■Cisco DSPU(Down Stream Physical Unit)
はじめに
1994年第1四半期にシスコ社はSNA DSPU(Down Stream Phsical Unit) に対する新サポート機能を導入する予定である。この新サポート機能を用いると、 CiscoルータがSNAネットワークにおけるDSPUコンセントレータとして機能 できるようになるため、SNAゲートウェイをなくてもPUを集約できるように なる。PUを集約することにより、メインフレーム内で必要なPU定義の数が減 るため、メインフレームリソースを節約し、管理タスクを簡約化し、さらにポ ーリングオーバーヘッドを減らすことができる。DSPU集約機能はシスコ社のIOSTM (Internetworking Operating System)におけるソフトウェア上の新機能 として提供されるため、ハードウェアの増設は不要である。DSPU集約機能の一覧
- SNA LU(論理装置)ゲートウェイにかわってPU集約を実現する。
- メインフレーム上の単一のアップトリームPUを介して複数のダウンスト リームPUおよびLUを多重化する。
- ダウンストリームSNA PU 2.0およびPU 2.1に至るToken Ringおよび RSRB(リモートソースルートブリッジング)接続をサポートする。
- アップストリームのSNAホストに至るToken RingおよびRSRB接続を サポートする。
- ダウンストリーム装置からアップストリームのIBM NetViewへとアラー トを渡す。
- ダウンストリームSNA装置を動的に登録できる。
DSPUのメリットのまとめ
- DSPU集約を実現するためにSNAゲートウェイを使用することに伴うコスト および複雑さを低減する。
- SNAホストリソース定義の数を最小限に抑える。
- ホストに対してダウンストリームSNAネットワークを透過的に再構成 できるという柔軟性が加わる。
- トラフィックオーバーヘッドを低減することによりWANリソースを 節約する。
- IBM社のNetViewがダウンストリーム装置に対して可視力を維持する。
- メインフレーム上で新規SNAユーザを定義する必要がなくなる。
- 3745 TIC(Token Ring Interface Coupler)障害発生後からSNAセッ ションの回復までの時間を短縮する。
DSPU集約機能の仕組み
DSPU集約機能を用いると、SNA装置用のネットワークアクセスおよび集約ポイ ントがアップストリームメインフレームとやりとりできるようになる。Ciscoルー タはメインフレームからは単一の装置(1台のPU 2.0)として認識され、ダウ ンストリーム装置に対してはメインフレームとして動作する。図1は、Cisco ルータがDSPUコンセントレータとして動作する仕組みを示す。
図1:CiscoルータはDSPU(Downstream Pyhsical Unit)集線機能を実現できる。
DSPU集約機能は、SNAネットワークの柔軟性を著しく向上させるとともに、 管理上の複雑さを低減する。DSPU集約機能を実現するCiscoルータは1台のPU を用いてすべてのダウンストリーム装置をサポートするため、VTAM(Virtual Telecommunications Access Method)によって定義されるPUの数が劇的 に削減される。SNAネットワーク管理をさらに簡約化するために、VTAMの バージョン3リリース4において追加された動的リソース登録機能を用いて、VTAM によって新規LUを動的に登録することをCiscoルータが実現できるようになる。
またDSPU集約機能には、WAN上のトラフィックを低減するというメリットも ある。VTAMにおいて定義するPUの数を制限することにより、メインフレーム とルータ間のポーリングトラフィックの量が著しく削減される。ポーリングオ ーバーヘッドの削減は、メインフレームがポールしなければならないダウンス トリーム装置の数が減少することが直接の原因である。
さらに、ルータ内でPUの集約が実現することによって、通信制御装置上でToken Ringインタフェースが失われてからSNAセッションが回復するまでの時間も 短縮する。通信制御装置 TICに障害が発生すると、このインタフェースを使用 するすべてのSNA装置がToken Ring経路回復を始動してメインフレームに至 る代替経路を検索する。多数の装置が同時に回復を試みると、経路回復を求め て各装置が送信する探索パケットによってネットワークに輻輳が発生する。 ネットワーク輻輳によって、すべての装置の経路回復プロセスが低速化し、 すべてのSNAセッションの回復が遅延する。DSPU集約機能を用いれば、ルー タに接続するすべてのダウンストリーム装置に対して経路回復プロセスが1つ だけ実行される。しかも経路回復後は、各PUとメインフレームとの間でセッ ションが確立される。DSPU集約機能を用いれば、たった1つのPUとメイン フレームとでセッションを始動して、すべてのダウンストリームSNA装置を 対象とすることができるため、すべてのSNAセッションの回復が劇的に高速 になる。
DSPU集約機能と他の機能との相乗効果
DSPU集約機能は、Cisco 7000を対象とするチャネル接続およびシスコ社 独自のNCIA(Native Client Interface Architecture)という2つのCisco IBMインターネットワーキングプログラムを補強する。SNAチャネル接続とDSPU集約機能
シスコ社はすでに、Cisco 7000シリーズ用の、IBMメインフレームチャネル に接続する直接インタフェースの開発を発表している。この開発プログラム の将来のフェーズでは、チャネル接続Cisco 7000がIBM 3172をエミュレ ートして、チャネルを介してSNAメインフレームアプリケーションへとダ ウンストリームSNA装置をネイティブに接続するようになる。Ciscoチャネ ル接続ルータは、ルータがサポートするSNA装置255台ごとにたった1つ しかサブチャネルアドレスを必要としないため、メインフレームリソース を節約する。Ciscoルータは、各サブチャネルアドレスを介して接続でき るダウンストリームSNA装置の数を増やすため、さらにメインフレームリ ソースを節約できる。シスコ社のNCIAとDSPU集約機能
シスコ社のNCIAを用いると、ネイティブSNAクライアントワークステーショ ンが、Ciscoルータを経由してTCP/IPバックボーンを介してネイティブSNA メインフレームにアクセスできるようになる。NCIAは、SNA物理装置をエ ミュレートするエンドデバイスに搭載されるサードパーティ製ソフトウェア によってインプリメントされる。DSPU集約機能を用いると、PU定義の増加 させてホストリソースに悪影響を与えることがないため、NCIAをサポート するクライアントを大規模にインプリメントすることができる。注:PC用SNAホストアクセスソフトウェアのリーディングベンダであるWall Data社が、サードパーティベンダとして最初にシスコ社のNCIAのサポートを 発表した。この件についての詳細は、Cisco NCIAのプレスリリースおよび シスコ社とWall Data社の提携に関するプレスリリースを参照のこと。
受注受付けおよび発売時期
DSPU集約機能は1995年第1四半期に発売の予定である。DSPU集約機能は、Cisco AccessPro PCカード、Cisco 2500シリーズ、およびCisco 4000シリーズでは IOSTM Enterprise機能セットにおいてサポートされ、Cisco AGS+およびCisco 7000シリーズではブリッジングオプションとして搭載さ れる。
![]()
