アプリケーション ネットワーキング サービス

コンテンツ配布および配信サービスにおける Cisco Web Network Services

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White Paper

コンテンツ配布および配信サービスにおける Cisco Web Network Services





はじめに

インターネットの専門家によると、Web トラフィックは 100 日ごとに約 2 倍の速さで増加しています。主流となるビジネスに不可欠なアプリケーションにおいても、Web の活用範囲が広がり、安定した高速な Web パフォーマンスへの需要がますます高まっています。インターネットに渡る優れたコンテンツ配布および配信の実現は、Web のパフォーマンスと信頼性の向上に向けた革命的な一歩となります。コンテンツ配布および配信サービスとは、コンテンツをインターネットのエッジに配布する手段を提供するものです。これにより、コンテンツがユーザの近くに配置され、インターネットの帯域幅コストが軽減され、全体的な Web のパフォーマンスとコンテンツのアベイラビリティが向上します。

インターネット規模のコンテンツ配布および配信サービスは、Cisco CSS 11000 シリーズ・サービス・スイッチおよび Cisco Web NS(Web Network Services)ソフトウェアによって実現されます。Cisco Web NS を使用すると、サービス・プロバイダは、既存のコンテンツ配布および配信サービスを最大限活用し、特定用途のコンテンツ配布および配信を配備することができます。これにより、高収益サービスのチャンスが生まれ、サイトのパフォーマンスを向上させ、より優れたサービスをカスタマの Web ビジネスに提供できます。

コンテンツ配布および配信サービスの定義

あらゆるタイプのインターネット・コンテンツの配信を最適化することは、Web サービスおよびコンテンツ・プロバイダにとって重要な目標になっています。この目標を達成する手段として、コンテンツの配布および配信が「付加価値」ネットワークとして出現しました。このネットワークは、既存のインターネット・インフラストラクチャの上に構築され、コンテンツに基づくトラフィック・フローの処理、最適なサーバへの要求のルーティング、およびダイナミックなコンテンツの配備を行う新たな能力が備わっています。

コンテンツの配布および配信によって、情報の Web ユーザへの配布方法が変わりました。要求されているコンテンツを認識し、理解できるため、インテリジェントなトラフィック転送とコンテンツ配信が可能になります。また、Web コンテンツのアベイラビリティを確保することにより、情報のクライアントへの配布方法も変わりました。つまり、受動的なコンテンツの取得から、レイヤ 5-7 ポリシ、ユーザ ID、およびアプリケーションとコンテンツのアベイラビリティに基づくプロアクティブなコンテンツ配信への変化です。

コンテンツ配布および配信により、Web ビジネスは、コンテンツのターゲット・カスタマへの配信を加速することができます。インターネットのような従来の IP ネットワークでは、クライアント要求は、ネットワーク・アドレスに基づいて、単純にオリジナル・サーバに送信されます。一方、コンテンツ配布および配信では、需要の高いコンテンツをできる限り要求ユーザの近くに積極的にプッシュし、要求されているコンテンツにその時点で最適なサイトおよびサーバに各クライアント要求をルーティングすることにより、インターネットが補完され、拡張されます。これにより、Web ビジネスは、主に次の 2 つのメリットを得ることができます。

1.カスタマの満足の向上--需要の高いコンテンツをユーザの近くに積極的に配布することにより、応答時間が短縮され、Server Not Found エラーがなくなるため、カスタマを確実に確保できます。

2.Web リソースに対するより大きな管理コントロール--管理を向上させることにより、コンテンツ・パブリッシャの高プライオリティ・コンテンツ、アプリケーション、およびビジネス・イニシアチブを最適化できます。

コンテンツ配布および配信サービスの需要を高める要因

元の Web サイトのコンテンツは、Web ネットワーク内の原点サーバと呼ばれるローカル・ストレージに格納されます。コンテンツを原点サーバからインターネットのエッジにあるストレージ・デバイスに移動することにより、Web ビジネスは、経済を活性化し、Web サイトのパフォーマンスを向上させることができます。インターネットのエッジに分散された Web キャッシュを使用してコンテンツ要求に対するサービスを行うと、原点サイトにあるサーバから長距離通信回線を通じてコンテンツを提供する必要がなくなるため、通信コストが軽減されます。

分散されたキャッシュにコンテンツを移動すると、Web コンテンツがユーザの近くに配置されます。クライアントは、コンテンツにアクセスするためにインターネットを横断する必要がなくなるため、全体的な応答時間が改善され、ネットワーク・バックボーンのボトルネックも排除されます。コンテンツ配布および配信の力が発揮されるのは、この部分です。根本的に、コンテンツ配布および配信は、インターネット・コンテンツのエンド・ユーザへの配信を最適化する分散型ストレージ・ネットワークです。ネットワーク・キャッシュおよびサーバ側のコンテンツ管理ソフトウェアを組み合わせて利用すれば、コンテンツを複製してインターネットに渡って分散し、特定コンテンツの Web 応答時間を最適化できます。

インターネット・インフラストラクチャは、大まかにクライアント、ストレージ、およびネットワークの 3 つのカテゴリに分けることができます。これらの要素によってインターネット・インフラストラクチャ全体が構成されますが、コンテンツのアクセス時間を改善するには、それぞれで解決しなければならない課題が多数あります。

クライアント側では、アクセス速度を向上するために、デジタル加入者線(xDSL)、ケーブル・モデム、およびその他のアクセス手段を使用できます。ストレージ側では、アクセス時間を向上するために、サーバ・ロード・バランシング、コンテンツおよびサービス⁄アプリケーションのリダイレクション、およびリバース・キャッシュ・サーバが実装されます。

ネットワーク側でも、インターネット・コンテンツのエンド・ユーザへの配信を改善するために、インターネット「コア」と呼ばれる新たなソリューションが日々出現しています。現在、人気のあるコンテンツのためのインテリジェントなキャッシュ・サーバの配備から、コンテンツ要求を、そのコンテンツをホスティングする最短の Web キャッシュに透過的に送信する、高度に洗練されたキャッシングおよびコンテンツ検索サービスまで、さまざまなソリューションがあります。

コンテンツ配布および配信を実現、提供、実施するのはだれか

多くのベンダおよびサービス・プロバイダは、コンテンツ配布および配信の作成、実現、および実施に関わっています。Akamai、Sandpiper/Digital Island、および Adero は、コンテンツ・パブリッシャ(CNN、Disney、AOL、Viacom など)およびコンテンツ・アグリゲータ(Broadcast.com、Spinner など)にコンテンツ配布および配信の実施手段を提供するコンテンツ配信サービス・プロバイダです。

今日のコンテンツ配布および配信には、要求されたコンテンツに基づいて、スタティックな Web コンテンツをエンド・ユーザに配信するインテリジェントなソリューションが備わっています。Akamai など、サービス・ベースのコンテンツ配布および配信は、Web キャッシュを組み合わせて行われています。スタティックなコンテンツに対するユーザ要求は、コンテンツのレプリカが保持される最短のキャッシュに転送されるため、そのコンテンツをホスティングするオリジナル・サーバまでインターネットを横断せずに済みます。また、ホットなコンテンツは、高い需要が見込まれるさまざまなインターネット・アクセス・ポイントにあるサーバおよびキャッシュに複製されます。このようなサービス・ベースのコンテンツ配布および配信プロバイダは、サービス・プロバイダと提携し、ソフトウェア・ベースのコンテンツ配信サービスをサービス・プロバイダの設備に配備しています。このアプローチは、コンテンツ配布ネットワークを独自に構築するコストを被ることなく、コンテンツ・パブリッシャがコンテンツをターゲットにすばやく配備できる方法として、市場の大きな支持を得ています。

先進のインターネット規模のコンテンツ配布および配信サービスを提供すると、Web コンテンツを配信する際の応答時間を向上できる以上の効果があります。つまり、さらに広範なアプリケーションを統合し、Web ホストおよびサービス・プロバイダを単一の「ワン・ストップ・ショップ」に調整し、ターンキーごとにパッケージ全体をサービスレベル保証とともに提供できるわけです。

Internet Research Group が 2000 年 5 月に発行したレポートによると、コンテンツ配信サービスの世界市場は、2003 年までに 40 億ドルにまで成長します。シスコシステムズは、シスコのコミュニケーション製品を通じ、Web ホストおよびサービス・プロバイダが洗練されたコンテンツ配信ネットワーク・サービスをカスタマに提供することのできるテクノロジーの構成要素を提供します。シスコのソリューションにより、ハイエンドのアプリケーションおよび Web ホスティング企業は、競合他社とは差別化されたサービスを配備し、ホスティング・カスタマからより高い満足を得て、新たな収益の流れを作り出すことができます。さらに、このテクノロジーにより、従来のサービス・ベースのコンテンツ配布および配信にとらわれない、いっそう強力なサービスを実現できます。Cisco Web NS ソフトウェアを通じ、シスコは、コンテンツ・ベースのスイッチングとルーティング、およびダイナミックなコンテンツの配布と複製を実行する、コンテンツ・スマートなインターネットを実現し、インターネットに渡ってグローバルなコンテンツ・ネットワーキングを迅速に配備する機能を提供します。

コンテンツ配信サービスにおける Cisco Web NS

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチの心臓部には、Cisco Web NS ソフトウェアがあります。このソフトウェアは、カスタマが電子商取引、Web ホスティングおよび ASP(Application Service Provider)、およびコンテンツ配布および配信に Web を最大限に活用できる設計となっています。

Cisco Web NS ソフトウェアでは、業界で最も包括的な URL(Universal Resource Locator)および cookie ベースのスイッチングが行われます。ネットワーク管理者は、カスタマまたはコンテンツごとにサービス契約を確約し、得意先カスタマにプレミアム・サービスを提供し、ストリーミング・オーディオ⁄ビデオ、ディスタンス・ラーニング、およびインターネット・オーディオ⁄ビデオ放送を行うコンテンツ配信サービスを配備できます。また、IP アドレス、SSL(Secure Sockets Layer)セッション ID、および cookie に基づく「持続的な」接続がサポートされるため、電子商取引トランザクションの信頼性とセキュリティが確保されます。さらに、Cisco ArrowPoint のコンテンツ・レプリケーション・テクノロジーにより、「ホット」なコンテンツに見られる突然の「フラッシュ・クラウド」や、サーバを陥れる季節的なピーク・トラフィックが発生しても、サイト・キャパシティをダイナミックに拡張することができます。

Cisco CSS 1100 シリーズ・スイッチでは、特許を取得したコンテント・スイッチング・テクノロジーを備えた Cisco Web NS ソフトウェアを実行することにより、次の内容が認識されます。

  • HTTP(Hypertext Transfer Protocol)ヘッダ内のユーザの cookie を完全に確認できるため、カスタマがだれであるかを判断できます。
  • カスタマが要求している情報またはトランザクションを判断できます。
  • ユーザとの距離、ネットワーク、アプリケーション、およびサーバの状態に関する包括的かつ最新の情報に基づき、グローバルに分散された Web インフラストラクチャ内でカスタマへのサービス提供に最善の場所を判断できます。

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、完全 URL や要求ごとにヘッダ内を移動する cookie など、TCP や HTTP に組み込まれている情報にアクセスできます。この情報によって、先進のロード・バランシング、要求のルーティング、セキュリティ(サービス拒否およびアクセス制御)、重要なカスタマ向けの優先アクセス、および持続的な接続が実現されます。Cisco CSS 11000 スイッチは、コンテンツ・ベースのスイッチングのために設計されており、カスタマの要求に対し、URL 全体と cookie を使用してその時点で最適なサイトおよびサーバを選択する唯一のスイッチです。

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチは、次世代 Web ネットワーク・サービスの実現を目指して開発されました。多様な「ビジネス・キラー」を排除することによって、インターネット規模の Web コンテンツ配信や電子商取引の普及を促進し、Web ホストおよび ASP に大きな収益増加の流れを作ります。

インターネット規模のコンテンツ配布および配信を実現するシスコ・ソリューション

Web ホストおよびサービス・プロバイダは、すでに Web ホスティング・データ・センタ、ネットワーク、および各自のサイトまでのアクセス・ネットワーク・インフラストラクチャなどの設備に大きな投資を行っているため、改良されたコンテンツ配布および配信サービスによるメリットを得ることができます。また、これらのサービスをカスタマに提供できる立場にあります。インターネットに接続されているこれらのデータ・センタは、コンテンツ配信ネットワークのコンテンツ配布または集約ポイントに最適です。Web ホストおよびサービス・プロバイダは、Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチを、クライアントと原点サーバの間に設置されたキャッシュ・サーバと組み合わせて運用することにより、特定のコンテンツをユーザの近くにプッシュすることができます。

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、分散型の非常に正確でスケーラブルな近接サービスが提供されます。サービス・プロバイダは、高価値のコンテンツ配布および配信を、非常に大規模なグローバルな配備に向けて提供できます。また、Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチには、地理的に分散した IP サービスのためのネットワーク・ルータ・ホップ、遅延、またはサイトのアベイラビリティを使用したダイナミックなネットワーク近接機能、および組み込みのスタティックなネットワーク近接機能が備わっています。ダイナミックな近接機能により、これらのスイッチで、要求されているコンテンツに基づき、コンテンツ要求をトポロジ的に近い最適なサーバに送信できます。

サービス・ベースのコンテンツ配布および配信とシスコのコンテンツ配布および配信ソリューションの大きな違いは、グローバルにコンテンツ配信サービスを提供できることです。サービス・ベースのコンテンツ配布および配信では、サービス・プロバイダと提携し、各サービス・プロバイダの設備にある Web キャッシュにソフトウェアをインストールすることによって、地理的に分散した設備にコンテンツ配信サービスを配備します。これにより、仮想的なコンテンツ配布および配信が確立されますが、料金請求は帯域幅に基づいて行われるため、サービス収益を分配することになります。Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチを使用すると、サービス・プロバイダおよび Web ホストは、各自が所有する分散されたデータ・センタまたは PoP(Points of Presence)を通じてコンテンツ配信サービスを提供できます。また、コンテンツ配信サービスを、すでに配備されている広範な管理型サービスに付加し、固定料金でこれらのサービスを提供できます。これにより、サービス・プロバイダおよび Web ホストは、アプリケーション、Web ホスティング、およびコンテンツ配信サービスすべてにサービスレベル保証を行う、インターネット上の「ワン・ストップ・ショップ」を展開できます。

コンテンツ配布および配信における Web NS

今日のコンテンツ配布および配信には、要求されたコンテンツに基づいて、スタティックなインターネット・コンテンツをエンド・ユーザに配信するインテリジェントなソリューションが備わっています。Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチング・ソリューションを使用すると、Web ホストおよびサービス・プロバイダは、カスタマに向けて競争力のあるコンテンツ配信ネットワーク・サービスを配備して収益を伸ばし、外部のパートナとサービス収益を分配せずに済みます。シスコ・ソリューションによって実現される新たなコンテンツ配信サービスを図 1 に示します。


図 1:コンテンツ配布および配信における Web NS

図 1:コンテンツ配布および配信における Web NS
インテリジェントなリソースの選択

Cisco Web NS ソフトウェアを装備した Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチには、高い競争力を備えたコンテンツ配布および配信サービスをすばやく展開し、用途に合わせて調整したコンテンツ配布および配信を配備するために必要なコンテンツ・スイッチング能力が備わっているため、高価値サービスの可能性が広がり、カスタマのグローバル Web ビジネスに対応できる優れたサイト・パフォーマンスを備えることができます。

URL、cookie、ネットワークおよびサーバの負荷とアベイラビリティに加え、シスコの近接機能によって Cisco Web NS の機能が拡張されるため、あらゆるコンテンツ要求に対して、ユーザの場所に基づいた最適なサイトおよびサイトの選択が可能になります。このサービスは、ユーザを、要求されているコンテンツの供給が可能な最短のサーバにダイナミックにルーティングすることによって行われます。

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチが備える先進のコンテント・ポリシ・エンジンをコンテンツ配布および配信設備に渡って展開することにより、これらの仮想近接サービスでは、非常に大規模なインターネットに渡る配備に対して、分散型の非常にスケーラブルで正確なソリューションが提供されます。また、改良バージョンのシスコの CAPP(Content and Application Peering Protocol)により、分散された Web スイッチ同士でグローバルな近接情報をリアルタイムに交換できるため、あらゆるコンテンツ要求に対して完全で正確な近接情報を使用できます。このソリューションが備える優れた近接サービスでは、200 万のネットワーク・アドレス・ブロック、400 以上のデータ・センタ、および実質的に無制限数のサーバがサポートされるため、トラフィックが増加した場合には、コンテンツ配布および配信をスケーリングすることができます。

Cisco Web NS の近接機能を、発生しつつあるフラッシュ・クラウドを検出し、リアルタイムにホットなコンテンツを複製して、ダイナミックに Web サイトをスケーリングするシスコのコンテンツ・レプリケーション機能と組み合わせて実行することにより、シスコ製品では、インターネット規模のコンテンツ配布および配信の作成とプロビジョニングが可能な包括的なソリューションが提供されます。

最適パスによる分散型コンテンツ配信

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、NAT ピアリングにより、URL またはファイル・タイプ、地理的な距離、およびサーバ⁄ネットワークの負荷に基づいて、要求が要求コンテンツに最適なサイトに送信されるため、DNS(Domain Name System)ベースのサイト選択の制約や HTTP リダイレクトのオーバヘッドを回避できます。Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、コンテンツ要求を受信したときに、そのコンテンツをホスティングするキャッシュまたはサーバがダウンしているか混雑している場合、その他の POP に配備されているピア(つまり、その他のシスコ・スイッチ)間でやり取りされた情報から最適なサイトとサーバが見つけられます。最適な宛先サイトが判断されると、要求はそのサイトに送信され、送信元 IP アドレスは、そのコンテンツが属する場所で「新しい」IP アドレスに変換されます。また、シスコの NAT ピアリングでは、クライアントの元の送信元 IP アドレスも保持されるため、新しいサイトからクライアントに直接応答を返すことができます。このとき、NAT ピアリングは「三角形分割プロトコル」として機能し、応答を最短インターネット・パスでユーザに直接配信できるため、さらに応答時間を最適化することができます。

キャッシュ・アクセラレーション・サービス

従来のプロキシ、トランスペアレント、およびリバース・プロキシ Web キャッシュでは、頻繁に要求されるコンテンツをすべて格納しようとします。これは、キャッシュ・サーバの最大活用または特定カスタマのコンテンツ配信の最適化によって収益増加を目指すサイトにとっては、大きな問題です。Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、特定のトラフィックのキャッシュへの組み込み、除外(バイパス)、またはブロックを設定できる「コンテント・ポリシ」に基づいてトラフィックが送信されるため、サイト・パフォーマンスの向上が可能な新たな管理型サービスを作成できます。

  • バイパス・ポリシ--Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチは、キャッシュできないコンテンツ要求に対して、トランスペアレント・キャッシュにインテリジェントなキャッシュ・バイパスを実行するように設定できます。通常、キャッシュできない(つまり、ダイナミックな)URL がキャッシュに送信されると、キャッシュによって、要求されているコンテンツがキャッシュできないものであることが判断され、このコンテンツがオリジナル・サーバから読み出され、さらに応答をクライアントに戻されますが、この処理の間に大きな遅延が生じます。このシナリオでは、キャッシュがボトルネックとなり、キャッシュ・リソースは効率的に使用されません。一方、Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチが備えるインテリジェントがキャッシュ・バイパス機能では、ダイナミックなコンテンツの要求処理からキャッシュがはずされるため、キャッシュのパフォーマンスが 4 倍も向上します。詳細については、www.arrowpoint.com/solutions/white_papers/renaissance.html をご覧ください。

NAT ピアリングでリバース・プロキシを実行するスイッチの能力によっても、ダイナミックなコンテンツやその他のキャッシュできないコンテンツに対して、リバース・プロキシ・キャッシュをインテリジェントにバイパスできます。電子商取引トランザクション、株式相場、Active Server Pages、および CGI(Common Gateway Interface)フォームなどのダイナミックなコンテンツは、キャッシュ・サーバにキャッシュできません。キャッシュできるのは、スタティックなコンテンツだけです。キャッシュ可能なコンテンツには、GIF(Graphics Interchange Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、および PDF ファイルなど、頻繁には変更されない大容量のスタティック・オブジェクトがあります。

  • 組み込みポリシ--コンテント・ポリシを作成することによっても、特定カスタマのコンテンツの配信を最適化できます。これにより、Web ホストは、差別化サービスに対する料金請求を行うことができます。たとえば、地域ケーブル・ネットワーク・プロバイダは、Boston Globe のコンテンツに対するキャッシュ可能な要求を、それ自身のネットワークにあるキャッシュに向け、その他すべての要求をバイパスすることによって、Boston Globe の Web サイトのコンテンツ配信を最適化することができます。
フラッシュ・クラウド保証

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチは、発生しつつあるフラッシュ・クラウドを検出し、リアルタイムにホットなコンテンツを複製して、ダイナミックに Web サイトをスケーリングする機能を備えた初のソリューションです。Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、コンテンツ要求を追跡し、ホットなコンテンツを特定し、このコンテンツと関連するリンクをオーバフロー Web サーバまたはキャッシュに複製する、コンテンツ・レプリケーションと呼ばれる固有な機能が提供されます。Web スイッチでは、トラフィックの急増を処理する際に、フラッシュ・クラウドと、smurfs、SYN フラッド、および ping フラッドなどの一般的なサービス拒否攻撃との違いを認識できます。コンテンツ・レプリケーションは、Cisco CSS スイッチだけが備えるサービスです。プレミアム・カスタマは、Web 応答時間に基づくサービスレベル保証契約を確約し、Web サイトのヒット状況にかかわらず確実に利用できるキャパシティを確保できます。

コンテンツ・レプリケーションでは、しきい値イベントが発生すると、オリジナル・サーバからオーバフロー・サーバまたはキャッシュにコンテンツがダイナミックに移動されます。たとえば、www.arrowpoint.com/xyz.htm のコンテンツに対して毎秒 100 を越える要求が行われた場合に、このコンテンツをオーバフロー・サーバに複製する、というしきい値を定義できます。シスコのソリューションとその他のロード・バランシング⁄Web スイッチング・ソリューションとの大きな違いは、Cisco CSS スイッチによって複製されるのが「ホット」なコンテンツに関連するファイルだけで、そのサイトに関連したファイル・システム全体ではないことです。競争力のあるソリューションには、ディレクトリ構造全体の「ミラーリング」が必要とされますが、ディレクトリ構造全体をキャッシングすることによって、大量の帯域幅が消費されるため、効果的なプロセスとは言えません。

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、ホットなコンテンツをネットワーク内の複数の場所に複製できるほか、更新されたコンテンツのリモート・サイトへの配布を管理できます。また、ホットなコンテンツを、分散したデータ・センタ内、あるいはピアリング・ポイントにあるキャッシュやオーバフロー Web サーバに複製するように設定できます。このとき、コンテンツをローカル・キャッシュまたは分散されたキャッシュに複製できるため、Web ホストおよびサービス・プロバイダは、カスタマにフラッシュ・クラウド保証サービスを提供できます。このアプローチにより、保守が必要なファイル・システムがなくなり、トラフィックが落ち着いた後にレプリカを「除去」する必要がないため、管理作業が単純化されます。

コンテンツのステージングと複製

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチを、Web サーバやリバース・プロキシ・キャッシュなどの分散型ファイル・システムと組み合わせて運用すると、コンテンツ・レプリケーション機能が提供されます。サービス・プロバイダは、サービスに合わせて調整されたコンテンツのプロビジョニングなど、新たな先進のサービスを作成することができます。分散コンフィギュレーションでリバース・プロキシ・キャッシュを使用すると、特定のコンテンツを積極的に複製できるため、カスタマの応答時間を向上させ、すべてのリモート・コンテンツに対してより大きなホスティング収益をあげることができます。サービス・プロバイダは、サービスに合わせて調整されたコンテンツ・プロビジョニングにより、ハイエンドのカスタマに対して、特定の需要の高いコンテンツをネットワーク内に設置されたキャッシュに積極的に複製する機能を提供し、サブスクライバまたはターゲット・ユーザの応答時間を向上させることができます。

Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、特定のコンテンツ・セットのパブリッシャとサブスクライバを定義することにより、コンテンツのステージングとレプリケーションが行われます。このスイッチでは、FTP(File Transfer Protocol)または HTTP POST(Power-On Self Test)方式で、コンテンツをパブリッシャから複数のサブスクライバに複製できます。複製は、特定コンテンツに対する要求頻度に基づいてダイナミックに開始できるため、フラッシュ・クラウド保証が可能になります。ただし、配布したコンテンツは、同期化し、常に最新の状態に保つ必要があります。

Cisco CSS 11000 サービス・スイッチでは、コンテンツを複製を、時刻や CLI(Command-Line Interface)コマンドに基づいて開始することも、コンテンツが変更されたときにダイナミックに開始することもできます。このとき、Web スイッチにより、パブリッシャ・サーバにある HTTP ファイルのファイル作成情報が読み取られ、これをサブスクライバにあるファイルと比較することにより、新しいコンテンツのアベイラビリティが確認されます。その後、ローテーションからサブスクライバを順に取り出して新しいコンテンツで更新し、このサーバを使用可能ステータスに戻すことによって、複数のサブスクライバを順番に更新できます。

カスタマの例--Exodus ReadyCacheサービス

複雑なインターネット・ホスティング・サービスの先進プロバイダである Exodus Communications では、現在、Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチング・ソリューションを活用して、洗練されたコンテンツ配信ネットワーク・サービスをカスタマに提供しています。Exodus の ReadyCache コンテンツ配布サービスでは、配備されているキャッシュの数にかかわらず、頻繁にアクセスされるコンテンツをダイナミックに複製できるため、パフォーマンスが向上し、コンテンツ・プロバイダの収益チャンスが広がります。Exodus では、Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチを使用して、SharperImage.com などのカスタマに向けた ReadyCache コンテンツ配布サービスを実現しています。

Cisco CSS Web スイッチによって Exodus の ReadyCache クラスタが用意され、頻繁にアクセスされるデータを Exodus IDC(Internet Data Center)から Exodus ネットワーク全体に地理的に分散させることにより、コンテンツ配信を最適化する能力が改善されます。ReadyCache では、エンド・ユーザがローカル・サーバにあるキャッシュ・データにアクセスできるようにすることにより、Exodus のカスタマは、予測外の需要の増加に備えてコンテンツをより高速に、また効果的に配布できます。Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、人気のあるコンテンツを複製し、キャッシュできないコンテンツに対する要求を、キャッシュを迂回してオリジナル・サーバに直接送信することにより、Exodus のキャッシュ・クラスタが改良されています。また、突然人気の出る「ホット」なコンテンツを需要に応じて自動的に複製することにより、フラッシュ・クラウドにも対応できます。


図 2:Exodus ReadyCache サービス

図 2:Exodus ReadyCache サービス

Exodus では、Cisco CSS 11000 サービス・スイッチを使用してコンテンツ配信ネットワーク・サービスを実装することにより、次のサービス・メリットを提供できるようになりました。

  • スケーラビリティ--スケーラビリティにより、コンテンツ・プロバイダは、ネットワークをスケーリングして、トラフィックの増加に対処できます。ハードウェアを追加する必要がなく、Web サイトをミラーリングするコストも発生しません。
  • フラッシュ・クラウド保証サービス--ホットなコンテンツによる過負荷およびフラッシュ・クラウド保証サービスにより、Exodus は、大量なトラフィックの発生や負荷のピーク時でも、高速で安定した配信および配布を保証できます。
  • ユーザが常に快適に利用できる環境--インテリジェントなキャッシュ・バイパスおよび NAT ピアリングにより、コンテンツがキャッシュで見つからない場合には、オリジナル・サーバからキャッシング・サーバにコンテンツを読み込む高速パスが提供されます。
  • 遅延の軽減とパフォーマンスの向上--人気のあるコンテンツを Exodus ネットワークのエッジに配置することにより、遅延とパフォーマンスが改善され、オリジナル・サーバの負荷が軽減されました。
  • セキュリティ--セキュアなアクセスは、公衆網を通じた Telnet コンソール・アクセスに強力な暗号化を実装する SSH(Secure Shell Protocol)のサポートにより実現されています。
コンテンツ配布および配信サービスの未来

サービス・ベースのコンテンツ配信ネットワークが、Web ネットワークの補完サービスに過ぎないことを理解することが重要です。サービス・ベースのコンテンツ配布および配信では、特定のコンテンツに対する需要が増加すると、スタティックなコンテンツがリモート・コンテンツ・サーバまたはキャッシュ・サーバに移管されます。ただし、ダイナミックなコンテンツに対しては何の効果もありません。インターネットの専門家によると、今日のコンテンツ・ページの 40 から 50 パーセントはダイナミック・ページであり、Web サイトのパーソナライズの重要性が増すにつれ、その割合は増加していきます。

Web ホストおよびサービス・プロバイダが前進するには、洗練されたインターネット規模のコンテンツ配信ネットワーク・サービスを提供できる、インテリジェントな Web ソリューションが必要です。将来的に、コンテンツ配布および配信サービスでは、多様なコンテンツ・タイプが処理され、オンデマンド・ストリーミング・ビデオ⁄オーディオ、パーソナライズされたコンテンツ配信、ダイナミックなアプリケーション配信、および XML(Extended Markup Language)に基づく複雑なコンテンツなど、さらに進んだサービスが提供されることになるでしょう。洗練されたコンテンツ配信ネットワーク・サービスの作成に必要となる主な要素には、次のものがあります。

  • コンテンツのレプリカを要求クライアントの近くに格納する機能--これは、スタティックなコンテンツ・ページのコピーをリモート・サーバに格納するか、キャッシュ・サーバと組み合わせて運用することにより実現できます。
  • オリジナル・サーバのコンテンツ・ページをレプリカ・サーバまたはキャッシュに同期化する機能--これは、変更が発生した場合にサーバ側で新しいコンテンツをキャッシュにプッシュするか、コンテンツに対する需要が増加した場合にキャッシュ・サーバで原点サーバからコンテンツを複製することにより実現できます。
  • ソフトウェア近接エンジン--このエンジンでは、DNS ネーム解決要求を代行受信し、特定のコンテンツを最短のコンテンツまたはキャッシュ・サーバにバインドできます。
  • 管理フレームワーク--このフレームワークでは、コンテンツ配布および配信ユーザまたはサービス・プロバイダが、必要に応じてコンテンツの配布を監視、管理、または制御できます。
まとめ

Cisco Web NS ソフトウェアを装備した Cisco CSS 11000 シリーズ・スイッチでは、今日のインターネット規模のコンテンツ配信ネットワークの構築に必要となるインテリジェントなスイッチング・テクノロジーが提供されます。このソリューションにより、Web ホストおよびサービス・プロバイダは、それぞれの提供サービスを最適化し、これらのサービスから最大限のサービス収益を得ることができます。

コンテンツ配信ネットワークを構築するためのシスコ・ソリューションには、次のものがあります。

  • 非常に大規模でグローバルな配備に向けて高価値のコンテンツ配信ネットワークを構築するための、分散型の非常に正確でスケーラブルな近接サービスを提供します。
  • Web ホスティング・カスタマによる、オフザシェルフ・テクノロジーを使用した独自のインターネット規模のコンテンツ配信サービスの作成を可能にします。
  • スタティック、ダイナミック、電子商取引、およびストリーミング・メディアなど、あらゆるタイプのトラフィックのコンテンツ配信を加速します。
  • オンデマンドのコンテンツ複製機能により、常にコンテンツの新鮮さを維持します。
  • コンテンツ配信ネットワークのための構成要素として機能するため、パートナおよびカスタマにより開発されたコンポーネントとの統合が可能です。
  • オリジナル・サイトでコンテンツを管理することにより、新たなサービスを提供します。
  • コンテンツをまったく修正することなく、あらゆるパブリッシング環境をサポートします。

更新日:2001 年 8 月 27 日