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ICTと持続可能な都市開発

〜カンファレンスの主題 - ICTを利用することで炭酸ガス排出量の削減と
経済発展の促進を両立させる革新的な方法とは?〜





2008年2月20日

ジェニー・カーレス(News@Cisco)

現在、大都市圏は世界のエネルギー消費の増大と気候変動に甚大な影響を与えています。世界の20の大都市(人口1,000万以上)だけで、全世界のエネルギー使用量の75%を消費していると言われています。

このことに加え、世界の大都市圏は急速な発展を続けており、また成熟した都市においてすでに時代遅れとなった20世紀のインフラを刷新する必要もあり、都市計画者達は深刻な問題に直面しています。しかし、一筋の光明が見えてきました。これらの計画者の多くが、都市の環境、交通、建物の問題に対処するためのカギとして情報通信技術(ICT)に注目し始めています。

新しいアプローチ
世界中から産官学のリーダー達が米国カリフォルニア州サンフランシスコに集結し、先進的な都市でのICTの活用法について考察するカンファレンスが、本日より2日間の日程で開催されます。これらの革新的な自治体では、通信と協調のために市内全域をつなぐネットワーク網を整備し、市民の仕事、暮らし、遊び、学習のあり方を変革すると同時に、炭酸ガス排出量の削減に取り組んでいます。

Connecting Cities: Achieving Innovation through Sustainability」カンファレンスは、サンフランシスコ市/郡政府とシスコの共催のもと執り行われます。

ニーズに応じたテクノロジ ソリューションを利用している模範例としてオランダ・アムステルダム、韓国ソウル、そしてサンフランシスコの3つの都市のケースを紹介し、世界のほかの都市でも官民の連携さえあればこれらに倣うことが十分可能であると訴えていく予定です。

「気候変動は深刻な問題であり、官民の協調が不可欠です。意見や思想がばらばらのままでは世界的な問題に取り組むことはできません」とアムステルダムのヨプ・コーヘン市長は述べています。

Connected Urban Development(接続された都市開発)
カンファレンスの講演者は、3つのパートナー都市を代表する重要人物(「Technological Revolutions and Financial Capital」の著者であるカルロタ・ペレス氏、マサチューセッツ工科大学(MIT)デザイン研究所ディレクタのウィリアム・J・ミッチェル氏、シスコの会長兼CEOのジョン・チェンバーズ)をはじめ、そうそうたる顔ぶれとなっています。

チェンバーズは基調講演において、緊急を要する世界の環境問題対策にテクノロジをどう役立てることができるかを述べる予定です。ICTが気候変動の抑制に大きく貢献することが複数の研究によって分かってきています。たとえば、米ACEEE(American Council for an Energy-Efficient Economy)によると、ICT機器の消費電力が1キロワット時減少するごとに、米国経済全体で約10倍の省電力化が実現するとのことです。

「気候変動の抑制に向けた支援を行うことは地球市民としての使命だと考えます。シスコでは、テクノロジ企業として、お客様が企業/政府の持続可能な発展に向けて『グリーン プラットフォーム』としてのネットワークを活用できるように支援することで、炭酸ガス排出量の削減に取り組むと同時に、自社の影響力を拡大しています。ネットワークは生産性と持続可能性の両方を高める独自の力を備えています」とチェンバーズは語ります。

シスコは「Clinton Global Initiative(CGI)」に参加するなかで、2つの取り組みを行っていますが、今回のカンファレンスはその内の1つである「Connected Urban Development(CUD)」の一環として開催されるものです。

シスコ インターネットビジネスソリューション グループ(IBSG)(シスコの戦略的グローバル コンサルティング部門)のConnected Urban Development担当グローバル ディレクタであるニコラ・ビラは、シスコの取り組みはシスコとCGIの代表者同士の会話から発展したものだと説明します。

「CGIの参加メンバーからこのような指摘がありました。特に新興市場諸国を見た場合、経済発展イコール非効率な電力消費、という図式ができあがっているというのです。そして彼らは、これら2つのコンセプトを分離したい、つまり、必ずしも非効率なエネルギー ソリューションを使わなくても経済的な発展は可能なのだ、ということを示したいと考えたのです」とニコラ・ビラは述べています。

さらにニコラ・ビラは、「ブロードバンドやICTが有効だとは言っても、どう有効なのかを教えてくれる人は誰もいません。そこで、テクノロジを利用して炭酸ガス排出量を削減しつつ経済発展を推し進める方法を、CUDを通して紹介してほしいという話になったのです」とも言います。

こうして、CUDは5年間のプログラムとして2006年末に始動しました。シスコは、同プログラムの、人材、研究、機器に1,500万ドルを投資しています。

CUDのビジョンは、持続可能性の促進に取り組む複数の都市からなるグローバル コミュニティを構築することです。第1フェーズでは、創始メンバーである3市が連携して、革新的なICTアプリケーションを使って炭酸ガス排出量を削減しつつ経済発展を促進する方法について話し合いました。「コネクテッドバス」(後述を参照)をはじめとする本フェーズでの成果は、サンフランシスコのカンファレンスで紹介されます。

CUDの第2フェーズでは、さらに4つの都市(スペインのマドリッド、ポルトガルのリスボン、ドイツのハンブルグ、英国のバーミングハム)がコミュニティに参加し、都市ごとの環境/交通問題に対応するICTソリューションの開発に取り組みます。最後のフェーズでは、CUDによって育まれた知識、方法論、アーキテクチャを活かせる大規模な国際組織との共同イニシアティブを通して、活動の範囲を世界中に広げていく予定です。

ICTと持続可能な都市
CUDでは、ICTによって都市インフラの効率を根本的に改善することで炭酸ガス排出量を削減する画期的な方法を示しています。CUDのアプローチは、持続可能な発展によってもたらされる問題と機会を評価するだけにとどまらず、炭酸ガス排出量の削減とエネルギー効率の向上に貢献する方法で、運用効率を向上させリソース利用を最適化するためのスケーラブルで具体的なソリューションを都市に提供します。

これらを可能にしているのは、ここ5年ほどで広く普及したブロードバンド通信の存在です。現在、都市計画者はネットワークを活用することによって、移動の必要性を省きエネルギー効率の向上を可能にするテレプレゼンスから「コネクテッド」バスまで、さまざまなサービスを構築することができます。

3つのパートナー都市は、「グリーンICT」(サンフランシスコ主導)、「スマート トランスポーテーション」(ソウル主導)、「スマート ワーク」(アムステルダム主導)における成果の一部を公表しています。これらの包括的なソリューションは、Cisco IBSGが各都市ならびにMITと協力して、それぞれの都市圏の独自のニーズとグリーン構想に合った革新的な最新テクノロジの組み合わせを策定した結果、生まれたものです。その内容は以下のようになっています。

  • 車両追跡/特定システム
  • ダイナミックな通行料課金プログラム
  • ビデオ通信ソリューション
  • 統合交通管理システム
  • 全地球測位システム(GPS)や無線ICタグ(RFID)などのセンサ技術
  • ブロードバンド、ワイヤレス、インテリジェント インフラストラクチャ
  • 革新的な労働環境を構築するためのコラボレーション技術

カンファレンス期間中に紹介される「コネクテッド バス」は、公共交通の「グリーン化」に向けたビジョンを示すプロトタイプとしてCisco IBSGによって構築されました。使用されているテクノロジや専用ソフトウェアは、すべての公共交通手段(電車やタクシーなど)への応用が可能です。

コネクテッド バスにはモバイル ホットスポットが装備されており、乗客が仕事をしたり、家族や友人と会話したりできるようになっています。GPS追跡によって、バスの発車時刻や行き先、どのバスに乗ればいいかといったことを調べることも可能です。

コネクテッド バスの導入は自治体にもメリットをもたらします。たとえば、保守スケジュールを管理する自動通信システムは、コスト削減に貢献すると同時に、保守の徹底を可能にし、それによってバスが効率化されれば炭酸ガスの排出量も減ることになります。結果的に、非ハイブリッドのグリーン バスでは通常のバスよりも高いROIが実現するというわけです。

専門家のグローバル コミュニティを構築
これからの2日間、カンファレンスに参加する政府機関の代表者は、炭酸ガス排出量および気候変動に対する自治体の対策を違った視点から見つめ、ICTをネットの汚染源ではなく環境ソリューションの一部としてとらえる機会を得ることになります。また企業からの参加者は、持続可能な発展によって、かつてない経済的な機会が企業にもたらされるという事実を知ることでしょう。

この2日間のカンファレンスは、創始メンバーの3市、Cisco IBSG、およびその他の関係団体の昨年1年の取り組みを紹介すると同時に、ネットワークに関する重要な機会を参加者に提供します。これがきっかけとなって、イノベーションを通して都市と都市をつなぎ持続可能性を実現するために、世界中の都市から専門家達が集まり、専門家のグローバル コミュニティが形成されることを主催者達は願っています。

ジェニー・カーレス:米カリフォルニア州サンタクルーズを拠点に活動するフリーランスライター

シスコシステムズ社について
Cisco Systems, Inc.(NASDAQ: CSCO)は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダです。シスコに関するニュースならびに関係資料は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com >

* Cisco、Cisco Systems、Cisco Systemsのロゴは、米国ならびに諸外国における Cisco Systems, Inc. および関連会社の登録商標です。本文書に記載しているその他の商標の所有権は、所有企業各社にあります。
**当資料は、米国で発表されたニュースリリースの抄訳です。米国で発表されたニュースリリースの内容は以下のWebサイトをご参照ください。
<http://newsroom.cisco.com/dlls/2008/ts_022008.html >

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