
この章では、Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピングのアプリケーションであるMulticast VLAN Registration(MVR)など、Catalyst 3550スイッチにIGMPスヌーピングを設定する方法について説明します。また、IGMPフィルタリングを使用してマルチキャスト グループ メンバーシップを制御する手順およびIGMPスロットリング動作の設定手順についても説明します。
レイヤ2スイッチは、IGMPスヌーピングを使用してレイヤ2インターフェイスを動的(ダイナミック)に設定することにより、マルチキャスト トラフィックのフラッディングを抑制するため、マルチキャスト トラフィックがIPマルチキャスト デバイスに対応づけられたインターフェイスにだけ転送されます。名前が示すとおり、IGMPスヌーピングでは、LANスイッチはホストとルータの間でIGMP伝送をスヌーピングし、マルチキャスト グループとメンバー ポートを追跡する必要があります。スイッチは、特定のマルチキャスト グループのホストからIGMPレポートを受け取ると、転送テーブル エントリにホストのポート番号を追加します。また、ホストからIGMP Leave Groupメッセージを受け取ると、テーブル エントリからホスト ポートを削除します。また、マルチキャスト クライアントからIGMPメンバーシップ レポートを受信しない場合、定期的にエントリの削除も行います。
マルチキャスト ルータ(拡張マルチレイヤ ソフトウェア イメージ搭載のCatalyst 3550スイッチも含む)は、すべてのVLAN(仮想LAN)に定期的に一般クエリを送出します。このマルチキャスト トラフィックを必要とするすべてのホストは、Join要求を送信し、これによって転送テーブルのエントリに追加されます。スイッチは、マルチキャスト ルータに対し、IPマルチキャスト グループごとに1つだけJoin要求を転送します。IGMP Join要求の送信元である各MACグループについて、レイヤ2転送テーブルのVLANごとに1つのエントリを作成します。
IGMPスヌーピングを通じて学習するレイヤ2マルチキャスト グループは、動的です。ただし、ip igmp snooping vlan staticグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、MACマルチキャスト グループをスタティックに設定できます。マルチキャスト グループ アドレスのグループ メンバーシップをスタティックに設定すると、その設定はIGMPスヌーピングによるどの自動操作よりも優先されます。マルチキャスト グループ メンバーシップのリストは、ユーザ側の定義した設定とIGMPスヌーピングにより学習された設定の両方で構成されます。
ポート スパニングツリー、ポート グループ、またはVLAN IDが変更された場合、VLAN上のこのポートからIGMP スヌーピングで学習されたマルチキャスト グループは削除されます。
ここでは、スイッチのIGMPスヌーピングの特性について説明します。
スイッチは、IGMPバージョン1、IGMPバージョン2、およびIGMPバージョン3をサポートします。これらのバージョンは、スイッチではインターオペラビリティがあります。たとえば、IGMPv2スイッチでIGMPスヌーピングがイネーブルで、スイッチがIGMPv3レポートをホストから受信する場合、スイッチはIGMPv3レポートをマルチキャスト ルータへ転送できます。
IGMPv3スイッチは、Basic IGMPv3 Snooping Support(BISS)をサポートします。BISSには、IGMPv1およびIGMPv2スイッチのスヌーピング機能のサポートと、IGMPv3メンバーシップ レポート メッセージのサポートが含まれます。ネットワークにIGMPv3ホストが含まれる場合、BISSはマルチキャスト トラフィックのフラッディングを抑制します。BISSは、IGMPv2またはIGMPv1ホストのIGMPスヌーピング機能とほぼ同じ一連のポートにまで、トラフィックを抑制します。
IGMPv3スイッチは、Source Specific Multicast(SSM)機能を実行するデバイスとの間でメッセージを受信したり、メッセージを転送したりします。詳細については、『Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Software Configuration Guide, Cisco IOS Release 12.1(12c)EW』のChapter「Configuring IP Multicast Layer 3 Switching」を参照してください。URLは次のとおりです。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat4000/12_1_12/config/mcastmls.htm
スイッチに接続されたホストがIPマルチキャスト グループに加入しようとする場合、加入したいIGMPマルチキャスト グループを指定して非請求のIGMP Joinメッセージを送信します。また、スイッチはルータから一般クエリを受信すると、VLAN内のすべてのポートにそのクエリを転送します。マルチキャスト グループに加入しようとするホストは、スイッチにJoinメッセージを送信して応答します。スイッチのCPUは、グループのマルチキャスト転送テーブル エントリがまだ作成されていないと、これを作成します。また、Joinメッセージを受信したインターフェイスの転送テーブル エントリへの追加も行います。そのインターフェイスに関連づけられているホストは、マルチキャスト グループのマルチキャスト トラフィックを受信します(最初のIGMP Joinメッセージを参照してください)。
ルータAがスイッチに一般クエリを送信し、スイッチがそのクエリを同じVLANのすべてのメンバーであるポート2〜5に転送します。ホスト1はマルチキャスト グループ224.1.2.3 に加入を希望し、相当するMAC宛先アドレス0x0100.5E01.0203を持つグループにIGMPメンバーシップ レポート(IGMP Joinメッセージ)をマルチキャストします。CPUはホスト1によるIGMPレポート マルチキャストを受け取ると、IGMPレポート内の情報を使用して転送テーブルのエントリを設定します(IGMPスヌーピング転送テーブルを参照)。このエントリには、ホスト1のポート番号、ルータ、およびスイッチ内蔵CPUが含まれます。
スイッチのハードウェアがIGMP情報パケットをマルチキャスト グループのその他のパケットと区別できることに注意してください。
別のホスト(たとえば、ホスト4)が同じグループに非送信請求のIGMP Joinメッセージを送信する場合(2番目のホストのマルチキャスト グループへの加入を参照)、CPUはメッセージを受信して、転送テーブルにホスト4のポート番号を追加します(アップデートされたIGMPスヌーピング転送テーブルを参照)。転送テーブルはCPUにだけ向けてIGMPメッセージを送るため、メッセージはスイッチのその他のポートにはフラッディングしないことに注意してください。既知のマルチキャスト トラフィックはグループには転送されますが、CPUには転送されません。
ルータは定期的にマルチキャスト一般クエリを送信し、スイッチはこのクエリをVLANのすべてのポートを通じて転送します。このクエリを必要とするホストがこれに応答します。VLANの1つ以上のホストがマルチキャスト トラフィックを必要とする場合は、ルータはVLANにマルチキャスト トラフィックを転送し続けます。スイッチがマルチキャスト グループ トラフィックを転送するのは、そのレイヤ2マルチキャスト グループの転送テーブルにリストされているホストに限られます。
ホストは、マルチキャスト グループを脱退する場合、メッセージを送信せずに脱退することも、Leaveメッセージを送信することもできます。スイッチは、ホストからLeaveメッセージを受信すると、MACベースの一般クエリを送出して、そのインターフェイスに接続しているその他のデバイスが、特定のマルチキャスト グループのトラフィックを必要としているかどうかを調べます。次に、そのMACグループの転送テーブルをアップデートして、そのグループのマルチキャスト トラフィックを必要とするホストだけが転送テーブルにリストされるようにします。ルータは、VLANからのレポートを受信しなかった場合は、IGMPキャッシュからそのVLANのグループを削除します。
即時脱退は、IGMPバージョン2のホストについてのみサポートされます。
IGMPスヌーピングの即時脱退(immediate-leave)処理を使用すると、スイッチは、MACベースの一般クエリをインターフェイスに送信することなく、転送テーブルからLeaveメッセージを送信したインターフェイスを削除できます。VLANインターフェイスは、最初のLeaveメッセージで指定されたマルチキャスト グループのマルチキャスト ツリーから削除されます。即時脱退処理によって、複数のマルチキャスト グループを同時に使用する場合でも、スイッチド ネットワーク上のすべてのホストに対して最適な帯域幅管理を行うことができます。
スイッチは、IGMPレポート抑制を使用して、マルチキャスト ルータ クエリ単位で1つのIGMPレポートのみをマルチキャスト デバイスに転送します。IGMPルータ抑制がイネーブルの場合(デフォルト)、スイッチは最初のIGMPレポートをグループのすべてのホストからすべてのマルチキャスト ルータに送信します。スイッチは、グループの残りのIGMPレポートはマルチキャスト ルータに送信しません。この機能は、レポートが重複してマルチキャスト デバイスに送信されるのを防止します。
マルチキャスト ルータ クエリにIGMPv1およびIGMPv2レポート専用の要求が含まれている場合、スイッチは最初にIGMPv1またはIGMPv2レポートのみをグループのすべてのホストからすべてのマルチキャスト ルータに転送します。
マルチキャスト ルータ クエリにIGMPv3レポートの要求も含まれている場合、スイッチはグループのIGMPv1、IGMPv2、およびIGMPv3レポートすべてをマルチキャスト デバイスに転送します。
IGMPレポート抑制をディセーブルにする場合、すべてのIGMPレポートがマルチキャスト ルータに転送されます。
送信専用ネットワークでは、スイッチ ポートがマルチキャスト送信元ポートおよびマルチキャスト ルータ ポートに接続しています。スイッチ ポートは、IGMP JoinまたはLeaveメッセージを送信するホストには接続していません。
スイッチは、送信専用学習方式を使用して、IPマルチキャスト データ ストリームからの予約済み、宛先、マルチキャストIPアドレス(224.0.0.x)によりエイリアスになるIPマルチキャスト グループについて学習します。スイッチは、これらのマルチキャスト アドレスのみでエイリアスになるトラフィックをマルチキャスト ルータ ポートに転送します。
予約済み、宛先、マルチキャストIPアドレスでエイリアスになるトラフィックのデフォルトの学習方式は、IPマルチキャスト送信専用学習方式です。これらのマルチキャスト アドレスでエイリアスにならないトラフィックは、マルチキャスト送信元ポートおよびマルチキャスト ルータ ポートの両方に転送されます。予約済み、宛先、マルチキャストIPアドレスによるトラフィックのIPマルチキャスト送信専用学習をディセーブルにすることはできません。
デフォルトでは、送信専用学習方式により学習されて、現在は使用されていない転送テーブル エントリでのスイッチの有効期限は切れています。エージング タイムが長すぎる、またはディセーブルの場合、スイッチが送信専用学習またはIGMP Joinメッセージで学習した未使用のエントリで転送テーブルがいっぱいになります。スイッチが新しいIPマルチキャスト グループのトラフィックを受信すると、同じVLAN内のすべてのポートにパケットをフラッディングさせます。この不必要なフラッディングによって、スイッチのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
エージングがディセーブルで、スイッチが送信専用学習を使用して学習したマルチキャスト アドレスを削除する場合は、転送テーブル エントリのエージングを再度イネーブルにします。送信専用学習方式により学習されて、現在は使用されていないマルチキャスト アドレスでのスイッチの有効期限は切れています。
IGMPスヌーピングを使用すると、スイッチは、IGMPパケットを調べたり、その内容に基づいて転送を判断できるようになります。スイッチでIGMPスヌーピングをイネーブルにして、外部マルチキャスト ルータを検出するには、VLAN内のルータのレイヤ3インターフェイスがマルチキャスト ルーティング用に設定されている必要があります。詳細については、IPマルチキャスト ルーティングの設定を参照してください。
ここでは、IGMPスヌーピングを設定する方法について説明します。
IGMPスヌーピングのデフォルト設定に、IGMPスヌーピングのデフォルト設定を示します。
デフォルトでは、IGMPスヌーピングはスイッチでグローバルにイネーブルです。グローバルにイネーブルまたはディセーブルに設定されていると、既存のすべてのVLANインターフェイスでもイネーブルまたはディセーブルになっています。IGMPスヌーピングは、デフォルトですべてのVLANでイネーブルになっていますが、VLAN単位でイネーブルおよびディセーブルに設定することもできます。マルチキャスト ルーティング用にVLANインターフェイスを設定しておくと、スイッチがIGMPスヌーピングを使用して、外部マルチキャスト ルータに動的にアクセスするための設定は必要ありません。
グローバルIGMPスヌーピングは、VLAN IGMPスヌーピングに優先します。グローバル スヌーピングがディセーブルになっている場合は、VLANスヌーピングをイネーブルにできません。グローバル スヌーピングがイネーブルの場合、VLANスヌーピングはイネーブルまたはディセーブルのどちらにも設定できます。
VLANインターフェイスでIGMPスヌーピングをディセーブルにするには、指定されたVLAN番号についてno ip igmp snooping vlanvlan-idグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
マルチキャスト対応ルータ ポートは、すべてのレイヤ2マルチキャスト エントリごとに転送テーブルに追加されます。スイッチは、次のいずれか1つの方式でそれらのポートを学習します。
IGMPクエリおよびPIM/DVMRPパケットをスヌーピングするように、あるいはCGMP self-joinまたはproxy-joinパケットの待ち受けを行うようにスイッチを設定できます。デフォルトでは、スイッチはすべてのVLANのPIM/DVMRPパケットをスヌーピングします。CGMPパケットからのみマルチキャスト ルータ ポートを学習させるには、ip igmp snooping vlanvlan-idmrouter learn cgmpグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。このコマンドを入力すると、ルータはCGMP self-joinまたはproxy-joinパケットのみを待ち受け、その他のCGMPパケットは待ち受けません。PIM/DVMRPパケットからのみマルチキャスト ルータ ポートを学習させるには、ip igmp snooping vlanvlan-id mrouter learn pim-dvmrpグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
VLANインターフェイスがマルチキャスト ルータに動的にアクセスする方法を変更するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
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ip igmp snooping vlan vlan-idmrouter learn {cgmp | pim-dvmrp} |
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次に、学習方式としてCGMPパケットを使用するようにIGMPスヌーピングを設定する例を示します。
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 1 mrouter learn cgmp
Switch#show ip igmp snooping vlan 1
Global IGMP Snooping configuration:
-----------------------------------
IGMPv3 snooping (minimal) :Enabled
Multicast router learning mode :pim-dvmrp
Source only learning age timer :10
CGMP interoperability mode :IGMP_ONLY
デフォルトの学習方式に戻すには、noip igmp snooping vlanvlan-idmrouter learn cgmpグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
マルチキャスト ルータ ポートを追加する(マルチキャスト ルータにスタティック接続を追加する)には、スイッチでip igmp snooping vlan mrouterグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
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マルチキャスト ルータのVLAN IDを指定し、マルチキャスト ルータのインターフェイスを指定します。指定できるVLAN IDの範囲は1〜4094です。 |
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VLANからマルチキャスト ルータ ポートを削除するには、no ip igmp snooping vlanvlan-id mrouter interface interface-idグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、マルチキャスト ルータへのスタティック接続をイネーブルに設定し、その設定を確認する例を示します。
Switch(config)#ip igmp snooping vlan 200 mrouter interface gigabitethernet0/2
Switch# show ip igmp snooping mrouter vlan 200
-----+----------------------------------------
ホストまたはレイヤ2ポートは、通常はマルチキャスト グループに動的に加入しますが、インターフェイスでホストをスタティックに設定することもできます。
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ip igmp snooping vlanvlan-id staticmac-addressinterface interface-id |
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マルチキャスト グループからレイヤ2ポートを削除するには、no ip igmp snooping vlanvlan-id staticmac-addressinterface interface-idグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、インターフェイスにスタティックにホストを設定し、その設定を確認する例を示します。
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 1 static 0100.5e00.0203 interface gigabitethernet0/1
Switch# show mac address-table multicast vlan 1
IGMP即時脱退処理をイネーブルにすると、スイッチは、ポートでIGMPv2 leaveメッセージを検出してそのポートを削除します。即時脱退処理機能を使用するのは、VLANの各ポートごとにレシーバーが1つ存在する場合だけにしてください。
VLAN上でIGMP即時脱退をディセーブルにするには、no ip igmp snooping vlanvlan-idimmediate-leaveグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、VLAN 130でIGMP即時脱退処理をイネーブルにする例を示します。
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 130 immediate-leave
デフォルトでは、IGMPレポート抑制はディセーブルです。IGMPレポート抑制をイネーブルにすると、スイッチはマルチキャスト ルータ クエリ単位で1つのIGMPレポートのみを転送します。レポート抑制をディセーブルにすると、すべてのIGMPレポートがマルチキャスト ルータに転送されます。
IGMPレポート抑制を再度イネーブルにするには、ip igmp snooping report-suppressionグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
転送テーブル エントリのエージングをディセーブルにするには、ip igmp snooping source-only-learningage-timer 0グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。
動的に学習された、あるいはスタティックに設定されたルータ ポートおよびVLANインターフェイスのIGMPスヌーピング情報を表示できます。IGMPスヌーピング用に設定したVLANのMACアドレス マルチキャスト エントリの表示もできます。
IGMPスヌーピング情報を表示するには、IGMPスヌーピング情報表示用のコマンドに示す1つまたは複数のイネーブルEXECコマンドを使用します。
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show mac address-table multicast[vlanvlan-id] [user | igmp-snooping] [count] |
VLANについてレイヤ2 MACアドレス テーブルのエントリを表示します。各キーワードはすべてオプションで、次のように表示が制限されます。 |
コマンドのキーワードおよびオプションの詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
たとえば、IGMPスヌーピング情報表示用のコマンドのコマンドからの出力例については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
MVRは、イーサネット リングベースのサービス プロバイダー ネットワークで、マルチキャスト トラフィックを広範囲に配信するアプリケーション(サービス プロバイダー ネットワークでの複数のTVチャネルのブロードキャストなど)用に設計された機能です。MVRにより、ポート上の加入者は、ネットワーク全般のマルチキャストVLANのマルチキャスト ストリームに対して、加入または非加入を設定できます。ネットワーク上で1つのマルチキャストVLANを共有しながら、加入者は異なるVLANに存続できます。MVRを使用すると、マルチキャストVLAN内でマルチキャスト ストリームを継続的に送信しながら、帯域幅およびセキュリティを確保するために、加入者VLANからストリームを隔離することができます。
MVRでは、加入者ポートが、IGMP JoinまたはLeaveメッセージを送信することによって、マルチキャスト ストリームへの加入または非加入(JoinまたはLeave)を実行することを前提にしています。このメッセージは、イーサネット接続のIGMPv2互換ホストから発信できます。MVRはIGMPスヌーピングの基本メカニズムで動作しますが、2つの機能は相互に独立して動作します。それぞれ、もう一方の動作に影響を与えることなくイネーブルまたはディセーブルにできます。ただし、IGMPスヌーピングとMVRが共にイネーブルの場合は、MVRは、MVR上で設定されたマルチキャスト グループからのJoinおよびLeaveメッセージに対してのみ反応します。残りすべてのマルチキャスト グループからのJoinおよびLeaveメッセージは、IGMPスヌーピングによって管理されます。
スイッチのCPUは、MVR IPマルチキャスト ストリームおよびスイッチ転送テーブル上の関連MACアドレスを識別し、IGMPメッセージを代行受信します。また、受信側が送信元とは別のVLANにいる場合でも、マルチキャスト ストリームの受信側として加入者をテーブルに追加したりテーブルから削除したりするように転送テーブルを書き換えます。この転送動作は、さまざまなVLAN間で通信されるトラフィックを選択的に許可します。
スイッチには、ダイナミック モードと互換モードという2つのMVR動作モードがあります。
マルチキャストTVアプリケーションでは、PCまたはセットトップ ボックスを装備したTVで、マルチキャスト ストリームを受信できます。複数のセットトップ ボックスまたは複数のPCは、MVRの受信ポートとして設定されたスイッチ ポートである、1つの加入者ポートに接続できます(MVRの例を参照してください)。セットトップ ボックスまたはPCには、DHCPによってIPアドレスが割り当てられます。加入者がチャネルを選択すると、対応するマルチキャストに加入するために、セットトップ ボックスまたはPCからS1スイッチに対してIGMPレポートが送信されます。IGMPレポートが、設定済みのマルチキャストMACアドレスの1つと一致すると、スイッチのCPUは、ハードウェアのアドレス テーブルを変更し、指定されたマルチキャスト ストリームをマルチキャストVLANから受信した場合にそのマルチキャスト ストリームを転送する宛先として、この受信ポートとVLANをアドレス テーブルに追加します。マルチキャストVLANとの間でマルチキャスト データを送受信するアップリンク ポートを、MVR送信元ポートと呼びます。
加入者がチャネルを変更するか、TVをオフにすると、セットトップ ボックスからマルチキャスト ストリームのIGMP Leaveメッセージが送信されます。スイッチのCPUは、受信ポートのVLANを介して、IGMPグループ別クエリを送信します。VLAN内に、このグループに加入しているほかのセットトップ ボックスがある場合には、そのセットトップ ボックスは最大応答時間の範囲内に応答しなければなりません。応答を受信しない場合、CPUは、このグループの転送宛先から受信ポートを除外します。
即時脱退機能が受信ポートでイネーブルになっている場合は、ポートはより迅速にマルチキャスト グループを脱退します。即時脱退機能がイネーブルになっていない場合、スイッチは受信ポートの加入者からIGMP Leaveメッセージを受信すると、そのポートにIGMPクエリを送信してIGMPグループ メンバーシップ レポートを待ちます。設定された時間内にレポートを受信しなかった場合は、マルチキャスト グループ メンバーシップから受信ポートが削除されます。即時脱退機能を使用する場合、IGMPクエリは、IGMP Leaveメッセージを受信した受信ポートから送信されません。Leaveメッセージを受信するとただちに、受信ポートがマルチキャスト グループ メンバーシップから削除されるため、脱退遅延時間が短縮されます。即時脱退機能は、1つの受信デバイスを接続した受信ポートでだけイネーブルにしてください。
MVRでは、各VLANの複数の加入者に対してTVチャネルのマルチキャスト トラフィックを重複して送信する必要がありません。すべてのチャネルに対するマルチキャスト トラフィックが、VLANトランクで1回だけ送信されます(マルチキャストVLAN上のみ)。IGMP LeaveおよびJoinメッセージは、加入者ポートが割り当てられているVLAN内で送信されます。これらのメッセージによって、レイヤ3デバイス上でマルチキャストVLANのマルチキャスト トラフィック ストリームが、動的に登録されます。アクセス レイヤ スイッチ(S1スイッチ)は、マルチキャストVLANから別のVLAN上の加入者ポートにトラフィックが転送されるように転送動作を変更し、2つのVLAN間で伝送されるトラフィックを選択的に許可します。
IGMPレポートは、マルチキャスト データと同じMACアドレス宛に送信されます。S1 CPUは、受信ポートからのすべてのIGMP JoinおよびLeaveメッセージを取り込み、送信元(アップリンク)ポートのマルチキャストVLANに転送する必要があります。
MVRのデフォルト設定に、MVRのデフォルト設定を示します。
デフォルト設定を使用する場合には、オプションのMVRパラメータを設定する必要はありません。デフォルトのパラメータ値を変更する場合(MVR VLANを除く)には、先にMVRをイネーブルにする必要があります。
スイッチをデフォルト設定に戻すには、no mvr [mode| groupip-address | querytime | vlan]グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、MVRをイネーブルにして、MVRグループ アドレスを設定し、クエリ時間を1秒(10×1/10)に設定し、MVRマルチキャストVLANをVLAN 22として指定し、MVRモードをdynamicに設定して、結果を確認する方法を示します。
Switch(config)#mvr group 228.1.23.4
Switch(config)#mvr querytime 10
Switch(config)#mvr mode dynamic
MVR Current multicast groups: 1
MVR Global query response time: 10 (tenths of sec)
show mvr membersイネーブルEXECコマンドを使用すると、スイッチのMVRマルチキャスト グループ アドレスを確認できます。
インターフェイスをデフォルト設定に戻すには、no mvr [type | immediate | vlanvlan-id | group]インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートGigabitEthernet 0/2を受信ポートとして設定し、マルチキャスト グループ アドレスに送信されたマルチキャスト トラフィックを受信するようにポートを設定し、インターフェイスに即時脱退機能を設定して、結果を確認する方法を示します。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config-if)# mvr type receiver
Switch(config-if)# mvr vlan 22 group 228.1.23.4
Switch(config-if)# mvr immediate
Switch# show mvr interface gigabitethernet0/2
Type: RECEIVER Status: ACTIVE Immediate Leave: ENABLED
次に、memberキーワードが使用された場合のshow mvr interfaceイネーブルEXECコマンドの出力例を示します。
Switch# show mvr interface gigabitethernet0/6 members
スイッチまたは指定されたインターフェイスのMVR情報を表示できます。
MVR情報を表示するには、イネーブルEXECモードでMVR情報表示用のコマンドのコマンドを実行します。
次に、show mvrイネーブルEXECコマンドの出力例を示します。
MVR Current multicast groups: 256
MVR Global query response time: 5 (tenths of sec)
次に、show mvr interfaceイネーブルEXECコマンドの出力例を示します。
Port Type Status Immediate Leave
---- ---- ------- ---------------
Fa0/1 SOURCE ACTIVE/UP DISABLED
Fa0/2 SOURCE ACTIVE/UP DISABLED
Fa0/3 SOURCE ACTIVE/DOWN DISABLED
Fa0/5 SOURCE ACTIVE/DOWN DISABLED
次に、指定したインターフェイスに対するshow mvr interfaceイネーブルEXECコマンドの出力例を示します。
Switch# show mvr interface fastethernet0/2
次に、members キーワードを使用した場合のshow mvr interfaceイネーブルEXECコマンドの出力例を示します。
Switch# show mvr interface gigabitethernet0/6 members
次に、show mvr membersイネーブルEXECコマンドの出力例を示します。
224.0.1.1 ACTIVE Fa0/1(s), Fa0/2(d)
一部の環境(たとえば、メトロポリタンまたはMultiple-Dwelling Unit[MDU;集合住宅]インストレーション)では、スイッチ ポート上のユーザが所属するマルチキャスト グループを管理する必要があります。契約やサービス計画のタイプに基づいてIP/TVなどのマルチキャスト サービスの配信を制御できます。また、スイッチ ポート上のユーザが属するマルチキャスト グループの数も制限できます。
IGMPフィルタリング機能を使用すると、IPマルチキャスト プロファイルを設定して個々のスイッチ ポートに対応づけることにより、ポート単位でマルチキャスト加入をフィルタリングできます。IGMPプロファイルには1つまたは複数のマルチキャスト グループを格納できます。また、IGMPプロファイルによって、このグループへのアクセスを許可するか拒否するかを指定できます。マルチキャスト グループへのアクセスを拒否するIGMPプロファイルがスイッチ ポートに適用された場合、IPマルチキャスト トラフィックのストリームを要求するIGMP加入レポートは廃棄され、ポートはそのグループからIPマルチキャスト トラフィックを受信できません。フィルタリング アクションによってマルチキャスト グループへのアクセスが許可された場合、ポートからのIGMPレポートが転送され、通常の処理が行われます。
IGMPフィルタリングが制御するのは、JoinおよびLeaveレポートなど、グループ固有のクエリやメンバーシップ レポートだけです。一般的なIGMPクエリは制御しません。IGMPフィルタリングは、IPマルチキャスト トラフィックの転送指示機能には関係しません。フィルタリング機能は、マルチキャスト トラフィックの転送に、CGMPまたはMVRのどちらを使用しても同様に動作します。
レイヤ2インターフェイスが加入できるIGMPグループの最大数を設定することもできます。
IGMPスロットリング機能を使用すると、レイヤ2インターフェイスが加入できるIGMPグループの最大数を設定することもできます。IGMPグループの最大数を設定し、IGMPスヌーピング転送テーブルにエントリの最大数が含まれ、インターフェイスがIGMP Joinレポートを受信する場合、IGMPレポートを廃棄、または転送テーブルでランダムに選択されたマルチキャスト エントリを削除し、それからレポートのIGMPグループをテーブルに追加するようインターフェイスを設定できます。
ここでは、IGMPフィルタリングおよびスロットリングを設定する方法について説明します。
IGMPフィルタリングのデフォルト設定に、IGMPフィルタリングのデフォルト設定を示します。
グループの最大数が転送テーブルにある場合、デフォルトIGMPスロットリング動作はIGMPレポートを拒否します。設定時の注意事項については、IGMPスロットリング動作の設定を参照してください。
IGMPプロファイルを設定するには、プロファイル番号を指定してip igmp profileグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、IGMPプロファイル コンフィギュレーション モードを開始して、IGMPプロファイルを作成します。このモードでは、ポートからのIGMP Join要求をフィルタリングするのに使用する、IGMPプロファイルのパラメータを指定できます。IGMPプロファイル コンフィギュレーション モードにある場合は、次のコマンドでプロファイルを作成できます。
デフォルトでは、IGMPプロファイルが未設定です。プロファイルの設定時に、permitまたはdenyのどちらのキーワードも指定されていない場合は、デフォルトでIPアドレスの範囲へのアクセスが拒否されます。
プロファイルを削除するには、no ip igmp profileprofile numberグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
IPマルチキャスト アドレスまたはIPマルチキャスト アドレス範囲を削除するには、no rangeip multicast addressIGMPプロファイル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、1つのIPマルチキャスト アドレスへのアクセスを許可するIGMPプロファイル4を作成して、その設定を確認する例を示します。動作がdeny(デフォルト)である場合は、show ip igmp profileの出力には表示されません。
Switch(config)# ip igmp profile 4
Switch(config-igmp-profile)# permit
Switch(config-igmp-profile)# range 229.9.9.0
Switch(config-igmp-profile)# end
Switch# show ip igmp profile 4
IGMPプロファイルに定義に従ってアクセスを制御するには、ip igmp filterインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して該当するインターフェイスにプロファイルを適用します。IGMPプロファイルを適用できるのは、レイヤ2ポートだけです。ルーテッド ポートやSVIには適用できません。また、EtherChannelポート グループに属するポートにはプロファイルを適用できません。1つのプロファイルを複数のインターフェイスに適用することができますが、各インターフェイスに適用できるプロファイルは1つだけです。
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インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します(例: fastethernet0/3)。このインターフェイスには、EtherChannelポート グループに属していないレイヤ2ポートを指定しなければなりません。 |
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指定したIGMPプロファイルをこのインターフェイスに適用します。指定できるプロファイル番号の範囲は1〜4294967295です。 |
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インターフェイスからプロファイルを削除するには、no ip igmp filterprofile numberインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、インターフェイスにIGMPプロファイル4を適用し、設定を確認する例を示します。
Switch(config)# interface fastethernet0/12
Switch(config-if)# ip igmp filter 4
Switch# show running-config interface fastethernet0/12
Current configuration : 123 bytes
ip igmp max-groupsインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、レイヤ2インターフェイスが加入できるIGMPグループの最大数を設定できます。最大数をデフォルト(制限なし)に戻す場合は、このコマンドのno形式を使用します。
この制限が適用されるのはレイヤ2ポートだけです。ルーテッド ポートやSVIにはIGMPグループの最大数を設定できません。このコマンドを論理EtherChannelインターフェイス上で使用することもできますが、EtherChannelポート グループに属するポート上では使用できません。
最大グループ数の制限を削除して、最大値なしのデフォルトに戻すには、no ip igmp max-groupsインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、インターフェイスが加入できるIGMPグループ数を25に制限する例を示します。
Switch(config)# interface fastethernet0/12
Switch(config-if)# ip igmp max-groups 25
Switch# show running-config interface fastethernet0/12
Current configuration : 123 bytes
レイヤ2インターフェイスが加入できるIGMPグループの最大数を設定したあと、ip igmp max-groups actionreplaceインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、転送テーブルでランダムに選択されたマルチキャスト エントリを削除し、次のIGMPグループをテーブルに追加するようインターフェイスを設定できます。デフォルトに戻すには、このコマンドのno形式を使用します。デフォルトではIGMP Joinレポートを廃棄します。
スロットリング動作の設定時は、次の注意事項に従ってください。
スイッチが転送テーブル エントリを削除しないようにするには、インターフェイスが転送テーブルにエントリを追加する前に、IGMPスロットリング動作を設定できます。
エントリの最大数が転送テーブルに存在するときにスロットリング動作を設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
レポート廃棄のデフォルト動作に戻すには、 no ip igmp max-groups actionインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、エントリの最大数がテーブルに存在する場合に、転送テーブルでランダムに選択されたマルチキャスト エントリを削除し、転送テーブルにIGMPグループを追加するようインターフェイスを設定する例を示します。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# ip igmp max-groups action replace
IGMPプロファイルの特性を表示できます。また、スイッチのすべてのインターフェイスまたは指定したインターフェイスのIGMPプロファイルと最大グループ数の設定を表示できます。スイッチのすべてのインターフェイス、または特定のインターフェイスのIGMPスロットリング設定を表示することもできます。
IGMPフィルタリングおよびスロットリング設定を表示するには、IGMPフィルタリングおよびスロットリング設定表示用のコマンドに記載されたイネーブルEXECコマンドを使用します。
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指定されたインターフェイスまたはすべてのインターフェイスの設定を表示します。インターフェイスが加入できるIGMPグループの最大数(設定されている場合)やインターフェイスに適用されているIGMPプロファイルなどがこれに含まれます。 |
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