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Cisco IOS ソフトウェア

IOS 11.0(3)の新機能

IOS 11.0(3)の新機能


Date : October 25, 1995

はじめに

この製品速報では、11月中旬に出荷開始予定のIOSリリース11.0(3)で追加されるISDN関連の新規機能について説明します。IOSリリース11.0で提供された新規機能についての説明は、オリジナルのPB#332を参照してください。

IOSリリース11.0(3)発注の手続きや、対応プラットホーム情報、プラットホーム固有の詳細機能についての情報は、各販売店 またはシスコシステムズ(株)(info @ cisco.co.jp)までお問い合せください。

1. ISDN上でのPPPマルチリンク

[解説]

PPPマルチリンク(以下MPとする。)とは,IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC1717で規定されたISDNのBチャネルを束ねて使用するための方式です。このRFCでは,複数の物理インターフェースを使ってパケットをどのように順序制御して転送するかを定義しています。さらにMPでは,大きなパケットをフラグメントしたり再構築する手法を定義することによって,潜在的な問題である遅延の減少を図っています。このMP機能は,Cisco社のあらゆるISDN BRIならびにPRI製品でサポートされるようになります。しかもMP機能は,PPP圧縮(CCP),PPP認証,PPPコールバック,IPアドレス・ネゴシエーションなどといったこれまでサポートされてきたその他のISDN機能と併用できます。

なおMPでは,どのような契機,あるいはどのような理由でBチャネルのリンクを起動したり切断しなければならないかについては,一切定義してないことに注意が必要です。このメカニズムのデザインについてはベンダーに任されているのです。そこでCiscoでは,ユーザーが負荷因数(Bチャネルのバンド幅の使用率パーセンテージ)を設定して,どのポイントで次のBチャネルを起動すべきか自由に選べるようにしました。この負荷因数を設定するに当たって,受信方向のトラフィックだけに着目する,送信方向のトラフィックだけに着目する,送受信両方のトラフィックに着目する,のいずれかを選択できます。そのため,インターネットを使ってWWWサーバから情報を収集しよう(この場合は,トラフィックの大半は受信方向となるでしょう。)とす る,ファイルを誰かに送信しよう(この場合は,トラフィックの大半は送信方向となるでしょう。)とする,などといったように異なる環境に対してより効果的にMPを使用することができます。

図1に,MPを使ったセッションの典型的な例を示します。ここでは,2番目のBチャネルが既に確立している状態でのMPの動作を例示しています。すなわち,受信されたパケット「A」とパケット「B」をより小さなパケットにフラグメントして,さらにMPによってシーケンス番号が付与された上で,ふたつのBチャネルをシェアしながら転送されています。ここで,30バイトを越えるパケットは必ずフラグメンテーションされる点に注意して下さい。フラグメンテーションを受けたパケット「A」とパケット「B」を受信したルータは,MPによってそれらを正しい順番通りに再構築して元のパケットを復元します。

[メリット]

MPによって,ISDNのBチャネルを束ねた伝送を行う場合にマルチベンダー間で相互接続が可能になります。このことは特に,顧客が様々な異なるタイプのISDN機器を使用してくるインターネット・サービスプロバイダにとって朗報でしょう。またMPは,IPXやAppleTalkなどといったプロトコルを使っているユーザーが,これまでベンダーのプロプライエタリな方式によるロードバランシング型バルク転送を用いようとしたときに直面したいくつかの問題にも有効です。IPXやAppleTalkなどは,IPと比べるとパケット順番制御が狂ったときにそれを修復する機能が弱いタイプのプロトコルです。MPは自らシーケンス番号を付与し,それに基づいて再構築しますから,そうした問題を解決してくれます。

[考察]

現時点ではMPはダイヤルアップ回線用にしかインプリメントされていません。CiscoIOSの今後のリリースでは,PPPカプセル化を使えるどのようなリンク⁄インターフェースもMPを使用して束ねることができるように拡張して行く予定です。MPは現在のところプロセススイッチでの動作ですので,複数のPRIを擁するような大規模なISDN集線システムでの利用にあたってはパフォーマンスに注意を払う必要があります。PPPの相互接続性について保証することは,異なるベンダーのISDN製品がそれぞれMPのソフトウェアの改良を重ねている現在,ほとんど不可能です。しかしながら,相互接続における問題を最小限に抑えるため,CiscoはPPP相互接続テストに参加しています。MPに関しては,カリフォルニアISDNユーザーグループ(CIUG)がパシフィックベル社の研究所において1995年9月に相互接続テストが開催されました。その時点でCiscoは,16機種の他社製品との相互接続に成功しました。

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