Cisco PfR でサポートされていますか。サポートされている場合、その方法について教えてください。
A: はい。プレフィクス スプリットとは、より具体的なルートをプレフィクスから導き出すことです(たとえば、ホスト ルート [/32] と /24 プレフィクスを分ける)。/24 プレフィクスを構成して最適化していても、ルーティング テーブルで /16 ルートしか見つからない場合、Cisco PfR はその /16 ルートの属性を使用する新たな出口リンクを持つ /24 ルートを挿入します。この挿入により影響を受けるのは内部ルートのみであり、この新情報は自律システム外部には伝わりません。プレフィクスを構成しても、デフォルト ルートしか(境界ルータから)見つからない場合は、次のようになります。
  • BGP が稼働していない場合、新たなスタティック ルートが挿入されます。
  • BGP が稼働している場合、新たな BGP ルートが挿入されます。
Return to Top

Q: マスター コントローラによるルートの挿入方法について教えてください。
A: マスター コントローラと境界ルータ間の通信はシスコの内部メカニズムによって行われ、iBGP セッションに依存しません。マスター コントローラが特定のプレフィクス(学習したかユーザが指定したかにかかわらず)に最適なパスを決定すると、マスター コントローラはその最適な出口を持つ境界ルータに対してルート制御コマンドを送信します。このプレフィクスにすでに正確なルート(BGP またはスタティック)が存在する場合、BGP ルートのローカル プリファレンスが変更されるか、スタティック ルートのネクスト ホップが変更されます。このプレフィクスにルートが存在しなくても、スーパー ルートや、このプレフィクスをカバーするデフォルト ルートがある場合、ルート制御コマンドを目的の境界ルータに送信することで、このプレフィクスの長さに一致するルートが Cisco PfR マスター コントローラによって挿入されます(「プレフィクス スプリット」)。境界ルータはこのルートを iBGP ピアに内部的に再配布します。
Return to Top

Q: マスター コントローラはその管理下にある境界ルータの BGP ルーティング テーブルを参照できますか。
A: いいえ。マスター コントローラは、管理する境界ルータの BGP またはスタティックのルーティング テーブルのコピーを保有していません。マスター コントローラがプレフィクスを監視して制御し、よりパフォーマンスの高いパスを探索するためにプローブをその宛先プレフィクスに送信する必要がある場合は、境界ルータの BGP およびスタティックのルーティング テーブルに問い合わせます。
Return to Top

Q: マスター コントローラに障害が発生するとどうなりますか。
A: PfR マスター コントローラに障害が発生すると、境界ルータは、PfR マスター コントローラとの通信がアクティブでないことを検出します。PfR 境界ルータ内の Cisco IOS ソフトウェアは、どのルートが Cisco PfR の制御下にあるかを判断し、これらのルートを削除します。これにより、通常のルーティングに戻ります。その場合のネットワーク パフォーマンスは、Cisco PfR の導入前と変わりません。
PfR マスター コントローラのアベイラビリティを高める必要がある場合は、バックアップ用のマスター コントローラを構成することもできます。
Return to Top

Q: 境界ルータ上でのパフォーマンスについて Cisco PfR の影響を教えてください。
A: ルータのパフォーマンスは NetFlow や Cisco PfR が境界ルータ上で有効になっていても、ほとんど影響を受けません。ただし、PfR を使用せずに NetFlow を使用する場合は、パフォーマンスに若干の影響が出ることが明らかになっています。
NetFlow パフォーマンス分析 [英語]
http://www.cisco.com/en/US/tech/tk812/technologies_white_paper0900aecd802a0eb9.shtml
Return to Top

Q: PfR と Cisco IOS Optimized Edge Routing(OER)の違いを教えてください。
A: Cisco パフォーマンス ルーティングは、Cisco IOS ソフトウェアに組み込まれたインテリジェンスを利用し、ネットワークおよびアプリケーションのポリシーに基づいて最適パスを特定します。Cisco PfR は、Cisco IOS OER を進化させてスコープを大幅に拡大したテクノロジーです。Cisco PfR のアプリケーション インテリジェンスおよびエンドツーエンド ネットワーク戦略は、OER のスコープよりもはるかに広範です。PfR の最初のフェーズでは、エンタープライズ ネットワークにおけるアプリケーション ニーズを満たすために OER テクノロジーが幅広く使用されています。今後、PfR テクノロジーは OER を超えて大きく発展していきます。
Return to Top

Q: Cisco PfR のコンフィギュレーションは難しいですか。
A:  基本的な Cisco PfR コンフィギュレーションはとても単純です(図 3 を参照)。

図 3 Cisco PfR のコンフィギュレーション

図 3 Cisco PfR のコンフィギュレーション

Return to Top

Q: Cisco PfR のシステム ログはどのようなものですか。
A: 
Sep 22 11:27:14.990: %OER_MC-5-NOTICE: Route changed Prefix 100.1.1.0/26, BR 1.1.1.5, i/f Et2/0, Reason Non-OER, OOP Reason None
Sep 22 11:27:32.042: %OER_MC-5-NOTICE: Route changed Prefix 100.1.1.0/26, BR 1.1.1.6, i/f Et2/0, Reason Delay, OOP Reason Timer Expired
Sep 22 11:27:52.242: %OER_MC-5-NOTICE: Prefix Learning WRITING DATA
Sep 22 11:29:55.350: %OER_MC-5-NOTICE: Prefix Learning STARTED
Sep 22 11:30:56.226: %OER_MC-5-NOTICE: Prefix Learning WRITING DATA
Sep 22 11:32:59.434: %OER_MC-5-NOTICE: Prefix Learning STARTED
Sep 22 11:33:04.974: %OER_MC-5-NOTICE: Passive ABS Delay OOP Prefix 100.1.1.0/26, delay 451, BR 1.1.1.6, i/f Et2/0
Sep 22 11:33:04.974: %OER_MC-5-NOTICE: Uncontrol Prefix 100.1.1.0/26, OOP, mode select-exit good
Sep 22 11:33:59.018: %OER_MC-5-NOTICE: Discovered Exit for Prefix 100.1.1.0/26, BR 1.1.1.6, i/f Et2/0
Return to Top

Q: IP-SLA を包括的に理解する必要はありますか。
A: マスター コントローラと境界ルータを識別して構成すると、Cisco PfR は IP SLA テクノロジーを使用できるので、これ以降は人手による設定は必要はありません。この機能により、PfR テクノロジーの実装が単純に保たれます。
IP SLA のアクティブ化とアクティブ モニタリングは、自動実行され、PfR の構成担当者が操作したり認識したりすることはありません。
境界ルータは IP SLA の結果をマスター コントローラに送信します。これにより、ポリシー構成に基づいたインテリジェントなルーティング決定が行われます。このプロセスは、IP SLA テクノロジーの知識がなくても進行します。
マスター コントローラには、IP SLA 情報を包括的にチェックできるさまざまな show コマンドがあります。
Return to Top

Q: PfR が機能するのは BGP に対してのみですか。
A: いいえ。実際、境界ルータの最も単純な構成は、スタティック ルート エントリに基づいています。
Cisco.com の導入ガイドには使用例を収録しています(英語)。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6441/products_configuration_guide_book09186a008049e22f.html
Return to Top

Q: Cisco パフォーマンス ルーティングに関する詳細情報はどこで得られますか。
A: Cisco PfR 製品の詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/pfr/ を参照してください。
Return to Top