なぜ、プロジェクトの7割が失敗するのか?

INDEX

  1. プロジェクト失敗の原因はリーダーシップの欠如にあった!
  2. 「ハシゴを早く登る」マネジメントから「正しくハシゴをかける」リーダーシップへ
  3. パーソナル・リーダーシップを身につけなければ評価されない
  4. リーダーシップ+コラボレーションで成功を確実にし評価を高めよ

リーダーシップ+コラボレーションで成功を確実にし評価を高めよ

しかし、「実はこれだけでは不十分です」と竹村氏は続ける。プロジェクトを遂行しようとしても、重要な会議、クレーム対応、上司からの割り込み仕事、突然の来客や余計な電話への対応などに振り回され、思うように進まないことが多いからだ。そのための解決法として時間管理のマトリックス (図 1 参照) の活用を推奨する。特に第2領域に時間を割いて自己の能力を上げることで、他の領域に取られる時間を減らすことができ、その結果、プロジェクトの成功につながる。

図1
図1:時間管理のマトリックス (出典:フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社)
第 1 領域:
重要で緊急な事柄。締め切り時間や納期が迫っていて遅れることのできない仕事や、クレームや問題が発生して即対応が必要な仕事。必ず今行わなければならない仕事。
第 2 領域:
緊急ではないが、重要な事柄。特に時間が迫っているわけでもないが、自分にとって重要な仕事。計画作りや品質管理の制度作りなど問題を事前に防ぐ仕事。またはスキルアップのための勉強など。
第 3 領域:
重要ではないが、緊急な事柄。重要性はないが、とにかく時間が決まっている仕事。定例ミーティングのための資料準備や、突然の来訪、飛び込んでくる様々な情報や仕事。
第 4 領域:
重要でも緊急でもない事柄。重要度も低いが緊急性も低い。無意味な電話や eメール、仲間との無駄話などやるだけ無駄な仕事。

さらにもう一つのコツとして竹村氏は、「大きな石」の活用も勧める。時間管理は、バケツという限られた容積の容器に、大きさの異なる石を、どの順番で入れると沢山入るかということに似ている。もし重要ではない活動 (砂利のような「小さな石」) を先に入れて、それから「大きな石」を入れようとしても入らない。しかし、大きな石を最初に入れれば、「石」と「石」の隙間に沢山の「小さな石」を入れることができる。大切なことは「大きな石」を最初に入れることなのだ。週間予定表を見て、まずその中に自分にとっての重要事項、つまり「大きな石」のための時間をスケジュールに入れる。そうすれば、最優先事項を実行することができ、プロジェクトやビジネスの成功につながる。

図2
図2:実行に関する 6つの原則 (出典:フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社)

最後に、リーダーシップを発揮し、実行するには、パーソナル・リーダーシップの育成のほか、組織にもリーダーシップを発揮させる仕組みと環境が求められる。せっかく社員がリーダーシップを発揮しようとしても、組織がそれを阻んでいたのではパワーが落ちてしまうからだ。詳細を紹介する余裕はないが、竹村氏は実行力に関する 6つの原則を上げる (図 2 参照、興味のある方は同社に問い合わせされたい) 。また、リーダーシップを発揮し生産性を上げるにはコラボレーション力の強化が必要となるが、それは社内のナレッジの共有、コミュニケーションの活性化を実現するネットワーク環境の整備が不可欠となる。これらを活用して、パーソナル・リーダーシップを発揮して、今取り組んでいるプロジェクトやビジネスを成功させ、個人の評価を上げると同時に、会社の競争力強化に役立てていただきたい。


ジャーナリスト・光月 晃

フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社
本社: 米国ユタ州
所在地: 東京都千代田区麹町3-3 丸増麹町ビル7F
設立: 1998年3月20日
資本金: 2億 6千万円
代表取締役社長: ウィリアム・A・マッキンタイヤー
従業員: 正社員 32名 (2004年 8月現在)
事業内容: 経営コンサルティング、能力開発および経営に関する研修の企画および実施
連絡先: TEL : 03-3237-7711 / FAX : 03-3237-7722
http://www.franklincovey.co.jp/