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Cisco 7200 および Cisco 7500 向け Packet over SONET/SDH ポート アダプタ


Packet over Synchronous Optical Network(SONET)/Synchronous Digital Hierarchy(SDH; 同期デジタル ハイアラーキ)ポート アダプタ(PA)は、Cisco 7200 および Cisco 7500 に搭載して使用する、単一ポートのシングル幅 OC-3c/STM1 ポート アダプタです。


概要

Packet over SONET(POS)PA は、NPE-150 および NPE-200 搭載の Cisco 7200 と、VIP2-50 搭載の Cisco 7500 でサポートされています。この POS PA は、OC-3c/STM1 マルチモード(MM)、OC-3c/STM1 シングルモード中距離(SM-IR)、または OC-3c/STM1 シングルモード長距離(SM-LR)の物理インターフェイスとして使用できます。

POS PA は、ハードウェアで IP パケットを SONET/SDH フレームにマッピングし、PPP(ポイントツーポイント プロトコル)を使用して、光ファイバを用いた SONET/SDH ネットワークに送出します。PPP はポイントツーポイント リンク上での通信方式として設計された標準プロトコルです。POS PA は、RFC 1619 で規定された「PPP over SONET/SDH」および RFC 1662 で規定された「PPP in HDLC-Like Framing」の両方をサポートしています。


優れた IP パフォーマンス

驚異的な速度で増え続ける IP トラフィックに対処するため、サービス プロバイダーや企業では高性能ネットワークが不可欠になっています。IP パケットを SONET/SDH テクノロジーに直接マッピングすることは、優れたパフォーマンスの実現という大きな利点をもたらします。

POS PA は分散スイッチング性能を最大限に高めるよう設計されており、VIP2-50 で標準サイズのパケット処理を行った場合、ラインレートの OC-3c/STM1 スループットを実現します。また、VIP2-50 を搭載した Cisco 7500 で POS PA を使用した場合、各方向最大 138,000 パケット/秒(64 バイト パケットを使用)の集約スループットが可能になります。また、NPE-200 を搭載した Cisco 7200 で POS PA を使用した場合は、各方向最大 94,000 パケット/秒(64 バイト パケットを使用)の集約スループットが実現されます。


プラットフォームの柔軟性とポート密度の向上

POS PA は、シングル幅のポート アダプタという形状で、既存の Packet over SONET/SDH Interface Processor(POSIP)と同じレベルのスイッチング性能を提供します。このため、よりポート密度の高い、柔軟性に優れた高性能ネットワークが実現されます。また、シリアル、マルチチャネル、イーサネット、およびファスト イーサネットなどの各種ポート アダプタ技術を、同一のプラットフォーム上で併用可能にします。

POS PA は、VIP2-50 を 1 つ搭載したシャーシで使用した場合に最高のスイッチング性能を発揮するよう設計されています。ポート密度を最大限に高めたり、システム コストを削減したり、またはその両方が必要なアプリケーションでは、VIP2-50 に 2 つの任意のポート アダプタを組み合わせて搭載できます(POS PA を 2 つ搭載することも可能)。VIP2-50 に POS PA を 1 つだけ搭載した場合、POS PA は VIP2-50 のすべてのスイッチング機能を独占できますが、同じ VIP2-50 にポート アダプタを 2 つ搭載した場合は、スイッチング機能および帯域幅は 2 つのポート アダプタによって共有されます。

POS PA を使用すると、Cisco 7200 で Packet over SONET/SDH 接続を利用できるようになります。数多くの分散型マルチサービス エッジ ルータを必要とする SONET/SDH ネットワークに POS PA を搭載した Cisco 7200 を設置することで、ネットワークの柔軟性を大幅に増すことができます。Cisco 7200 には、POS PA を 3 つまで搭載できます。


耐障害性を備えたバックボーン接続

SONET Automatic Protection Switching(APS; 自動保護スイッチング)は、冗長性を持つファイバ ケーブル接続によって SONET/SDH ネットワークで耐障害性を提供するよう設計されたメカニズムで、SDH Multiplex Section Protection(MSP)とも呼ばれます。APS の仕様の定義は、Bellcore 社によって開発されました。APS を使用すると、ファイバの切断またはモジュールの故障、信号障害、信号劣化などの発生時に、使用中のファイバから保護ファイバへの迅速な切り替えが可能になります。これにより、ネットワーク全体の安定性と堅牢性を向上させることができます。

POS PA で APS(および MSP)がサポートされるのは、Add Drop Multiplexer(ADM; 分岐挿入装置)など、APS をサポートする SONET/SDH 装置と Cisco 7200 または Cisco 7500 が直接接続されたネットワーク構成です。


ペイロード スクランブリングとエラー検出の向上

POS PA は、RFC 1619 で定義されているペイロード スクランブリングだけでなく、RFC 1619 の追補で定義されている、安定性の高い ATM フォーラムのスクランブリング技術にも対応しています。これは、POS PA のオプションであるスクランブリング機能で、同期の維持と SONET のエラー回避が可能になります。このハードウェア ベースの機能はユーザに対して透過的に処理され、ネットワーク全体の安定性が向上します。

また、POS PA は、伝送データのエラー検出について、CRC-16 と CRC-32 の両方をサポートしています。CRC-16 と CRC-32 は、どちらか一方を使用でき、いずれの場合も ATM フォーラムのペイロード スクランブリングとの同時処理が可能です。一般的に、CRC-16 は既存の機器との下位互換性を提供し、CRC-32 は、より安定性の高い優れたエラー検出を実現します。


ネットワーク管理

サポートされるプロトコルと MIB(管理情報ベース)は、次のとおりです。

  • SNMP エージェント v1(RFC 1155 ~ 1157)
  • MIB II(RFC 1213)

インターフェイスの仕様

インターフェイス 速度(Mbps) コネクタ タイプ ケーブル タイプ(um) 波長(nm) TX パワー(最大) TX パワー(最小) RX パワー(最大) RX パワー(最小) 最大距離
OC-3c/STM1 マルチモード 155.52 SC 62.5/125 1260 ~ 1360 -8 dBm -15 dBm -8 dBm -23 dBm 2 km
OC-3c/STM1 シングルモード中距離 155.52 SC 9 1261 ~ 1360 -8 dBm -15 dBm -8 dBm -28 dBm 15 km
OC-3c/STM1 シングルモード長距離 155.52 SC 9 1280 ~ 1335 0 dBm -5 dBm -10 dBm -34 dBm 40 km



POS PA の LED インジケータ

POS PA は次の LED インジケータを備えています。

POS PA の LED 機能
Enabled POS PA の電源がオンで稼働中であることを示します
RX Carrier インターフェイスでオプティカル信号が検知されていることを示します
RX Packets インターフェイスでデータ パケットが受信されたことを示します



仕様

適合規格

  • Bellcore GR-253
  • ITU-T G.957
  • ITU-T G.958
  • RFC1619 - PPP over SONET/SDH
  • RFC1662 - PPP in HDLC-Like Framing
  • RFC1157 - SNMP MIB
  • RFC1213 - TCP/IP MIB

環境条件

  • 動作温度:0 ~ 70° C
  • 保管温度:-40 ~ 85° C
  • 相対湿度:10 ~ 90%(結露しないこと)

基準認定

  • UL 1950
  • CSA C22.2 No. 950-M29
  • IEC 950
  • EN60950

電磁波放射認定

  • FCC クラス A
  • EN55022A クラス B
  • CISPR-22 クラス B
  • VCCI クラス 2

CE マーキング

  • IEC 801-2、3、4、5、6、11