去る 8月 30日 (火) 第 1 回「Cisco Take Our Kids To Work@Tokyo」デーが開催されました。「子供達を職場に連れて行こう」というこの催しは、すでに米国本社では恒例行事となっており、本年 6月で 11回目を数えています。
ここ数年来、いわゆる「フリーター」や「ニート (NEET : Not in Education, Employment or Training)」など、明確な職業観や勤労観をもつことができず、社会活動や生産活動から隔絶された生き方をする若者の増加が、大きな社会問題になっています。厚生労働省は、昨秋発表した 2004年版『労働経済の分析』 (労働経済白書) で、「ニート」に相当する人の数を初めて集計。その結果、2003年には約 640,000人がニート状態であることが分かりました。
若者達が職業観や勤労観を形成し、働くことに対する希望や意欲を築けなくなっている背景に関しては、さまざまな議論が繰り広げられています。しかし、核家族化や親子間の対話機会減少などの中で、子供時代に親が働く姿を眼にした経験がない、あるいは親が働く意義や楽しさなどを語り、子供達がそこに自らの将来を重ね合わせる機会を逸してしまった、という例も少なくないようです。
いずれにしても、大切な人格形成期に「こんな仕事がしたい」とか、「仕事とこう関わっていきたい」という夢を、子供達自身が思い描くチャンスを提供していきたいものです。「Cisco Take Our Kids To Work@Tokyo」は、子供達が、普段父親や母親が働く職場であるシスコシステムズ・赤坂本社を訪れ、その雰囲気を肌で感じる機会を提供するもの。その経験を通じて、自らの進路をより主体的に考え、将来、自立した個人として力強く生きていくための職業観や勤労観を形成する契機にしてもらいたい、という願いが込められたイベントです。
当日は 9:30 に受付がスタート。9歳から 15歳までの子供を中心に、合計 31組・68名の親子が参加しました。なお本イベントは、以下のような内容で進められました。
CTO・大和敏彦:講演 |
10:00~: 16階 CBC (カスタマー・ブリーフィング・センター) に全員集合。プログラムの開催に当たって、シスコ CTO (チーフ・テクノロジー・オフィサー) の大和敏彦が、子供達にインターネット文化の旗艦的役割を果たすシスコと、インターネットの仕組みなどを紹介しました。
●インターネットとシスコの役割
ケーブルカーやアルカトラズ島、フィシャーマンズ・ワーフなどの写真を交えながら、シスコの社名の由来となったサンフランシスコを紹介。さらに Google Map の空撮写真でサンノゼのシスコ本社を表示し、その広大さに子供達も驚嘆の声を上げました。さらに大和は、ゴールデン・ゲート・ブリッジをイメージしたシスコのロゴの意味を、以下のように説明しました。
「ゴールデン・ゲート・ブリッジは大きな吊り橋で、その上をたくさんの人や車が行き来しています。シスコの役割も、これと同じように橋になることなんです。ただし、シスコが運ぶものは情報です。つまりシスコは、情報で世界中を架け橋する会社なのです」
そして話題は、インターネットとシスコの関係に移っていきました。
「皆さんはインターネットで何かを調べたり、ゲームを楽しんだりしていることと思います。でも、シスコの姿は、なかなか皆さんからは見えませんね?」
ここで大和は、URL やメールアドレス、パケット通信の仕組みを、住所と郵便配達、小包などの関係になぞらえて説明。「住所にしたがってホームページに導いたり、メールを届けたりする郵便局の役割をするルーターという機械があります。これを作って、お客様に届けるのがシスコの仕事です」と語りました。
「自宅や学校、会社にいながら、世界中の欲しい情報にアクセスできる点がインターネットの魅力ですね。さらに最近では、文字や写真だけではなく、電話やビデオ画像のやり撮りも可能になり、遠く離れた人同士が対話したり、お医者さんが遠くの患者さんの診察をしたり…。インターネットは、益々私達の暮らしや仕事に、なくてはならないものになっています。シスコは、そんなインターネットを、もっと便利にするための製品やサービスを作る会社なんです」

●それぞれの仕事の役割と協力体勢
続いて話題は、シスコの各部門の役割紹介へ。研究開発~製造~マーケティング~営業へと連なる一連の流れをすべて自社で実行するシスコの体勢が説明されました。特に営業レベルでは、お客様との対話からニーズを探り、社内各部門のコミュニケーションによる連携で、最適なソリューションを提供。さらに導入後もサポートを通じてポジティブなスパイラル構造を築き、常により良い提案を続ける姿勢を訴え、最後に講演を以下のように締めくくりました。
「電気や水道、ガス、電話などは、私達の生活に欠かすことのできない重要な存在で、これらがない暮らしは考えられませんね…。インターネットもそんなもののひとつになりました。パソコンや携帯電話はもちろん、いろいろな場所で私達の安全を見守る監視カメラや、ロボット、冷蔵庫や炊飯器などの電気製品も、インターネットにつながり始めているのです。インターネットのおかげで、仕事や生活、学校や遊びなど、私達を取り巻く環境全体が大きく変わろうとしています。皆さんのお父さんやお母さんは、シスコの中でいろいろな役割を果たしながら、社会をもっと楽しく豊かなものにするために、がんばっているのです。今日は、そんなお父さんやお母さんがどんな風に働いているのかを、自分の眼でしっかり確かめて下さい」

●質疑応答
その後の質疑応答では、「シスコに夏休みはあるんですか?」、「シスコは、1クラス何人ですか?」、「最近お父さんの帰りが早いのですが…」、「お父さんの成績は良いですか?」など、子供ならではの自由な発想による質問に驚かされながらも、楽しいやりとりが続きました。

体験学習 |
●デモ1:無線 LAN ロボット
11:00~: 無線 LAN によるリモートコントロールで動くロボットが登場。
「このロボットは、コントローラの電波が届く範囲内だけで動く R/C と違って、インターネットを経由することも可能なので、ロボットに付けられたビデオカメラの映像を見ながら、皆さんの家やアメリカからでも動かすことができます。地震などの災害が起こった時に、人が入れないような狭い場所を探したり、野生動物の観察をしたり…、いろいろな使い方が考えられます」という説明に納得。
「自分で動かしてみたい人は?」という問いかけに多くの子供達が反応。交代で操作を楽しみました。

●デモ2:Switch と IP コミュニケーションの役割
PC がシスコ製品を介してインターネットにつながる様子を実演。
「ここにあるのは、シスコの“Catalyst”というスイッチです。スイッチというのは、情報の交通整理をする装置です。いまは、何も設定されていませんが、インターネットとつながるように交通整理の設定をすると、このパソコンがインターネットにつながるのです」という説明とともに画面が現れ、子供達もスイッチの役割を理解。IP 電話やワイヤレスフォンと PC 間での通話などを楽しみました。

ランチタイム
12:00~: 親子でランチタイム。日頃はウィークデーに一緒に昼食をとる機会がない子供達はもちろん、社員達も楽しそうでした。

自由時間 |
13:00~: 自由時間には、社内のボランティアスタッフと一緒に、インターネットにつながった PC や本などが用意されたプレイルームで、ゲーム学習ソフトに取り組んだり、親の職場を訪ねたり…。
この日は、親が社内で多くの人達と連携しながら仕事を進める現場に立ち会うことができるように、子供達が親と同伴で、社内のほとんどのファシリティに立ち入ることが許可されました。また、周囲の社員達も自分の机に<名前、肩書き、入社前に学校で勉強したこと、仕事に必要な勉強や能力、趣味や興味、子供達の質問の可否、回答可能な時間帯>などを記した「Let Me Tell You about Myself! (私のことを語らせて) 」カードを掲示。職場全体が、仕事や働くことへの理解を深める支援体制で臨みました。
実際に父親が働く姿を眼にした 7歳の男子は、こう語ってくれました。
「家にいる時のお父さんは、ビールを飲みながらナイターを見て、何かダラッとしてるけど、会社ではキリッとしていてカッコ良いと思った。とても忙しそうで、きっと成績もまあまあかな…? お仕事が大変そうなので、日曜日にはもう少し寝坊させてあげようと思います」
また、親が参加するミーティングに子供達が同席することも可能で、親達が日々どのような環境でどんな仕事をしているのかを体感。営業担当の父親のミーティングに参加した中学二年の女子は、その感想をこう語っています。
「真剣に話し合う姿に、家庭とは違う父の顔を見ました。もちろん、話し合っている内容は、よく分かりませんでしたが、父はとても難しい仕事をしているのだということが理解でき、改めて尊敬の念を強めました。また会議の中でも、いろいろな人の名前が挙がり、仕事は多くの人達の協力で実現することを感じました。私自身、これからどんな仕事に就くのか、具体的にはまだ分かりませんが、英語やものの見方、自分の考えを説明する力などを磨いて『なりたい自分』に近づく努力をしていきたいと思います」

ビンゴ大会 |
15:00~: イベントの最後に、ビンゴ大会を開催。子供達は、このイベントを通じて知り合った同世代の友人達との絆を、一層深めることができました。

一日の経験でしたが、シスコやインターネットへの理解を深め、親が働く姿に触れる機会となったこのイベントの中で、子供達は予想以上に多くのことを学び取ったようです。
シスコは、ファミリーフレンドリーな企業を目指して、今後とも社員が仕事と家庭の両立が図れる環境整備を進めていきたいと考えています。
