この章では、wireless deviceの設定に使用できる Cisco IOS Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
- ・ Cisco IOS コマンド モード
- ・ ヘルプの利用方法
- ・ コマンドの省略形
- ・ no および default 形式のコマンドの使用
- ・ CLI メッセージの概要
- ・ コマンド履歴の使用方法
- ・ 編集機能の使用方法
- ・ show と more コマンドの出力の検索とフィルタリング
- ・ CLI へのアクセス
Cisco IOS コマンド モード
Cisco IOS ユーザ インターフェイスには多くのモードがあります。使用できるコマンドは、コマンド モードによって異なります。各コマンド モードに使用できるコマンドのリストは、システム プロンプトでクエスチョン マーク(?)を入力すると表示されます。
wireless deviceでセッションを開始すると、ユーザ モードになります。このモードは、通常、ユーザ EXEC モードと呼ばれます。ユーザ EXEC モードでは、Cisco IOS コマンドのサブセットを利用することができます。たとえば、現在の設定ステータスを示す show コマンドや、カウンタまたはインターフェイスを消去する clear コマンドなど、ほとんどのユーザ EXEC コマンドは 1 回限りのコマンドです。ユーザ EXEC コマンドは、wireless deviceをリブートするときには保存されません。
すべてのコマンドにアクセスする場合は、特権 EXEC モードを開始する必要があります。通常、特権 EXEC モードに入るには、パスワードを入力します。グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、特権 EXEC モードを開始していなければなりません。
(グローバル、インターフェイス、ライン)設定モードを使用すると、実行中の設定に変更を加えることができます。設定を保存した場合はこれらのコマンドが保存され、wireless deviceをリブートするときに使用されます。さまざまな設定モードにアクセスするには、グローバル コンフィギュレーション モードで開始する必要があります。グローバル コンフィギュレーション モードから、インターフェイス設定モードおよびライン設定モードに移行できます。
表3-1 は主なコマンド モードと、それぞれのモードへのアクセス方法、各モードで表示されるプロンプト、およびモードの終了方法をまとめたものです。表内の例では、ホスト名に ap を使用しています。
ヘルプの利用方法
システム プロンプトでクエスチョン マーク(?)を入力すると、各コマンド モードに使用できるコマンドのリストが表示されます。また、表3-2 に示すように、コマンドの関連キーワードと引数のリストも表示できます。
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<10-255> Length of time (in sec) that receiver must keep this packet |
コマンドの省略形
wireless deviceでコマンドが一意に認識される長さまでコマンドを入力します。次の例は、 show configuration 特権 EXEC コマンドの入力方法を示しています。
no および default 形式のコマンドの使用
ほとんどの設定コマンドに no 形式があります。通常、機能または動作を無効にする場合、あるいはコマンドの動作を取り消す場合に no 形式を使用します。たとえば、インターフェイス設定コマンド no shutdown を使用すると、インターフェイスのシャットダウンが取り消されます。キーワード no を指定せずにコマンドを使用すると、無効にされていた機能が再度有効になるか、デフォルトで無効に設定されている機能が有効になります。
設定コマンドには、 default 形式もあります。コマンドの default 形式を使用すると、コマンドの設定がデフォルト値に戻ります。ほとんどのコマンドはデフォルトで無効に設定されているので、default 形式を使用しても no 形式と同じ結果になります。ただし、一部のコマンドはデフォルトで有効に設定されており、変数が特定のデフォルト値に設定されています。このような場合、default コマンドはそのコマンドを有効にし、変数をそのデフォルト値に設定します。
CLI メッセージの概要
表3-3 は、CLI を使用してwireless deviceを設定しているときに表示されるエラー メッセージの一部を示しています。
コマンド履歴の使用方法
CLI は、入力されたコマンドの履歴を保存します。この機能は、アクセス リストなど長くて複雑なコマンドやエントリを呼び出す場合に特に便利です。コマンド履歴機能は、次の項で説明するように要件に合わせてカスタマイズできます。
コマンド履歴バッファ サイズの変更
デフォルトでは、wireless deviceは履歴バッファにコマンド ライン 10 行を記録します。特権 EXEC モードで次のコマンドを入力して、現在のターミナル セッションでwireless deviceが記録するコマンド ライン数を変更します。
ap# terminal history [ size number-of-lines ]
特定のライン上のすべてのセッションでwireless deviceが記録するコマンド ライン数を設定するには、ライン設定モードから次のコマンドを入力します。
ap(config-line)# history [ size number-of-lines ]
コマンドの呼び出し
履歴バッファからコマンドを呼び出す場合は、表3-4 に示すいずれかのアクションを実行します。
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アクション 1 |
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一番最後に使用したコマンドを先頭に、履歴バッファのコマンドを呼び出します。このキー操作を繰り返すと、続けて順番に古いコマンドが呼び出されます。 |
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Ctrl+P キーまたは上矢印キーでコマンドを呼び出した後、履歴バッファのそれより新しいコマンドに戻ります。このキー操作を繰り返すと、続けて順番に新しいコマンドが呼び出されます。 |
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特権 EXEC モードのときに、最後に入力したいくつかのコマンドを表示します。表示されるコマンドの数は、グローバル設定コマンド terminal history および回線設定コマンド history の設定によって決まります。 |
コマンド履歴機能の無効化
現在のターミナル セッションでこの機能を無効にするには、 terminal no history 特権 EXEC コマンドを入力します。
その行のコマンド履歴を無効にするには、回線設定コマンド no history を入力します。
編集機能の使用方法
ここでは、コマンドラインの操作に役立つ編集機能について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
編集機能の有効化と無効化
拡張編集モードは自動的に有効に設定されますが、無効にできます。
現在のターミナル セッションで拡張編集モードを再度有効にするには、特権 EXEC モードで次のコマンドを入力します。
特定のラインの拡張編集モードを再び有効に設定するには、ライン設定モードで次のコマンドを入力します。
拡張編集モードを一括で無効にするには、ライン設定モードで次のコマンドを入力します。
キー入力によるコマンドの編集
表3-5 は、コマンド ラインの編集に必要なキー入力を示しています。
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キー入力 2 |
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バッファからコマンドを呼び出し、コマンドラインにペーストする。wireless deviceは、直前に削除された 10 項目をバッファに入れます。 |
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バッファには最後に削除したか切り取った 10 項目のみが格納されます。11 回以上 Esc Y を押すと、バッファの最初のエントリに戻ります。 |
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ターミナル画面に表示されていない行または画面をスクロールして表示する。
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折り返しコマンド ラインの編集
画面上で複数行にわたるコマンドに対して折り返し機能を使用できます。カーソルが右端に達すると、コマンドラインは 10 文字分左に移動します。その行の最初の 10 文字は見えませんが、左にスクロールして、コマンドの先頭で構文を確認できます。
コマンドの先頭にスクロールして戻るには、 Ctrl+B キーまたは左矢印キーを繰り返し押します。また、 Ctrl+A キーを押すと、行の先頭にジャンプします。
次の例では、グローバル設定コマンド access-list のエントリが 1 行を超えています。カーソルが最初に行の末尾に達すると、行は左に 10 文字分移動して再表示されます。ドル記号($)は行が左までスクロールされたことを示します。カーソルが行の末尾に達するたびに、行は再び左に 10 文字分移動します。
ap(config)# access-list 101 permit tcp 131.108.2.5 255.255.255.0 131.108.1
ap(config)# $ 101 permit tcp 131.108.2.5 255.255.255.0 131.108.1.20 255.25
ap(config)# $ t tcp 131.108.2.5 255.255.255.0 131.108.1.20 255.255.255.0 eq
ap(config)# $ 108.2.5 255.255.255.0 131.108.1.20 255.255.255.0 eq 45
入力が終了したら、 Ctrl+A キーを押して構文全体を確認してから Return キーを押してコマンドを実行します。行の末尾に表示されるドル記号($)は、行が右にスクロールされたことを示します。
ap(config)# access-list 101 permit tcp 131.108.2.5 255.255.255.0 131.108.1 $
ソフトウェアでは、ターミナル画面の幅を 80 列と想定しています。それ以外の幅の場合は、特権 EXEC コマンド terminal width を使用してターミナルの幅を設定します。
以前の複雑なコマンド エントリを呼び出して修正するには、コマンド履歴機能で行の折り返しを使用します。以前のコマンド エントリを呼び出す手順については、キー入力によるコマンドの編集を参照してください。
show と more コマンドの出力の検索とフィルタリング
show コマンドおよび more コマンドの出力を検索してフィルタリングできます。この機能は、大量の出力をソートしたり、表示する必要のない出力を除外したりする場合に便利です。
この機能を使用するには、 show または more コマンドを入力し、その後 pipe 文字(|)、キーワードの begin 、 include 、 exclude のいずれか、および検索またはフィルタリング処理する文字列を続けます。
command | { begin | include | exclude } regular-expression
文字列では大文字と小文字が区別されます。たとえば、 | exclude output と入力すると、 output が含まれる行は表示されませんが、 Output が含まれる行は表示されます。
次の例では、出力に protocol が含まれる行のみを出力として表示する方法を示しています。
ap# show interfaces | include protocol
Vlan1 is up, line protocol is up
Vlan10 is up, line protocol is down
GigabitEthernet0/1 is up, line protocol is down
GigabitEthernet0/2 is up, line protocol is up
CLI へのアクセス
wireless deviceの CLI は、Telnet または Secure Shell(SSH)を使用して開くことができます。
Telnet を使用して CLI を開く
Telnet を使用して CLI を開く手順は、次のとおりです。これらの手順は、Microsoft Windows を実行する PC で Telnet 端末アプリケーションを使用する場合を想定しています。オペレーティング システムの詳細な操作方法については、お使いの PC の操作マニュアルを確認してください。
Accessories メニューに Telnet がない場合は、Start > Run の順に選択し、入力フィールドに Telnet と入力して Enter キーを押します。
ステップ 2 Telnet ウィンドウが表示されたら、Connect をクリックして、Remote System を選択します。
ステップ 3 Host Name フィールドにwireless deviceの IP アドレスを入力して、Connect をクリックします。
ステップ 4 ユーザ名とパスワードが要求されたら、管理者のユーザ名とパスワードを入力します。デフォルトのユーザ名は Cisco、デフォルトのパスワードは Cisco です。デフォルトのイネーブル パスワードも Cisco です。ユーザ名とパスワードでは、大文字と小文字が区別されます。
Secure Shell を使用して CLI を開く
Secure Shell プロトコルは、ネットワーク デバイスとの安全なリモート接続を可能にするプロトコルです。Secure Shell(SSH)は、セッション全体を暗号化することによって、安全なログイン セッションを実現するソフトウェア パッケージです。SSH は、強力な暗号の認証、強力な暗号化、および完全性保護を特長としています。SSH の詳細は、次の URL の SSH Communications Security, Ltd. のホームページを参照してください。
SSH はデバイスの認証時に強力な暗号化を行うため、Telnet よりもリモート接続の安全性が高くなります。SSH バージョン 1 および 2 は、このリリースでサポートされています。wireless deviceの SSH アクセスに関する設定手順の詳細は、アクセス ポイントの Secure Shell の設定を参照してください。
