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VTPの設定

この章では、Catalyst 6500シリーズ スイッチにVLAN Trunk Protocol(VTP;VLANトランク プロトコル)を設定する方法について説明します。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

VTPの機能概要

VTPはレイヤ2のメッセージング プロトコルであり、VTPドメインでのVLANの追加、削除、名前変更などを管理することにより、VLAN設定の整合性を維持します。VTPドメイン(別名、VLAN管理ドメイン)は、同じVTPドメイン名を共有し、トランクで相互接続された1つ以上のネットワーク装置で構成されます。VTPを使用すると、VLAN名の重複、無効なVLANタイプの指定、セキュリティ違反などのさまざまな問題によって生じる不正な設定および設定の矛盾が最小限に抑えられます。VLANを作成する前に、ネットワークでVTPを使用するかどうかを決定する必要があります。VTPを使用すると、1台または複数のネットワーク装置上で中央集約的に設定変更を行い、それらの変更を自動的にネットワーク上の他のネットワーク装置に伝達することができます。

ここでは、VTPの機能について説明します。

VTPドメインの概要

VTPドメイン(別名、VLAN管理ドメイン)は、同じVTPドメイン名を共有し、相互接続された1つまたは複数のネットワーク装置で構成されます。1つのネットワーク装置が所属できるVTPドメインは1つだけです。ドメインのグローバルVLAN設定を変更するには、CLI(コマンドライン インターフェイス)またはSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を使用します。

デフォルトでは、Catalyst 6500シリーズ スイッチはVTPサーバ モードであり、トランク リンクを介してドメインに関するアドバタイズを受信するか、またはユーザが管理ドメインを設定しないかぎり、非管理ドメイン ステートのままです。

スイッチが、トランク リンクを介してVTPアドバタイズを受信した場合、管理ドメイン名およびVTP設定のリビジョン番号を継承します。スイッチは、別の管理ドメイン名または古い設定のリビジョン番号が指定されたアドバタイズについては無視します。

スイッチをVTPトランスペアレントとして設定した場合、VLANの作成および変更は可能ですが、その変更が適用されるのは個々のスイッチに限られます。

VTPサーバ上のVLAN設定を変更すると、その変更はVTPドメイン内のすべてのネットワーク装置に伝播されます。VTPアドバタイズは、ISL(スイッチ間リンク)、IEEE 802.1Q、IEEE 802.10、ATM LAN Emulation(LANE;LANエミュレーション)などのすべてのトランク接続先に伝送されます。

VTPは、一意の名前と内部インデックスの対応によって、複数のLANタイプに対してVLANを動的にマッピングします。このマッピングにより、ネットワーク管理者が装置を管理するための作業負担が大幅に軽減されます。

VTPモードの概要

次のいずれかのVTPモードで動作するようにCatalyst 6500シリーズ スイッチを設定できます。

VTPアドバタイズの概要

VTPドメインの各ネットワーク装置は、予約されたマルチキャスト アドレスに対して、各トランキングLANポートからアドバタイズを定期的に送信します。VTPアドバタイズを受信した近接するネットワーク装置は、必要に応じて各自のVTPおよびVLAN設定を更新します。

VTPアドバタイズでは、次のグローバル設定情報が配布されます。

VTPバージョン2の概要

ネットワークでVTPを使用する場合は、VTPバージョン1またはバージョン2のどちらを使用するかを決定する必要があります。

VTPバージョン2でサポートされる機能は、次のとおりです。バージョン1ではサポートされません。

VTPプルーニングの概要

VTPプルーニングは、ブロードキャスト パケット、マルチキャスト パケット、未知のパケット、フラッディング ユニキャスト パケットなど、不要なフラッディング トラフィックを削減することにより、ネットワークの帯域幅を拡張します。VTPプルーニングを使用すると、トラフィックがネットワーク装置にアクセスするために使用しなければならないトランク リンクへのフラッディング トラフィックが制限されるので、使用可能な帯域幅が増えます。VTPプルーニングは、デフォルトではディセーブルに設定されています。

VTPプルーニングを有効にするには、管理ドメイン内のすべての装置がVTPプルーニングをサポートする必要があります。VTPプルーニングをサポートしない装置については、トランク上でVLANを使用できるように手動で設定する必要があります。

VTPプルーニングを使用しない場合のフラッディング トラフィック に、VTPプルーニングを使用しない場合のスイッチド ネットワークを示します。ネットワーク スイッチ1のインターフェイス1およびスイッチ4のポート2は、RedというVLANに割り当てられています。スイッチ1に接続されたホストから、ブロードキャストが送信されます。スイッチ1は、このブロードキャストをフラッディングします。Red VLANにポートを持たないスイッチ3、5、6も含めて、ネットワーク内の全ネットワーク装置がこのブロードキャストを受信します。

プルーニングの設定は、Catalyst 6500シリーズ スイッチ上でグローバルに行います( VTPプルーニングのイネーブル化 を参照)。レイヤ2トランキングLANポートにプルーニングを設定します( トランクとしてのレイヤ2スイッチング ポートの設定 を参照)。

VTPプルーニングを使用しない場合のフラッディング トラフィック

VTPプルーニングを使用した場合のフラッディング トラフィック は、VTPプルーニングをイネーブルにした場合の同じスイッチド ネットワークを示しています。Red VLANのトラフィックは指定されたリンク(スイッチ2のポート5、スイッチ4のポート4)でプルーニングされるので、スイッチ1からのブロードキャスト トラフィックは、スイッチ3、5、6には転送されません。

VTPプルーニングを使用した場合のフラッディング トラフィック

VTPサーバでVTPプルーニングをイネーブルにすると、管理ドメイン全体でプルーニングが有効になります。VTPプルーニングは、イネーブルにしてから数秒後に有効になります。デフォルトでは、VLAN 2〜1000がプルーニング適格です。VTPプルーニング不適格のVLANからのトラフィックは、プルーニングの対象になりません。VLAN 1は常にプルーニング不適格です。VLAN 1からのトラフィックをプルーニングすることはできません。

トランキングLANポートにVTPプルーニングを設定するには、 switchport trunk pruning vlan コマンドを使用します( トランクとしてのレイヤ2スイッチング ポートの設定 を参照)。VTPプルーニングは、LANポートがトランキングを実行している場合に作用します。VLANプルーニングの適格性は、VTPドメインでVTPプルーニングがイネーブルまたはディセーブルのどちらに設定されているか、特定のVLANが存在するかどうか、およびLANポートが現在トランキングを実行しているかどうかにかかわらず、設定することができます。

VTPのデフォルト設定

VTPのデフォルト設定 に、VTPのデフォルト設定を示します。

VTPのデフォルト設定

機能

デフォルト値

VTPドメイン名

ヌル

VTPモード

サーバ

VTPバージョン2のイネーブル ステート

バージョン2はディセーブル

VTPパスワード

なし

VTPプルーニング

ディセーブル

VTP設定時の注意事項および制約事項

ネットワークにVTPを実装する際、次の注意事項および制約事項に注意してください。

VTPの設定

ここでは、VTPの設定手順について説明します。

VTPグローバル パラメータの設定

ここでは、VTPグローバル パラメータの設定について説明します。

VTPパスワードの設定

VTPグローバル パラメータを設定するには、次の作業を行います。

コマンド

目的

Router(config)# vtp password password_string

VTPドメインのパスワード(8〜64文字)を設定します。

Router(config)# no vtp password

パスワードを消去します。

次に、VTPパスワードを設定する例を示します。

Router# configure terminal

Router(config)# vtp password WATER

Setting device VLAN database password to WATER.

Router#

次に、任意のリリースでVTPパスワードを設定する例を示します。

Router# vtp password WATER

Setting device VLAN database password to WATER.

Router#

VTPプルーニングのイネーブル化

管理ドメイン内でVTPプルーニングをイネーブルにするには、次の作業を行います。

コマンド

目的

Router(config)# vtp pruning

管理ドメイン内でVTPプルーニングをイネーブルにします。

Router(config)# no vtp pruning

管理ドメイン内でVTPプルーニングをディセーブルにします。

Router# show vtp status

設定を確認します。

次に、管理ドメインでVTPプルーニングをイネーブルにする例を示します。

Router# configure terminal

Router(config)# vtp pruning

Pruning switched ON

次に、リリースに関係なく、管理ドメイン内でVTPプルーニングをイネーブルにする例を示します。

Router# vtp pruning

Pruning switched ON

次に、設定を確認する例を示します。

Router# show vtp status | include Pruning

VTP Pruning Mode: Enabled

Router#

プルーニング適格性の設定については、 プルーニング適格VLANのリストの設定 を参照してください。

VTPバージョン2のイネーブル化

VTPバージョン2対応のネットワーク装置では、デフォルトでVTPバージョン2がディセーブルに設定されています。ネットワーク装置上でVTPバージョン2をイネーブルにすると、VTPドメイン内のすべてのVTPバージョン2対応ネットワーク装置でVTPバージョン2がイネーブルになります。

VTPバージョン2をイネーブルにするには、次の作業を行います。

コマンド

目的

Router(config)# vtp version { 1 | 2 }

VTPバージョン2をイネーブルにします。

Router(config)# no vtp version

デフォルト値に戻します(VTPバージョン1)。

Router# show vtp status

設定を確認します。

次に、VTPバージョン2をイネーブルにする例を示します。

Router# configure terminal

Router(config)# vtp version 2

V2 mode enabled.

Router(config)#

次に、リリースに関係なく、VTPバージョン2をイネーブルにする例を示します。

Router# vtp version 2

V2 mode enabled.

Router#

次に、設定を確認する例を示します。

Router# show vtp status | include V2

VTP V2 Mode: Enabled

Router#

VTPモードの設定

VTPモードを設定するには、次の作業を行います。

コマンド

目的

Router(config)# vtp mode { client | server | transparent }

VTPモードを設定します。

Router(config)# no vtp mode

デフォルトのVTPモードに戻します(サーバ)。

Router(config)# vtp domain domain_name

(サーバ モードの場合は任意)VTPドメイン名を定義します(最大32文字)。VTPサーバ モードではドメイン名が必要です。スイッチがVTPドメインにトランク接続されている場合、スイッチはドメイン内のVTPサーバからドメイン名を取得します。

  • ドメイン名は消去できません。

Router(config)# end

VLANコンフィギュレーション モードを終了します。

Router# show vtp status

設定を確認します。

次に、スイッチをVTPサーバとして設定する例を示します。

Router# configuration terminal

Router(config)# vtp mode server

Setting device to VTP SERVER mode.

Router(config)# vtp domain Lab_Network

Setting VTP domain name to Lab_Network

Router(config)# end

Router#

次に、設定を確認する例を示します。

Router# show vtp status

VTP Version : 2

Configuration Revision : 247

Maximum VLANs supported locally : 1005

Number of existing VLANs : 33

VTP Operating Mode : Server

VTP Domain Name : Lab_Network

VTP Pruning Mode : Enabled

VTP V2 Mode : Disabled

VTP Traps Generation : Disabled

MD5 digest : 0x45 0x52 0xB6 0xFD 0x63 0xC8 0x49 0x80

Configuration last modified by 0.0.0.0 at 8-12-99 15:04:49

Local updater ID is 172.20.52.34 on interface Gi1/1 (first interface found)

Router#

次に、スイッチをVTPクライアントとして設定する例を示します。

Router# configuration terminal

Router(config)# vtp mode client

Setting device to VTP CLIENT mode.

Router(config)# exit

Router#

次に、設定を確認する例を示します。

Router# show vtp status

VTP Version : 2

Configuration Revision : 247

Maximum VLANs supported locally : 1005

Number of existing VLANs : 33

VTP Operating Mode : Client

VTP Domain Name : Lab_Network

VTP Pruning Mode : Enabled

VTP V2 Mode : Disabled

VTP Traps Generation : Disabled

MD5 digest : 0x45 0x52 0xB6 0xFD 0x63 0xC8 0x49 0x80

Configuration last modified by 0.0.0.0 at 8-12-99 15:04:49

Router#

次にスイッチ上でVTPをディセーブルにする例を示します。

Router# configuration terminal

Router(config)# vtp transparent

Setting device to VTP TRANSPARENT mode.

Router(config)# end

Router#

次に、設定を確認する例を示します。

Router# show vtp status

VTP Version : 2

Configuration Revision : 247

Maximum VLANs supported locally : 1005

Number of existing VLANs : 33

VTP Operating Mode : Transparent

VTP Domain Name : Lab_Network

VTP Pruning Mode : Enabled

VTP V2 Mode : Disabled

VTP Traps Generation : Disabled

MD5 digest : 0x45 0x52 0xB6 0xFD 0x63 0xC8 0x49 0x80

Configuration last modified by 0.0.0.0 at 8-12-99 15:04:49

Router#

VTP統計情報の表示

VTPに関する統計情報(送受信されたVTPアドバタイズ、VTPエラーなど)を表示するには、次の作業を行います。

コマンド

目的

Router# show vtp counters

VTPの統計情報を表示します。

次に、VTPの統計情報を表示する例を示します。

Router# show vtp counters

VTP statistics:

Summary advertisements received : 7

Subset advertisements received : 5

Request advertisements received : 0

Summary advertisements transmitted : 997

Subset advertisements transmitted : 13

Request advertisements transmitted : 3

Number of config revision errors : 0

Number of config digest errors : 0

Number of V1 summary errors : 0

VTP pruning statistics:

Trunk Join Transmitted Join Received Summary advts received from

non-pruning-capable device

---------------- ---------------- ---------------- ---------------------------

Fa5/8 43071 42766 5

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