シスコ、コラボレーションを促進する新世代のリーダーを育成
シスコは、優秀な個人の教育からチームの教育に焦点をあてたプログラムを開発しました。これにより何百万ドルものコスト削減、何十億ドルものビジネス チャンスを生み出しています(シリーズ全 4 回の最終回)。
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イラスト:マイケル・S・ウェルツ
Features Story
コラボレーションの問題(シリーズ第 1 回)
組織におけるコラボレーションの促進(シリーズ第 2 回)
組織におけるコラボレーションの普及(シリーズ第 3 回)
関連情報
2009年12月7日、チャールズ・ウォルトナー
組織がコラボレーションを促進するうえで最も難しい点は企業文化の変革にある、ということが専門家の間で一致した意見です。
「企業文化を変革するには、リーダーの行動を変える必要があります」と、コラボレーション リーダーシップ シスコ センター担当バイス プレジデント、アンマリー・ニールは言います。
しかし、リーダーの行動を変えることが何よりも難しいのです。リーダーは命令を与える立場にあり、利益をもたらす者です。また、リーダーは地位と名誉に甘んじて自己中心的なケースが多い、とニールは指摘しています。
この考えを念頭に置き、ニールは 4 年前にシスコに入社して、コラボレーションを促進するリーダーシップを育成しようというシスコのさまざまな取り組みをサポートしてきました。ニールは業務管理のバックグラウンドを持ち、臨床心理士、人材管理コンサルタントでもあります。
幹部向けのリーダーシップ育成プログラムは一般的に行われていますが、コラボレーション リーダーシップ シスコ センター(別称「3C」)は、独自の育成方法を採用しています。プログラムの一環として、ニールのチームはシスコの Executive Action Learning Forum(E-ALF)の開発をサポートしました。E-ALF では、有望な 10 名の幹部から成るチームを 5、6 チーム構成し、10 億ドルもの収益またはコスト削減に関わる重要な経営戦略を策定します。ほとんどの場合、チームが策定した戦略はそのまま企業の戦略として採用されます。さらに、各プログラムには、1 名以上のシニア エグゼクティブ スポンサーがつきます。
「我々が幹部向けトレーニングの概念を覆したのです。これは幹部のリーダーシップを訓練するトレーニング プログラムではなく、幹部が自らのリーダーシップのスキルを習得するためのビジネス改革の第一歩です」とニールは言います。
コラボレーションの実践
「シスコは企業として自社の幹部にコラボレーションの促進を求める前に、コラボレーションを促進するリーダーになることの意味を定義付ける必要がありました」とニールは語っています。
これを実現するために、シスコは C-LEAD を作成しました。C-LEAD は、行動についての共通認識を定めるモデルであり、シスコはこのモデルに基づいて自社の幹部を評価しています(C-LEAD は、Collaborate、Learn、Execute、Accelerate、Disrupt の頭文字です)。C-LEAD の核となる原則を定義するにあたり、200 名のシスコの幹部が協力しました。
C-LEAD は E-ALF を構成する中心的な「原料」であり、一連の戦略、コラボレーション、リーダーシップの基本的な枠組みとなります。この枠組みに従って、マネージャは C-LEAD の原則に準じて自分の考えや決断を整理し、心理学者が呼ぶところの「上位目的」に対して幹部が優先順位を付ける手助けをします。
「大切なことは、個人レベルからグループ レベルの成果に焦点を移すことです。このプログラムを通じて幹部は集団でグループのすぐれた成果を達成し、個人の能力を引き出す方法を学びます」とニールは述べています。
コラボレーションを促進する対話を明確にするため、シスコは参加者の「壁」をなくしました。コラボレーションを通じたさまざまな目標を達成できるように、チーム内での地位、専門性、政治的なつながり、成果を中和しました。「全員がリーダーであり、指導者であり、貢献者なのです」とニールは言います。
チームには現実の経営問題に対する収益戦略を立てることが課せられていますが、最終的な成果だけではなく、どのように目的を達成したかという点も評価に含まれています。その証拠に、ニールのグループは、たとえアイデアが良くてもプログラムのコラボレーションを促進する指導を取り入れなかったチームを「失格」にしました。
コラボレーションの利用
3C のカリキュラムは、コラボレーションを促進するリーダーの育成と、急を要する経営問題への取り組みの両面において効果があることが証明されました。シスコは、E-ALF に参加するチームは企業にとって 250 億ドルの市場機会があるものとみなし、スマート グリッド イニシアチブや、メキシコ、中国、ブラジル向けの市場戦略の策定をいくつかのチームに任せています。また、このプログラムはシスコにとって新たな価格設定や品質管理の戦略など、複数の運用上のイニシアチブに対する促進剤ともなっています。
E-ALF と、3C プログラムのその他の側面もまた、シスコの有望なリーダーの行動を理解し、昇進につながる育成を施す最良の場となっています。
65,000 名の従業員が知識を共有し世界全体でリソースを調整する方法を改善しようとしているシスコにとって、3C プログラムは不可欠なものです。特に、インターネットが最先端だった時代のシスコは封建的な基盤の上に成り立っており、リーダーは企業が稼ぎ出した金額に基づき、企業家的な発想で報酬を得ていました。
このような視野の狭い発想は、単にルータやスイッチを販売するだけでなく、「エンドツーエンド」の統合ネットワーキング システムを構築しようとする現在のシスコには適していません。コラボレーションを促進するリーダーシップによって、シスコは社内の部門を取り払い、生産性を高めて効率的に収益を上げる過程において、世界中のパートナーとカスタマーに一元的に対応しようと取り組んでいます。
リーダーの課題
シスコのコラボレーションを促進するリーダーシップを育成する取り組みにコストがかからないわけではありません。各 E-ALF セッションの価格は 20 万ドルから 30 万ドルを超え、コラボレーションを促進するリーダーシップを育成するために管理体制を変更することで、幹部の「意図しない」人員削減と「意図した」人員削減の両方が行われました。事実、シスコ CEO のジョン・チェンバースは、8 年前に自社内でコラボレーションの促進活動を始めて以来、2 割の幹部を失ったことを発表しています。
「シスコはここ数年の間に中心的な幹部を数名失いましたが、現在、幹部の『意図しない』削減率は限りなく低くなっています」とニールは語っています。コラボレーションを推進するリーダーとして見込みのない幹部の「意図した」削減は現在、およそ 4% です。
「早期人員削減率が、自分の権限を手放さなくてはならない理由をどうしても理解できない、成功を収めた幹部の存在に起因していることは明らかです」とニールは指摘しています。残念ながら、見識のある心理学者であっても、組織の強力なエゴに従わない幹部自身のエゴを変えられないことがあります。しかし、シスコにとって、コラボレーションを推進するリーダーシップの育成は任意ではなく、必須のものとなっています。
「適者生存の精神を取り払うのは難しいことです」とニールは言います。「ですが、幹部の利益はグループの成功次第であることを幹部自身に明確に示すことで、これを克服することができます。そしてシスコの理念において、コラボレーションの促進による成功は当社の未来を担う重要な鍵となります」
チャールズ・ウォルトナー:カリフォルニア州ピードモント在住のフリー ライター
シスコシステムズ合同会社について
シスコシステムズ合同会社は、米国シスコ(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。シスコは、ビジネスの基盤となるインテリジェントなネットワーキングソリューションから、音声、映像、データ、ストレージ、セキュリティ、エンターテイメントをはじめとする新しい分野、そして、人々の仕事や生活、娯楽、学習のあり方を一変させることのできるネットワーク プラットフォームの提案を目指しています。
シスコの会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp>
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