テクノロジー解説

Cisco ネットワーク自動展開・管理ソリューション(LAN スイッチ編)

「Ciscoネットワーク自動展開・管理ソリューション」では、Cisco Configuration Engine を用いた WAN エッジルータの自動展開について解説しました。今回はその続編として、LAN スイッチの自動展開を解説します。

自動展開・管理ソリューションはなぜ必要か?

ネットワークの自動展開・管理ソリューションが必要とされる理由として、以下のようなビジネス背景が挙げられます。

  1. エンドユーザからの展開コスト削減に対する要求
    経済状況が厳しい昨今、SIer やプロバイダーはネットワーク利用者から展開・運用コストの削減を求められることが多くなっています。特に中堅・中小企業においては、より厳しいコスト圧縮が求められており、エンジニアが現地に出向かずに簡単にセットアップできる仕組みに対するニーズはますます高まっています。
  2. 遠隔地への業務展開
    最新の経済システムに対応すべく、アジアなどの海外を中心に、今までとは異なる地域に拠点を設ける企業が多く見られます。シスコのソリューションを使えば、国内外を問わず、インターネット回線が利用できる場所であればどこでも自動展開を行い、迅速に業務を開始できます。
  3. 優秀なエンジニアのリソースの活用
    SIer やプロバイダも厳しい経済状況にさらされ、今いる人材でより多くの売上を達成することが求められています。そのため、従来行ってきたネットワークの展開・運用業務を自動化することで余裕ができた優秀なエンジニアのリソースを、新たなビジネス獲得のために活用したいと考える企業が増えています。

シスコのネットワーク自動展開・管理ソリューションは、大きく分けて 2 つのソリューションから成り立っています。1 つが前回紹介した WAN エッジルータの自動展開、そしてもう 1 つが、今回紹介する Smart Install による LAN スイッチの自動展開です。LAN スイッチは、高速な接続、アプリケーション、およびコミュニケーション システムに効率的で安全な接続を提供する、ネットワーク基盤における重要なコンポーネントの 1 つです。

スイッチを接続するだけで適切な Cisco IOS とコンフィグを適用 − Smart Install

Smart Install とは、ネットワークにスイッチが接続されると、自動的に上位のスイッチやルータからコンフィグをダウンロードし、スイッチの OS である Cisco IOS を適切にアップグレードしてユーザに使えるようにする機能です。この時、接続されたスイッチを認識して最適なコンフィグおよび Cisoc IOS へ誘導する上位スイッチやルータを Director といい、新たにネットワークに追加されたスイッチは Client といいます。ダウンロードするコンフィグや Cisco IOS は TFTP サーバに置いておきます。Director となるスイッチやルータに TFTP サーバを兼任させることも可能です。

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SmartInstall により、以下のようなことが可能になります。

  • 初期展開時に、コンフィグや Cisco IOS を自動的にダウンロードして適用させることができます。
  • 運用段階においても、必要に応じてコンフィグや Cisco IOS のアップグレードができます。管理者は TFTP サーバに必要なファイルを配置するだけで、都合の良い時に現地オフィスのスタッフがスイッチを再起動をすれば、自動的にアップグレードが完了します。
  • 障害時、壊れたスイッチを外し、同じ製品型番の機器をネットワークに接続するだけで、元のスイッチで使用していたコンフィグと Cisco IOS を自動的にダウンロードして適用させることができます(Zero Touch Replacement と呼ばれる拡張機能)。
接続したデバイスの種類に応じてポートを自動設定 - Auto Smartport

Smart Install により LAN スイッチの自動展開は可能になりました。展開後は、LAN スイッチに接続されたデバイスの種類に応じたポートの設定が必要となります。その自動化を可能にするのが Auto Smartport と呼ばれる機能です。

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Auto Smartport を使用すると、CDP(Cisco Discovery Protocol)、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)、あるいは 802.1x の認証結果などに基づいて、スイッチのポートを自動的に設定することができます。たとえば、シスコ IP フォンを LAN スイッチのポートに接続すると、LAN スイッチは CDP を受信し、接続された機器が IP フォンであることを認識します。そして IP フォンを使用するためにこのポートをアクセス モードにすると同時に、Voice VLAN と Access VLAN を設定し、また QoS も適用します。

接続された機器が LAN スイッチだと認識された場合は、そのポートをトランク モードに設定し、必要であれば Native VLAN も設定します。WLAN のアクセス ポイントだと認識された場合は、そのポートをアクセス モードにし、LWAPP(Lightweight Access Point Protocol)用の Access VLAN を設定します。また 802.1x 対応の PC が接続された場合は、RADIUS サーバで認証後、その応答パケットに含まれる cisco-av-pair に応じてアクションを実行します。

このように、Auto Smartport により、本来であれば大量の設定項目が必要となるポートの設定を、シスコが推奨する内容や値で自動設定することができます。

Smart Install と Auto Smartport を組み合わせて使用することで、VLAN や QoS などの設定を必要とするインテリジェントな LAN スイッチを、まるでハブを設置するような感覚で、複雑な設定なしに展開することが可能となります。

関連リンク

※ インプレスジャパン「Ciscoネットワーク構築教科書[設定編]」においても本機能の設定を解説しています。

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