シスコは、常に効果的なデータセンター構築に必要な製品とサービスを提供しています。メインフレームによる集中型アーキテクチャに不可欠だったデータセンターは、その後、サーバ/クライアント型アーキテクチャによって、分散型アーキテクチャをサポートするものへと変化しました。  いま、データセンターは、データを集中化させながら、リモートからのアクセスを高速かつセキュアにする、新時代のサービスとテクノロジーを必要としています。

 現在のデータセンターに求められる機能を考える前に、過去のデータセンター、すなわち第1世代と第2世代のデータセンターについて考えてみましょう。

第 1 世代のデータセンター - メインフレーム

データセンターは、メインフレームの時代に誕生しました。メインフレーム コンピュータは、周辺機器も含めてサイズが大きいうえに、特別な空調システムや電源装置が必要でした。そのため、メインフレームのための特別室が必要だったのです。メインフレームにはデータ端末が接続され、そこからユーザがデータの読み書きを行います。リモートからはモデムを使ってアクセスし、すべてのデータ、すべてのリソースがデータセンターに集約されていました。

第 2 世代のデータセンター -クライアント/サーバ

ミニコンやパソコンの登場により、リソースが分散化されるようになりました。サイズの大きなメインフレームを1台置く代わりに、複数のサーバを配置して、クライアントのリソースも活用する「サーバ/クライアント」型のアーキテクチャが採用されるようになりました。さらにネットワークの普及によって、データセンターも分散化して、本社だけでなく支社・支店にもファイル サーバやプリンタ サーバが配備されることも珍しくなくなりました。

しかし、ネットワークの活用が進むにつれ、クライアントとサーバ間のトラフィックが増加し、貯蔵するデータのサイズやサーバの台数が増えてくると、管理面での問題が発生するようになります。特にセキュリティ面においては、ウイルスやワームの被害だけでなく、情報漏えいの危険性も生まれ、IT 部門での管理がますます困難になっています。

第 3 世代のデータセンター - データセンターのコンピュータ化

分散化されたデータセンターの欠点は、何よりも管理面にあります。データやリソースは、1箇所で集中管理できるようになっていたほうが、管理者にとって効率的であるうえ、コンプライアンス遵守にも役立ちます。しかし、すべてを集中化して1台のサーバに機能を集約してしまうと、その1台に必要とされるリソースが増大します。

第 3 世代のデータセンターでは、複数のサーバが1台のコンピュータのように動作します。物理的には複数のサーバが集まっている状態ではありますが、これらのサーバが持っているリソースを、CPU、メモリ、ハードディスクといった要素に分解して「リソース プール」を構成し、論理的な1台のサーバが組み立てられるのです。

データセンターに集約された複数のサーバが1台のコンピュータのようになり、各リソースはネットワークによって接続されます。そして、アプリケーションや顧客といった単位で、柔軟にリソース プールから必要なだけのリソースを取得して、そのときに必要な仮想的なコンピュータを組み上げることができます。さらに、不要であればリソースを開放することができますから、効率的なリソース運用が可能になるのです。

これが、Cisco Data Center 3.0 です。Cisco Data Center 3.0 では、第 1 世代の「集中化」と第 2 世代の「分散化」のそれぞれの利点を活かし、データやリソースを集約させることでデータセンター自身が 1 つのコンピュータのように動作し、それぞれの処理に必要なリソースを動的に割り当てていくのです。その基盤には、ネットワークがあります。ここでのネットワークは、データセンターというコンピュータのなかのリソースを接続する「バス」のような働きをします。さらに、リソース、サービスを動的に配置するサービス オーケストレーションを実行していく役割を担い、アプリケーションや顧客といったリソース割り当ての単位に対するファイアウォールなどの付加価値サービスも提供します。

第 3 世代のデータセンターでは、データセンターがコンピュータであり、ネットワークがプラットフォームとなります。ネットワークは、すでにビジネスのなかに浸透しており、どのデバイスにとってもニュートラルな存在です。今後のデータセンターにおけるサービスの拡張性や多様化に対応するためにも、ネットワークは非常に重要となります。

Cisco Data Center 3.0 について詳しくは >
http://www.cisco.com/web/JP/solution/datacenter/dc30/

この記事は、Cisco Customer Bridge 2007年9月号で紹介されました。
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