Cisco Wide Area Application Services (WAAS)ソフトウェア

Cisco Wide Area Application Services: 安全でスケーラブル、かつシンプルな集中管理

ソリューションの概要





Cisco Wide Area Application Services: セキュアでスケーラブル、シンプルな集中管理




概要


企業は、リモートオフィス ユーザ向けに十分なサービス レベルを維持しながら、コストが高いリモートオフィスのインフラを統合化するという、相反するニーズに直面しています。Cisco® Wide Area Application Services(WAAS)は、LAN と同じようなアプリケーション配信パフォーマンスを実現する、アプリケーションの高速化機能と WAN の最適化機能を提供しながら、データセンターにおけるインフラを統合化するために必要なテクノロジーを提供します。本書では、Cisco WAAS 用の、セキュアかつスケーラブルでシンプルな集中管理型フレームワークについて説明します。このフレームワークにより、企業は統合型インフラを簡単に管理できます。

Cisco WAAS 管理について


Cisco WAAS の導入には、Cisco WAAS アプライアンス、Cisco Integrated Services Router(ISR)Virtual WAAS(vWAAS)アプライアンスにおける Cisco Service Ready Engine モジュール、Cisco Integrated Services Router(ISR)に組み込まれている Cisco WAAS Express ソフトウェアを含めることができます。これらの Cisco WAAS デバイスを連携させることで、TCP トラフィックの最適化や、WAN 上でのアプリケーションの高速化に役立ちます。クライアント アプリケーションやサーバ アプリケーションが相互通信を試行すると、ネットワークがこれらのフローをインターセプトし、ローカル Cisco WAAS デバイスにリダイレクトして、クライアントとサーバ間のフローを透過的に高速化および最適化します。Cisco WAAS デバイスは、トラフィックを検証し、定義済みの設定可能なアプリケーション ポリシーを使用して、トラフィックを最適化するかどうか、最適化する場合の方法、または最適化しない状態で通過させるかどうかを決定します。各 Cisco WAAS デバイスは、組み込みのコマンドライン インターフェイス(CLI)(Cisco IOS® ソフトウェアの CLI に似たもの)または Cisco WAAS Central Manager の GUI を使用して管理できます。次のセクションでは、これらの管理メカニズムについて説明します。

Cisco WAAS Central Manager


Cisco WAAS は、Cisco WAAS Central Manager と呼ばれる、スケーラブルかつセキュアでシンプルな機能により集中管理されます。この機能は、Cisco Wide Area Virtualization Engine(WAVE)アプライアンスまたは Virtual Central Mnager(vCM)仮想アプライアンスのどちらかで実行できます。Cisco WAAS Central Manager は、Cisco WAAS デバイスまたは仮想アプライアンス 2 台をセントラル マネージャとして導入することで、高可用性を実現できるように設定できます。設定やモニタリングに関するデータは、セントラル マネージャである 2 台の Cisco WAAS デバイスにより自動的に共有されます。Cisco WAAS Central Manager は、機能設定、レポート作成、モニタリングの集中型メカニズムを提供します。また、数千の Cisco WAAS ノードを含むトポロジを管理できます。

Cisco WAAS Central Manager は Web ブラウザからアクセスできるため、実質的に世界中どこにいても管理することが可能です。Cisco WAAS Central Manager へのアクセスは、SSL を使用してセキュリティ確保および暗号化され、ローカル データベースまたはサードパーティの認証サービス(RADIUS、TACACS+、Microsoft Active Directory など)によりユーザを認証できます。

Cisco WAAS アーキテクチャは、Cisco WAAS Central Manager と Cisco WAAS デバイスを結ぶ、SSL で暗号化された双方向チャネルを使用します。このチャネルは、設定可能な間隔でレポート情報および統計情報を交換するだけでなく、設定やポリシーの変更を、Cisco WAAS Central Manager から Cisco WAAS デバイスまたは Cisco WAAS デバイス グループに通信するためにも使用します。アップデートを受け取る状態にない Cisco WAAS デバイスは、次に受け取る状態になったときにアップデートを受け取ります。Cisco WAAS Central Manager は、システムの動作に重要なパスにはないため、Cisco WAAS Central Manager が使用できない状態やアクセスできない状態でも、WAN 最適化パフォーマンスは低下しません。

Cisco WAAS Central Manager のユーザ インターフェイス


Cisco WAAS Central Manager は、Cisco WAAS デバイスのトポロジを集中的に設定、管理、モニタリングするために使用します。Cisco WAAS Central Manager デバイス モードを Cisco WAAS アプライアンスまたは vWAAS アプライアンス上で設定して、展開に含まれるすべての Cisco WAAS デバイスに関して、スケーラブルでセキュアかつ堅牢な集中型 Web 管理を実現できます。Cisco WAAS Central Manager を使用することで、管理者は Cisco WAAS の展開におけるポリシーの設定や配信を含め、デバイス固有およびシステム全体の設定、モニタリング、レポート作成が可能になります。

Cisco WAAS Central Manager HTML5 Web インターフェイスを使用すれば、管理者は次のようなタスクを簡単に実行できます。

  • 個々の Cisco WAAS デバイスまたはデバイス グループのシステム設定とネットワーク設定。
  • Cisco WAAS デバイスが特定の種類のトラフィックを受信した場合に実行するアクション(最適化)を決定するアプリケーション ポリシーの作成、編集、削除。
  • Microsoft ファイル共有、Citrix HDX、HTTP、SSL、ビデオ、Microsoft Encrypted Messaging API(EMAPI)、NFS、その他多数の事前設定されたアプリケーションなどの、アプリケーション固有の高速化の設定。
  • Cisco WAAS デバイスまたは WAAS Express デバイスの大規模なグループの同時管理や設定ができるような、デバイス グループの作成。
  • 管理分離のための ロールベース アクセス コントロール(RBAC)。
  • システムやデバイスに関するアラームの管理と認識。
  • iPad または Android タブレットを使用した、システム管理。
  • Cisco WAAS ネットワーク内での高速化および最適化の有効性を詳述したレポートの表示。
  • コネクションの詳細、適用された最適化ポリシー、低減に関する詳細な統計など、個々の Cisco WAAS デバイスに関するコネクションごとの統計の検証。
  • 仮想ブレードの仮想サービス インスタンスの、リモート Cisco WAVE デバイスへのインストール、管理、移行。

認証に成功した管理ユーザには、パフォーマンスに関する統計、アプリケーションのトラフィック ミックス、展開の状態、システムレベルのアラーム、通知、インストールされたソフトウェアのバージョンなどの情報を示す Cisco WAAS Central Manager のホームページ(図 1 を参照)が表示されます。

図 1 Cisco WAAS Central Manager ホームページ

図 1 Cisco WAAS Central Manager ホームページ


また、管理者は、ネットワーク内の個々の Cisco WAAS デバイスを設定、管理、モニタリングできます。図 2 に、個々のデバイスを選択するとデフォルトで表示されるデバイス ダッシュボードを示します。管理者は、60 種類を超えるさまざまなグラフや表の中から、1 時間ごと、1 日ごと、1 週間ごと、または 1 ヵ月ごとにモニタリングするものを選択できます。ここに、使用できるグラフの例をいくつか示します。

  • トラフィック概要:Cisco WAAS デバイスが処理する TCP アプリケーションのトラフィックの内訳を表示
  • 効果的な WAN 容量:WAN の効果的なパフォーマンスを最適化の結果として表示する乗数
  • トラフィック量と低減:元のトラフィック量と最適化されたトラフィック量と共に、低減率を表示
  • 圧縮概要:上位 10 個のアプリケーションを、圧縮または量別に表示。下位 10 個を圧縮別に表示するオプションあり
  • 時間の経過に伴う圧縮の概要:Cisco WAAS デバイス上で Cisco WAAS 圧縮テクニックを使用したことにより減少した、アプリケーション トラフィックの割合をグラフで表示
  • HTTP チャートと HTTPS チャート:コネクションの詳細、WAN の容量、時間の節約、最適化手法、HTTP トラフィックや HTTPS トラフィックに関する応答時間の節約を示す数種類のチャート
  • SSL チャート:コネクションやキャパシティに関する情報とバイパスに関する詳細を示す数種類のチャート
  • MAPI チャート:暗号化された Microsoft Exchange セッションと暗号化されていない Microsoft Exchange セッションに関し、高速化、応答時間の節約、コネクション、キャパシティ、最適化された要求、高速化されたクライアントの情報などを詳述した数種類のチャート
  • Citrix チャート:Citrix HDX トラフィックに関し、コネクションの詳細、WAN 容量、バイパスの理由、クライアント情報を掲載した数種類のチャート
  • Common Internet File System(CIFS)チャートと Server Message Block(SMB)チャート:CIFS と SMB Version 1 および 2.x のトラフィックに関し、クライアント スループット、コネクション、WAN キャパシティ、時間の節約、要求の最適化、クライアント情報を示した数種類のチャート
  • ビデオ チャート:ビデオに関する高速化、ストリーム最適化、効果的な WAN 容量に関する情報を示した数種類のチャート

この機能では、重要な統計情報の概要を表示できます。

図 2 Cisco WAAS Central Manager デバイス固有の統計情報

図 2 Cisco WAAS Central Manager デバイス固有の統計情報


管理者は、リアルタイムのアプリケーション トラフィック パターン、トラフィックの低減、圧縮率、帯域幅の節約など、特定の期間(過去 1 時間、1 週間、1 ヵ月間、またはカスタムの日付範囲)に関する詳細な統計情報も入手できます。

デバイス固有の統計情報またはシステム全体の統計情報は、カンマ区切り値(CSV)ファイル フォーマットに簡単にエクスポートして、オフラインで使用することができます。また Cisco WAAS Central Manager では、最適化の特徴(適用された最適化の種類)、低減に関する統計情報、トラフィックに関する統計情報など、従来はデバイス CLI でしか入手できなかった、リアルタイムのコネクション情報を表示できます。

図 3 に、リアルタイムでのコネクション モニタリングのスナップショットを示します。管理者は、アクティブな各コネクションの接続元や接続先、適用された最適化ポリシー、圧縮率などの詳細を確認できます。

図 3 Cisco WAAS のリアルタイム TCP コネクションに関する詳細

図 3 Cisco WAAS のリアルタイム TCP コネクションに関する詳細


図 4 に、特定のコネクションに関する詳細を示します。リアルタイム圧縮、コネクション トラフィックが詳述されたグラフ、詳細な統計情報が表示され、リアルタイムな解析に利用できます。

図 4 Cisco WAAS での選択した最適化されたコネクションの詳細表示

図 4 Cisco WAAS での選択した最適化されたコネクションの詳細表示


また Cisco WAAS Central Manager は、時間処理や要求処理に関するグラフ、図、詳細情報など、さまざまなアプリケーションに関する個別アプリケーションの高速化統計を表示します。

図 5 に、アプリケーションの高速化についての統計情報を表示する 4 つのサンプル チャートを示します。これは、管理者が最適化の効果やシステム上の負荷を数量化する上で役立ちます。

図 5 Cisco Application Optimizer の統計情報

図 5 Cisco Application Optimizer の統計情報


エージェントやプローブなしでの、統合的なアプリケーション パフォーマンス モニタリング


エンドツーエンドのパフォーマンスを完全に把握することは、Cisco WAAS Central Managerに欠かせない機能です(図 6)。帯域幅だけでなく、WAN 上の各所でアプリケーションの実際のパフォーマンスを確認することにより、帯域幅や使用率に関する従来のグラフをはるかに上回る可視性を実現できます。

WAN 最適化ソリューションはデータを最適化する過程で、WAN を行き交うデータの構成や量を変更します。従来のモニタリング アプリケーションには、ネットワーク スループットやパフォーマンスがこのように動的に変更されても、効率良く対応できないものもあります。従来の WAN 最適化ソリューションでは多くの場合、このようにネットワークへの可視性がない状況を補うために、ブランチ オフィスでエージェントかクライアントを稼動させておく必要があります。

Cisco WAAS なら、ブランチ オフィスに複雑なエージェントやクライアントをインストールする必要がなく、アプリケーションの応答時間に関するデータに直接、ネイティブでアクセスできます。Cisco WAAS Central Manager では、Cisco Network Analysis Module(NAM)のモニタリング フレームワークを使用して、ネットワークのパフォーマンス、トップ トーカー、帯域幅の使用状況、アプリケーションの応答時間などの情報を 1 ヶ所で表示することができます。

図 6 Cisco WAAS Central Manager によるアプリケーション パフォーマンスのモニタリング

図 6 Cisco WAAS Central Manager によるアプリケーション パフォーマンスのモニタリング


さらに Cisco WAAS Central Manager は、WAN の最適化に関する統計を直接、共通のサードパーティ管理ソリューションにパブリッシュできるため、最も包括的でオープンな WAN 最適化モニタリング フレームワークとなっています。

グループ、ロケーション、クラスタを使用した管理の簡略化


Cisco WAAS Central Manager を使用すれば、管理者はグループ、ロケーション、クラスタを作成して、Cisco WAAS ネットワーク全体の管理を簡略化できます。グループ、ロケーション、クラスタにより、共通の設定や統計をグループ化して、これを多数のデバイスに適用できます。

デバイス グループ

デバイス グループにより、Cisco WAAS デバイスの設定管理を簡略化できます。デバイス グループは、設定を複数のデバイスに同時に適用でき、管理上の効率性を向上します。アプリケーション ポリシーなど、デバイス グループを使用して設定されたアイテムは、そのグループのメンバになっているすべてのデバイスに自動的に伝播します。デバイス グループをいったん設定すると、管理者は Cisco WAAS Central Manager を使用して、そのデバイス グループのメンバになっている Cisco WAAS デバイスのあらゆる設定を網羅できます。これには、次のような設定が含まれます。

  • ソフトウェア バージョン:単一の Cisco WAAS デバイスまたは Cisco WAAS デバイス グループにインストールされているソフトウェアのバージョンを管理。
  • アプリケーションの高速化に関する設定:アプリケーション固有の高速化パラメータやポリシー要素を設定し、モニタリング。
  • WAN 最適化のポリシーに関する設定:アプリケーション、分類、ポリシー マップを定義。
  • ネットワーク インターセプションの設定:物理的インライン インターセプション、Cisco Virtual Network Service Data Path(vPATH)、Web Cache Communication Protocol Version 2(WCCPv2)、Cisco AppNav クラスタへのその後の移譲など、ネットワーク インターセプション メカニズムを設定。
  • ログイン認証:ユーザ ログインの認証方法(ローカル データベース、Active Directory など)を定義し、設定。
  • Cisco WAAS CLI ユーザ:Cisco WAAS CLI、Cisco WAAS Central Manager へのアクセスに使用できるアカウントを作成。
  • アラートと通知:リモート通知に関し、メール サーバやロギング サーバを設定。

Cisco AppNav クラスタ

Cisco WAAS Central Manager は、Cisco AppNav 設定とクラスタ管理の中心ポイントです(図 7)。Cisco AppNav は、全社的な WAN 最適化展開における動作上の複雑性を大幅に軽減する、仮想化テクノロジーを備えた唯一の包括的なネットワーク統合型 WAN 最適化ソリューションです。Cisco WAAS Central Manager の Cisco AppNav クラスタは、Cisco AppNav クラスタの設定、制御、リアルタイム モニタリングを可能にし、どのような環境でも素早い拡張と障害分離を実現します。さらに Cisco WAAS Central Manager は、直感的なクラスタ ウィザードを備えているため、初期導入を高速化、簡素化できます。

図 7 Cisco WAAS Central Manager によるアプリケーション パフォーマンスのモニタリング

図 7 Cisco WAAS Central Manager によるアプリケーション パフォーマンスのモニタリング


ロケーション

ロケーションによって、共通の物理ロケーションにおけるデバイスのレポートや統計情報を簡単に収集できます。Cisco WAAS Central Manager に登録された各 Cisco WAAS デバイスは、自動的にロケーションを割り当てられます。デバイスが同じロケーションを使用するよう設定されている場合、Cisco WAAS Central Manager を使用してグラフやレポートを設定し、特定のロケーションにおけるすべてのデバイスの累積データを表示できます。この収集機能により、シンプルかつ直感的な方法で、複数の Cisco WAAS デバイスにわたって最適化やトラフィック量を表示したり、クエリを実行したりすることができます。

自動登録


Cisco WAAS Central Manager は、Cisco WAAS デバイス登録において中心的なコンポーネントになります。この機能を使用すれば、顧客は初めにデバイスを若干設定するだけ、またはまったく設定することなく、Cisco WAAS を社内に広く導入できます。自動登録によって、Cisco WAAS デバイスは IP アドレスを自動的に取得し、Cisco WAAS Central Manager に自動的に接続できます。この導入モデルでは、顧客がブランチ オフィスの数千台の Cisco WAAS デバイスを、単一の一元型インターフェイスで設定および制御しつつ、管理しながら素早く展開できる柔軟性が生まれます。

自動検出


Cisco WAAS は自動検出機能を備えているため、透過的な統合、展開の簡素化、管理しやすさを実現します。Cisco WAAS の自動検出機能は、アクセラレータを自動検出して、複雑なオーバーレイ ネットワークの必要性を軽減します。また、ネットワーク インフラ チームは、ネットワーク設計への投資を最大限に活かすことができます。自動検出機能がなければ、管理者はピアツーピア関係を定義して最適化トンネルを手動で定義する必要があります。これは、広い環境においてスケーラブルではありません。

自動検出機能により、アクセラレータはまず、ピア アクセラレータが送信元と送信先の間のパケット フローのパスに存在するかどうかを確認します(図 8 を参照)。アクセラレータが 2 つ存在する場合、最適化ポリシーを透過的にネゴシエートしてから、アプリケーションのフローに適用します。ピア アクセラレータが存在しない場合、アプリケーションのフローは最適化しない状態のままで、変更なく通過します。ネットワーク インフラ チームは自動検出機能を使用することで、ルーティング ネットワークと同等またはそれ以上の管理が必要な複雑なオーバーレイ ネットワークを実装することなく、サービスを展開して WAN 上でのアプリケーション パフォーマンスを改善できます。

図 8 Cisco WAAS 自動検出

図 8 Cisco WAAS 自動検出


Cisco WAAS Central Manager のスケーラビリティと高可用性の設定


Cisco WAAS Central Manager は、企業のスケーラビリティのために設計されており、可用性が高く冗長な設定で展開できます。

スケーラビリティに関しては、ユーザは複数の Cisco WAAS Central Managers を展開し、台数に関係なく、展開した Cisco WAAS デバイスに合わせて拡張できます。Cisco WAAS 独自の自動検出プロトコルにより、Cisco WAAS デバイスは、いかなる Cisco WAAS Central Manager で管理されている他の Cisco WAAS デバイスも検出、最適化、相互運用できるよう簡単に設定できます。この独自の機能によって、管理の分離とセキュリティを維持しながら、ドメイン間や部署間だけでなく、会社間でも最適化が可能になります。

また高可用性に関して、Cisco WAAS Central Manager はアクティブ/スタンバイ設定で展開できます。1 台目の Cisco WAAS デバイスがプライマリ Cisco WAAS Central Manager として動作し、2 台目のデバイスがバックアップ用の Cisco WAAS Central Manager として動作します。このモードでは、バックアップ用の Cisco WAAS Central Manager として動作している Cisco WAAS デバイスが、Cisco WAAS トポロジにおける他の Cisco WAAS と同じように、プライマリ Cisco WAAS Central Manager から設定上の変更やモニタリング データを自動的に受け取ります。プライマリ Cisco WAAS Central Manager に障害が発生すると、トポロジにおける Cisco WAAS デバイスがセカンダリ Cisco WAAS Central Manager に自動的にリダイレクトされます。プライマリ Cisco WAAS Central Manager で収集されたモニタリング データは、セカンダリ Cisco WAAS Central Manager デバイス上で自動的に使用可能となります。

ロールベース アクセス コントロール(RBAC)


Cisco WAAS Central Manager では、管理グループが Cisco WAAS トポロジの必要な部分のみを制御できるよう、中央管理システムをプロビジョニングできます。ロールベース アクセス コントロール(RBAC)を使用すると、Cisco WAAS 管理者は管理ユーザ、ロール、ドメインを定義して、ユーザが表示および制御できる Cisco WAAS Central Manager の領域を指定できます。ユーザ アカウントやクレデンシャルは、各 Cisco WAAS デバイスにローカルで保存するか、または TACACS、RADIUS、Microsoft Active Directory などのサードパーティ認証サービスを使用して認証することができます。

図 9 を見ると、Cisco WAAS Central Manager のページに対してかなり詳細に権限を設定し、ロールを定義できることがわかります。このロールに割り当てられたユーザは、読み取り権限や書き込み権限を持つことになります。

図 9 Cisco WAAS Central Manager のロール定義により管理アクセスを詳細に制御

図 9 Cisco WAAS Central Manager のロール定義により管理アクセスを詳細に制御


デバイスやデバイス グループを指定するために、ドメインを設定することができます。これにより、ドメインに割り当てられたユーザは、特定の操作に対する権限を与えられます。たとえば、Cisco WAAS Central Manager 管理者は、特定のデバイス グループに関するアプリケーション ポリシーを作成および変更できるものの、システムに対するその他の変更は一切行うことができないロールとドメインをユーザに割り当てることができます。

図 10 に、管理ドメインに対するユーザの割り当てを示します。ここでは、デバイスの地理上のロケーションをもとに、特定のユーザがデバイス グループの管理に割り当てられています。

図 10 Cisco WAAS Central Manager の管理:管理ドメインへのユーザの割り当て

図 10 Cisco WAAS Central Manager の管理:管理ドメインへのユーザの割り当て


Cisco WAAS Central Manager による集中型ソフトウェア アップグレード


Cisco WAAS トポロジにおいては通常、各 Cisco WAAS デバイスが同じバージョンのソフトウェアを使用するよう設定されています。Cisco WAAS Central Manager におけるソフトウェアのインストールや管理システムなど、Cisco WAAS デバイス上にインストールされたソフトウェア バージョンを制御できる機能が多数搭載されています。Cisco WAAS Central Manager では、Cisco WAAS デバイスのネットワーク全体において、ソフトウェアを集中的に管理できます。Cisco WAAS Central Manager を使用すると、管理者は最大 10 種類のソフトウェア バージョンを定義でき、これは Cisco WAAS デバイスや、複数の Cisco WAAS デバイスを含むデバイス グループに選択的かつ個別に割り当てられます(図 11 を参照)。ソフトウェア バージョンをいったん定義すると、これは Cisco WAAS デバイス グループに配信され、自動的にインストールしたり、後で再起動したときに手動でインストールしたりできるようになります。

図 11 Cisco WAAS Central Manager で Cisco WAAS デバイスの集中型ソフトウェア アップデート サービスを実現

図 11 Cisco WAAS Central Manager で Cisco WAAS デバイスの集中型ソフトウェア アップデート サービスを実現


Cisco WAAS CLI


Cisco WAAS CLI では Cisco IOS ソフトウェア CLI と同様、コンソールへの接続または端末エミュレーション プログラムを通じて、管理者が Cisco WAAS デバイスを設定、管理、モニタリングできます。この強力な CLI により、素早く簡単にアクセスし、デバイスごとにトラブルシューティングを実行できます。ただし、Cisco WAAS Central Manager は、Cisco WAAS デバイスの主な設定、管理、モニタリング ツールであり、個別のデバイスよりもむしろグループでスケーラビリティや管理を実現します。可能な限り、CLI ではなく Cisco WAAS Central Manager GUI を使用してください。

図 12 を見ると、CLI では、使いやすい Cisco IOS ソフトウェア型のインターフェイスで、基本的なネットワーク設定を表示および変更できることがわかります。

図 12 Cisco WAAS CLI

図 12 Cisco WAAS CLI


システム ログと通知


Cisco WAAS デバイスは、Simple Network Management Protocol(SNMP)トラップ、SMTP 通知、システム ロギング(syslog)通知などのリモート通知機能をサポートします。Cisco WAAS デバイスは、最大 4 つの syslog サーバを使用するように設定できます。

SNMP 管理


Cisco WAAS は SNMP Version 1、2c、3 をサポートします。Cisco WAAS では、HP OpenView、IBM Tivoli NetView などの一般的に使用されているマネージャを含め、あらゆる SNMP 準拠マネージャに情報アラートやアラームを送信することができます。Cisco WAAS は複数の MIB をサポートしているため、管理者は、Cisco WAAS トポロジのあらゆる側面のモニタリングとトラブルシューティングを実行できます。

Cisco WAAS は、展開の状態やパフォーマンスをモニタリングするためのパラメータを、プライベート MIB と標準 MIB の両方にエクスポートします。

プライベート MIB は、以下を含め、Cisco WAAS 固有の情報を提供します。

  • ACTONA-ACTASTOR-MIB:透過的な CIFS 統計情報を提示
  • CISCO-CDP-MIB:Cisco Discovery Protocol で表示されるインターフェイスに関する情報を提示
  • CISCO-CONFIG-MAN-MIB:Cisco WAAS デバイスの設定にアクセスする方法を提示
  • CISCO-CONTENT-ENGINE-MIB:アラームやその他の通知イベントを提示
  • CISCO-ENTITY-ASSET-MIB:シリアル番号、発注時に使用する部品番号、ファームウェア バージョン、リビジョン ID など、ENTITY-MIB の項目に関する詳細情報を提示
  • CISCO-WAN-OPTIMIZATION-MIB:コネクション数、アプリケーションの状態、アプリケーションに関する統計情報、容量など、WAN 最適化固有の詳細な統計を含む

標準 MIB は、状態とプラットフォームに関する一般情報を取得するために使用され、次のものを含みます。

  • MIB-2 一般的なネットワーク統計情報(RFC 1213 および 1157):TCP/IP に基づくネットワークの基本管理用の重要なパラメータを含む
  • ホスト リソース(RFC 1514):ホスト コンピュータの管理に役立つ、共通のオブジェクト セットを含む
  • ENTITY-MIB(RFC 2737):デバイス内の物理エンティティや論理エンティティに関する情報を提示
  • EVENT-MIB(RFC 2981):ローカル システムやリモート システム上の MIB オブジェクトをモニタリングし、トリガーとなる条件と一致したときに簡単なアクションを取る機能を提供
  • SNMPv3 MIB(RFC 2571 〜 2576)

XML API


Cisco WAAS Central Manager が搭載する API により、アプリケーションを通じて、Cisco WAAS が収集したデータや情報と直接やり取りすることができます。この API は、システム開発者用のプログラム可能なインターフェイスで、カスタマイズしたモニタリングおよび管理アプリケーションや、サードパーティのモニタリングおよび管理アプリケーションと統合できます。

Central Manager モニタリング API は Web サービス実装です。クライアントとサーバの通信は、Simple Object Access Protocol(SOAP)または Service Oriented Architecture Protocol(SOA)標準に準拠します。この通信では、HTTP や HTTPS を使用してネットワーク上で XML ベースのメッセージが交換されるため、Cisco WAAS Central Manager と他のサードパーティ アプリケーションまたはカスタム アプリケーションとの間で、モニタリングやデータ交換を包括的に実行することができます。

まとめ


インフラの統合やアプリケーション高速化のためのソリューションを検討している IT 部門は、セキュアかつスケーラブルで簡素化された集中管理型のソリューションを探す必要があります。そのようなソリューションの目的は、単にコストの削減やパフォーマンスの向上ではなく、アプリケーションの配信管理プロセス全体を簡素化することであるべきです。Cisco WAAS は、セキュアかつスケーラブルで簡素化された集中管理システムを通してそのようなフレームワークを実現するため、IT 部門は統合型インフラを簡単に管理できるようになります。

関連情報


http://www.cisco.com/jp/go/waas を参照してください。

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