この章では、Catalyst 3550 スイッチに音声 VLAN(仮想 LAN)機能を設定する方法について説明します。音声 VLAN は、Catalyst 6000 ファミリー スイッチのマニュアルで、 補助 VLAN と呼ばれる場合があります。
音声 VLAN の概要
音声 VLAN 機能によって、アクセス ポートは、IP Phone からの IP 音声トラフィックを搬送できるようになります。スイッチは、Cisco 7960 IP Phone に接続して IP 音声トラフィックを搬送できます。データが不均一に送信されると IP Phone 通話の音質は劣化する可能性があるので、スイッチは IEEE 802.1p Class of Service(CoS; サービス クラス)に基づく Quality of Service(QoS; サービス品質) スケジューリングを使用してスイッチからのネットワーク トラフィックを予測可能な方法で送信します。QoS の詳細については、 第30章 「QoS の設定」 を参照してください。Cisco 7960 IP Phone は設定変更可能なデバイスで、IEEE 802.1p プライオリティでトラフィックを転送するように設定できます。IP Phone によって割り当てられたトラフィック プライオリティを信頼するかまたは無効にするようにスイッチを設定できます。
Cisco 7960 IP Phone は、統合型 3 ポート 10/100 スイッチを装備しています( 図13-1 を参照)。ポートは次のデバイスとの接続を提供します。
- ・ ポート 1 は、スイッチまたはその他の Voice-over-IP(VoIP)デバイスに接続します。
- ・ ポート 2 は、IP Phone トラフィックを搬送する内蔵 10/100 インターフェイスです。
- ・ ポート 3(アクセス ポート)は、PC またはその他のデバイスに接続します。
図13-1 に、Cisco 7960 IP Phone の接続方法の 1 つを示します。
図13-1 スイッチに接続した Cisco 7960 IP Phone
スイッチに IP Phone を接続する場合は、IP Phone のアクセス ポート(PC と電話機の接続ジャック)に PC を接続できます。PC と IP Phone が送受信するパケットは、同じ物理リンクを通り、同じスイッチ ポートを共有します。音声 VLAN を使用する構成例については、 ネットワーク構成の例 を参照してください。
音声 VLAN の設定
ここでは、アクセス ポートに音声 VLAN を設定する 方法 について説明します。具体的な設定情報は次のとおりです。
音声 VLAN のデフォルト設定
音声 VLAN 機能はデフォルトではディセーブルに設定されています。
音声 VLAN 機能をイネーブルにすると、すべてのタグなしトラフィックは、ポートのデフォルトの CoS プライオリティに従って送信されます。
CoS は、IEEE 802.1p または IEEE 802.1Q タグ付きトラフィックでは信頼されていません。
IP Phone は、あらゆる着信トラフィック(タグ付きおよびタグなし)よりも優先され、CoS 値は 0 に設定されます。
音声 VLAN 設定時の注意事項
- ・ 音声 VLAN はスイッチのアクセス ポートに設定する必要があります。
- ・ 音声 VLAN をイネーブルにする前に、mls qos グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してスイッチで QoS をイネーブルにし、mls qos trust cos インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力してポートの信頼状態を trust に設定することを推奨します。
- ・ IP Phone が音声 VLAN と正しく通信するためには、スイッチに音声 VLAN がありアクティブになっている必要があります。VLAN があるかどうかを確認するには、 show vlan イネーブル EXEC コマンドを使用します(出力に表示されます)。VLAN が表示されていない場合は、 第11章 「VLAN の設定」 で VLAN の作成方法の詳細を確認してください。
- ・ 音声 VLAN を設定すると、PortFast 機能は自動的にイネーブルに設定されます。音声 VLAN 機能をディセーブルにしても自動的にディセーブルになりません。
- ・ 音声 VLAN の設定されたインターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにする場合は、ポート上で許可されるセキュア アドレスの最大数を少なくとも 2 にして、さらにアクセス VLAN に許可されているセキュア アドレスの最大数を加えます。ポートが Cisco IP Phone に接続されている場合、IP Phone には最大で 2 つの MAC(メディア アクセス制御)アドレスが必要です。IP Phone のアドレスは音声 VLAN で学習されますが、アクセス VLAN では学習される場合とされない場合があります。PC を IP Phone に接続する場合、追加の MAC アドレスが必要になります。
- ・ アクセス VLAN 上でイネーブルに設定されるポート セキュリティのタイプにかかわらず、ダイナミック ポート セキュリティは音声 VLAN 上で自動的にイネーブルになります。
- ・ 音声 VLAN では、スタティック セキュア MAC アドレスまたは固定セキュア MAC アドレスを設定できません。
- ・ 音声 VLAN ポートは、次のポート タイプにすることもできます。
- − ダイナミックアクセス ポート。詳細については、 VMPS クライアントのダイナミック アクセス ポートの設定 を参照してください。
- − セキュア ポート。詳細については、 ポート セキュリティの設定 を参照してください。
- − IEEE 802.1X 認証ポート。詳細については、 IEEE 802.1X 認証と音声 VLAN ポートの使用方法 を参照してください。
- − 保護ポート。詳細については、 保護ポートの設定 を参照してください。
Cisco 7960 IP Phone に接続するポートの設定
Cisco 7960 IP Phone は、PC またはその他のデバイスへの接続もサポートするので、Cisco 7960 IP Phone にスイッチを接続するポートは、混合されたトラフィックを搬送できます。
次のいずれかの方法で音声トラフィックを搬送するようにポートを設定できます。
- ・ IEEE 802.1Q フレームで音声トラフィックを搬送するようにポートを設定する場合
- ・ IEEE 802.1p プライオリティ タグ付きフレームで音声トラフィックを搬送するようにポートを設定する場合
次のいずれかの方法でデータ トラフィックを搬送するように IP Phone を設定できます。
IEEE 802.1Q フレームで音声トラフィックを搬送するようにポートを設定する場合
特定の VLAN について IEEE 802.1Q フレームで音声トラフィックを搬送するようにポートを設定するには、イネーブル EXEC モードで次の手順を実行します。
音声 VLAN を削除するには、 no switchport voice vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドまたは switchport voice vlan none インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
IEEE 802.1p プライオリティ タグ付きフレームで音声トラフィックを搬送するようにポートを設定する場合
IP Phone が音声トラフィックに高いプライオリティを与え、ネイティブ VLAN 経由ですべてのトラフィックを転送するようにポートを設定するには、イネーブル EXEC モードで次の手順を実行します。
ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport voice vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
着信データ フレームの CoS プライオリティの無効化
PC またはその他のデータ デバイスを Cisco 7960 IP Phone のポートに接続できます。PC は、割り当てられた CoS 値を持つパケットを生成できます。接続されたデバイスから IP Phone のポートに着信するフレームのプライオリティを無効にするようにスイッチを設定できます。
Cisco 7960 IP Phone で、非音声ポートから受信した CoS プライオリティを無効にするには、イネーブル EXEC モードで次の手順を実行します。
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インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP Phone に接続されているインターフェイスを指定します。 |
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ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport priority extend インターフェイス コンフィギュレーション コマンドまたは switchport priority extend cos 0 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
着信データ フレームの CoS プライオリティを信頼するように IP Phone を設定する場合
PC またはその他のデータ デバイスを Cisco 7960 IP Phone のポートに接続できます。PC は、割り当てられた CoS 値を持つパケットを生成できます。接続されたデバイスから IP Phone のポートに着信するフレームのプライオリティを信頼するようにスイッチを設定できます。
Cisco 7960 IP Phone で、非音声ポートから受信した CoS プライオリティを信頼するようにするには、イネーブル EXEC モードで次の手順を実行します。
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インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP Phone に接続されているインターフェイスを指定します。 |
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ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport priority extend インターフェイス コンフィギュレーション コマンドまたは switchport priority extend cos 0 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
音声 VLAN の表示
インターフェイスの音声 VLAN を表示するには、 show interfaces interface-id switchport イネーブル EXEC コマンドを使用します。
