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シスコのコンテンツ・ルーティング・プロトコル


White Paper

シスコのコンテンツ・ルーティング・プロトコル





現在急速に発展しているインターネットにおいて、IP ネットワーキングは基礎となる役割を果たしています。しかし、発展するにつれてインターネットではコンテンツレベルの情報が必要とされるようになります。コンピュータ・システムに対する要求ではなく、コンテンツ要求の最適化が必要とされています。

コンテンツ情報を提供するキーとなるサービスには、次の項目が含まれます。

1. コンテンツ・ルーティング

2. コンテンツに対するトラフィックの優先順位付け

3. 経済的にスケールを行い、予測不可能なフラッシュの混雑に対して適切に対応するサービス

4. コンテンツ要求を追跡し、コンテンツのアップデートや複製に対応できる機能

いくつかの例を示します。

シスコは、コンテンツ・ルーティング・プロトコルのホストを提供し、それにより企業および ISP(Internet Service Provider)は一様なコンテンツ配送ネットワークを構築できます。これらのプロトコルにより、シスコのネットワーク製品間でコンテンツの状況についての通信ができます。Cisco IOS(R) ソフトウェア、LocalDirector、Content Router、および Cache Engine は、コンテンツ・ルーティング・プロトコルを実装できるプラットフォームの例です。これらのプロトコルには、シスコの一連の製品を結合したシステムとして動作できるようにする DRP(Director Response Protocol)、DFP(Dynamic Feedback Protocol)、WCCP(Web Cache Control Protocol)、および BCP(Boomerang Control Protocol)が含まれ、強固なコンテンツ配送サービスを可能にします。

この文書では、各コンテンツ・ルーティング・プロトコルについての説明と位置付けを行います。

DFP(Dynamic Feedback Protocol)

DFP(Dynamic Feedback Protocol)では、サーバや他のネットワーク機器にある有効な情報を、ロード・バランシング・デバイスから使用できるようにしています。DFP をローカルまたはグローバルなロード・バランシング環境で使用すると、負荷やアベイラビリティに関する統計的な情報を SLB(Server Load-Balancing)デバイスに返す機能がサーバに与えられます。また、DFP により、アプリケーション・システムまたはサーバ自身のアベイラビリティの相対的な重み付けについて、サーバが通知できるようになります。重み付けは、それぞれの実サーバに動的に報告されます。この実サーバは、SLB デバイスで表現されるときには、仮想アドレスによってサポートされます。DFP により拡張された SLB システムにより、アプリケーションのアベイラビリティと、システム・キャパシティ全体が向上します。

DFP は 2 つのコンポーネントで構成されています。DFP サーバと DFP マネージャです。DFP サーバはデバイスであり(ソフトウェアまたはハードウェア)、サーバの処理能力に関するステータス情報を収集し、これを DFP マネージャに報告します。このエージェントは実際のサーバ上または別のサーバ上に配置され、複数のサーバの情報を収集して統合し、その後、この情報を報告します。DFP マネージャは SLB デバイスのコンポーネントであり(ソフトウェアまたはハードウェア)、複数のサーバ上のネットワーク・トラフィック(負荷)を積極的に監視し、分散させます。

DFP は、多数の製品でサポートされています。Cisco LocalDirector、Cisco Distributed Director、Catalyst(R) 4840G、および Cisco IOS SLB 付属の Catalyst 6000 では、DFP マネージャとして動作できます。つまり、DFP サーバは、これらの製品に対して負荷やアベイラビリティのメトリックを送信できます。さらに、Cisco LocalDirector は DFP サーバとして動作し、負荷およびアベイラビリティに関する情報を Cisco Distributed Director へ送信できます。この構成により、LocalDirector の負荷に基づいたグローバルなロード・バランシングが可能になり、サイトのフェールオーバの実装を向上させることもできます。

シスコでは、DFP 対応のアプリケーションの開発を促進するため、独立ソフトウェア・ベンダと活発な提携を行ってきました。現在、シスコは、Allaire、Computer Associates、Hewlett-Packard、Inktomi、および Platform Computing の各社と提携しています。各企業により、DFP を介して、負荷およびアベイラビリティに関する情報をシスコのロード・バランシング・ソリューションに提供する製品が開発されています。

DRP(Director Response Protocol)

DRP(Director Response Protocol)により、Cisco Distributed Director ではグローバルな負荷分散とコンテンツ・ルーティングを高度な方式で実行できます。この方式とは、サーバのアベイラビリティ、クライアントとサーバ間のトポロジ的な近接(「距離」)、およびクライアントとサーバ間のリンク待ち時間を調べ、「最適な」サーバを決定するものです。Distributed Director は、ネットワーク・インフラストラクチャの中でルーティング・テーブルの情報を使用することにより、エンド・ユーザのサービス要求を最も近いサーバに透過的にリダイレクトします。このサーバは、クライアントとサーバ間のトポロジ的な近接、あるいは、クライアントとサーバ間のリンク待ち時間(ラウンドトリップ時間)、およびその両方から決定され、この結果、エンド・ユーザから見たアクセス・パフォーマンスが向上します。

Cisco Distributed Director では、DRP を使用して、DRP に対応したシスコのルータからルート・テーブル情報を収集します。つまり、DRP によってシスコのルータがルーティング情報を Cisco Distributed Director に通知できます。DRP サーバ・エージェントになるには、DRP サーバ・エージェントのソフトウェア・コンポーネントが含まれている適切な Cisco IOS ソフトウェア・リリースを実行するルータが必要です。

Cisco Distributed Director では、2 つのタスクが実行されます。最初に、ネットワーク内の DRP エージェントに対し、BGP(Border Gateway Protocol)および IGP(Interior Gateway Protocol)のルーティング・テーブル・メトリクスについて、DRP を使用して問い合わせます。これにより、分散サーバ間の関係が定義され、クライアントとサーバのトポロジ的な近接が判断されます。クライアントとサーバ間のトポロジ的な近接に関する DRP メトリックが使用されているとき、DRP サーバのエージェントは、通常はボーダ・ルータ(Distributed Director のサービス分散に必要とされる分散エンド・サーバをサポートする BGP 対応のルータ)へのピアになっています。Distributed Director では、BGP および IGP 情報に基づいて決定が行われます。トポロジ的な近接メトリックが使用されている場合、すべての DRP サーバ・エージェントは、完全な BGP および IGP のルーティング・テーブルにアクセスしています。

Distributed Director が実行する 2 番目のタスクは、クライアントとサーバ間のラウンドトリップ時間のメトリックについてフィールド内の DRP エージェントに問い合わせることです。DRP エージェントは、分散サーバとクライアント間のラウンドトリップ時間(リンク待ち時間)の判断にも使用されます。この情報を使用することで、Distributed Director では、クライアントのトラフィックをクライアントとサーバ間のリンク待ち時間が最も短いサーバにリダイレクトできます。これにより、クライアントから見たエンドツーエンドのアクセス・パフォーマンスが最大化されます。DRP サーバ・エージェントでは、DRP ラウンドトリップ時間メトリックを自身で使用しているときは、完全な BGP および IGP ルーティング・テーブルにアクセスする必要がありません。

Web Cache Communication Protocol

シスコの WCCP(Web Cache Communication Protocol)は、1997 年に初めて導入され、キャッシング・ソリューションをネットワークにシームレスに統合するよう設計されています。WCCP では、透過的な Web キャッシュのリダイレクションを提供しています。これは、競合するレイヤ 4~7 スイッチが提供するものに類似しています。ただし、WCCP では、標準の Web キャッシュ・リダイレクションに、数多くのキーとなる利点が提供されています。

  • スケーラビリティ - この機能により、最大 32 台のキャッシュ機器によるクラスタが可能になる。キャッシュ機器のいずれかに障害が発生した場合、その負荷は残りのデバイスに自動的に再分散されます。すべてのキャッシュ機器に障害が発生するなどの考えにくい場合でも、トラフィックは自動的に元のサーバへ戻されます。
  • アベイラビリティ - どのクラスタも、最大 32 台の異なるスイッチまたはルータからサービスを受けることができる。ロード・バランシング用のスイッチおよびルータでは、フローごとのステータス情報の管理は必要とされないため、スイッチやルータに障害が発生した場合でも接続は失われません。
  • パフォーマンス - スループット・レートの毎秒数ギガビットのリダイレクションは、競合製品の性能を著しく上回っている。キャッシュの過負荷状態やユーザの認証は自動的にバイパスされます。
  • 機能性 - BGP ポリシの転送により、サービス・プロバイダでは、あらかじめ定義された BGP グループによるサービスの差別化を行うことができる。
  • 設定の容易さ - 明示的な設定を行わなくても、キャッシュおよびルータは互いを自動的に検出する。キャッシュ・クラスタからスイッチおよびルータへの動的な設定が可能です。
  • セキュリティ - キャッシュの信頼性は、MD5 によって自動的に検証される。

機能面での利点に加え、WCCP はシスコの多数のスイッチおよびルータ上で簡単なソフトウェア・アップグレードによって使用できるため、投資も保護されます。WCCP により、ほとんどの既存ハードウェア上で Web キャッシュ・リダイレクションの利点を得られるようになります。WCCP が提供する劇的な利点により、CacheFlow、IBM、Infolibria、Inktomi、Network Appliance、および Novell などの Web キャッシュ機器ベンダから強力なサポートが得られています。もちろん、WCCP はすべての Cisco Cache Engine 製品でサポートされています。

Boomerang Control Protocol

BCP(Boomerang Control Protocol)により、Content Router 4400 とブーメラン・エージェントでは非常に正確にグローバル・サーバが選択されます。この高度な選択機能は、ネットワークの混雑、リンクのダウン、故障、および過負荷状態のサーバなどに数秒以内で反応します。このブーメラン・システムでは、非常に大規模な数のノードをスケールでき、設定や監視が非常に容易です。

コンテンツ・ルータでは、BCP を使用して、ブーメラン・エージェントとのタイミングやネットワーク・プロトコル情報の交換を安全に行っています。コンテンツ・ルータ・システムは、ネットワークの遅延の少ないサーバにクライアントを透過的にリダイレクト(DNS [Domain Name System] を介して)、または明示的にリダイレクト(HTTP [Hypertext Transfer Protocol] を介して)します。単一で複合的なメトリックに焦点を当てることにより、ブーメランは現在可能なものの中で最も正確な動的リダイレクションを提供できます。このシステムの効率性は、サードパーティのベンチマーク数によって証明されています。ブーメラン・エージェントは、シスコの IOS ソフトウェア、Cache Engine、および LocalDirector で動作します。

コンテンツ・ルータでは、WCCP2 の経由、あるいはドメインを代表することにより、保証された DNS 要求を取得します。HTTP モードで操作されている場合、コンテンツ・ルータでは WCCP2 を介して HTTP を透過的に代行受信します。コンテンツ・ルータとブーメラン・エージェントでは、ともに複数のドメインがサポートされます。エージェントおよびサーバ上での各ドメインは同じ秘密鍵で設定される必要があり、エージェントとコンテンツ・ルータ間の通信はすべてこの秘密鍵で暗号化されます。

要約

シスコでのプロトコル開発の努力により、コンテンツ・ルーティング・アプリケーションには明らかな利点が見られるようになりました。DFP により、優れたロード・バランシングの決定のためのシスコのソリューション・サーバやアプリケーションが提供され、その結果、アベイラビリティやシステムのキャパシティが向上しました。DRP では、グローバルなロード・バランシング・デバイスで BGP および IGP ルーティング情報を共用できるようになり、グローバルなロード・バランシングの性能が最適化されます。最後に、WCCP により、Web キャッシュ・リダイレクションのシームレスな統合が可能になり、従来のレイヤ 4 ベースのキャッシュ・リダイレクションを上回る利点が得られるようになりました。これらのプロトコルにより、異なるネットワーク要素で通信ができるようなり、ロード・バランシング・システムとして同調して動作します。これにより、個々の製品では適応できないレベルのパフォーマンスが提供されるようになります。


更新日:2001 年 8 月 27 日


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