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LocalDirector: アプリケーション・アウェア・システムを介したハイアベイラビリティ

注意: 本製品は既に生産⁄販売を終了しております。


White Paper

LocalDirector: アプリケーション・アウェア・システムを介したハイアベイラビリティ





LocalDirector は、サーバ・ファームに実装されたミッションクリティカルな Web アプリケーションに対し、ハイアベイラビリティやクラスタリングを実現するソリューションです。LocalDirector で実行され、サーバ・クラスタリング・ソリューションとなる重要な機能とは、瞬間のアベイラビリティに基づいて、Web サーバおよびアプリケーションをサービス対象内または対象外に自動的および透過的に配置する能力のことです。これにより、Web アプリケーションやそのコンテンツが使用不可能であるかどうかが識別され、クライアントから使用可能なアプリケーションへのルートが透過的に決定されます。LocalDirector は、完全に Web アプリケーションアウェアであるため、サーバの動作状態を識別するには理想的なシステムです。

このシステムでは、アプリケーションの動作状態やアベイラビリティの検出、および新しいサーバへのルート検出に、スリーポイント・システムが使用されています。このシステムには、次の項目が含まれます。

1. クライアントとサーバ間の TCP(Transmission Control Protocol)ハンドシェイクのモニタリング

2. アクティブなコンテンツの検証

3. サーバが LocalDirector と直接通信するための DFP(Dynamic Feedback Protocol)の提供

TCP ハンドシェイクのモニタリング

LocalDirector では、クライアントとサーバ間の TCP/IP ハンドシェイクやデータ交換がポート・レベルまで監視され、アプリケーションのアベイラビリティが効率的に分析されます。アプリケーションが使用不可能になった場合、サーバを直ちに停止させ、使用不可能なサーバにクライアントがアクセスする確率を劇的に減らします。これは、ダウンしたサーバやアプリケーションにクライアントからデータが送信されないようにするために、管理者が最初に行う防御手段です。LocalDirector には、停止したアプリケーションを検出する強力な方式が用意されています。そのプロセスは透過的であるため、クライアントからダウンしたアプリケーションにデータが送信されることはほとんどありません最も重要なことは、TCP ハンドシェイクのモニタリングによって迅速な検出方式が提供されることです。つまり、システムでは定期的に行われるテストを待機していないことになります。

アプリケーションまたはサーバから要求への応答がない場合、あるいは TCP RST に応答中の場合、LocalDirector によりサーバが停止されます。実際のサーバから TCP RST への応答があるのは、次の 2 つの場合です。

  • 該当するタイプのトラフィックをサービスしているデーモンがダウンしている(たとえば、ポート 80 の HTTP(Hypertext Transfer Protocol)デーモンが停止した場合)。
  • サーバが混雑しているため、接続が受け付けられない。

LocalDirector では、TCP RST の値の量を追跡します。ユーザは、RST に対してしきい値を設定し、LocalDirector によりサーバがいかにすばやくアウト・オブ・サービスの状態になるかを測定できます。

また、LocalDirector では、データを送信していないサーバに送られる接続の数を制限できます。データ・コマンドで設定された応答のない接続の数に実サーバが達したとき、LocalDiretor では、仮想サーバにバインドされた他のサーバも、それらのしきい値の 80 パーセントのキャパシティに達しているかどうかがチェックされます。他のサーバもこの値に近づいている場合は、LocalDirector によりこのサイトが混雑しているとみなされ、サーバ接続は停止されません。RST の追跡方法と同様に、LocalDirector では適切な値が追跡され、サーバがいかにすばやくアウト・オブ・サービスの状態になるかを測定するためのしきい値を設定できます。

また、LocalDiretor では、停止したサーバが既存の接続(LocalDiretor によりサーバが停止される前に確立していた接続)のデータに応答する場合、このサーバをサービスできる状態に直ちに戻すことができます。LocalDiretor では、サーバをテスト・モードまたは伝送モードにして、このサーバが新しい活動中の接続に応答する場合は、サービス状態に戻します。サーバに新しい接続が受け付けられない場合(応答しない場合、または TCP RST に応答する場合のいずれか)は、その接続は再度失敗したとしてマークされます。

コンテンツの検証

LocalDirector CVS(Content Verification System)では、ユーザが定義またはカスタマイズできる HTTP 要求を使用して、Web サーバが予防的にプローブされます。CVS プローブによりアプリケーションが使用可能であるかどうかを非常に正確に判別でき、LocalDirector でクライアントから使用可能なサーバへのルートを再決定できるようになります。

ユーザは、仮想サーバに関連付けられた各実サーバに対して実行するコンテンツ検証プローブを設定できます。CVS では、Web サーバ、アプリケーション、およびコンテンツの状態の監視がプローブされます。

CVS プローブは、特定の Web サーバや関連するコンテンツに合わせることができる構成可能な状態テストです。多くのステップで構成できるプローブでは、サーバに対する特殊な HTTP 要求を作成し、ユーザ定義の達成基準に基づいて応答を評価します。プローブが失敗した場合、実サーバをサービス状態からはずすか、または警告メッセージの生成を指定できます。プローブは、仮想サーバ下にあるすべての実サーバに対し、ユーザが指定したスケジュールに従って自動的に実行できます。また、特定の実サーバに対してユーザが手作業で実行することもできます。

プローブの各ステップでは、サーバ上の特定の URL に対して次の項目をテストできます。

  • URL に対する要求が作成されたときのサーバの応答時間
  • 要求に特定のクッキーが存在する場合のサーバの応答
  • 特定のユーザ・エージェント(ブラウザのタイプ)に対するサーバの応答
  • URL へのアクセスを保護する HTTP に基づいた認証方式の正しい操作
  • URL が要求されたとき、サーバによって実行されるリダイレクション
  • サーバから返される内容の長さ
  • サーバから返される内容のタイプ
  • サーバから返されるコードのステータス
  • サーバから返される内容に特定の文字列の有無
  • サーバから返されるクッキーの有無とその内容

LocalDirector CVS には、プローブのステップを作成する使いやすいウィザードが用意されています。最初の数ステップでは、新しいステップの名前やプローブの対象となる URL の特性など、必須の情報を設定します。この最初の情報を設定したら [完了] ボタンをクリックし、プローブ作成の残りの部分をデフォルト状態にしたまま設定を完了します。デフォルト情報には、自動障害検出に関する典型的な Web エラー・コードの識別など、重要な情報が含まれています。CVS プローブでは、名前付けや高度な管理などを GUI(Graphical User Interface)を通して行うことができます。また、プローブやプローブのステップに、管理者にとって強力な手段となるブール論理を設定することもできます。

e コマースのサイトが複雑化し、複数の階層が実装されるようになるに従い、e コマース・サイトを正常に運用するために予防的なプルーブが必要になってきました。Web サーバ、アプリケーション・サーバおよびデータベース・サーバを含む、高度な 3 階層の e コマース環境では、特に重要です。これは、アクティブなコンテンツ検証により、Web サーバは稼働していてもアプリケーションがダウンしているか、またはデータベースが応答しないという状況を識別するためです。また、いずれかの階層でコンテンツが破損しているかどうかも識別できます。

Dynamic Feedback Protocol

Cisco DFP(Dynamic Feedback Protocol)は、サーバ向けのメカニズムで、LocalDirector のような IP ロード・バランシング用のデバイスに対して高度なフィードバックを提供します。これは、トラフィックがダウンしたアプリケーションに送信されず、正しいサーバへ送られるように、LocalDiretor の動作を確実にするための最も高度なメカニズムです。

サーバベースのエージェントでは、アプリケーションの状態、アベイラビリティ、および LocalDiretor への負荷の伝達に、DFP を使用できます。サーバ・エージェントの高度なフォームにより、QoS(Quality-of-Service)機能と負荷管理機能が提供されます。シスコの目的は、ネットワークと通信するサーバ・エージェントの採用を促進し、サーバ・フィードバック向けに広範囲に受け入れられる標準として DFP を確立することです。現在、DFP を提供しているのは、Hewlett-Packard、WebSpective Software、Sterling Software、および Platform Computing の各社です。

DFP は、IP ロード・バランシング決定の中で、サーバからフィードバックを提供して入力する、最初のプロトコル・システムです。サーバ・プラットフォームに複数のサーバ・エージェントが存在できることには、次のような利点があります。

  • サーバ・エージェントからシスコのネットワークに対し、サーバが混雑していることを通知できる
  • サーバ・エージェントからシスコのネットワークに対し、サーバが十分に使用されていないことを通知できる
  • サーバの負荷エージェントからネットワークに対し、指定した期間についてはサーバをロード・バランシングに使用すべきでないことを通知できる
  • サーバ・エージェントからネットワークへ、指定したアプリケーションを一般的なアプリケーションよりも優先するように指示できる。

サーバ・エージェントでは、特定のサービス(HTTP、VoIP[Voice over IP]、VoD[Video on Demand]、メールなど)を他のサービスに優先させるように、ネットワークに指示できます。

  • サーバ・エージェントにより、コンテンツ検証サービスを実行できる

シスコと DFP 提供者は、ビジネスに不可欠なアプリケーションやサービスに対し、ネットワーク・リソースとコンピュータ・リソースが常に使用可能な状態であるように協力しています。ネットワークとサーバ・リソースは確実に統合されています。その結果として、保証されたアプリケーションやサービスの配送に対し、帯域幅やコンピュータ・リソースを動的に割り当て、優先付けおよび確保する、シームレスで透過的なインテリジェント・ネットワークが実現します。ビジネスにとっての利点は、高い収益と低い経費、十分に利用された分散コンピューティング・インフラストラクチャへの投資、および今までにないサイトのアベイラビリティと信頼性です。

要約

LocalDirector では、クライアントが使用可能なアプリケーションに常に到達できるように、3 つのメカニズムが提供されています。TCP ハンドシェイクのモニタリングは、アプリケーションのダウンをすばやく認識し、使用可能なサーバへルーティングする、最初の防衛手段です。CVS は、実際の Web トランザクションを使用してアプリケーションの状態をチェックするプローブのメカニズムです。最終的にシスコでは、インターネット・エコシステムを構築するにあたって、サーバとネットワーク間の通信用 DFP を開発しました。これら 3 つのメカニズムにより、シスコでは、アプリケーションのアベイラビリティに対する最高のシステムを提供しています。


更新日:2001 年 8 月 10 日