データ シートCisco Network Capacity Expansion Systemリモート サイトおよびモバイル サイトの WAN 容量拡張 複数のサイトを抱えるグローバル企業は、今日、WAN 固有のいくつもの課題に直面しています。それには、従業員が中央に置かれた情報に簡単にアクセスできるようにする必要性、ミッションクリティカルなデータを継続的にバックアップし、集中管理されたデータ センターに複製する必要性、IP フォンやビデオ コミュニケーションで満足できる環境を提供する必要性、アプリケーションのアベイラビリティやパフォーマンスを犠牲にすることなく帯域幅コストを制御する必要性などが挙げられます。 Network Capacity Expansion(NCE; ネットワーク キャパシティ拡張)システムは、企業がこれらの課題に対処できるように設計されたシステムです。Cisco NCE は、中堅・中小規模のブランチ オフィスや遠隔地で使用可能な帯域幅を増やすトランスポート レイヤ PEP(Performance Enhancing Proxy)です。本製品は、帯域幅や遅延による制限を克服することにより、高いコスト効率で WAN を介したデータ転送を高速化できるように設計されています。複数のサイトを抱える企業は、NCE によって既存の WAN リンクからよりも高いデータ スループットとより高い価値を引き出すことができます。 すでに高い評価を得ている Cisco® サービス統合型ルータ(ISR)の優れた機能をベースに構築された Cisco NCE(図 1)は、ISR と透過的に統合され、Cisco IOS® ソフトウェアの機能をネイティブに使用する省スペース型でコスト効率の高いモジュールです。ISR はすでに世界中で何百万台も導入されており、複数のサイトを抱えていて、NCE などの高度なネットワーク サービスをリモート サイト ネットワークに統合したいと考えている企業のニーズに応えます。 ![]() 図 1 NCE の高度な統合モジュールと Cisco 1841 サービス統合型ルータ
NCE の利点NCE は、小規模から中規模リモート サイトのニーズに合わせ、以下の 3 つの分野に特化して設計されています。 スループットWAN リンクで達成可能な最大データ転送速度は帯域幅により決まりますが、実際の転送速度(スループット)は、遅延、輻輳、およびパケット損失によって決まります。Cisco NCE は、仮想帯域幅拡張と帯域幅利用率向上という 2 つの手法を使用して、帯域幅の制限を越えるスループットを引き出します。圧縮とパケットバンドリングのアルゴリズムにより、実効帯域幅が増加します。パケット フロー制御と TCP 最適化は、輻輳と遅延による影響を緩和し、使用可能な帯域幅の効率を向上させます。これらの技術を組み合わせた結果、使用可能な WAN リンク容量が飛躍的に増加し、WAN 上でのきわめて高速なデータ転送が可能になります。 統合化Cisco NCE は、Cisco IOS ソフトウェアのハードウェア拡張であるため、ネットワーク ファブリックと密接に統合されています。このような密接な統合により、その他のインターセプトによるオーバーヘッドの追加を伴わずに、帯域幅の最適化とルーティング決定を同時に行うことができます。また、この緊密な統合には、最小の構成で済むこと、および導入後の監視も必要ないという利点もあります。さらに、NCE は Cisco Express Forwarding(CEF; Cisco エクスプレス フォワーディング)スイッチング パスに直接統合されており、その他のネットワーク サービスおよびすべてのセキュリティ対策に対して完全に透過的です。NCE は徹底して ISR 向けに構築されており、ISR の内部ハードウェア アーキテクチャを効果的に利用できます。 優れたコスト効率Cisco NCE は、アプリケーション固有のトラフィック最適化は一切行わず、WAN 最適化コントローラ(WOC)には分類されません。Cisco Wide Area Application Services(WAAS)がこの製品カテゴリに分類され、Cisco NCE とは別の利点を提供します。一方、NCE は、WAN の貧弱なスループットの根本的な原因、つまり帯域幅の制限とネットワーク遅延に焦点を当て、ベンダー固有のアプリケーションの最適化に付随する複雑さを取り除いてコストを低く抑えることにより、パフォーマンス、簡易性、および透過性において他に類を見ない価格を実現した製品です。小規模から中規模のリモート サイトのニーズを満たすように設計された NCE は、ISR を利用することで総所有コストを低く抑えた、使いやすく、維持しやすいモジュールです。 製品説明透過的な PEP として機能する Cisco NCE(図 2)は、送信元の TCP セッションをローカルに終端させ、送信元のデータを圧縮、ひとまとめにして Stream Control Transmission Protocol(SCTP)トンネル内にカプセル化したうえでリモート ピアに送信します。リモートではそのデータを切り離して圧縮解除し、新しい TCP セッションを確立して送信先にデータを配信します。 リモート サイトおよびモバイル サイトについては、NCE は、Cisco ISR 1841、Cisco ISR 2801、Cisco ISR 2811、Cisco ISR 2821、Cisco ISR 2851、Cisco ISR 3825、Cisco ISR 3845 などのサービス統合型ルータを含むすべてのモジュラ ISR でサポートされているAdvanced Integration Module(AIM; 拡張統合モジュール)フォーム ファクタ内で使用できます。サポートされる発信帯域幅の量に応じて異なる 2 つの AIM 構成があります。
図 2 Network Capacity Expansion System の PEP アーキテクチャ Cisco NCE は、エンド ノード間に対となるピア デバイスを必要とする対称型ソリューションです。各 NCE モジュールが、複数のピアに対して同時にスループットを向上させることができ、ハブツースポーク型およびメッシュ型の展開が可能です。セントラル オフィス(ヘッドエンド)でのアグリゲーションについては、NCE は、Cisco ISR 3825 および Cisco ISR 3845 でサポートされている Network Module Extended(NME; ネットワーク モジュール拡張)フォーム ファクタ内で使用できます。表 1 は、サポートされているさまざまな NCE 構成をまとめたものです。 表 1 サポートされる Cisco NCE 構成
圧縮による実効帯域幅の増加Cisco NCE には、帯域幅の制限を克服するために、ペイロード圧縮、冗長ヘッダーの削除、効率的なパケット パッキングなどのいくつもの圧縮手法が実装されています。ペイロード圧縮については、複数のパケットにわたって圧縮辞書を保持する動的な Huffman コーディングを使う、オープン標準である Deflate アルゴリズムがハードウェア実装されています。ペイロード圧縮では、標準ベンチマーク(Standard Canterbury Corpus)で 3対1 から 10 対 1 の圧縮率が得られます。冗長ヘッダーの削除のため、NCE は、複数の TCP セッションを多重化して 1 つの SCTP ストリームに入れ、TCP ヘッダーをはるかにサイズが小さい SCTP「チャンク」識別子に置き換えます。また、効率的にパケットをパッキングするよう、NCE は、圧縮された複数のパケットを束ねてパスの最大伝送ユニット(MTU; Maximum Transmission Unit)に収めます。これにより、データが部分的にしか含まれていないデータ リンク レイヤ フレームが減少し、WAN 経由の通信が効率化されます。 転送の最適化による帯域幅利用率の向上Cisco NCE には、遅延、パケット損失、および輻輳の影響を緩和するために、TCP プロトコルの最適化、パケットフロー制御などの複数の最適化手法が実装されています。TCP の最適化では、NCE は、SCTP ストリームをエンド ノード間を接続する TCP セッションに入れ、透過的にスプライシングします。オープン標準の SCTP は、TCP 固有の非効率性を克服することに重点を置いて設計されたもので、TCP の利点をすべて受け継いだうえで、信頼性向上のための機能が追加されています。SCTP を使用してトラフィックをカプセル化することにより、帯域幅利用率が大幅に向上します。パケットフロー制御では、NCE は、一般的な WAN の状態に合わせて WAN に送出するトラフィックの速度を整え、輻輳が原因で発生するパケット損失の防止を助けます。 短時間で簡単な導入NCE の導入に要する時間はほんの数分です。リモート サイトの数や各サイトに割り当てられた帯域幅に応じて、ヘッドエンド構成にさまざまなオプションが用意されています(図 3)。
図 3 NCE の導入例 パフォーマンス実際に得られるスループットはトラフィック プロファイルによって異なりますが、標準的なファイル セットについては、NCE は、常に 400 パーセントを超える実効帯域幅の増加を実証しています(図 4)。
図 4 一般的なリモート サイトでの NCE により得られるスループット 機能表 2 Cisco NCE の機能一覧
製品仕様表 3 Cisco NCE モジュール仕様
発注情報シスコ製品の購入方法の詳細については、「購入案内」を参照してください。表 4 に、発注情報を示します。 表 4 Cisco NCE モジュールおよびソフトウェアの製品番号
サービスおよびサポートシスコは、お客様の成功を支援する幅広いサービス プログラムを用意しています。これらのサービスは、スタッフ、プロセス、ツールをそれぞれに組み合わせて提供され、お客様から高い評価を受けています。シスコは、お客様のネットワークへの投資を最大限に活用し、ネットワーク運用を最適化するとともに、最新アプリケーションに対応できるようにネットワークを整備し、よりインテリジェントなネットワークを構築することによって、お客様の事業拡大を支援します。シスコ サービスの詳細については、シスコ テクニカル サポート サービスまたはシスコ サポート サービスを参照してください。 関連情報Cisco NCE ソリューションの詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/nce/ を参照してください。シスコ サービス統合型ルータの詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/isr/ を参照してください。 |
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