この章では、自動および手動の各種の方法で、Catalyst 3550スイッチの初期設定(たとえば、スイッチIPアドレスの割り当てやデフォルトのゲートウェイ情報)を作成する方法について説明します。また、スイッチのスタートアップ コンフィギュレーションの変更方法についても説明します。
起動プロセスの概要
スイッチを起動させるためには、ハードウェア インストレーション ガイドに記載されているスイッチの設置、電源投入、初期設定(IPアドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、シークレット パスワードおよびTelnetパスワードなど)の手順に従う必要があります。
通常の起動プロセスにはブートローダ ソフトウェアの操作も含まれます。ブートローダは次のアクティビティを実行します。
- 下位レベルCPUの初期化を実行します。CPUレジスタを初期化することにより、物理メモリがマップされる場所、容量、速度などを制御します。
- CPUサブシステムのPower-on Self-Test(POST;電源投入時セルフテスト)を実行します。CPU DRAMと、フラッシュ ファイル システムを構成するフラッシュ デバイスの部分をテストします。
- システム ボード上のフラッシュ ファイル システムを初期化します。
- デフォルトのオペレーティング システム ソフトウェアをメモリにロードし、スイッチを起動します。
ブート ローダによってフラッシュ ファイル システムにアクセスしてから、オペレーティング システムをロードします。通常、ブート ローダは、オペレーティング システムのロード、圧縮解除、および起動の目的でのみ使用します。オペレーティング システムがCPUを制御できるようになると、ブート ローダは、次にシステムがリセットされるか電源が投入されるまでは非アクティブになります。
オペレーティング システムに重大な障害が発生した場合は、ブート ローダはシステムにトラップドア アクセスも行います。トラップドア メカニズムによるシステムへのアクセス機能により、必要があれば、フラッシュ ファイル システムをフォーマットし、XMODEMプロトコルを使用してオペレーティング システムのソフトウェアイメージを再インストールし、失ったパスワードを回復し、最終的にオペレーティング システムを再起動できます。詳細については、 ソフトウェア障害からの回復 および パスワードを忘れた場合の回復 を参照してください。
スイッチの情報を割り当てるには、まずPCまたは端末がコンソール ポートに接続されており、それらのエミュレーション ソフトウェアのボー レートおよび文字フォーマットがスイッチのコンソール ポートのものと一致していることを確認します。
詳細については、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
スイッチ情報の割り当て
IP情報の割り当ては、スイッチのExpress Setupプログラム、CLI(コマンドライン インターフェイス)ベースのセットアップ プログラム、DHCPサーバを使用するか、またはCLIを使用して手動で行います。スイッチの設定手順に精通している場合は、手動でスイッチを設定してください。それ以外は、いずれかのセットアップ プログラムを使用してください。
特定のIP情報に対して画面での指示が必要な場合は、スイッチのExpress SetupかCLIベースのセットアップ プログラムを使用してください。これらのプログラムを使用することで、デフォルト ゲートウェイ、ホスト名、およびスイッチ(イネーブル シークレット)パスワードも設定できます。また、Telnetパスワードを割り当ててリモートによる管理のセキュリティを高めたり、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)をイネーブルにすることもできます。CLIベースのセットアップ プログラムからも、クラスタのコマンド スイッチまたはメンバー スイッチとして、もしくはスタンドアロン スイッチとして、スイッチを設定できます。Express SetupおよびCLIベースのセットアップ プログラムの詳細については、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
サーバを設定したあとは、IP情報の集中管理および自動割り当てのためにDHCPサーバを使用してください。
デフォルトのスイッチ情報
表3-1 に、デフォルトのスイッチ情報を示します。
DHCPベースの自動設定の概要
DHCPは、インターネットホストおよびインターネットワーキング デバイスに設定情報を提供します。このプロトコルは、2つのコンポーネントで構成されています。1つはDHCPサーバからデバイスにコンフィギュレーション パラメータを提供するコンポーネント、もう1つはデバイスにネットワーク アドレスを割り当てるメカニズムです。DHCPはクライアント サーバ モデルに基づいています。指定されたDHCPサーバが、ダイナミックに設定されるデバイスに対して、ネットワークアドレスを割り当て、コンフィギュレーション パラメータを提供します。スイッチは、DHCPクライアントおよびDHCPサーバ両方として機能します。
DHCPベースの自動設定中、起動時に、スイッチ(DHCPクライアント)が、IPアドレス情報およびコンフィギュレーション ファイルによって、自動的に設定されます。
DHCPベースの自動設定を使用すると、スイッチでDHCPクライアント側の設定を行う必要はありません。ただし、IPアドレス関連の各種リース オプションについてDHCPサーバを設定する必要はあります。DHCPを使用してネットワーク上のコンフィギュレーション ファイルをリレーする場合は、TFTP(簡易ファイル転送プロトコル)サーバおよびDomain Name System(DNS;ドメイン ネーム システム)サーバの設定が必要なこともあります。
スイッチのDHCPサーバは、同一のLAN上にも異なるLAN上にも設定できます。DHCPサーバが別のLANで実行されている場合は、スイッチとDHCPサーバ間のDHCPリレー デバイスを設定する必要があります。リレー デバイスは、直接接続されている2つのLAN間でブロードキャスト トラフィックを転送します。ルータはブロードキャスト パケットを転送しませんが、受信したパケットの宛先IPアドレスに基づいてパケットを転送します。
DHCPベースの自動設定は、スイッチのBOOTPクライアント機能に代わるものです。
DHCPクライアントの要求プロセス
コンフィギュレーション ファイルが存在しないスイッチを起動すると、DHCPクライアントが起動してDHCPサーバに設定情報を要求します。コンフィギュレーション ファイルが存在しており、そのコンフィギュレーションに特定のルーテッド インターフェイスの ip address dhcp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドが記述されている場合は、DHCPクライアントが起動してそれらのインターフェイスのIPアドレス情報を要求します。
図3-1 に、DHCPクライアントとDHCPサーバ間でメッセージが交換される順序を示します。
図3-1 DHCPクライアントとサーバのメッセージ交換
クライアントであるスイッチAは、DHCPDISCOVERメッセージをブロードキャストし、DHCPサーバを検索します。DHCPサーバは、DHCPOFFERユニキャスト メッセージによって、コンフィギュレーション パラメータ(IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイIPアドレス、DNS IPアドレス、IPアドレスのリースなど)をクライアントに提供します。
クライアントは、DHCPREQUESTブロードキャスト メッセージにより、DHCPサーバに対して、提供された設定情報の正式な要求を戻します。この要求は、クライアントからDHCPDISCOVERブロードキャスト メッセージを受信した他のすべてのDHCPサーバにブロードキャストされます。これらのサーバが、クライアントに提供したIPアドレスを再要求できるようにするためです。
DHCPサーバは、クライアントにDHCPACKユニキャスト メッセージを戻すことによって、クライアントにIPアドレスが割り当てられたことを確認します。このメッセージにより、クライアントとサーバがバインドされ、クライアントは、サーバから受信した設定情報を使用します。スイッチが受信する情報量は、DHCPサーバの設定方法によって異なります。詳細については、 DHCPサーバ設定時の注意事項 を参照してください。
クライアントに対して送信されたDHCPOFFERユニキャスト メッセージのコンフィギュレーション パラメータが無効の場合(コンフィギュレーション エラーがある場合)、クライアントはDHCPサーバにDHCPDECLINEブロードキャスト メッセージを戻します。
この場合、DHCPサーバはクライアントに、DHCPNAK拒否ブロードキャスト メッセージを送信します。これは、提供されたコンフィギュレーション パラメータが割り当てられておらず、パラメータのネゴシエーション中にエラーが発生したこと、またはDHCPOFFERメッセージに対するクライアントからの応答が遅いこと(DHCPサーバが同じパラメータを他のクライアントに割り当てたこと)を意味します。
DHCPクライアントは、複数のDHCPサーバまたはBOOTPサーバから提供される情報を受信することがあります。そのうち任意の提供情報を受け入れることができますが、通常、最初に受信した情報を採用します。DHCPサーバから提供される情報は、クライアントにIPアドレスが割り当てられることを保証するものではありません。ただし、サーバは通常、クライアントがアドレスを正式に要求するまでアドレスを予約しています。スイッチがBOOTPサーバからの応答を受け入れて設定を行う場合には、スイッチはスイッチ コンフィギュレーション ファイルを取得するために、TFTP要求をユニキャストするのではなく、ブロードキャストします。
DHCPベースの自動設定の実行
ここでは、DHCPベースの自動設定を実行する方法について説明します。
DHCPサーバがシスコ製デバイスである場合、DHCPサーバ設定の詳細については、『 Cisco IOS IP Configuration Guide 』Release 12.2の「IP Addressing and Services」にある「Configuring DHCP」を参照してください。
DHCPサーバ設定時の注意事項
DHCPサーバとしてデバイスを設定する場合は、次の注意事項に従ってください。
スイッチは、DHCPクライアントおよびDHCPサーバ両方として機能します。Cisco IOS DHCPサーバおよびリレーは、スイッチでイネーブルにデフォルト設定されています。
スイッチのハードウェア アドレスで各スイッチをつなげている予約済みのリースを使用して、DHCPサーバを設定する必要があります。
スイッチにIPアドレス情報を受信させるには、次のリース オプションでDHCPサーバを設定する必要があります。
スイッチにTFTPサーバからのコンフィギュレーション ファイルを受信させる場合は、次のリース オプションでDHCPサーバを設定する必要があります。
DHCPサーバの設定によっては、スイッチはIPアドレス情報またはコンフィギュレーション ファイル(あるいはその両方)を受信できます。
DHCPサーバを前述のリース オプションを使用しないで設定した場合、DHCPサーバはクライアント要求に対して設定済みのパラメータにのみ応答します。応答にIPアドレスおよびサブネット マスクが含まれていない場合、スイッチを設定することはできません。ルータのIPアドレスまたはTFTPサーバ名が見つからない場合、スイッチはTFTP要求をユニキャストではなく、ブロードキャスト送信することがあります。他のリース オプションについては、使用できない場合でも自動設定に影響はありません。
TFTPサーバの設定
DHCPサーバの設定に基づいて、スイッチはTFTPサーバから1つまたは複数のコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。TFTPサーバへのIP接続に必要なすべてのオプションを備えたスイッチに応答するようDHCPを設定している場合、またTFTPサーバ名、アドレス、およびコンフィギュレーション ファイル名を指定してDHCPサーバを設定している場合、スイッチは指定されたTFTPサーバから指定されたコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。
コンフィギュレーション ファイル名、TFTPサーバを指定しなかった場合、またはコンフィギュレーション ファイルをダウンロードできなかった場合は、スイッチはさまざまなファイル名とTFTPサーバ アドレスの組み合わせでコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。ファイルには、指定されたコンフィギュレーション ファイル名(ある場合)および、network-config、cisconet.cfg、 hostname .config、または hostname .cfgが含まれています。ここで、 hostname はスイッチの現在のホスト名です。使用されるTFTPサーバ アドレスには、指定されたTFTPサーバのアドレス(ある場合)およびブロードキャスト アドレス(255.255.255.255)が含まれています。
スイッチが正常にコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするには、TFTPサーバは、そのベース ディレクトリに1つまたは複数のコンフィギュレーション ファイルを含んでいる必要があります。設定できるファイルは、次のとおりです。
- DHCP応答に指定されるコンフィギュレーション ファイル(スイッチの実際のコンフィギュレーション ファイル)
- network-confgまたはcisconet.cfgファイル(デフォルトのコンフィギュレーション ファイル)
- router-confgまたはciscortr.cfgファイル(これらのファイルには、すべてのスイッチに共通のコマンドが含まれています。通常、DHCPサーバとTFTPサーバが適正に設定されていれば、これらのファイルは使用されません。)
DHCPサーバ リース データベースにTFTPサーバ名を指定する場合は、DNSサーバのデータベースにTFTPサーバ名とIPアドレスのマッピングを設定する必要があります。
使用するTFTPサーバが、スイッチとは異なるLAN上にある場合、またはスイッチがブロードキャスト アドレスを使用してアクセスした場合(前述のすべての必須情報がDHCPサーバの応答に含まれていない場合に発生)は、リレーを設定してTFTPサーバにTFTPパケットを転送する必要があります。詳細については、 リレー デバイスの設定 を参照してください。DHCPサーバに必要な情報をすべて設定することを推奨します。
DNSの設定
DHCPサーバは、DNSサーバを使用して、TFTPサーバ名をIPアドレスに変換します。DNSサーバには、TFTPサーバ名からIPアドレスへのマッピングが設定されている必要があります。TFTPサーバには、スイッチのコンフィギュレーション ファイルが保持されています。
DHCPサーバのリース データベースには、DHCP応答がIPアドレスを検索できるように、DNSサーバのIPアドレスを設定できます。リース データベースには、DNSサーバのIPアドレスを2つまで入力できます。
DNSサーバは、スイッチと同じLAN上にあっても、異なるLAN上にあっても構いません。異なるLAN上にある場合、スイッチはルータ経由でDHCPサーバにアクセス可能である必要があります。
リレー デバイスの設定
異なるLAN上にあるホストからの応答が必要なブロードキャスト パケットをスイッチが送信する場合、リレー デバイス(別名リレー エージェント)を設定する必要があります。スイッチが送信する可能性のあるブロードキャスト パケットの例としてDHCP、DNSパケット、場合によってはTFTPパケットが挙げられます。リレー デバイスは、インターフェイス上で受信したブロードキャスト パケットが宛先ホストに転送されるように設定しなければなりません。
リレー デバイスがシスコ製ルータの場合には、IPルーティングをイネーブルにし( ip routing グローバル コンフィギュレーション コマンド)、 ip helper-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してヘルパー アドレスを設定します。
たとえば、 図3-2 では、ルータ インターフェイスを次のように設定しています。
router(config-if)# ip helper-address 20.0.0.2
router(config-if)# ip helper-address 20.0.0.3
router(config-if)# ip helper-address 20.0.0.4
router(config-if)# ip helper-address 10.0.0.1
図3-2 リレー デバイスを使用した自動設定
コンフィギュレーション ファイルの取得
DHCPの予約済みリースでIPアドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名を取得できるかどうかに応じて、スイッチは次の方法で設定情報を取得します。
スイッチは、DHCPサーバからIPアドレス、サブネット マスク、TFTPサーバ アドレス、およびコンフィギュレーション ファイル名を取得します。さらにスイッチは、サーバのベース ディレクトリから指定のコンフィギュレーション ファイルを検索するために、TFTPサーバにユニキャスト メッセージを送信します。指定されたコンフィギュレーション ファイルを受信すると、スイッチの起動プロセスは完了します。
スイッチは、DHCPサーバからIPアドレス、サブネット マスク、およびコンフィギュレーション ファイル名を取得します。さらにスイッチは、TFTPサーバにブロードキャスト メッセージを送信してサーバのベース ディレクトリから指定のコンフィギュレーション ファイルを検索します。指定されたコンフィギュレーション ファイルを受信すると、スイッチの起動プロセスは完了します。
スイッチは、DHCPサーバからIPアドレス、サブネット マスク、およびTFTPサーバ アドレスを取得します。スイッチは、network-confgまたはcisconet.cfgのデフォルトのコンフィギュレーション ファイルを検索するために、TFTPサーバにユニキャスト メッセージを送信します(network-confgファイルが読み取れない場合、スイッチはcisconet.cfgファイルを読み取ります)。
デフォルトのコンフィギュレーション ファイルには、スイッチのホスト名とIPアドレスのマッピング情報が含まれています。スイッチは、ファイルの情報を自身のホスト テーブルに読み込み、ホスト名を取得します。ファイルにホスト名が含まれていない場合、スイッチはDHCP応答に含まれているホスト名を使用します。DHCP応答にホスト名が指定されていない場合、スイッチは、デフォルトのホスト名である Switch を使用します。
デフォルトのコンフィギュレーション ファイルまたはDHCP応答からホスト名を取得すると、スイッチはTFTPサーバからホスト名と同名のコンフィギュレーション ファイルを読み取ります(network-confgまたはcisconet.cfgのどちらを先に使用したかによって、ファイル名は hostname -confgまたは hostname .cfgになります)。cisconet.cfgファイルを使用した場合、ホストのファイル名は8文字までに切り捨てられます。
network-confg、cisconet.cfg、またはホスト名のファイルを読み取れなかった場合、スイッチはrouter-confgファイルを読み取ります。router-confgファイルが読み取れない場合、スイッチはciscortr.cfgファイルを読み取ります。
構成例
図3-3 に、DHCPベースの自動設定を使用してIP情報を取得するネットワークの例を示します。
図3-3 DHCPベースの自動設定ネットワークの例
表3-2 に、DHCPサーバの予約済みリースの設定例を示します。
DNSサーバは、TFTPサーバ名の tftpserver をIPアドレス10.0.0.3にマッピングします。
TFTPサーバのベース ディレクトリは、/tftpserver/work/に設定されています。このディレクトリには、2ファイル読み取り方式で使用されるnetwork-confgファイルが含まれています。このファイルには、IPアドレスに基づいてスイッチに割り当てられるホスト名が設定されています。また、次に示すように、各スイッチのコンフィギュレーション ファイル( switcha-confg 、 switchb-confg など)もベース ディレクトリに含まれています。
スイッチ1〜4には、コンフィギュレーション ファイルは存在しません。
図3-3 では、スイッチ1は次のようにコンフィギュレーション ファイルを取得します。
- DHCPサーバからIPアドレス10.0.0.21を取得します。
- DHCPサーバ応答にコンフィギュレーション ファイル名が含まれていない場合、スイッチ1はTFTPサーバのベース ディレクトリからnetwork-confgファイルを読み取ります。
- スイッチ1は、network-confgファイルの内容をホスト テーブルに追加します。
- IPアドレス10.0.0.21をホスト名(switcha)にインデックス付けすることによって、ホスト テーブルを読み取ります。
- ホスト名に対応するコンフィギュレーション ファイルを読み取ります。たとえば、TFTPサーバから switch1-confg ファイルを読み取ります。
スイッチ2〜4も、同様に、それぞれのコンフィギュレーション ファイルおよびIPアドレスを取得します。
手動によるIP情報の割り当て
Switched Virtual Interface(SVI;スイッチ仮想インターフェイス)またはポートに手動でIP情報を割り当てるには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
スイッチのIPアドレスを削除する場合は、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。Telnetセッションからアドレスを削除すると、スイッチの接続は切断されます。デフォルト ゲートウェイのアドレスを削除する場合は、 no ip default-gateway グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
スイッチのシステム名の設定、イネーブルEXECコマンドへのアクセスの保護、時刻およびカレンダーの設定については、 第6章 「スイッチの管理」 を参照してください。
実行コンフィギュレーションの確認と保存
show running-configイネーブルEXECコマンドを使用すると、入力した設定や変更の内容を確認できます。このコマンドの出力結果については、『Cisco IOS Configuration Fundamental Command Reference』Release 12.1を参照してください。
スタートアップ コンフィギュレーションに対して行った設定や変更をフラッシュ メモリに保存するには、copy running-config startup-configイネーブルEXECコマンドを使用します。このコマンドは、設定の内容を保存します。保存できなかった場合は、次のシステム リロード時に設定が失われます。フラッシュ メモリのNVRAM(不揮発性RAM)セクションに保存されている情報を表示するには、 show startup-config または more startup-config イネーブルEXECコマンドを使用します。
コンフィギュレーション ファイルのコピーの代替保管場所については、 Cisco IOSファイル システム、 コンフィギュレーション ファイル、 およびソフトウェア イメージの操作 を参照してください。
スタートアップ コンフィギュレーションの変更
ここでは、スイッチのスタートアップ コンフィギュレーションの変更方法について説明します。具体的な設定情報は次のとおりです。
- デフォルトのブート コンフィギュレーション
- コンフィギュレーション ファイルの自動ダウンロード
- システム コンフィギュレーションを読み書きするファイル名の指定
- 手動での起動
- 特定のソフトウェア イメージの起動
- 環境変数の管理
デフォルトのブート コンフィギュレーション
表3-3 に、デフォルトのブート コンフィギュレーションを示します。
コンフィギュレーション ファイルの自動ダウンロード
DHCPベースの自動設定機能を使用すると、スイッチにコンフィギュレーション ファイルを自動的にダウンロードできます。詳細については、 DHCPベースの自動設定の概要 を参照してください。
システム コンフィギュレーションを読み書きするファイル名の指定
デフォルトでは、Cisco IOSソフトウェアは、 config.text ファイルを使用して、システム コンフィギュレーションの不揮発性コピーを読み書きします。ただし、別のファイル名を指定することもでき、これは次の起動時にロードされます。
別のコンフィギュレーション ファイル名を指定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
|
次の起動時にロードするコンフィギュレーション ファイルを指定します。 |
||
|
boot config-file グローバル コンフィギュレーション コマンドは、環境変数CONFIG_FILEの設定を変更します。 |
||
設定をデフォルトに戻すには、 no boot config-file グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
手動での起動
デフォルトでは、スイッチは自動的に起動しますが、手動で起動するように設定できます。
次の起動時に手動で起動するようにスイッチを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
|
boot manual グローバル コマンドは、環境変数MANUAL_BOOTの設定を変更します。 次回システムを再起動したとき、スイッチはブート ローダ モードにあり、 switch: プロンプトが表示されます。システムを起動するには、 boot filesystem :/ file-url ブート ローダ コマンドを使用します。 |
||
手動での起動をディセーブルにするには、 no boot manual グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定のソフトウェア イメージの起動
デフォルトでは、スイッチは、BOOT環境変数内の情報を使用して自動的にシステムを起動しようとします。この変数が設定されていない場合は、スイッチは、フラッシュ ファイル システム全体に再帰的な縦型検索を行って、最初の実行可能イメージをロードして実行しようとします。ディレクトリの縦型検索では、検出した各サブディレクトリを完全に検索してから元のディレクトリでの検索を続けます。ただし、起動する特定のイメージを指定できます。
次の起動時に特定のイメージを起動するようにスイッチを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
設定をデフォルトに戻すには、 no boot system グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
環境変数の管理
ブート ローダ モードは、スイッチ コンソール接続を9600 bpsに設定した場合にのみ開始されます。スイッチの電源コードを取り外し、電源コードの再接続中に Mode ボタンを押します。ポート1X上部のLEDが消灯してから1〜2秒後に、 Mode ボタンを離します。ブート ローダの switch: プロンプトが表示されます。
スイッチのブート ローダ ソフトウェアは、不揮発性環境変数をサポートし、この環境変数を使用してブート ローダやシステムで稼働するその他のソフトウェアの動作を制御できます。ブート ローダの環境変数は、UNIXまたはDOSシステム上に設定できる環境変数と似ています。
値が設定された環境変数は、フラッシュ ファイル システムの各種ファイルに保存されています( 表3-4 を参照)。
|
BAUD、ENABLE_BREAK、CONFIG_BUFSIZE、CONFIG_FILE、MANUAL_BOOT、PS1 |
|
以上のファイルの各行には、環境変数名と等号、そのあとに変数の値が入っています。このファイルに表示されていなければ、その変数には値がありません。表示されていればヌル ストリングであっても値があります。ヌル ストリング(たとえば“”)に設定されている変数は、値が設定された変数です。多くの環境変数は事前に定義され、デフォルト値が設定されています。
- コードを制御するデータ。Cisco IOSコンフィギュレーション ファイルを読み取りません。たとえば、環境変数として保存できるブート ローダの機能を拡張または補強する、ブート ローダ ヘルパー ファイルの名前です。
- コードを制御するデータ。Cisco IOSコンフィギュレーション ファイルを読み取る役割があります。たとえば、環境変数として保存できるCisco IOSコンフィギュレーション ファイルの名前です。
ブート ローダにアクセスするかCisco IOSコマンドを使用して、環境変数の設定を変更できます。通常、環境変数の設定を変更する必要はありません。
表3-5 に、最もよく使用される環境変数の機能について説明します。
ソフトウェア イメージのリロードのスケジューリング
ソフトウェア イメージのリロードをあとで(たとえば、スイッチの使用が少ない夜間または週末)実行するようにスケジューリングできます。また、ネットワーク全体でリロードを同期化できます(たとえば、ネットワークのすべてのスイッチでソフトウェアのアップグレードを実行)。
リロードのスケジューリング設定
ソフトウェア イメージのリロードをあとで実行するようにスイッチを設定するには、イネーブルEXECモードで次のいずれかのコマンドを使用します。
このコマンドは、指定した時間内(時間および分で指定)に実行するようにソフトウェアのリロードをスケジューリングします。リロードはおよそ24日以内に実行される必要があります。リロードの理由を最大255の文字列で指定できます。
このコマンドは、指定した時刻(24時間制)に実行するようにソフトウェアのリロードをスケジューリングします。月日を指定すると、リロードは指定された日時で実行するようスケジューリングされます。月日を指定しない場合、リロードは当日の指定された時刻(指定された時刻が現在の時刻よりあとの場合)または翌日(指定された時刻が現在の時刻より前の場合)に実行します。00:00を指定すると、リロードのスケジューリングは午前0時に設定されます。
reload コマンドはシステムを一時停止します。手動で起動するように設定されていない場合、システムは自動的に再起動します。スイッチの設定情報をスタートアップ コンフィギュレーション( copy running-config startup-config )に保存してから、 reload コマンドを使用してください。
手動で起動するようにスイッチが設定されている場合、仮想端末からリロードしないでください。この制約にしたがうことで、スイッチはブート ローダ モードを開始せず、リモート ユーザから制御できなくなります。
コンフィギュレーション ファイルを変更すると、リロードする前に設定を保存するよう求めるプロンプトが表示されます。保存中に、環境変数CONFIG_FILEが存在しないスタートアップ コンフィギュレーション ファイルを示した場合、保存を続行するかどうかを、システムが尋ねます。続行すると、システムはリロードのセットアップ モードを開始します。
次の例は、当日の午後7:30にソフトウェアをリロードする手順を示します。
Reload scheduled for 19:30:00 UTC Wed Jun 5 1996 (in 2 hours and 25 minutes)
Proceed with reload? [confirm]
次の例は、未来の時刻にソフトウェアをリロードする手順を示します。
Switch# reload at 02:00 jun 20
Reload scheduled for 02:00:00 UTC Thu Jun 20 1996 (in 344 hours and 53 minutes)
Proceed with reload? [confirm]
リロードのスケジューリングを取り消すには、 reload cancel イネーブルEXECコマンドを使用します。
リロードのスケジューリング情報の表示
リロードのスケジューリングに関する情報を表示してスイッチにリロードがスケジューリングされているかどうかを調べるには、 show reload イネーブルEXECコマンドを使用します。
