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IPユニキャスト ルーティングの設定

この章では、マルチレイヤ スイッチにInternet Protocol(IP)ユニキャスト ルーティングを設定する方法について説明します。Cisco IOS Release 12.1(11)EA1以降、スタティック ユニキャスト ルーティングやRouting Information Protocol(RIP)を含む基本的なルーティング機能は、標準マルチレイヤ ソフトウェア イメージ(SMI)および拡張マルチレイヤ ソフトウェア イメージ(EMI)の両方で使用することができます。高度なルーティング機能およびそのほかのルーティング プロトコル、またはRelease 12.1(11)EA1以前のすべてのルーティング サポート機能を使用するには、スイッチにEMIをインストールする必要があります。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

ルーティングの概要

一部のネットワーク環境で、VLAN(仮想LAN)は各ネットワークまたはサブネットワークに関連づけられています。IPネットワークで、各サブネットワークは1つのVLANに対応しています。VLANを設定すると、ブロードキャスト ドメインのサイズを制御し、ローカル トラフィックをローカル内にとどめることができます。ただし、異なるVLAN内のネットワーク デバイスが相互通信するには、VLAN間でトラフィックをルーティング(VLAN間ルーティング)するレイヤ3デバイス(ルータ)が必要です。VLAN間ルーティングでは、適切な宛先VLANにトラフィックをルーティングするため、1つまたは複数のルータを設定します。

ルーティング トポロジーの例 に基本的なルーティング トポロジーを示します。スイッチAはVLAN 10内、スイッチBはVLAN 20内にあります。ルータには各VLANのインターフェイスが備わっています。

ルーティング トポロジーの例

VLAN 10内のホストAがVLAN 10内のホストBと通信する場合、ホストAはホストB宛にアドレス指定されたパケットを送信します。スイッチAはパケットをルータに送信せず、ホストBに直接転送します。

ホストAからVLAN 20内のホストCにパケットを送信する場合、スイッチAはパケットをルータに転送し、ルータはVLAN 10インターフェイスでトラフィックを受信します。ルータはルーティング テーブルを調べて正しい発信インターフェイスを判別し、VLAN 20インターフェイスを経由してパケットをスイッチBに送信します。スイッチBはパケットを受信し、ホストCに転送します。

ルータは次に示す3つの方法で、ユニキャスト ルーティングを行います。

デフォルト ルーティングとは、宛先がルータにとって不明であるトラフィックをデフォルトの出口または宛先に送信することです。

スタティック ユニキャスト ルーティングの場合、パケットは事前に設定されたポートから単一のパスを通り、ネットワークの内部または外部に転送されます。スタティック ルーティングは安全で、帯域幅をほとんど使用しません。ただし、リンク障害などのネットワークの変更には自動的に対応しないため、パケットが宛先に到達しないことがあります。ネットワークが拡大するにつれ、スタティック ルーティングの設定は煩雑になります。

ルータでは、トラフィックを転送する最適ルートを動的に計算するため、ダイナミック ルーティング プロトコルが使用されます。ダイナミック ルーティング プロトコルには次の2つのタイプがあります。

Catalyst 3550スイッチでサポートされているディスタンス ベクタ プロトコルは、Routing Information Protocol(RIP)、Interior Gateway Routing Protocol(IGRP)、およびBorder Gateway Protocol(BGP)です。RIPは最適パスを決定するために単一の距離メトリック(コスト)、IGRPは複数のメトリックを使用し、BGPはパス ベクタ メカニズムを追加します。また、Open Shortest Path First(OSPF)リンクステート プロトコル、および従来のIGRPにリンクステート ルーティング機能の一部を追加して効率化を図ったEnhanced IGRP(EIGRP)もサポートされています。

ルーティングを設定する手順

Catalyst 3550スイッチ上で、IPルーティングはデフォルトでディセーブルとなっています。ルーティングを行う前に、IPルーティングをイネーブルにする必要があります。IPルーティングに関する設定情報の詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide Release 12.1 を参照してください。

以下の手順では、次に示すレイヤ3インターフェイスの1つを指定する必要があります。

すべてのレイヤ3インターフェイスに、IPアドレスを割り当てる必要があります。 ネットワーク インターフェイスへのIPアドレスの割り当て を参照してください。

ルーティングを設定するための主な手順は次のとおりです。

レイヤ3インターフェイスでのIPアドレスの設定

IPルーティングを設定するには、レイヤ3ネットワーク インターフェイスにIPアドレスを割り当ててインターフェイスをイネーブルにし、IPを使用するインターフェイスを経由してホストとの通信を許可する必要があります。ここでは、さまざまなIPアドレス機能の設定方法について説明します。IPアドレスをインターフェイスに割り当てる手順は必須ですが、その他の手順は任意です。

アドレス指定のデフォルト設定

アドレス指定のデフォルト設定 に、アドレス指定のデフォルト設定を示します。

アドレス指定のデフォルト設定

機能

デフォルト設定

IPアドレス

定義なし

ARP

Address Resolution Protocol(ARP)キャッシュに永続的なエントリはありません。

カプセル化:標準イーサネット形式のARP

タイムアウト:14400秒(4時間)

IPブロードキャスト
アドレス

255.255.255.255(すべて1)

IPクラスレス
ルーティング

イネーブル

IPデフォルト
ゲートウェイ

ディセーブル

IP指定ブロード キャスト

ディセーブル(すべてのIP指定ブロードキャストが廃棄されます)

IPドメイン

ドメイン リスト:ドメイン名は未定義

ドメイン検索:イネーブル

ドメイン名:イネーブル

IP転送プロトコル

ヘルパー アドレスが定義されているか、またはUDPフラッディングが設定されている場合、デフォルト ポートではUDP転送がイネーブルとなります。

ローカル ブロードキャスト:ディセーブル

Spanning Tree Protocol(STP;スパニングツリー プロトコル):ディセーブル

ターボフラッディング:ディセーブル

IPヘルパー アドレス

ディセーブル

IPホスト

ディセーブル

IRDP

ディセーブル

イネーブルの場合のデフォルト:

  • ブロードキャストIRDPアドバタイズ
  • アドバタイズ間の最大インターバル:600秒
  • アドバタイズ間の最小インターバル:最大インターバルの0.75倍
  • 初期設定: 0

IPプロキシARP

イネーブル

IPルーティング

ディセーブル

IPサブネットゼロ

ディセーブル

ネットワーク インターフェイスへのIPアドレスの割り当て

IPアドレスはIPパケットの送信先を特定します。一部のIPアドレスは特殊な用途専用となっているため、ホスト、サブネット、またはネットワーク アドレスに使用することはできません。 指定済みのIPアドレスと使用可能なIPアドレス にIPアドレスの範囲、および指定済みのIPアドレスと使用可能なIPアドレスを示します。RFC 1166「Internet Numbers」に、IPアドレスに関する公式の説明が記載されています。

指定済みのIPアドレスと使用可能なIPアドレス

クラス

アドレスまたは範囲

ステータス

A

0.0.0.0
1.0.0.0〜126.0.0.0
127.0.0.0

指定済み
使用可能
指定済み

B

128.0.0.0〜191.254.0.0
191.255.0.0

使用可能
指定済み

C

192.0.0.0
192.0. 1.0〜223.255.254
223.255.255.0

指定済み
使用可能
指定済み

D

224. 0.0.0〜239.255.255.255

マルチキャスト グループ アドレス

E

240.0. 0.0〜255.255.255.254
255.255.255.255

指定済み
ブロードキャスト

インターフェイスには、1つのプライマリIPアドレスを設定することができます。マスクは、IPアドレスのネットワーク番号を表すビットを特定します。マスクを使用してネットワークをサブネット化する場合、そのマスクをサブネット マスクと呼びます。割り当てられているネットワーク番号については、インターネット サービス プロバイダーにお問い合わせください。

IPアドレスおよびネットワーク マスクをレイヤ3インターフェイスに割り当てるには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

no switchport

レイヤ2コンフィギュレーション モードからインターフェイスを削除します(物理インターフェイスの場合)。

ip address ip-address subnet-mask

IPアドレスおよびIPサブネット マスクを設定します。

no shutdown

インターフェイスをイネーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show interfaces [ interface-id ]

show ip interface [ interface-id ]

show running-config interface [ interface-id ]

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IPアドレスを削除するか、またはIP処理をディセーブルにするには、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、Gigabit Ethernet 0/10インターフェイスにIPアドレスを設定し、イネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal

Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.

Switch(config)# interface gigabitethernet0/10

Switch(config-if)# no switchport

Switch(config-if)# ip address 10.1.2.3 255.255.0.0

Switch(config-if)# no shutdown

サブネット ゼロの使用

サブネット アドレスがゼロであるサブネットを作成しないでください。同じアドレスを持つネットワークおよびサブネットがある場合に問題が発生することがあります。たとえば、ネットワーク131.108.0.0のサブネットが255.255.255.0の場合、サブネット ゼロは131.108.0.0と記述され、ネットワーク アドレスと同じとなってしまいます。

すべてが1のサブネット(131.108.255.0)は使用可能です。また、IPアドレス用にサブネット スペース全体が必要な場合は、サブネット ゼロの使用をイネーブルにすることができます(ただし推奨できません)。

サブネット ゼロをイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip subnet-zero

インターフェイス アドレスおよびルーティングの更新時に、サブネット ゼロの使用をイネーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトに戻して、サブネット ゼロの使用をディセーブルにするには、 no ip subnet-zero グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

クラスレス ルーティング

ルーティングを行うように設定されたスイッチで、クラスレス ルーティング動作はデフォルトでイネーブルとなっています。クラスレス ルーティングがイネーブルの場合、デフォルト ルートがないネットワークのサブネット宛パケットをルータが受信すると、ルータは最適なスーパーネット ルートにパケットを転送します。 スーパーネット は、単一の大規模アドレス スペースをシミュレートするために使用されるクラスCアドレス スペースの連続ブロックで構成されています。スーパーネットは、クラスBアドレス スペースの急速な枯渇を回避するために設計されました。

IPクラスレス ルーティングがイネーブルの場合 では、クラスレス ルーティングがイネーブルとなっています。ホストがパケットを128.20.4.1に送信すると、ルータはパケットを廃棄せずに、最適なスーパーネット ルートに転送します。クラスレス ルーティングがディセーブルの場合、デフォルト ルートがないネットワークのサブネット宛パケットを受信したルータは、パケットを廃棄します。

IPクラスレス ルーティングがイネーブルの場合

IPクラスレス ルーティングがディセーブルの場合 では、ネットワーク128.20.0.0のルータはサブネット128.20.1.0、128.20.2.0、128.20.3.0に接続されています。ホストがパケットを128.20.4.1に送信した場合、ネットワークのデフォル ルートが存在しないため、ルータはパケットを廃棄します。

IPクラスレス ルーティングがディセーブルの場合

認識されないサブネット宛のパケットが最適なスーパーネット ルートに転送されないようにするには、クラスレス ルーティング動作をディセーブルにします。

クラスレス ルーティングをディセーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

no ip classless

クラスレス ルーティング動作をディセーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトに戻して、デフォルト ルートがないネットワークのサブネット宛パケットが最適なスーパーネット ルートに転送されるようにするには、 ip classless グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

アドレス解決方法の設定

インターフェイス固有のIP処理方法を制御するには、アドレス解決を行います。IPを使用するデバイスには、ローカル セグメントまたはLAN上のデバイスを一意に定義するローカル アドレス(MAC[メディア アクセス制御]アドレス)と、デバイスが属するネットワークを特定するネットワーク アドレスがあります。ローカルアドレス(MACアドレス)は、パケット ヘッダーのデータ リンク層(レイヤ2)セクションに格納されて、データ リンク(レイヤ2)デバイスによって読み取られるため、データ リンク アドレスと呼ばれます。ソフトウェアがイーサネット上のデバイスと通信するには、デバイスのMACアドレスを判別する必要があります。IPアドレスからMACアドレスを判別するプロセスを、「 アドレス解決 」と呼びます。MACアドレスからIPアドレスを判別するプロセスを、「 逆アドレス解決 」と呼びます。

スイッチでは、次の形式のアドレス解決を行うことができます。

Catalyst 3550スイッチでは、ARPと同様の機能(ローカルMACアドレスではなくIPアドレスを要求する点を除く)を持つReverse Address Resolution Protocol(RARP)を使用することもできます。RARPを使用するには、ルータ インターフェイスと同じネットワーク セグメント上にRARPサーバを設置する必要があります。サーバを識別するには、 ip rarp-server address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

RARPの詳細については、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide Release 12.1 を参照してください。

アドレス解決を設定するために必要な作業は次のとおりです。

スタティックARPキャッシュの定義

ARPおよび他のアドレス解決プロトコルを使用すると、IPアドレスとMACアドレス間を動的にマッピングすることができます。ほとんどのホストでは動的なアドレス解決がサポートされているため、通常の場合、スタティックARPキャッシュ エントリを指定する必要はありません。スタティックARPキャッシュ エントリを定義する必要がある場合は、グローバルに定義することができます。グローバルに定義すると、IPアドレスをMACアドレスに変換するために使用される永続的なエントリを、ARPキャッシュに確保することができます。また、指定されたIPアドレスがスイッチに属する場合と同じ方法で、スイッチがARP要求に応答するように指定することもできます。ARPエントリを永続的なエントリにしない場合は、ARPエントリのタイムアウト期間を指定できます。

IPアドレスとMACアドレスの間でスタティック マッピングを行うには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

arp ip-address hardware-address type

ARPキャッシュ内でIPアドレスをMAC(ハードウェア)アドレスにグローバルに関連づけ、次に示すカプセル化タイプのいずれかを指定します。

  • arpa ― ARPカプセル化(イーサネット インターフェイス用)
  • snap ― SNAPカプセル化(トークンリングおよびFiber Distributed Data Interface[FDDI]インターフェイス用)
  • sap ― HPのARPタイプ

arp ip-address hardware-address type [ alias ]

(任意)指定されたIPアドレスがスイッチに属する場合と同じ方法で、スイッチがARP要求に応答するように指定します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するインターフェイスを指定します。

arp timeout seconds

(任意)ARPキャッシュ エントリがキャッシュに保持される期間を設定します。デフォルトは14400秒(4時間)です。指定できる範囲は0〜2147483秒です。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show interfaces [ interface-id ]

すべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイスで使用されるARPのタイプおよびタイムアウト値を確認します。

show arp

show ip arp

ARPキャッシュの内容を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ARPキャッシュからエントリを削除するには、 no arp ip-address hardware-address type グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。ARPキャッシュから非スタティック エントリをすべて削除するには、 clear arp-cache イネーブルEXECコマンドを使用します。

ARPカプセル化の設定

IPインターフェイスでは、イーサネットARP形式のARPカプセル化( arpa キーワードで表される)がデフォルトでイネーブルに設定されています。ネットワークの必要性に応じて、カプセル化方法をSNAPに変更することができます。

ARPカプセル化タイプを指定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

arp { arpa | snap }

ARPカプセル化方法を指定します。

  • arpa ― ARP
  • snap ― SNAP

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show interfaces [ interface-id ]

すべてのインターフェイスまたは指定されたインターフェイスのARPカプセル化設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

カプセル化タイプをディセーブルにするには、 no arp arpa または no arp snap インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

プロキシARPのイネーブル化

デフォルトでは、プロキシARPが使用されます。ホストが他のネットワークまたはサブネット上のホストのMACアドレスを判別できるようにするためです。

ディセーブルになっているプロキシARPをイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip proxy-arp

インターフェイスでプロキシARPをイネーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface [ interface-id ]

指定されたインターフェイスまたはすべてのインターフェイスの設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイスでプロキシARPをディセーブルにするには、 no ip proxy-arp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IPルーティングがディセーブルの場合のルーティング支援機能

次のメカニズムを使用することで、スイッチはIPルーティングがイネーブルでない場合、別のネットワークへのルートを取得することができます。

プロキシARP

プロキシARPは、他のルートを取得する場合の最も一般的な方法です。プロキシARPを使用すると、ルーティング情報を持たないイーサネット ホストと、他のネットワークまたはサブネット上のホストとの通信が可能になります。このホストでは、すべてのホストが同じローカル イーサネット上にあり、ARPを使用してMACアドレスを判別すると想定されています。送信元と異なるネットワーク上にあるホストに宛てたARP要求を受信したスイッチは、そのホストへの最適なルートがあるかどうかを調べます。最適ルートがある場合、スイッチはスイッチ自身のイーサネットMACアドレスが格納されたARP応答パケットを送信します。要求の送信元ホストはパケットをスイッチに送信し、スイッチは目的のホストにパケットを転送します。プロキシARPはすべてのネットワークをローカルな場合と同様に処理し、IPアドレスごとにARP処理を実行します。

プロキシARPは、デフォルトでイネーブルに設定されています。ディセーブル化されたプロキシARPをイネーブルにするには、 プロキシARPのイネーブル化 を参照してください。プロキシARPは、他のルータでサポートされている限り有効です。

デフォルト ゲートウェイ

ルートを特定するもう1つの方法は、デフォルト ルータ、つまりデフォルト ゲートウェイを定義する方法です。ローカルでないすべてのパケットはこのルータに送信されます。このルータは適切なルーティングを行う、またはIP Control Message Protocol(ICMP)リダイレクト メッセージを返信するという方法で、ホストが使用するローカル ルータを定義します。スイッチはリダイレクト メッセージをキャッシュに格納し、各パケットをできるだけ効率的に転送します。この方法には、デフォルト ルータがダウンした場合、または使用できなくなった場合に、検出が不可能となるという制限があります。

IPルーティングがディセーブルの場合にデフォルト ゲートウェイ(ルータ)を定義するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip default-gateway ip-address

デフォルト ゲートウェイ(ルータ)を設定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip redirects

設定を確認するため、デフォルト ゲートウェイ ルータのアドレスを表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

この機能をディセーブルにするには、 no ip default-gateway グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、デフォルト ゲートウェイを設定、確認する例を示します。

Switch(config)# ip default-gateway 10.1.5.59

Switch(config)# end

Switch# show ip redirect

Default gateway is 10.1.5.59

Host Gateway Last Use Total Uses Interface

ICMP redirect cache is empty

IRDP

ルータ ディスカバリを使用すると、スイッチはICMP Router Discovery Protocol(IRDP)を使用し、他のネットワークへのルートを動的に取得します。ホストはIRDPを使用し、ルータを特定します。クライアントとして動作しているスイッチは、ルータ ディスカバリ パケットを生成します。ホストとして動作しているスイッチは、ルータ ディスカバリ パケットを受信します。スイッチはRIPおよびIGRPルーティングの更新を受信し、この情報からルータの場所を推測することもできます。実際のところ、ルーティング デバイスによって送信されたルーティング テーブルは、スイッチに格納されません。どのシステムがデータを送信しているのかが、記録されるだけです。IRDPを使用する利点は、プライオリティと、パケットが受信されなくなってからデバイスがダウンしているとみなされるまでの期間を、ルータごとに両方指定できることです。

検出された各デバイスは、デフォルト ルータの候補となります。現在のデフォルト ルータがダウンしたと宣言された場合、または再送信が多すぎてTCP接続がタイムアウトになりつつある場合、プライオリティが上位のルータが検出されると、最も高いプライオリティを持つ新しいルータが選択されます。

インターフェイスでIRDPルーティングを行う場合は、インターフェイスでIRDP処理をイネーブルにしてください。IRDP処理をイネーブルにすると、デフォルトのパラメータが適用されます。これらのパラメータを変更することもできます。

インターフェイス上でIRDPDをイネーブルにして設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip irdp

インターフェイス上でIRDP処理をイネーブルにします。

ip irdp multicast

(任意)IPブロードキャストの代わりとして、マルチキャスト アドレス(224.0.0.1)にIRDPアドバタイズを送信します。

    このコマンドを使用すると、IRDPパケットをマルチキャストとして送信するサン マイクロシステムズ社のSolarisと互換性を維持することができます。実装機能の中には、これらのマルチキャストを受信できないものも多くあります。このコマンドを使用する前に、エンドホストがこの機能に対応していることを確認してください。

ip irdp holdtime seconds

(任意)アドバタイズが有効であるIRDP期間を設定します。デフォルトは maxadvertinterval 値の3倍です。 maxadvertinterval 値よりも大きな値(9000秒以下)を指定する必要があります。 maxadvertinterval 値を変更すると、この値も変更されます。

ip irdp maxadvertinterval seconds

(任意)アドバタイズ間のIRDPの最大インターバルを設定します。デフォルト値は600秒です。

ip irdp minadvertinterval seconds

(任意)アドバタイズ間のIRDPの最小インターバルを設定します。デフォルトは maxadvertinterval 値の0.75倍です。 maxadvertinterval を変更すると、この値も新しいデフォルト値( maxadvertinterval の0.75倍)に変更されます。

ip irdp preference number

(任意)デバイスのIRDP初期設定レベルを設定します。指定できる範囲は2 31 〜2 31 で、デフォルトは0です。大きな値を設定すると、ルータの初期設定レベルも高くなります。

ip irdp address address [ number ]

(任意)プロキシアドバタイズを行うために必要なIRDPアドレスと初期設定を指定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip irdp

IRDP値を表示し、設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

maxadvertinterval 値を変更すると、 holdtime 値および minadvertinterval 値も変更されます。最初に maxadvertinterval 値を変更し、次に holdtime 値または minadvertinterval 値のいずれかを手動で変更することが重要です。

IRDPルーティングをディセーブルにするには、 no ip irdp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ブロードキャスト パケットの処理方法の設定

IPインターフェイス アドレスを設定した後で、ルーティングをイネーブルにしたり、1つまたは複数のルーティング プロトコルを設定したり、ネットワーク ブロードキャストへのスイッチの応答方法を設定したりすることができます。ブロードキャストは、物理ネットワーク上のすべてのホスト宛データ パケットです。2種類のブロードキャストがサポートされています。

ルータはローカル ケーブル長を制限して、ブロードキャスト ストームを防ぎます。ブリッジ(インテリジェントなブリッジを含む)はレイヤ2デバイスであるため、ブロードキャストはすべてのネットワーク セグメントに転送され、ブロードキャスト ストームが伝播します。ブロードキャスト ストーム問題を解決する最善の方法は、ネットワーク上で単一のブロードキャスト アドレス方式を使用することです。最新のIP実装機能ではほとんどの場合、アドレスをブロードキャスト アドレスとして使用するように設定することができます。Catalyst 3550スイッチをはじめとする多数の実装機能では、ブロードキャスト メッセージを転送するためのアドレス方式が複数サポートされています。

これらの方式をイネーブルにするには、次に示す作業を実行します。

指定ブロード キャストから物理ブロードキャストへの変換のイネーブル化

デフォルトでは、IP指定ブロード キャストが廃棄されるため、転送されることはありません。IP指定ブロード キャストが廃棄されると、ルータがサービス妨害攻撃にさらされる危険が少なくなります。

ブロードキャストが物理(MACレイヤ)ブロードキャストになるインターフェイスでは、IP指定ブロード キャストの転送をイネーブルにすることができます。 ip forward-protocol グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、設定されたプロトコルのみを転送することができます。

転送するブロードキャストを制御するアクセス リストを指定することができます。アクセス リストを指定すると、アクセス リストで許可されているIPパケットのみが、指定ブロード キャストから物理ブロードキャストに変換できるようになります。アクセス リストの詳細については、 ACLによるネットワーク セキュリティの設定 を参照してください。

インターフェイス上でIP指定ブロード キャストの転送をイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するインターフェイスを指定します。

ip directed-broadcast [ access-list-number ]

インターフェイス上で、指定ブロード キャストから物理ブロードキャストへの変換をイネーブルにします。転送するブロードキャストを制御するアクセス リストを指定することができます。アクセス リストを指定すると、アクセス リストで許可されているIPパケットのみが変換可能となります。

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ip forward-protocol { udp [ port ] | nd | sdns }

ブロードキャスト パケットを転送するとき、ルータによって転送されるプロトコルおよびポートを指定します。

  • udp ― UDPデータグラムを転送します。

port:(任意)転送されるUDPサービスを制御する宛先ポートです。

  • nd ― NDデータグラムを転送します。
  • sdns ― SDNSデータグラムを転送します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface [ interface-id ]

show running-config

インターフェイスまたはすべてのインターフェイスの設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

指定ブロード キャストから物理ブロードキャストへの変換をディセーブルにするには、 no ip directed-broadcast インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。プロトコルまたはポートを削除するには、 no ip forward-protocol グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

UDPブロードキャスト パケットおよびプロトコルの転送

UDPはIPのホスト間レイヤ プロトコルで、TCPと同様です。UDPはオーバーヘッドが少ない、コネクションレスのセッションを2つのエンド システム間に提供しますが、受信されたデータグラムのAcknowledgment(ACK;確認応答)は行いません。場合に応じてネットワーク ホストはUDPブロードキャストを使用し、アドレス、コンフィギュレーション、名前に関する情報を判別します。このようなホストが、サーバを含まないネットワーク セグメント上にある場合、通常UDPブロードキャストは転送されません。この状況を改善するには、特定のクラスのブロードキャストをヘルパー アドレスに転送するように、ルータのインターフェイスを設定します。インターフェイスごとに、複数のヘルパー アドレスを使用することができます。

UDP宛先ポートを指定し、転送されるUDPサービスを制御することができます。複数のUDPプロトコルを指定することもできます。旧式のディスクレスSunワークステーションおよびネットワーク セキュリティ プロトコルSDNSで使用されるNetwork Disk(ND)プロトコルも指定することができます。

ヘルパー アドレスがインターフェイスに定義されている場合、デフォルトではUDPとNDの両方の転送がイネーブルになっています。UDPポートが指定されていない場合にデフォルトで転送されるポートについては、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference Release 12.1 に記載されている ip forward-protocol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの説明を参照してください。

UDPブロードキャストの転送を設定するときにUDPポートを指定しないと、ルータはBOOTP転送エージェントとして動作するように設定されます。BOOTPパケットは、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP;動的ホスト構成プロトコル)情報を伝達します。

インターフェイスでUDPブロードキャスト パケットの転送をイネーブルにし、宛先アドレスを指定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip helper-address address

転送をイネーブルにし、BOOTPなどのUDPブロードキャスト パケットを転送するための宛先アドレスを指定します。

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ip forward-protocol { udp [ port ] | nd | sdns }

ブロードキャスト パケットを転送するとき、ルータによって転送されるプロトコルを指定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface [ interface-id ]
show running-config

指定されたインターフェイスまたはすべてのインターフェイスの設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

特定アドレスへのブロードキャスト パケットの転送をディセーブルにするには、 no ip helper-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。プロトコルまたはポートを削除するには、 no ip forward-protocol グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IPブロードキャスト アドレスの確立

最も一般的な(デフォルトの)IPブロードキャスト アドレスは、すべて1で構成されているアドレスです(255.255.255.255)。ただし、任意の形式のIPブロードキャスト アドレスを生成するようにスイッチを設定することもできます。

インターフェイス上でIPブロードキャスト アドレスを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するインターフェイスを指定します。

ip broadcast-address ip-address

デフォルト値と異なるブロードキャスト アドレス(128.1.255.255など)を入力します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface [ interface-id ]

指定されたインターフェイスまたはすべてのインターフェイスのブロードキャスト アドレスを確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトのIPブロードキャスト アドレスに戻すには、 no ip broadcast-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IPブロードキャストのフラッディング

IPブロードキャストをインターネットワーク全体に、制御可能な方法でフラッディングできるようにするには、ブリッジングSTPで作成されたデータベースを使用します。この機能を使用すると、ループを回避することもできます。この機能を使用できるようにするには、フラッディングが行われるインターフェイスごとにブリッジングを設定する必要があります。ブリッジングが設定されていないインターフェイス上でも、ブロードキャストを受信することができます。ただし、ブリッジングが設定されていないインターフェイスでは、受信したブロードキャストが転送されません。また、異なるインターフェイスで受信されたブロードキャストを送信する場合、このインターフェイスは使用されません。

IPヘルパー アドレスのメカニズムを使用して単一のネットワーク アドレスに転送されるパケットを、フラッディングすることができます。各ネットワーク セグメントには、パケットのコピーが1つのみ送信されます。

フラッディングを行う場合、パケットは次の条件を満たす必要があります(これらの条件は、IPヘルパー アドレスを使用してパケットを転送するときの条件と同じです)。

  • パケットはMACレベルのブロードキャストでなければなりません。
  • パケットはIPレベルのブロードキャストでなければなりません。
  • パケットはTrivial File Transfer Protocol(TFTP;簡易ファイル転送プロトコル)、Domain Name System(DNS;ドメイン ネーム システム)、Time、NetBIOS、ND、またはBOOTPパケット、または ip forward-protocol udp グローバル コンフィギュレーション コマンドで指定されたUDPでなければなりません。
  • パケットのTime-To-Live(TTL)値は2以上でなければなりません。

フラッディングされたUDPデータグラムには、出力インターフェイスで ip broadcast-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドによって指定された宛先アドレスを設定します。宛先アドレスを任意のアドレスに設定することができます。このため、データグラムがネットワーク内を伝播するにつれ、宛先アドレスが変更されることもあります。送信元アドレスは変更されません。TTL値が減ります。

フラッディングされたUDPデータグラムがインターフェイスから送信されると(場合によっては宛先アドレスが変更される)、データグラムは通常のIP出力ルーチンに渡されます。このため、出力インターフェイスにアクセス リストがある場合、データグラムはその影響を受けます。

ブリッジング スパニングツリー データベースを使用し、UDPデータグラムをフラッディングするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip forward-protocol spanning-tree

ブリッジング スパニングツリー データベースを使用し、UDPデータグラムをフラッディングします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IPブロードキャストのフラッディングをディセーブルにするには、 no ip forward-protocol spanning-tree グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

Catalyst 3550スイッチでは、パケットの大部分がハードウェアで転送され、スイッチのCPUを経由しません。CPUに送信されるパケットの場合は、ターボフラッディングを使用し、スパニングツリーベースのUDPフラッディングを約4〜5倍高速化します。この機能は、ARPカプセル化用に設定されたイーサネット インターフェイスでサポートされています。

スパニングツリーベースのフラッディングを向上させるには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip forward-protocol turbo-flood

スパニングツリー データベースを使用し、UDPデータグラムのフラッディングを高速化します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

この機能をディセーブルにするには、 no ip forward-protocol turbo-flood グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IPアドレスのモニタおよびメンテナンス

特定のキャッシュ、テーブル、またはデータベースの内容が無効になる場合、または無効である可能性がある場合は、 clear イネーブルEXECコマンドを使用し、すべての内容を消去することができます。 キャッシュ、テーブル、データベースを消去するコマンド に、内容を消去するために使用するコマンドを示します。

キャッシュ、テーブル、データベースを消去するコマンド

コマンド

説明

clear arp-cache

IP ARPキャッシュおよび高速スイッチング キャッシュを消去します。

clear host { name | *}

ホスト名およびアドレス キャッシュから1つまたはすべてのエントリを削除します。

clear ip route { network [ mask ] |*}

IPルーティング テーブルから1つまたは複数のルートを削除します。

IPルーティング テーブル、キャッシュ、データベースの内容、ノードへの到達可能性、ネットワーク内のパケットのルーティング経路など、特定の統計情報を表示することができます。 キャッシュ、テーブル、データベースを表示するコマンド に、IP統計情報を表示するために使用するイネーブルEXECコマンドを示します。

キャッシュ、テーブル、データベースを表示するコマンド

コマンド

説明

show arp

ARPテーブルのエントリを表示します。

show hosts

デフォルトのドメイン名、検索サービスの方式、サーバ ホスト名、およびキャッシュに格納されているホスト名とアドレスのリストを表示します。

show ip aliases

TCPポートにマッピングされたIPアドレスを表示します(エイリアス)。

show ip arp

IP ARPキャッシュを表示します。

show ip interface [ interface-id ]

インターフェイスのIPステータスを表示します。

show ip irdp

IRDP値を表示します。

show ip masks address

ネットワーク アドレスに対して使用されるマスクおよび各マスクを使用するサブネット番号を表示します。

show ip redirects

デフォルト ゲートウェイのアドレスを表示します。

show ip route [ address [ mask ]] | [ protocol ]

ルーティング テーブルの現在のステートを表示します。

show ip route summary

ルーティング テーブルの現在のステートをサマリー形式で表示します。

IPユニキャスト ルーティングのイネーブル化

デフォルトで、スイッチはレイヤ2スイッチング モード、IPルーティングはディセーブルとなっています。スイッチのレイヤ3機能を使用するには、IPルーティングをイネーブルにする必要があります。

IPルーティングをイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします。

router ip_routing_protocol

IPルーティング プロトコルを指定します。このステップでは、他のコマンドを実行することもできます。たとえば、 network (RIP)ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、ルーティングするネットワークを指定することができます。具体的なプロトコルの詳細については、この章の後半および『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide Release 12.1 を参照してください。

    SMIはルーティング プロトコルとしてRIPのみをサポートします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ルーティングをディセーブルにするには、 no ip routing グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ルーティング プロトコルとしてRIPを使用し、IPルーティングをイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal

Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.

Switch(config)# ip routing

Switch(config)# router rip

Switch(config-router)# network 10.0.0.0

Switch(config-router)# end

ここで、選択したルーティング プロトコルのパラメータを設定することができます。具体的な手順は次のとおりです。

RIPの設定

RIPは、小規模な同種ネットワーク間で使用するために作成されたInterior Gateway Protocol(IGP;内部ゲートウェイ プロトコル)です。RIPは、ブロードキャストUDPデータ パケットを使用してルーティング情報を交換するディスタンス ベクタ ルーティング プロトコルです。このプロトコルはRFC 1058に文書化されています。RIPの詳細については、『 IP Routing Fundamentals 』(Cisco Press刊)を参照してください。

スイッチはRIPを使用し、30秒ごとにルーティング情報アップデート(アドバタイズ)を送信します。180秒以上を経過しても別のルータからアップデートがルータに届かない場合、該当するルータから送られたルートは使用不能としてマークされます。240秒が経過してもアップデートが届かない場合、アップデートを行わないルータに関するすべてのルーティング テーブル エントリは削除されます。

RIPでは、各ルートの値を評価するためにホップ カウントが使用されます。ホップ カウントは、ルート内で経由されるルータ数です。直接接続されているネットワークのホップ カウントは0です。ホップ カウントが16のネットワークに到達することはできません。このように範囲(0〜15)が狭いため、RIPは大規模ネットワークには適していません。

ルータにデフォルトのネットワーク パスが設定されている場合、RIPはルータを疑似ネットワーク0.0.0.0にリンクするルートをアドバタイズします。0.0.0.0ネットワークは存在しません。RIPはデフォルトのルーティング機能を実行するためのネットワークとして、このネットワークを処理します。デフォルト ネットワークがRIPによって取得された場合、またはルータが最終ゲートウェイで、RIPがデフォルト メトリックによって設定されている場合、スイッチはデフォルト ネットワークをアドバタイズします。RIPは指定されたネットワーク内のインターフェイスにアップデートを送信します。インターフェイスのネットワークを指定しないと、RIPアップデート中にアドバタイズされません。

ここではRIPの設定方法について簡単に説明します。内容は次のとおりです。

RIPのデフォルト設定

RIPのデフォルト設定 に、RIPのデフォルト設定を示します。

RIPのデフォルト設定

機能

デフォルト設定

自動サマリー

イネーブル

デフォルト情報送信元

ディセーブル

デフォルト メトリック

自動メトリック変換(組み込み)

IP RIP認証キーチェーン

認証なし

認証モード:クリア テキスト

IP RIP受信バージョン

version ルータ コンフィギュレーション コマンドに準拠

IP RIP送信バージョン

version ルータ コンフィギュレーション コマンドに準拠

IP RIPの起動

version ルータ コンフィギュレーション コマンドに準拠

IPスプリット ホライズン

メディアにより異なる

ネイバ

定義なし

ネットワーク

指定なし

オフセット リスト

ディセーブル

出力遅延

0ミリ秒

タイマー基準

  • update:30秒
  • invalid:180秒
  • holddown:180秒
  • flush:240秒

アップデート送信元の検証

イネーブル

バージョン

RIPバージョン1およびバージョン2パケットを受信し、バージョン1パケットを送信します。

基本的なRIPパラメータの設定

RIPを設定するには、ネットワークに対してRIPルーティングをイネーブルにします。他のパラメータを設定することもできます。

RIPをイネーブルにして設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします(IPルーティングがディセーブルになっている場合にのみ必須)。

router rip

RIPルーティング プロセスをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

network network number

ネットワークをRIPルーティング プロセスに関連づけます。複数の network コマンドを指定することができます。RIPルーティング アップデートの送受信は、これらのネットワークのインターフェイスを経由する場合のみ可能です。

neighbor ip-address

(任意)ルーティング情報を交換する近接ルータを定義します。このステップを使用すると、RIP(通常はブロードキャスト プロトコル)からのルーティング アップデートが非ブロードキャスト ネットワークに到達するようになります。

offset list [ access-list number | name ] { in | out } offset [ type number ]

(任意)オフセット リストをルーティング メトリックに適用し、RIPによって取得したルートへの着信および発信メトリックを増加します。アクセス リストまたはインターフェイスを使用してオフセット リストを制限できます。

timers basic update invalid holddown flush

(任意)ルーティング プロトコル タイマーを調整します。すべてのタイマーの有効範囲は0 〜4294967295秒です。

  • update ― ルーティング アップデートの送信間隔。デフォルト値は30秒です。
  • invalid ― ルートが無効と宣言された後の時間。デフォルト値は180秒です。
  • holddown ― ルートがルーティング テーブルから削除されるまでの時間。デフォルト値は180秒です。
  • flush ― ルーティング アップデートが延期される時間。デフォルト値は240秒です。

version { 1 | 2 }

(任意)RIPバージョン1またはRIPバージョン2のパケットのみを送受信するようにスイッチを設定します。デフォルトでは、バージョン1およびバージョン2が受信され、バージョン1のみが送信されます。

インターフェイス コマンド ip rip { send | receive } version 1 | 2 | 1 2 }を使用し、インターフェイスでの送受信に使用するバージョンを制御することもできます。

no auto summary

(任意)自動サマライズをディセーブルにします。デフォルトでは、クラスフル ネットワーク境界を通過するときにサブプレフィクスがサマライズされます。サマライズをディセーブルにし(RIPバージョン2のみ)、クラスフル ネットワーク境界にサブネットおよびホスト ルーティング情報をアドバタイズします。

no validate-update-source

(任意)着信RIPルーティング アップデートの送信元IPアドレスの検証をディセーブルにします。デフォルトでは、着信RIPルーティング アップデートの送信元IPアドレスが検証されます。送信元アドレスが無効な場合は、アップデートが廃棄されます。通常の環境で使用する場合は、この機能をディセーブルにしないでください。ただし、ネットワークに接続されていないルータがあり、そのルータのアップデートを受信する場合は、このコマンドを使用することができます。

output-delay delay

(任意)RIPアップデートを送信するためのパケット間遅延を追加します。

デフォルトでは、複数のパケットからなるRIPアップデートのパケットに、パケット間遅延を追加することはできません。パケットを低速なデバイスに送信する場合は、8〜50ミリ秒のパケット間遅延を追加することができます。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip protocols

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

RIPルーティング プロセスをオフにするには、 no router rip グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

アクティブなルーティング プロトコル プロセスのパラメータと現在のステートを表示するには、 show ip protocols イネーブルEXECコマンドを使用します。RIPデータベースのサマリー アドレス エントリを表示するには、 show ip rip database イネーブルEXECコマンドを使用します。

RIP認証の設定

RIPバージョン1では、認証がサポートされていません。RIPバージョン2のパケットを送受信する場合は、インターフェイスでRIP認証をイネーブルにすることができます。インターフェイスで使用できる一連のキーは、キー チェーンによって決まります。キー チェーンが設定されていないと、デフォルトの場合でも認証は実行されません。 認証鍵の管理 に記載されている作業も実行してください。

RIP認証がイネーブルであるインターフェイスでは、プレーン テキストとMD5という2つの認証モードがサポートされています。デフォルトはプレーン テキストです。

インターフェイスにRIP認証を設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するインターフェイスを指定します。

ip rip authentication key-chain name-of-chain

RIP認証をイネーブルにします。

ip rip authentication mode [ text | md5 }

プレーン テキスト認証(デフォルト)またはMD5ダイジェスト認証を使用するように、インターフェイスを設定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config interface [ interface-id ]

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

クリア テキスト認証に戻すには、 no ip rip authentication mode インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。認証を禁止するには、 no ip rip authentication key-chainインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

サマリー アドレスおよびスプリット ホライズンの設定

ブロードキャストタイプのIPネットワークに接続され、ディスタンス ベクタ ルーティング プロトコルを使用するルータでは、通常ルーティング ループの発生を抑えるために、スプリット ホライズン メカニズムが使用されます。スプリット ホライズンは、ルートに関する情報がその情報の発信元であるインターフェイスで、ルータによってアドバタイズされないようにします。この機能を使用すると、通常の場合は複数のルータ間通信が最適化されます(特にリンクが壊れている場合)。

ダイヤルアップ クライアント用のネットワーク アクセス サーバで、サマライズされたローカルなIPアドレス プールをアドバタイズするようにRIPが動作しているインターフェイスを設定する場合は、ip summary-address ripインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

サマライズされたローカルIPアドレスをアドバタイズし、インターフェイスのスプリット ホライズンをディセーブルにするようにインターフェイスを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip address ip-address subnet-mask

IPアドレスおよびIPサブネットを設定します。

ip summary-address rip ip address ip-network mask

サマライズするIPアドレスおよびIPネットワーク マスクを設定します。

no ip split horizon

インターフェイスでスプリット ホライズンをディセーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface interface-id

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IPサマライズをディセーブルにするには、 no ip summary-address rip ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次の例では、主要ネットは10.0.0.0です。自動サマリー アドレス10.0.0.0はサマリー アドレス10.2.0.0によって上書きされるため、10.2.0.0はGigabit Ethernet 0/2インターフェイスからアドバタイズされますが、10.0.0.0はアドバタイズされません。次の例では、インターフェイスがまだレイヤ2モード(デフォルト)の場合、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力してから、 ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。

    スプリット ホライズンがイネーブルである場合、( ip summary-address rip ルータ コンフィギュレーション コマンドによって設定される)自動サマリーとインターフェイス サマリー アドレスはともにアドバタイズされません。

Switch(config)# router rip

Switch(config-router)# interface gi0/2

Switch(config-if)# ip address 10.1.5.1 255.255.255.0

Switch(config-if)# ip summary-address rip 10.2.0.0 255.255.0.0

Switch(config-if)# no ip split-horizon

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# router rip

Switch(config-router)# network 10.0.0.0

Switch(config-router)# neighbor 2.2.2.2 peer-group mygroup

Switch(config-router)# end

IGRPの設定

IGRPは動的なディスタンス ベクタ ルーティング用の、シスコ独自のプロトコルです。多様な帯域幅および遅延特性を使用し、大規模でそれぞれに複雑なネットワークで構成されるAutonomous System(AS;自律システム)でルーティングを行う場合に使用されます。IGRPには、インターネットワーク遅延、帯域幅、信頼性、負荷など、ユーザ設定可能なメトリックの組み合わせが使用されます。IGRPは、内部ルート、システム ルート、外部ルートといったルート タイプもアドバタイズします( 内部、システム、外部ルート を参照)。

内部、システム、外部ルート

デフォルトでは、IGRPが動作するルータは90秒ごとにアップデート ブロードキャストを送信します。アップデート期間3回分(270秒)以内に、ルートの最初のルータからアップデートが届かない場合、ルートはアクセス不能として宣言されます。アップデート期間7回分(630秒)が経過すると、ルートはルーティング テーブルから削除されます。

ここではIGRPの設定方法について簡単に説明します。内容は次のとおりです。

IGRPのデフォルト設定

IGRPのデフォルト設定 に、IGRPのデフォルト設定を示します。

IGRPのデフォルト設定

機能

デフォルト設定

IPスプリット ホライズン

メディアにより異なる

メトリックのホールドダウン

ディセーブル

メトリックの最大ホップ

100ホップ

ネイバ

定義なし

ネットワーク

指定なし

オフセット リスト

ディセーブル

メトリック設定

ルート マップには設定なし

タイマー基準

update:90秒

invalid:270秒

holddown:280秒

flush:630秒

sleeptime:0ミリ秒

トラフィック共有

メトリックの比率に応じて配分

IGRPが動作しているルータは、フラッシュ アップデートおよびポイズンリバース アップデートを使用し、ルーティング アルゴリズムのコンバージェンスを高速化します。フラッシュ アップデートは標準より早いタイミングで送信されるアップデートで、メトリックが変更されたことを他のルータに通知します。ポイズンリバース アップデートは、ルーティング メトリックが増加してもルーティング ループが増えないようにするためのものです。ポイズンリバース アップデートは、ルートを削除して、ホールドダウン状態に移行するために送信されます。ホールドダウン状態では、新しいルーティング情報を一定期間使用できなくなります。

ロードバランシングおよびトラフィック分散制御

IGRPは、特定の宛先に対して、非対称的な一連のパスを同時に使用します。不等価コストのロードバランシングを行うことにより、トラフィックを最大4つの不等価コスト パスに分散し、全体のスループットと信頼性を高めることができます。

ルート候補の適性は、代替パスの差異によって(つまり、プライマリ パスと代替パスにおける望ましさの差によって)決まります。パス内の次のルータが使用中のルータよりも宛先に近い(メトリック値が低い)場合、および代替パス全体のメトリックが指定の差異内に収まっている場合、代替ルートは適切です。適切なパスのみがロードバランシングに使用され、ルーティング テーブルに追加されます。これらの条件によって、ロードバランシングの回数は制限されますが、ネットワークのダイナミックスは安定します。

IGRPの不等価コスト ロードバランシングには、次の一般的な規則が適用されます。

これらの条件が満たされる場合、ルートは適切であると判断され、ルーティング テーブルに追加されるようになります。

デフォルトでは、差異は1に設定されています(等価コスト ロード バランシング)。代替パスを拒否するときの基準になる最低限の値を定義するには、 variance ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

これまでの説明に従って差異が設定されている場合、IGRPまたはEIGRPはトラフィックを同じ宛先に対する複数の不等価コスト ルートに分散します。代替ルートへのコンバージェンスを高速化しながら、通常の場合にトラフィックが不良ルートへ送信されないようにするには、メトリックが高いルートにトラフィックが流れないようにします。複数の不等価コスト ルート間でのトラフィック分散を制御するには、 traffic-share ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

基本的なIGRPパラメータの設定

IGRPを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。ルーティング プロセスの設定は必須ですが、それ以外のステップは任意です。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします(IPルーティングがディセーブルになっている場合にのみ必須)。

router igrp autonomous-system

IGRPルーティング プロセスをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。AS番号によって他のIGRPルータへのルートを特定し、ルーティング情報をタグ付けします。

network network-number

ネットワークをIGRPルーティング プロセスに関連づけます。IGRPは指定されたネットワーク内のインターフェイスにアップデートを送信します。インターフェイスのネットワークを指定しないと、IGRPアップデート内でアドバタイズされません。登録されたAS番号は不要ですが、登録された番号がある場合は、この番号を使用してプロセスを識別してください。

offset list [ access-list number | name ]
{
in | out } offset [ type number ]

(任意)オフセット リストをルーティング メトリックに適用し、IGRPによって取得したルートへの着信および発信メトリックを増やします。アクセス リストまたはインターフェイスを使用し、オフセット リストを制限することができます。

neighbor ip-address

(任意)ルーティング情報を交換する近接ルータを定義します。このステップを行うと、RIP(通常はブロードキャスト プロトコル)からのルーティング アップデートが非ブロードキャスト ネットワークに到達するようになります。

metric weights tos k1 k2 k3 k4 k5

(任意)IGRPメトリックを調整します。デフォルトでは、IGRPコンポジット メトリックは、指定ルートのセグメント遅延および最小セグメント帯域幅の合計を表す23ビットの値です。

  • tos ― サービス タイプ。デフォルトは0です。
  • k1〜k5 ― メトリック ベクタをスカラ値に変換する定数。k1およびk3のデフォルトは1、その他はすべて0です。

timers basic update invalid holddown flush [ sleeptime ]

(任意)ルーティング プロトコル タイマーを調整します。

  • update ― ルーティング アップデートの送信間隔(秒)。デフォルト値は90秒です。
  • invalid ― ルートが無効と宣言された後のインターバル(秒)。デフォルト値は270秒です。
  • holddown ― より適切なパスに関するルーティング情報が抑制される時間(秒)。デフォルト値は280秒です。
  • flush ― ルートがルーティング テーブルから削除されるまでの時間(秒)。デフォルト値は630秒です。
  • sleeptime ― ルーティング アップデートを延期する時間(ミリ秒)。デフォルト値は0です。

no metric holddown

(任意)IGRPのホールドダウン期間をディセーブルにします。ネットワークが既知の情報よりも遠くにあるか、またはダウンしていることが認識されると、ネットワークへのルートはホールドダウン状態になります。ホールドダウン状態になると、新しいルーティング情報は特定の期間使用されなくなり、コンバージェンスが低速の場合でもルーティング ループが発生しなくなります。このコマンドを実行するとホールドダウンがディセーブルになり、ネットワークはトポロジーの変更にすばやく応答できるようになります。

IGRP AS内の他のルータまたはアクセス サーバが no metric holddown コマンドによって設定されていない場合は、 metric holddown を使用します。すべてのルータが同じ方法で設定されていない場合は、ルーティング ループが発生する可能性が高まります。

metric maximum-hops hops

(任意)ネットワークの最大直径(2つのホスト間の最大ブリッジング ホップ数)を設定します。ホップ数がこの直径を超えるルートは、アドバタイズされません。デフォルト値は100ホップです。最大値は255ホップです。

no validate-update-source

(任意)着信ルーティング アップデートの送信元IPアドレスの検証をディセーブルにします。デフォルトでは、着信ルーティング アップデートの送信元IPアドレスが検証されます。送信元アドレスが無効な場合は、アップデートが廃棄されます。

variance multiplier

(任意)特定のパスに関連づけられている差異を定義し、必要に応じて不等価コスト ロードバランシングをイネーブルにします。これによって、すべての適切なパス間でトラフィックが分散され、パスに障害が発生した場合にも新しいパスに収束されます。指定できる乗数は1〜128です。デフォルト値は1(等価コスト ロードバランシング)です。

traffic-share { balanced | min }

(任意)次の方法のいずれかを使用し、トラフィックを分散します。

  • balanced ― メトリックの比率に比例
  • min ― 最小コスト ルートを使用

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip protocols

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IGRPルーティング プロセスをシャットダウンするには、 no router igrp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ルータをIGRP用に設定し、AS 109に割り当てる例を示します。 network ルータ コンフィギュレーション コマンドを実行すると、ルータに直接接続されているネットワークが表示されます。

Switch(config)# router igrp 109

Switch(config-router)# network 131.108.0.0

Switch(config-router)# network 192.31.7.0

スプリット ホライズンの設定

ブロードキャストタイプのIPネットワークに接続され、ディスタンス ベクタ ルーティング プロトコルを使用するルータでは、通常ルーティング ループの発生を抑えるために、スプリット ホライズン メカニズムが使用されます。スプリット ホライズンは、ルートに関する情報がその情報の発信元であるインターフェイスで、ルータによってアドバタイズされないようにします。この機能を使用すると、複数のルータ間通信が最適化されます(特にリンクが壊れている場合)。

インターフェイスでスプリット ホライズンをディセーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するインターフェイスを指定します。

ip address ip-address subnet-mask

IPアドレスおよびIPサブネットを設定します。

no ip split-horizon

インターフェイスでスプリット ホライズンをディセーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface interface-id

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

スプリット ホライズン メカニズムをイネーブルにするには、 ip split-horizon インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

OSPFの設定

ここでは、OSPFの設定方法について簡単に説明します。OSPFコマンドの詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference Release 12.1 の「OSPF Commands」を参照してください。

OSPFはIPネットワーク専用のIGPで、IPサブネット化、および外部から取得したルーティング情報のタグ付けをサポートしています。OSPFを使用するとパケット認証も可能になり、パケットを送受信するときにIPマルチキャストが使用されます。シスコの実装機能では、RFC1253のOSPF Management Information Base(MIB)がサポートされています。

シスコの実装機能は、次の主要機能を含むOSPFバージョン2仕様に準拠します。

通常、OSPFを使用するには、多くの内部ルータ、複数のエリアに接続された Area Border Router (ABR;エリア境界ルータ)、および Autonomous System Boundary Router (ASBR)間で調整する必要があります。最小設定では、すべてのデフォルト パラメータ値、エリアに割り当てられたインターフェイスが使用され、認証は行われません。環境をカスタマイズする場合は、すべてのルータの設定を調整する必要があります。

ここではOSPFの設定方法について簡単に説明します。内容は次のとおりです。

OSPFのデフォルト設定

OSPFのデフォルト設定 に、OSPFのデフォルト設定を示します。

OSPFのデフォルト設定

機能

デフォルト設定

インターフェイス パラメータ

コスト:デフォルト コストは未定義

再送信インターバル:5秒

送信遅延:1秒

プライオリティ: 1.

helloインターバル:10秒

deadインターバル:helloインターバルの4倍

認証なし

パスワードの指定なし

MD5認証はディセーブル

エリア

認証タイプ:0(認証なし)

デフォルト コスト: 1.

範囲:ディセーブル

スタブ:スタブ エリアは未定義

NSSA:NSSAエリアは未定義

自動コスト

100 Mbps

デフォルト情報送信元

ディセーブル。イネーブルの場合、デフォルトのメトリック設定は10で、外部ルート タイプのデフォルトはタイプ2です。

デフォルト メトリック

各ルーティング プロトコルに適切な、組み込みの自動メトリック変換

距離OSPF

dist1(エリア内のすべてのルート): 110.
dist2(エリア間のすべてのルート): 110.
dist3(他のルーティング ドメインからのルート): 110.

OSPFデータベース フィルタ

ディセーブル。すべての発信Link-State Advertisement(LSA;リンク状態アドバタイズ)がインターフェイスにフラッディングされます。

IP OSPF名検索

ディセーブル

隣接関係変更ログ

イネーブル

ネイバ

指定なし

近接データベース フィルタ

ディセーブル。すべての発信LSAはネイバにフラッディングされます。

ネットワーク エリア

ディセーブル

ルータID

OSPFルーティング プロセスは未定義

サマリー アドレス

ディセーブル

タイマーLSAグループの同期設定

240秒

タイマーShortest Path First(SPF)

spf-delay:5秒

spf-holdtime:10秒

仮想リンク

エリアIDまたはルータIDは未定義

helloインターバル:10秒

再送信インターバル:5秒

送信遅延:1秒

deadインターバル:40秒

認証鍵:鍵は未定義

メッセージダイジェスト鍵(MD5):鍵は未定義

基本的なOSPFパラメータの設定

OSPFをイネーブルにするには、OSPFルーティング プロセスを作成し、ルーティング プロセスに関連づけるIPアドレスの範囲を指定して、この範囲に関連づけるエリアIDを割り当てる必要があります。

OSPFをイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします(IPルーティングがディセーブルになっている場合にのみ必須)。

router ospf process-id

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。プロセスIDはローカルに割り当てられ、内部で使用される識別パラメータで、任意の正の整数を指定できます。各OSPFルーティング プロセスには一意の値があります。

network address wildcard-mask area area-id

OSPFが動作するインターフェイス、およびそのインターフェイスのエリアIDを定義します。単一のコマンドにワイルドカードマスクを指定し、特定のOSPFエリアに関連づけるインターフェイスを1つまたは複数定義することができます。エリアIDには10進数またはIPアドレスを指定することができます。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip protocols

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

OSPFルーティング プロセスを終了するには、 no router ospf process-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、OSPFルーティング プロセスを設定し、プロセス番号109を割り当てる例を示します。

Switch(config)# router ospf 109

Switch(config-router)# network 131.108.0.0 255.255.255.0 area 24

Switch(config-router)# end

OSPFインターフェイスの設定

ip ospf インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、インターフェイス固有のOSPFパラメータを変更することができます。これらのパラメータを変更する必要はありませんが、一部のインターフェイス パラメータ(helloインターバル、deadインターバル、認証鍵など)については、接続されたネットワーク内のすべてのルータで統一性を維持する必要があります。これらのパラメータを変更した場合は、ネットワーク内のすべてのルータの値も同様に変更してください。

OSPFインターフェイス パラメータを変更にするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip ospf cost

(任意)インターフェイスでパケットを送信するコストを明確に指定します。

ip ospf retransmit-interval seconds

(任意)LSA送信間隔を秒数で指定します。指定できる範囲は1〜65535秒です。デフォルト値は5秒です。

ip ospf transmit-dela y seconds

(任意)リンク ステート アップデート パケットを送信するまでの予測待機時間を秒数で設定します。指定できる範囲は1〜65535秒です。デフォルト値は1秒です。

ip ospf priority number

(任意)ネットワークに対して、OSPFで指定されたルータを判別するときに役立つプライオリティを設定します。指定できる範囲は0〜255です。デフォルト値は1です。

ip ospf hello-interval seconds

(任意)OSPFインターフェイスでhelloパケットの送信間隔を秒数で設定します。値はネットワークのすべてのノードで同じとします。指定できる範囲は1〜65535秒です。デフォルト値は10秒です。

ip ospf dead-interval seconds

(任意)最後のデバイスでhelloパケットが確認されてから、OSPFルータがダウンしていることがネイバによって宣言されるまでの時間を秒数で設定します。値はネットワークのすべてのノードで同じとします。指定できる範囲は1〜65535秒です。デフォルト値はhelloインターバルの4倍です。

ip ospf authentication-key key

(任意)近接OSPFルータで使用されるパスワードを割り当てます。パスワードには、キーボードから入力した任意の文字列(最大8バイト長)を指定することができます。同じネットワーク上のすべての近接ルータには、OSPF情報を交換するため、同じパスワードを設定する必要があります。

ip ospf message digest-key keyid md5 key

(任意)MDS認証をイネーブルにします。

  • keyid ― 1〜255のID
  • key ― 最大16バイトの英数字パスワード

ip ospf database-filter all out

(任意)インターフェイスへのOSPF LSAパケットのフラッディングを阻止します。デフォルトでは、LSAが着信するインターフェイスを除き、同じエリア内のすべてのインターフェイスにOSPFは新しいLSAをフラッディングします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip ospf interface [ interface-name ]

OSPFに関連するインターフェイス情報を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

設定されたパラメータ値を削除する場合、またはデフォルト値に戻す場合は、上記コマンドの no 形式を使用します。

OSPFエリア パラメータの設定

複数のOSPFエリア パラメータを設定することもできます。設定できるパラメータには、エリア、スタブ エリア、およびNSSAへの無許可アクセスをパスワードによって阻止する認証用パラメータがあります。 スタブ エリア に外部ルートに関する情報は送信されませんが、代わりに、AS外の宛先に対するデフォルトの外部ルートが、ABRによって生成されます。NSSAではコアからそのエリアへ向かうLSAの一部がフラッディングされませんが、再配信することによって、エリア内のAS外部ルートを取り込むことができます。

ルートのサマライズは、アドバタイズされたアドレスを、他のエリアでアドバタイズされる単一のサマリー ルートに統合することです。ネットワーク番号が連続する場合は、 area range ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、範囲内のすべてのネットワークを対象とするサマリー ルートをアドバタイズするようにABRを設定することができます。

エリア パラメータを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router ospf process-id

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

area area-id authentication

(任意)特定のエリアへの無許可アクセスに対して、パスワードベースの保護を可能にします。IDには10進数またはIPアドレスのいずれかを指定することができます。

area area-id authentication message-digest

(任意)エリアに関してMD5認証をイネーブルにします。

area area-id stub [ no-summary ]

(任意)エリアをスタブ エリアとして定義します。 no-summary キーワードを指定すると、ABRはサマリー リンク アドバタイズをスタブ エリアに送信できなくなります。

area area-id nssa [ no-redistribution ] [ default-information-originate ] [ no-summary ]

(任意)エリアをNSSAとして定義します。同じエリア内のすべてのルータは、エリアがNSSAであることを認識する必要があります。次のキーワードのいずれかを選択します。

  • no-redistribution ― ルータがNSSA ABRの場合、 redistribute コマンドを使用して、ルートをNSSAでなく通常のエリアに取り込む場合に選択します。
  • default-information-originate ― タイプ7 LSAをNSSAに取り込むようにする場合、ABRで選択します。
  • no-redistribution ― サマリーLSAをNSSAに送信しない場合に選択します。

area area-id range address mask

(任意)単一のルートをアドバタイズするアドレス範囲を指定します。このコマンドは、ABRに対してのみ使用します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip ospf [ process-id ]

show ip ospf [ process-id [ area-id ]] database

設定を確認するため、一般的なOSPFルーティング プロセスまたは特定のプロセスIDに関する情報を表示します。

特定のルータのOSPFデータベースに関連する情報のリストを表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

設定されたパラメータ値を削除する場合、またはデフォルト値に戻す場合は、上記コマンドの no 形式を使用します。

その他のOSPFパラメータの設定

ルータ コンフィギュレーション モードで、その他のOSPFパラメータを設定することもできます。

上記のOSPFパラメータを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router ospf process-id

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

summary-address address mask

(任意)1つのサマリー ルートのみがアドバタイズされるように、再配信されたルートのアドレスおよびIPサブネット マスクを指定します。

area area-id virtual-link router-id [ hello-interval seconds ] [ retransmit-interval seconds ] [ trans ] [[ authentication-key key ] | message-digest-key keyid md5 key ]]

(任意)仮想リンクを確立し、パラメータを設定します。パラメータ定義については OSPFインターフェイスの設定 、仮想リンクのデフォルト設定については OSPFのデフォルト設定 を参照してください。

default-information originate [ always ] [ metric metric-value ] [ metric-type type-value ] [ route-map map-name ]

(任意)強制的にOSPFルーティング ドメインにデフォルト ルートを生成するようにASBRを設定します。パラメータはすべて任意です。

ip ospf name-lookup

(任意)DNS名検索を設定します。デフォルトはディセーブルです。

ip auto-cost reference-bandwidth ref-bw

(任意)単一のルートをアドバタイズするアドレス範囲を指定します。このコマンドは、ABRに対してのみ使用します。

distance ospf {[ inter-area dist1 ] [ inter-area dist2 ] [ external dist3 ]}

(任意)OSPFの距離の値を変更します。各タイプのルートのデフォルト距離は110です。指定できる範囲は1〜255です。

passive-interface type number

(任意)指定されたインターフェイス経由のhelloパケットの送信を抑制します。

timers spf spf-delay spf-holdtime

(任意)ルート計算タイマーを設定します。

  • spf-delay ― 0〜65535の整数を入力します。デフォルトは5秒です。0は遅延がないことを意味します。
  • spf-holdtime ― 0〜65535の整数を入力します。デフォルトは10秒です。0は遅延がないことを意味します。

ospf log-adj-changes

(任意)ネイバ ステートが変更されたとき、Syslogメッセージを送信します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip ospf [ process-id [ area-id ]] database

特定のルータのOSPFデータベースに関連する情報のリストを表示します。キーワード オプションの一部については、 OSPFのモニタ を参照してください。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

LSAグループ同期設定の変更

OSPF LSAグループ同期設定機能を使用すると、OSPF LSAをグループ化し、リフレッシュ、チェックサム、エージング機能の同期を取って、ルータをより効率的に使用することが可能となります。デフォルトでこの機能はイネーブルとなっています。デフォルトの同期インターバルは4分間です。通常は、このパラメータを変更する必要はありません。最適なグループ同期インターバルは、ルータがリフレッシュ、チェックサム、エージングを行うLSA数に反比例します。たとえば、データベース内に約10,000個のLSAが格納されている場合は、同期設定インターバルを短くすると便利です。小さなデータベース(40〜100 LSA)を使用する場合は、同期インターバルを長くし、10〜20分に設定してください。

OSPF LSA同期を設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router ospf process-id

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

timers lsa-group-pacing seconds

LSAのグループ同期を変更します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show running-config

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルト値に戻すには、 no timers lsa-group-pacing ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ループバック インターフェイスの設定

OSPFは、インターフェイスに設定されている最大のIPアドレスをルータIDとして使用します。このインターフェイスがダウンした場合、または削除された場合、OSPFプロセスは新しいルータIDを再計算し、すべてのルーティング情報をそのルータのインターフェイスから再送信します。ループバック インターフェイスがIPアドレスによって設定されている場合、他のインターフェイスにより大きなIPアドレスがある場合でも、OSPFはこのIPアドレスをルータIDとして使用します。ループバック インターフェイスに障害は発生しないため、安定性が増大します。OSPFは他のインターフェイスよりもループバック インターフェイスを自動的に優先し、すべてのループバック インターフェイスの中で最大のIPアドレスを選択します。

ループバック インターフェイスを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface loopback 0

ループバック インターフェイスを作成し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ip address address mask

このインターフェイスにIPアドレスを割り当てます。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip interface

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ループバック インターフェイスをディセーブルにするには、 no interface loopback 0 グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

OSPFのモニタ

IPルーティング テーブル、キャッシュ、データベースの内容など、特定の統計情報を表示することができます。

IP OSPF統計情報の表示コマンド に、統計情報を表示するために使用するイネーブルEXECコマンドの一部を示します。 show ip ospf database イネーブルEXECコマンドのオプションおよび表示されるフィールドの詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference Release 12.1 を参照してください。

IP OSPF統計情報の表示コマンド

コマンド

説明

show ip ospf [ process-id ]

OSPFルーティング プロセスに関する一般的な情報を表示します。

show ip ospf [ process-id ] database [ router ] [ link-state-id ]

show ip ospf [ process-id ] database [ router ] [ self-originate ]

show ip ospf [ process-id ] database [ router ] [ adv-router [ ip-address ]]

show ip ospf [ process-id ] database [ network ] [ link-state-id ]

show ip ospf [ process-id ] database [ summary ] [ link-state-id ]

show ip ospf [ process-id ] database [ asbr-summary ] [ link-state-id ]

show ip ospf [ process-id ] database [ external ] [ link-state-id ]

show ip ospf [ process-id area-id ] database [ database-summary ]

OSPFデータベースに関連する情報を表示します。

show ip ospf border-routes

内部のOSPFルーティングABRおよびASBRテーブル エントリを表示します。

show ip ospf interface [ interface-name ]

OSPFに関連するインターフェイス情報を表示します。

show ip ospf neighbor [ interface-name ] [ neighbor-id ] detail

OSPFインターフェイス近接情報を表示します。

show ip ospf virtual-links

OSPFに関連する仮想リンク情報を表示します。

EIGRPの設定

EIGRPはIGRPのシスコ独自の拡張バージョンです。EIGRPはIGRPと同じディスタンス ベクタ アルゴリズムおよび距離情報を使用しますが、EIGRPでは収束性および動作効率が大幅に改善されています。

コンバージェンス技術には、Diffusing Update Algorithm(DUAL)と呼ばれるアルゴリズムが採用されています。DUALを使用すると、ルート計算の各段階でループが発生しなくなり、トポロジーの変更に関連するすべてのデバイスを同時に同期することができます。トポロジー変更の影響を受けないルータは、再計算から除外されます。

IP EIGRPを導入すると、ネットワークの幅が広がります。RIPの場合、ネットワークの最大幅は15ホップです。IGRPをイネーブルにすると、最大幅は224ホップになります。EIGRPメトリックは数千ホップをサポートするほど大きいため、ネットワークを拡張するときに問題となるのは、トランスポート レイヤのホップ カウンタのみです。IPパケットが15台のルータを経由し、宛先方向のネクスト ホップがEIGRPによって取得されている場合、EIGRPは転送制御フィールドの値を増やします。RIPルートを宛先へのネクスト ホップとして使用する場合、転送制御フィールドでは、通常どおり値が増加します。

EIGRPには次の機能があります。

EIGRPには、次に示す4つの基本コンポーネントがあります。

ここではEIGRPの設定方法について簡単に説明します。内容は次のとおりです。

EIGRPのデフォルト設定

EIGRPのデフォルト設定 に、EIGRPのデフォルト設定を示します。

EIGRPのデフォルト設定

機能

デフォルト設定

自動サマリー

イネーブル。クラスフル ネットワーク境界を通過するとき、この境界にサブプレフィクスがサマライズされます。

デフォルト情報

再配信中は外部ルートが許可され、IGRPまたはEIGRPプロセス間でデフォルト情報が渡されます。

デフォルト メトリック

デフォルト メトリックなしで再配信できるのは、接続されたルートおよびインターフェイスのスタティック ルートのみです。デフォルト メトリックは次のとおりです。

  • 帯域幅:0 kbps以上
  • 遅延(10ミリ秒):0または39.1ナノ秒の倍数である任意の正の数値
  • 信頼性:0〜255の任意の数値(255の場合は信頼性が100%)
  • 負荷:0〜255の数値で表される有効帯域幅(255の場合は100%の負荷)
  • Maximum Transmission Unit(MTU;最大伝送ユニット):バイトで表されたルートの最大伝送ユニット サイズ(0または任意の正の整数)

距離

内部距離: 90

外部距離: 170

EIGRPの近接関係変更ログ

ディセーブル。隣接関係の変更はロギングされません。

IP認証キーチェーン

認証なし

IP認証モード

認証なし

IP帯域幅比率

50%

IP hello時間

低速のNonbroadcast Multiaccess(NBMA;非ブロードキャスト マルチアクセス)ネットワークの場合:60秒、それ以外のネットワークの場合:5秒

IPホールド タイム

低速NBMAネットワークの場合:180秒、それ以外のネットワークの場合:15秒

IPスプリットホライズン

イネーブル

IPサマリー アドレス

サマリー集約アドレスは未定義

メトリック ウェイト

tos:0。k1およびk3:1。k2、k4、およびk5: 0

ネットワーク

指定なし

オフセットリスト

ディセーブル

ルータEIGRP

ディセーブル

メトリック設定

ルート マップにはメトリック設定なし

トラフィック共有

メトリックの比率に応じて配分

差異

1(等価コスト ロードバランシング)

EIGRPルーティング プロセスを作成するには、EIGRPをイネーブルにし、ネットワークを関連づける必要があります。EIGRPは、指定されたネットワーク内のインターフェイスにアップデートを送信します。インターフェイス ネットワークを指定しないと、どのEIGRPアップデートでもアドバタイズされません。

    ネットワーク上にIGRP用に設定されているルータがあり、この設定をEIGRPに変更する場合は、IGRPとEIGRPの両方が設定された移行ルータを指定する必要があります。この場合は、この次のセクションに記載されているステップ1〜3を実行してください( IGRPの設定 も参照)。ルートを自動的に再配信するには、同じAS番号を使用する必要があります。

基本的なEIGRPパラメータの設定

EIGRPを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。ルーティング プロセスの設定は必須ですが、それ以外のステップは任意です。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします(IPルーティングがディセーブルになっている場合にのみ必須)。

router eigrp autonomous-system

EIGRPルーティング プロセスをイネーブルにし、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。AS番号によって他のEIGRPルータへのルートを特定し、ルーティング情報をタグ付けします。

network network-number

ネットワークをEIGRPルーティング プロセスに関連づけます。EIGRPは指定されたネットワーク内のインターフェイスにアップデートを送信します。インターフェイスのネットワークを指定しないと、IGRPまたはEIGRPアップデート中にアドバタイズされません。

eigrp log-neighbor-changes

(任意)EIGRP近接関係変更のロギングをイネーブルにし、ルーティング システムの安定性をモニタします。

metric weights tos k1 k2 k3 k4 k5

(任意)EIGRPメトリックを調整します。デフォルト値はほとんどのネットワークで適切に動作するよう入念に設定されていますが、調整することも可能です。

メトリックを決定する作業は複雑です。熟練したネットワーク設計者の指導がない場合は、行わないでください。

offset list [ access-list number | name ] { in | out } offset [ type number ]

(任意)オフセット リストをルーティング メトリックに適用し、EIGRPによって取得したルートへの着信および発信メトリックを増やします。アクセス リストまたはインターフェイスを使用し、オフセット リストを制限することができます。

no auto-summary

(任意)ネットワークレベル ルートへのサブネット ルートの自動サマライズをディセーブルにします。

ip summary-address eigrp autonomous-system-number address mask

(任意)サマリー集約を設定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip protocols

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

機能をディセーブルにする場合、または設定をデフォルト値に戻す場合は、上記コマンドの no 形式を使用します。

EIGRPインターフェイスの設定

インターフェイスごとに、他のEIGRPパラメータを任意で設定することができます。

EIGRPインターフェイスを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip bandwidth-percent eigrp percent

(任意)インターフェイスでEIGRPが使用できる帯域幅の割合を設定します。デフォルト値は50%です。

ip summary-address eigrp autonomous-system-number address mask

(任意)指定されたインターフェイスのサマリー集約アドレスを設定します(auto-summaryがイネーブルの場合は、通常、設定する必要はありません)。

ip hello-interval eigrp autonomous-system-number seconds

(任意)EIGRPルーティング プロセスのhello時間を変更します。指定できる範囲は1〜65535秒です。低速NBMAネットワークの場合のデフォルトは60秒、その他のすべてのネットワークでは5秒です。

ip hold-time eigrp autonomous-system-number seconds

(任意)EIGRPルーティング プロセスのホールド タイムを変更します。指定できる範囲は1〜65535秒です。低速NBMAネットワークの場合のデフォルトは180秒、その他のすべてのネットワークでは15秒です。

ホールド タイムを調整する前に、シスコのテクニカル サポートにお問い合わせください。

no ip split-horizon eigrp autonomous-system-number

(任意)スプリット ホライズンをディセーブルにし、ルート情報が情報元インターフェイスからルータによってアドバタイズされるようにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip eigrp interface

EIGRPがアクティブであるインターフェイス、およびそれらのインターフェイスに関連するEIGRPの情報を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

機能をディセーブルにする場合、または設定をデフォルト値に戻す場合は、上記コマンドの no 形式を使用します。

EIGRPルート認証の設定

EIGRPルート認証を行うと、EIGRPルーティング プロトコルからのルーティング アップデートに関するMD5認証が可能になり、承認されていない送信元から無許可または問題のあるルーティング メッセージを受け取ることがなくなります。

認証をイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip authentication mode eigrp autonomous-system md5

IP EIGRPパケットのMD5認証をイネーブルにします。

ip authentication key-chain eigrp autonomous-system key-chain

IP EIGRPパケットの認証をイネーブルにします。

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

key chain name-of-chain

キー チェーンを識別し、キーチェーン コンフィギュレーション モードを開始します。ステップ4で設定した名前を指定します。

key number

キーチェーン コンフィギュレーション モードで、キー番号を識別します。

key-string text

キーチェーン コンフィギュレーション モードで、キー ストリングを識別します。

accept-lifetime start-time { infinite | end-time | duration seconds }

(任意)キーを受信する期間を指定します。

start-time および end-time には、 hh : mm : ss Month date year または hh : mm : ss date Month year のいずれかの構文を使用することができます。デフォルトはデフォルトの start-time 以降、無制限です。指定できる最初の日付は1993年1月1日です。デフォルトの end-time および duration infinite です。

send-lifetime start-time { infinite | end-time | duration seconds }

(任意)キーを送信する期間を指定します。

start-time および end-time には、 hh : mm : ss Month date year または hh : mm : ss date Month year のいずれかの構文を使用することができます。デフォルトはデフォルトの start-time 以降、無制限です。指定できる最初の日付は1993年1月1日です。デフォルトの end-time および duration infinite です。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show key chain

認証鍵情報を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

機能をディセーブルにする場合、または設定をデフォルト値に戻す場合は、上記コマンドの no 形式を使用します。

EIGRPのモニタおよびメンテナンス

近接テーブルからネイバを削除することができます。さらに、各種EIGRPルーティング統計情報を表示することもできます。 IP EIGRPのclearおよびshowコマンド に、ネイバ削除および統計情報表示用のイネーブルEXECコマンドを示します。表示されるフィールドの詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference Release 12.1 を参照してください。

IP EIGRPのclearおよびshowコマンド

コマンド

説明

clear ip eigrp neighbors [ if-address | interface ]

近接テーブルからネイバを削除します。

show ip eigrp interface [ interface ] [ as numbe r]

EIGRP用に設定されたインターフェイスの情報を表示します。

show ip eigrp neighbors [ type-number ]

EIGRPによって検出されたネイバを表示します。

show ip eigrp topology [ autonomous-system-number ] | [[ ip-address ] mask ]]

指定されたプロセスのEIGRPトポロジー テーブルを表示します。

show ip eigrp traffic [ autonomous-system-number ]

すべてまたは特定のEIGRPプロセスの送受信パケット数を表示します。

BGPの設定

Border Gateway Protocol(BGP)は、Exterior Gateway Protocol(EGP;外部ゲートウェイ プロトコル)です。AS間で、ループの発生しないルーティング情報交換を保証するドメイン間ルーティング システムを設定するために使用されます。ASは、同じ管理下で動作してRIPやOSPFなどのIGPを境界内で実行し、EGPを使用して相互接続されるルータで構成されます。BGPバージョン4は、インターネット内でドメイン間ルーティングを行うための標準EGPです。このプロトコルは、RFC 1163、1267、1771で定義されています。BGPの詳細については、『 Internet Routing Architectures 』(Cisco Press刊)、および『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide 』の「Configuring BGP」を参照してください。

BGPアップデートを交換する場合、同じASに属するルータは Internal BGP (IBGP)を実行し、異なるASに属するルータは External BGP (EBGP)を実行します。大部分のコンフィギュレーション コマンドは、EBGPとIBGPで同じですが、ルーティング アップデートがAS間で交換されるか(EBGP)、またはAS内で交換されるか(IBGP)という点で異なります。 EBGP、IBGP、および複数のAS に、EBGPとIBGPの両方が稼働するネットワークを示します。

EBGP、IBGP、および複数のAS

外部ASと情報を交換する前に、BGPはAS内のルータ間で内部BGPピアリングを定義し、IGRPやOSPFなどAS内で稼働するIGPにBGPルーティング情報を再配信して、AS内のネットワークに到達することを確認します。

BGPルーティング プロセスを実行するルータは、通常BGP スピーカー と呼ばれます。BGPはトランスポート プロトコルとしてTransmission Control Protocol(TCP)を使用します(特にポート179)。ルーティング情報を交換するため相互にTCP接続された2つのBGPスピーカーを、ピアまたは ネイバ と呼びます。 EBGP、IBGP、および複数のAS では、ルータAおよびBはBGPピアで、ルータBとC、およびルータCとDも同様です。ルーティング情報は、宛先ネットワークへの完全なパスを記述する一連のAS番号です。BGPはこの情報を使用し、ループのないASマップを作成します。

このネットワークの特徴は次のとおりです。

BGPピアは完全なBGPルーティング テーブルを内部的に交換し、差分更新のみを送信します。BGPピアはキープアライブ メッセージ(接続が有効であることを確認)、および通知メッセージ(エラーまたは特殊条件に応答)を交換することもできます。

BGPの場合、各ルートはネットワーク番号、情報が通過したASのリスト( ASパス )、および他の パス アトリビュート リストで構成されます。BGPシステムの主な機能は、ASパスのリストに関する情報など、ネットワークの到達可能性情報を他のBGPシステムと交換することです。この情報は、ASが接続されているかどうかを判別したり、ルーティング ループをプルーニングしたり、ASレベル ポリシー判断を行うために使用することができます。

Cisco IOSが稼働しているルータまたはスイッチがIBGPルートを選択または使用するのは、ネクスト ホップ ルータで使用可能なルートがあり、IGPから同期信号を受信している(IGP同期がディセーブルの場合は除く)場合です。複数のルートが使用可能な場合、BGPは アトリビュート 値に基づいてパスを選択します。BGPアトリビュートの詳細については、 BGP判断アトリビュートの設定 を参照してください。

BGPバージョン4ではClassless Interdomain Routing(CIDR)がサポートされているため、集合ルートを作成して スーパーネット を構築し、ルーティング テーブルのサイズを削減することができます。CIDRは、BGP内部のネットワーク クラスの概念をエミュレートし、IPプレフィクスのアドバタイズをサポートします。

ここでは、BGPおよびサポートされているBGP機能の設定方法について簡単に説明します。

BGP設定の詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide 』の「Configuring BGP」を参照してください。特定のコマンドの詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference for IOS Release 12.1 を参照してください。表示されているにもかかわらずスイッチでサポートされないBGPコマンドについては、 サポートされていないCLIコマンド を参照してください。

BGPのデフォルト設定

BGPのデフォルト設定 に、BGPの基本的なデフォルト設定を示します。すべての特徴については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference for IOS Release 12.1 の各コマンドに関する説明を参照してください。

BGPのデフォルト設定

機能

デフォルト設定

集約アドレス

ディセーブル:定義なし

ASパス アクセス リスト

定義なし

自動サマリー

イネーブル

最適パス

  • ルータはルートを選択する際に ASパス を考慮します。外部BGPピアからの類似ルートは比較されません。
  • ルータIDの比較:ディセーブル

BGPコミュニティ リスト

  • 番号:定義なし。コミュニティ番号を示す特定の値を許可すると、許可されていないその他すべてのコミュニティ番号は、暗黙的な拒否にデフォルト設定されます。
  • フォーマット:シスコ デフォルト フォーマット(32ビット番号)

BGP連合ID/ピア

  • ID:設定なし
  • ピア:識別なし

BGP高速外部フォールオーバー

イネーブル

BGPローカル初期設定

100。指定できる範囲は0〜4294967295です(大きな値を推奨)。

BGPネットワーク

指定なし。バックドア ルートのアドバタイズなし

BGPルート ダンピング化

デフォルトでディセーブル。イネーブルの場合は、次のようになります。

  • 半減期は15分
  • 再使用は750(10秒増分)
  • 抑制は2000(10秒増分)
  • 最大抑制時間は半減期の4倍(60分)

BGPルータID

ループバック インターフェイスにIPアドレスが設定されている場合は、ループバック インターフェイスのIPアドレス、またはルータの物理インターフェイスに対して設定された最大のIPアドレス

デフォルトの情報送信元(プロトコルまたはネットワーク再配信)

ディセーブル

デフォルト メトリック

自動メトリック変換(組み込み)

距離

  • 外部ルート管理距離:20(有効値は1〜255)
  • 内部ルート管理距離:200(有効値は1〜255)
  • ローカル ルート管理距離:200(有効値は1〜255)

ディストリビュート リスト

  • 入力(アップデート中に受信されたネットワークをフィルタリング)ディセーブル
  • 出力(アップデート中のネットワークのアドバタイズを抑制)ディセーブル

内部ルート再配信

ディセーブル

IPプレフィクス リスト

定義なし

Multi Exit Discriminator(MED)

  • 常に比較:ディセーブル。異なるAS内のネイバからのパスに対して、MEDを比較しません。
  • 最適パスの比較:ディセーブル
  • 最悪パスであるMEDの除外:ディセーブル
  • 決定的なMED比較:ディセーブル

ネイバ

  • アドバタイズ インターバル:外部ピアの場合は30秒、内部ピアの場合は5秒
  • ロギング変更:イネーブル
  • 条件付きアドバタイズ:ディセーブル
  • デフォルト送信元:ネイバに送信されるデフォルト ルートはなし
  • 説明:なし
  • ディストリビュート リスト:定義なし
  • 外部BGPマルチホップ:直接接続されたネイバのみを許可
  • フィルタ リスト:使用しない
  • 受信したプレフィクスの最大数:制限なし
  • ネクスト ホップ(BGPネイバのネクスト ホップとなるルータ):ディセーブル
  • パスワード:ディセーブル

ネイバ

  • ピア グループ:定義なし。割り当てメンバーなし
  • プレフィクス リスト:指定なし
  • リモートAS(ネイバBGPテーブルへのエントリ追加):ピア定義なし
  • プライベートAS番号の削除:ディセーブル
  • ルート マップ:ピアへの適用なし
  • コミュニティ アトリビュート送信:ネイバへの送信なし
  • シャットダウンまたはソフト設定:ディセーブル
  • タイマー:キープアライブ:60秒。ホールドタイム:180秒
  • アップデート送信元:最適ローカル アドレス
  • バージョン:BGPバージョン4
  • ウェイト:BGPピアによって学習されたルート:0。ローカル ルータから取得されたルート: 32768

ルート リフレクタ

設定なし

同期化(BGPおよびIGP)

イネーブル

テーブル マップ アップデート

ディセーブル

タイマー

キープアライブ:60秒。ホールドタイム:180秒

BGPルーティングのイネーブル化

BGPルーティングをイネーブルにするには、BGPルーティング プロセスを確立し、ローカル ネットワークを定義します。BGPはネイバとの関係を完全に把握する必要があるため、BGPネイバを指定する必要があります。

BGPは内部および外部の2種類のネイバをサポートします。内部ネイバは同じAS内に、外部ネイバは異なるAS内にあります。通常の場合、外部ネイバは相互に隣接し、1つのサブネットを共有しますが、内部ネイバは同じAS内の任意の場所に存在します。

スイッチではプライベートAS番号を使用することができます。プライベートAS番号は通常サービス プロバイダーによって割り当てられ、ルートが外部ネイバにアドバタイズされないシステムに設定されます。プライベートAS番号の範囲は64512〜65535です。ASパスからプライベートAS番号を削除するように外部ネイバを設定するには、 neighbor remove-private-as ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。この結果、外部ネイバにアップデートを渡すとき、ASパス内にプライベートAS番号が含まれている場合は、これらの番号が削除されます。

ASが別のASからさらに別のASにトラフィックを渡す場合は、アドバタイズ対象のルートに矛盾が存在しないことが重要です。BGPがルートをアドバタイズしてから、ネットワーク内のすべてのルータがIGPを通してルートを学習した場合、ASは一部のルータがルーティングできなかったトラフィックを受信することがあります。このような事態を避けるため、BGPはIGPがASに情報を伝播し、BGPがIGPと 同期化 されるまで、待機する必要があります。同期化は、デフォルトでイネーブルに設定されています。ASが特定のASから別のASにトラフィックを渡さない場合、またはAS内のすべてのルータでBGPが稼働している場合は、同期化をディセーブルにし、IGP内で伝送されるルータ数を少なくして、BGPがより短時間で収束するようにします。

BGPルーティングをイネーブルにしてBGPルーティング プロセスを確立し、ネイバを指定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします(IPルーティングがディセーブルになっている場合にのみ必須)。

router bgp autonomous-system

BGPルーティング プロセスをイネーブルにしてAS番号を割り当て、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。指定できるAS番号は1〜65535です。64512〜65535は、プライベートAS番号専用です。

network network-number [ mask network-mask ] [ route-map route-map-name ]

このASに対してローカルとなるようにネットワークを設定し、BGPテーブルにネットワークを格納します。

neighbor { ip-address | peer-group-name } remote-as number

BGPネイバ テーブルに設定を追加し、IPアドレスによって識別されるネイバが、指定されたASに属することを示します。

EBGPの場合、通常ネイバは直接接続されており、IPアドレスは接続の他端におけるインターフェイスのアドレスです。

IBGPの場合、IPアドレスにはルータ インターフェイス内の任意のアドレスを指定することができます。

neighbor { ip-address | peer-group-name } remove-private-as

(任意)発信ルーティング アップデート内のASパスからプライベートAS番号を削除します。

no synchronization

(任意)BGPとIGPの同期化をディセーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp network network-number
show ip bgp neighbor

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

BGP ASを削除するには、 no router bgp autonomous-system グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。BGPテーブルからネットワークを削除するには、 no network network-number ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。ネイバを削除するには、 no neighbor { ip-address | peer-group-name } remote-as number ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。ネイバにアップデート内のプライベートAS番号を追加するには、 no neighbor { ip-address | peer-group-name } remove-private-as ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。同期化を再度イネーブルにするには、 synchronization ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、 EBGP、IBGP、および複数のAS に示されたルータ上でBGPを設定する例を示します。

ルータA:

Switch(config)# router bgp 100

Switch(config-router)# neighbor 129.213.1.1 remote-as 200

ルータB:

Switch(config)# router bgp 200

Switch(config-router)# neighbor 129.213.1.2 remote-as 100

Switch(config-router)# neighbor 175.220.1.2 remote-as 200

ルータC:

Switch(config)# router bgp 200

Switch(config-router)# neighbor 175.220.212.1 remote-as 200

Switch(config-router)# neighbor 192.208.10.1 remote-as 300

ルータD:

Switch(config)# router bgp 300

Switch(config-router)# neighbor 192.208.10.2 remote-as 200

BGPピアが稼働していることを確認するには、show ip bgp neighborsイネーブルEXECコマンドを使用します。次に、ルータAにこのコマンドを実行した場合の出力例を示します。

Switch# show ip bgp neighbors

BGP neighbor is 129.213.1.1, remote AS 200, external link

BGP version 4, remote router ID 175.220.212.1

BGP state = established, table version = 3, up for 0:10:59

Last read 0:00:29, hold time is 180, keepalive interval is 60 seconds

Minimum time between advertisement runs is 30 seconds

Received 2828 messages, 0 notifications, 0 in queue

Sent 2826 messages, 0 notifications, 0 in queue

Connections established 11; dropped 10

state = established 以外の情報が出力された場合、ピアは稼働していません。リモート ルータIDは、ルータ(または最大のループバック インターフェイス)上の最大のIPアドレスです。テーブルが新規情報でアップデートされるたびに、テーブルのバージョン番号は増加します。継続的にテーブル バージョン番号が増加している場合は、ルータがフラッピングし、ルーティング アップデートが絶えず発生しています。

外部プロトコルの場合、 network ルータ コンフィギュレーション コマンドからIPネットワークへの参照によって制御されるのは、アドバタイズされるネットワークのみです。これは、 network コマンドを使用してアップデートの送信先を判別するIGP(IGRPなど)と対称的です。

BGP設定の詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide 』の「Configuring BGP」を参照してください。特定のコマンドに関する詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference for IOS Release 12.1 を参照してください。表示されているにもかかわらずスイッチでサポートされないBGPコマンドについては、 サポートされていないCLIコマンド を参照してください。

ルーティング ポリシー変更の管理

ピアのルーティング ポリシーには、着信または発信ルーティング テーブル アップデートに影響する可能性があるすべての設定が含まれます。BGPネイバとして定義された2台のルータは、BGP接続を形成し、ルーティング情報を交換します。この後でBGPフィルタ、ウェイト、距離、バージョン、またはタイマーを変更する場合、または同様の設定変更を行う場合は、BGPセッションをリセットし、設定の変更を有効にする必要があります。

BGPセッションをリセットするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

clear ip bgp { * | address | peer-group-name }

指定された接続上でルーティング テーブルをリセットします。

  • すべての接続をリセットする場合は、アスタリスク(*)を入力します。
  • 特定の接続をリセットする場合は、IP アドレス を入力します。
  • ピア グループをリセットする場合は、ピア グループ名を入力します。

show ip bgp
show ip bgp neighbors

ルーティング テーブルおよびBGPネイバに関する情報をチェックし、リセットされたことを確認します。

BGP判断アトリビュートの設定

BGPスピーカーが複数のASから受信したアップデートが、同じ宛先に対して異なるパスを示している場合、BGPスピーカーはその宛先に到達する最適パスを1つ選択する必要があります。選択されたパスはBGPルーティング テーブルに格納され、ネイバに伝搬されます。この判断は、アップデートに格納されているアトリビュート値、およびBGPで設定可能な他の要因に基づいて行われます。

BGPピアはネイバASからプレフィクスに対する2つのEBGPパスを学習するとき、最適パスを選択してIPルーティング テーブルに挿入します。BGPマルチパス サポートがイネーブルで、同じネイバASから複数のEBGPパスを学習する場合、単一の最適パスの代わりに、複数のパスがIPルーティング テーブルに格納されます。その後、パケット スイッチング中に、複数のパス間でパケット単位または宛先単位のロードバランシングが実行されます。 maximum-paths ルータ コンフィギュレーション コマンドは、許可されるパス数を制御します。

これらの要因により、BGPが最適パスを選択するためにアトリビュートを評価する順序が決まります。

  1. パスで指定されているネクスト ホップが到達不能な場合、このアップデートは削除されます。BGPのネクスト ホップのアトリビュート(ソフトウェアによって自動判別される)は、宛先に到達するために使用されるネクスト ホップのIPアドレスです。EBGPの場合、通常このアドレスは neighbor remote-as ルータ コンフィギュレーション コマンドで指定されたネイバのIPアドレスです。ネクスト ホップの処理をディセーブルにするには、ルート マップまたは neighbor next-hop-self ルート コンフィギュレーション コマンドを使用します。
  2. 最大ウェイトのパスを推奨します(シスコ独自のパラメータ)。ウェイト アトリビュートはルータにローカルであるため、ルーティング アップデートで伝搬されません。デフォルトでは、ルータ送信元のパスに関するウェイト アトリビュートは32768で、それ以外のパスのウェイト アトリビュートは0です。最大ウェイトのルートを推奨します。ウェイトを設定するには、アクセス リスト、ルート マップ、または neighbor weight ルート コンフィギュレーション コマンドを使用します。
  3. ローカル初期設定値が最大のルートを推奨します。ローカル初期設定はルーティング アップデートに含まれ、同じAS内のルータ間で交換されます。ローカル初期設定アトリビュートのデフォルト値は100です。
  4. ローカル ルータ上で稼働するBGPから送信されたルートを推奨します。
  5. ASパスが最短のルートを推奨します。
  6. 送信元タイプが最小のルートを推奨します。内部ルートまたはIGPは、EGPによって学習されたルートよりも小さく、EGPで学習されたルートは、未知の送信元のルートまたは別の方法で学習されたルートよりも小さくなります。
  7. 想定されるすべてのルートについてネイバASが同じである場合は、MEDメトリック アトリビュートが最小のルートを推奨します。アップデートがIBGPピアに送信される場合、MEDは単独で渡されます。
  8. 内部(IBGP)パスより、外部(EBGP)パスを推奨します。
  9. 最も近いIGPネイバ(最小のIGPメトリック)を通って到達できるルートを推奨します。ルータは、AS内の最短の内部パス(BGPのネクスト ホップへの最短パス)を使用し、宛先に到達するためです。
  10. 次の条件にすべて該当する場合は、このパスのルートをIPルーティング テーブルに挿入してください。
  11. 最適ルートと目的のルートがともに外部ルートである
  12. 最適ルートと目的のルートの両方が、同じネイバASからのルートである
  13. maximum-paths がイネーブルである
  14. マルチパスがイネーブルでない場合は、BGPルータIDのIPアドレス値が最小のルートを推奨します。通常の場合、ルータIDはルータで最大のIPアドレスまたはループバック(仮想)アドレスですが、実装ごとに固有である場合もあります。

同じ判断アトリビュートを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router bgp autonomous-system

BGPルーティング プロセスをイネーブルにしてAS番号を割り当て、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

neighbor { ip-address | peer-group-name } next-hop-self

(任意)ネクスト ホップ アドレスの代わりに使用される特定のIPアドレスを入力し、ネイバへのBGPアップデートに関するネクスト ホップの処理をディセーブルにします。

neighbor { ip-address | peer-group-name } weight weight

(任意)ネイバ接続にウェイトを割り当てます。指定できる値は0〜65535です。最大ウェイトのルートを推奨します。別のBGPピアから学習されたルートのデフォルト ウェイトは0です。ローカル ルータから送信されたルートのデフォルト ウェイトは32768です。

maximum-paths number

(任意)IPルーティング テーブルに追加するパスの数を設定します。デフォルトでは、最適パスのみがルーティング テーブルに追加されます。指定できる値は1〜8です。複数の値を指定すると、パス間のロードバランシングが可能になります。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp
show ip bgp neighbors

ルーティング テーブルおよびBGPネイバに関する情報をチェックし、リセットされたことを確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルト ステートに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ルート マップによるBGPフィルタリングの設定

BGP内でルート マップを使用すると、ルーティング情報を制御、変更したり、ルーティング ドメイン間でルートを再配信する条件を定義することができます。ルート マップの詳細については、 ルート マップによるルーティング情報の再配信 を参照してください。各ルート マップには、ルート マップを識別する名前( マップ タグ )およびオプションのシーケンス番号が付いています。

ネイバ単位でルート マップを使用すると、アップデートをフィルタリングしたり、各アトリビュートを変更することができます。たとえば、set weightルートマップ コンフィギュレーション コマンドを使用すると、パス選択プロセスで使用されるウェイト アトリビュートを設定することができます。ルート マップは、着信アップデートまたは発信アップデートのいずれかに適用することができます。ルート マップを渡すルートのみが、アップデート内で送信または許可されます。着信および発信の両方のアップデートで、コミュニティおよびネットワーク番号に基づくマッチングがサポートされています。コミュニティベースのマッチングでは、 match community-list ルートマップ コマンド( BGPコミュニティ フィルタリングの設定 を参照)、ネットワークベースのマッチングでは ip access-list グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用する必要があります。

ネイバ単位のルート マップを適用するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router bgp autonomous-system

BGPルーティング プロセスをイネーブルにしてAS番号を割り当て、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

neighbor { ip-address | peer-group name } route-map map-tag { in | out }

(任意)ルート マップを適用し、着信または発信ルートをフィルタリングします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp neighbors

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ネイバからルート マップを削除するには、 no neighbor route-map map-tag ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

BGPコミュニティ フィルタリングの設定

BGPコミュニティ フィルタリングは、COMMUNITIESアトリビュートの値に基づいてルーティング情報の配信を制御するBGPの方法の1つです。このアトリビュートによって、宛先はコミュニティにグループ化され、コミュニティに基づいてルーティング判断が適用されます。この方法を使用すると、ルーティング情報の配信制御を目的とするBGPスピーカーの設定が簡単になります。

コミュニティは、共通するいくつかのアトリビュートを共有する宛先のグループです。各宛先は複数のコミュニティに属します。AS管理者は、宛先が属するコミュニティを定義することができます。デフォルトでは、すべての宛先が一般的なインターネット コミュニティに属します。コミュニティは、過渡的でグローバルな、オプションのCOMMUNITIESアトリビュート(1〜4294967200)によって識別されます。事前に定義された既知のコミュニティの一部を、次に示します。

コミュニティに基づき、他のネイバに許可、送信、配信するルーティング情報を制御することができます。BGPスピーカーは、ルートを学習、アドバタイズ、または再配信するときに、ルートのコミュニティを設定、追加、または変更します。ルートを集約すると、作成された集約内のCOMMUNITIESアトリビュートに、すべての初期ルートの全コミュニティが含まれます。

コミュニティ リストを使用すると、ルート マップのマッチ コマンド文で使用されるコミュニティ グループを作成することができます。さらに、アクセス リストの場合と同様、一連のコミュニティ リストを作成することもできます。ステートメントは一致が見つかるまでチェックされ、1つのステートメントが満たされると、テストは終了します。

コミュニティに基づいてCOMMUNITIESアトリビュートおよびマッチ コマンド文を設定するには、 ルート マップによるルーティング情報の再配信 に記載されている match community-list および set community ルートマップ コンフィギュレーション コマンドを参照してください。

デフォルトでは、COMMUNITIESアトリビュートはネイバに送信されません。COMMUNITIESアトリビュートが特定のIPアドレスのネイバに送信されるように指定するには、 neighbor send-community ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

コミュニティ リストを作成、適用するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip community-list community-list-number { permit | deny } community-number

コミュニティ リストを作成し、番号を割り当てます。

  • community-list-number は1〜99の整数です。この値は、コミュニティの許可または拒否グループを1つ以上識別します。
  • community-number は、 set community ルートマップ コンフィギュレーション コマンドで設定される番号です。

router bgp autonomous-system

BGPルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

neighbor { ip-address | peer-group name } send-community

このIPアドレスのネイバに送信するCOMMUNITIESアトリビュートを指定します。

set comm-list list-num delete

(任意)ルート マップで指定された標準または拡張コミュニティ リストと一致する着信または発信アップデートのコミュニティ アトリビュートから、コミュニティを削除します。

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ip bgp-community new-format

(任意)AA:NNのフォーマットで、BGPコミュニティを表示、解析します。

BGPコミュニティは、2つの部分からなる2バイト長フォーマットで表示されます。シスコのデフォルトのコミュニティ フォーマットはNNAAです。BGPに関する最新のRFCでは、コミュニティはAA:NNの形式をとります。最初の部分はAS番号で、その次の部分は2バイトの数値です。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp community

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

BGPネイバおよびピア グループの設定

通常の場合、BGPネイバの多くは同じアップデート ポリシー(同じ発信ルート マップ、配信リスト、フィルタ リスト、アップデート送信元など)を使用して設定されます。アップデート ポリシーが同じネイバをピア グループにまとめると設定が簡単になり、アップデートの効率が高まります。多数のピアを設定した場合は、この方法をお勧めします。

BGPピア グループを設定するには、ピア グループを作成し、そこにオプションを割り当てて、ピア グループ メンバーとしてネイバを追加します。ピア グループを設定するには、 neighbor ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。デフォルトでは、ピア グループ メンバーは、ピア グループのすべての設定オプションを継承し、すべてのピア グループ メンバーは、ピア グループに対する変更を継承します。また、発信アップデートに影響しないオプションを無効にするように、メンバーを設定することもできます。

各ネイバに設定オプションを割り当てるには、ネイバのIPアドレスを使用し、次に示すルータ コンフィギュレーション コマンドのいずれかを指定します。ピア グループにオプションを割り当てるには、ピア グループ名を使用し、いずれかのコマンドを指定します。 neighbor shutdown ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用すると、すべての設定情報を削除せずに、BGPピアまたはピア グループをディセーブルにすることができます。

BGPピアを設定するには、イネーブルEXECモードで次のコマンドを使用します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router bgp autonomous-system

BGPルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

neighbor peer-group-name peer-group

BGPピア グループを作成します。

neighbor ip-address peer-group peer-group-name

BGPネイバをピア グループのメンバーにします。

neighbor { ip-address | peer-group-name } remote-as number

BGPネイバを指定します。 remote-as number を使用してピア グループが設定されていない場合は、このコマンドを使用し、EBGPネイバを含むピア グループを作成します。指定できる範囲は1〜65535です。

neighbor { ip-address | peer-group-name } ebgp-multihop

(任意)ネイバがセグメントに直接接続されていない場合でも、BGPセッションを使用可能にします。マルチホップ ピア アドレスへの唯一のルートがデフォルト ルート(0.0.0.0)の場合、マルチホップ セッションは確立されません。

neighbor { ip-address | peer-group-name } local-as number

(任意)ローカルASとして使用するAS番号を指定します。指定できる範囲は1〜65535です。

neighbor { ip-address | peer-group-name } maximum-prefix maximum [ threshold ]

(任意)ネイバから受信できるプレフィクス数を制御します。指定できる範囲は1〜4294967295です。 threshold (任意)は、警告メッセージが生成される基準となる最大値(パーセント)です。デフォルト値は75%です。

neighbor { ip-address | peer-group-name } next-hop-self

(任意)ネイバ宛のBGPアップデートに関して、ネクスト ホップでの処理をディセーブルにします。

neighbor {ip-address | peer-group-name} password string

(任意)TCP接続でのMD5認証をBGPピアに設定します。両方のBGPピアに同じパスワードを設定する必要があります。そうしないと、BGPピア間に接続が作成されません。

neighbor { ip-address | peer-group-name } route-map map-name { in | out }

(任意)着信または発信ルートにルート マップを適用します。

neighbor { ip-address | peer-group-name } send-community

(任意)このIPアドレスのネイバに送信するCOMMUNITIESアトリビュートを指定します。

neighbor { ip-address | peer-group-name } timers keepalive holdtime

(任意)ネイバまたはピア グループ用のタイマーを設定します。

  • keepalive インターバルは、キープアライブ メッセージがピアに送信される間隔です。指定できる範囲は1〜4294967295秒で、デフォルトは60秒です。
  • holdtime は、キープアライブ メッセージを受信しなかった場合、ピアが非アクティブと宣言されるまでのインターバルです。指定できる範囲は1〜4294967295秒で、デフォルトは180秒です。

neighbor { ip-address | peer-group-name } weight weight

(任意)ネイバからのすべてに関するルートのウェイトを指定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp neighbors

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

既存のBGPネイバまたはネイバ ピア グループをディセーブルにするには、 neighbor shutdown ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。ディセーブル化されている既存のネイバまたはネイバ ピア グループをイネーブルにするには、 no neighbor shutdown ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

集約アドレスの設定

CIDRを使用すると、集約ルート(または スーパーネット )を作成して、ルーティング テーブルのサイズを最小化することができます。BGP内に集約ルートを設定するには、集約ルートをBGPに再配信するか、またはBGPルーティング テーブル内に集約エントリを作成します。BGPテーブル内に特定のエントリがさらに1つまたは複数存在する場合は、BGPテーブルに集約アドレスが追加されます。

ルーティング テーブル内に集約アドレスを作成するには、イネーブルEXECモードで次のコマンドを使用します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router bgp autonomous-system

BGPルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

aggregate-address address mask

BGPルーティング テーブル内に集約エントリを作成します。集約ルートはASからのルートとしてアドバタイズされます。情報が失われた可能性があることを示すため、アトミック集約アトリビュートが設定されます。

aggregate-address address mask as-set

(任意)AS設定パス情報を生成します。このコマンドは、この前のコマンドと同じ規則に従う集約エントリを作成します。ただし、アドバタイズされるパスは、すべてのパスに含まれる全要素で構成されるAS_SETです。多くのパスを集約するときは、このキーワードを使用しないでください。このルートは絶えず取り消され、更新されます。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp neighbors [ advertised-routes ]

設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

集約エントリを削除するには、 no aggregate-address address mask ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

BGPのモニタおよびメンテナンス

特定のキャッシュ、テーブル、またはデータベースのすべての内容を削除することができます。この作業は、特定の構造の内容が無効になる場合、または無効である疑いがある場合に必要となります。

BGPルーティング テーブル、キャッシュ、データベースの内容など、特定の統計情報を表示することができます。さらに、リソースの利用率を判別したり、ネットワーク問題を解決するための情報を使用することもできます。また、ノードの到達可能性に関する情報を表示したり、デバイスのパケットが経由するネットワーク内のルーティング パスを検出することもできます。

IP EIGRPのclearおよびshowコマンド に、 BGPを消去および表示するために使用するイネーブルEXECコマンドを示します。表示されるフィールドの詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference Release 12.1 を参照してください。

IP BGPのclearおよびshowコマンド

コマンド

説明

clear ip bgp address

特定のBGP接続をリセットします。

clear ip bgp *

すべてのBGP接続をリセットします。

clear ip bgp peer-group tag

BGPピア グループのすべてのメンバーを削除します。

show ip bgp cidr-only

サブネットおよびスーパーネット ネットワーク マスクを含むすべてのBGPルートを表示します。

show ip bgp community [ community-number ] [ exact ]

指定されたコミュニティに属するルートを表示します。

show ip bgp community-list community-list-number [ exact-match ]

コミュニティ リストで許可されたルートを表示します。

show ip bgp filter-list access-list-number

指定されたASパス アクセス リストによって照合されたルートを表示します。

show ip bgp

BGPルーティング テーブルの内容を表示します。

show ip bgp neighbors [ address ]

各ネイバとのBGP接続およびTCP接続に関する詳細情報を表示します。

show ip bgp peer-group

BGPピア グループに関する情報を表示します。

show ip bgp paths

データベース内のすべてのBGPパスを表示します。

show ip bgp summary

すべてのBGP接続のステータスを表示します。

また、 bgp log-neighbor changes ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、BGPネイバをリセット、起動、またはダウンさせるときに生成されるメッセージのロギングをイネーブルにすることもできます。

Multi-VRF CEの設定

Virtual Private Network(VPN;仮想私設網)を使用すると、カスタマーはISPバックボーン ネットワーク上で帯域幅を確実に共有することができます。VPNは共通のルーティング テーブルを共有するサイトの集まりです。カスタマー サイトは1つまたは複数のインターフェイスでサービス プロバイダー ネットワークに接続されます。サービス プロバイダーは各インターフェイスをVPNルーティング テーブルに関連づけます。VPNルーティング テーブルは、VPN Routing/Forwarding(VRF;VPNルーティング/転送)テーブルと呼ばれます。

Catalyst 3550スイッチは、Customer Edge(CE;カスタマー エッジ)デバイス内でmultiple VPN Routing/Forwarding(multi-VRF)インスタンスをサポートします(multi-VRF CE)。サービス プロバイダーはmulti-VRF CEを使用して、IPアドレスが重複する複数のVPNをサポートします。

ここで説明する内容は次のとおりです。

Multi-VRF CEの概要

multi-VRF CEは、IPアドレスを重複使用する複数のVPNをサービス プロバイダーがサポートできるようにする機能です。multi-VRF CEは入力インターフェイスを使用して、VPNが異なるルートを区別し、各VRFに1つまたは複数のレイヤ3インターフェイスを関連づけて、仮想パケット転送テーブルを形成します。VRF内のインターフェイスは、イーサネット ポートなどの物理インターフェイス、またはVLAN SVIなどの論理インターフェイスのいずれかに設定できますが、インターフェイスを複数のVRFに同時に所属させることはできません。

multi-VRF CEには、次に示すデバイスが含まれます。

multi-VRF CEを使用すると、複数のカスタマーで1つのCEを共有することができます。また、CEとPE間で物理リンクが1つだけ使用されます。共有されたCEはカスタマーごとに個別のVRFテーブルを維持し、独自のルーティング テーブルに基づいて、カスタマーごとにパケットをスイッチングおよびルーティングします。multi-VRF CEは、PEに限定されていた機能をCEデバイスに拡張します。これにより、VRFテーブルを個別に維持する機能がCEデバイスに追加され、VPNのプライバシおよびセキュリティ機能を支店に拡張することが可能となります。

複数の仮想CEとして機能するCatalyst 3550スイッチ に、各Catalyst 3550スイッチが複数の仮想CEとして機能する設定を示します。このシナリオは、VPNサービスに関する帯域幅条件が小さいカスタマー(小規模企業など)に最適です。この場合、Catalyst 3550スイッチで、multi-VRF CEをサポートする必要があります。multi-VRF CEはレイヤ3 スイッチであるため、VRF内の各インターフェイスをレイヤ3インターフェイスにする必要があります。

複数の仮想CEとして機能するCatalyst 3550スイッチ

VRFにレイヤ3インターフェイスを追加するコマンドを受信すると、CEはmulti-VRF-CE関連のデータ構造内にVLAN IDとPolicy Label(PL;ポリシー ラベル)間の適切なマッピングを設定し、VLAN IDおよびPLをVLANデータベースに追加します。

multi-VRF CEが設定されている場合、レイヤ3転送テーブルは概念的に2つのセクションに分割されます。

  • multi-VRF CEルーティング セクション ― 別のVPNからのルートを格納します。
  • グローバル ルーティング セクション ― インターネットなど、VPN以外のネットワークへのルートを格納します。

異なるVRFからのVLAN IDは異なるPLにマッピングされ、処理中にVRFを区別するために使用されます。レイヤ3転送テーブルのmulti-VRF CEセクションにルートがない場合は、グローバル ルーティング セクションを使用して転送パスが判別されます。学習された新規VPNルートごとに、レイヤ3セットアップ機能は入力ポートのVLAN IDを使用してPLを取得し、multi-VRF CEルーティング セクションにPLおよび新規ルートを挿入します。パケットをルーテッド ポートから受信した場合は、ポート内部VLAN ID番号が使用され、SVIから受信した場合は、VLAN番号が使用されます。

次に、multi-VRF-CE対応ネットワークでのパケット転送プロセスを示します。

  • VPNからパケットを受信すると、スイッチは入力されたPL番号に基づいてルーティング テーブルを検索します。ルートが見つかると、スイッチはパケットをPEに転送します。
  • CEからパケットを受信すると、入力PEはVRF検索を実行します。ルートが見つかると、ルータは対応するMPLSラベルをパケットに追加し、MPLSネットワークに送信します。
  • ネットワークからパケットを受信すると、出力PEはラベルを取り除き、そのラベルを使用して正しいVPNルーティング テーブルを識別します。次に、標準のルート検索を実行します。ルートが見つかると、パケットを正しい隣接装置に転送します。
  • 出力PEからパケットを受信すると、CEは入力PLを使用して正しいVPNルーティング テーブルを検索します。ルートが見つかると、VPN内でパケットを転送します。

VRFを設定するには、VRFテーブルを作成し、VRFに関連づけられたレイヤ3インターフェイスを指定します。次に、VPN内、およびCEとPE間で、ルーティング プロトコルを設定します。プロバイダーのバックボーンにVPNルーティング情報を配信する場合は、ルーティング プロトコルとしてBGPを使用してください。multi-VRF CEネットワークには、次に示す3つの主要コンポーネントがあります。

  • VPNルート ターゲット通信 ― VPNコミュニティのその他すべてのメンバーに関するリストです。VPNコミュニティ メンバーごとに、VPNルート ターゲットを設定する必要があります。
  • VPNコミュニティPEルータのマルチプロトコルBGPピアリング ― VRFの到達可能性情報をVPNコミュニティのすべてのメンバーに伝搬させます。VPNコミュニティ内のすべてのPEルータに、BGPピアリングを設定する必要があります。
  • VPNフォワーディング ― VPNサービスプロバイダー ネットワーク内のすべてのVPNコミュニティ メンバー間で、すべてのトラフィックをトランスポートします。

Multi-VRF CEのデフォルト設定

VRFのデフォルト設定 に、VRFのデフォルト設定を示します。

VRFのデフォルト設定

機能

デフォルト設定

VRF

ディセーブル。VRFは定義されていません。

マップ

インポート マップ、エクスポート マップ、またはルート マップは定義されていません。

VRF最大ルート

ファスト イーサネット スイッチ: 8000

ギガビット イーサネット スイッチ: 12000

転送テーブル

インターフェイスのデフォルトは、グローバル ルーティング テーブルです。

Multi-VRF CEの設定時の注意事項

ネットワークにVRFを設定するときの注意事項は、次のとおりです。

VRFの設定

1つまたは複数のVRFを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。コマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのスイッチのコマンド リファレンス、および『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference Release 12.1 を参照してください。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip routing

IPルーティングをイネーブルにします。

ip vrf vrf-name

VRFに名前を付け、VRFコンフィギュレーション モードを開始します。

rd route-distinguisher

ルート識別子を指定し、VRFテーブルを作成します。AS番号と任意の番号(xxx:y)またはIPアドレスと任意の番号(A.B.C.D:y)のいずれかを入力します。

route-target { export | import | both } route-target-ext-community

指定されたVRFに対し、インポート、エクスポート、またはインポートとエクスポートのルート ターゲット コミュニティ リストを作成します。ASシステム番号と任意の番号(xxx:y)またはIPアドレスと任意の番号(A.B.C.D:y)のいずれかを入力します。 route-target-ext-community は、ステップ4で入力した route-distinguisher と同じでなければなりません。

import map route-map

(任意)ルート マップをVRFに関連づけます。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、VRFに関連づけるレイヤ3インターフェイスを指定します。インターフェイスはルーテッド ポートまたはSVIに設定することができます。

ip vrf forwarding vrf-name

VRFをレイヤ3インターフェイスに関連づけます。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip vrf [ brief | detail | interfaces ] [ vrf-name ]

設定を確認します。設定されたVRFに関する情報を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VRFを削除し、VRFからすべてのインターフェイスを削除するには、 no ip vrf vrf-name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。VRFから特定のインターフェイスを削除するには、 no ip vrf forwarding インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

VPNルーティング セッションの設定

VPN内のルーティングは、サポートされている任意のルーティング プロトコル(RIP、OSPF、IGRP、EIGRP、またはBGP)またはスタティック ルーティングを使用して設定することができます。以下に示すコンフィギュレーションはOSPF用ですが、プロセスはほかのプロトコルでも同じです。

VPN内でOSPFを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router ospf process-id vrf vrf-name

OSPFルーティングをイネーブルにしてVPN転送テーブルを指定し、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

log-adjacency-changes

(任意)隣接ステートの変更を記録します。これがデフォルト ステートです。

redistribute bgp autonomous-system-number subnets

BGPネットワークからOSPFネットワークに情報を再配信するように、スイッチを設定します。

network network-number area area-id

OSPFが稼働するネットワークのアドレスとマスク、およびネットワーク アドレスのエリアIDを定義します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip ospf process-id

OSPFネットワークの設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

OSPFルーティング プロセスとVPN転送テーブル間の関連づけを解除するには、 no router ospf process-id vrf vrf-name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

BGP PE/CEルーティング セッションの設定

BGP PE/CEルーティング セッションを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router bgp autonomous-system-number

他のBGPルータに渡されたAS番号を使用してBGPルーティング プロセスを設定し、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

network network-number mask network-mask

BGPを使用し、アナウンスするネットワークおよびマスクを指定します。

redistribute ospf process-id match internal

OSPF内部ルートを再配信するようにスイッチを設定します。

network network-number area area-id

OSPFが稼働するネットワークのアドレスとマスク、およびネットワーク アドレスのエリアIDを定義します。

address-family ipv4 vrf vrf-name

PE/CEルーティング セッションのBGPパラメータを定義し、VRFアドレスファミリー モードを開始します。

neighbor address remote-as as-number

PEとCEルータ間のBGPセッションを定義します。

neighbor address activate

IPv4アドレス ファミリーのアドバタイズをアクティブにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip bgp [ ipv4 ] [ neighbors ]

BGP設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

BGPルーティング プロセスを削除するには、 no router bgp autonomous-system-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。ルーティングの特性を削除するには、コマンドにキーワードを指定します。

Multi-VRF CEの設定例

Multi-VRF CEの設定例 は、 複数の仮想CEとして機能するCatalyst 3550スイッチ と類似したネットワークの物理接続を簡素化した例です。OSPFはVPN1、VPN2、およびグローバル ネットワークで使用されるプロトコルです。BGPはCE/ PE接続で使用されます。以下のコマンドは、CEスイッチS8を設定し、スイッチS20とS11のVRF設定、およびトラフィック関連のPEルータ コマンドをスイッチS8に追加する方法を示します。その他のスイッチを設定するコマンドは示しませんが、この例と同様です。

Multi-VRF CEの設定例

スイッチS8の設定

スイッチS8で、ルーティングをイネーブルにし、VRFを設定します。

Switch# configure terminal

Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.

Switch(config)# ip routing

Switch(config)# ip vrf v11

Switch(config-vrf)# rd 800:1

Switch(config-vrf)# route-target export 800:1

Switch(config-vrf)# route-target import 800:1

Switch(config-vrf)# exit

Switch(config)# ip vrf v12

Switch(config-vrf)# rd 800:2

Switch(config-vrf)# route-target export 800:2

Switch(config-vrf)# route-target import 800:2

Switch(config-vrf)# exit

スイッチS8上で、ループバックおよび物理インターフェイスを設定します。Fast Ethernet 0/5インターフェイスは、PEへのトランク接続です。インターフェイス0/7および0/11は、VPNに接続されます。

Switch(config)# interface loopback1

Switch(config-if)# ip vrf forwarding v11

Switch(config-if)# ip address 8.8.1.8 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface loopback2

Switch(config-if)# ip vrf forwarding v12

Switch(config-if)# ip address 8.8.2.8 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface FastEthernet0/5

Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q

Switch(config-if)# switchport mode trunk

Switch(config-if)# no ip address

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface FastEthernet0/8

Switch(config-if)# switchport access vlan 208

Switch(config-if)# no ip address

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface FastEthernet0/11

Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q

Switch(config-if)# switchport mode trunk

Switch(config-if)# no ip address

Switch(config-if)# exit

スイッチS8で使用されるVLANを設定します。VLAN 10は、CEとPEの間のVRF 11で使用されます。VLAN 20は、CEとPEの間のVRF 12で使用されます。VLAN 118および208は、スイッチS11およびスイッチS20をそれぞれ含むVPNのVRF用に使用されます。

Switch(config)# interface Vlan10

Switch(config-if)# ip vrf forwarding v11

Switch(config-if)# ip address 38.0.0.8 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface Vlan20

Switch(config-if)# ip vrf forwarding v12

Switch(config-if)# ip address 83.0.0.8 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface Vlan118

Switch(config-if)# ip vrf forwarding v12

Switch(config-if)# ip address 118.0.0.8 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface Vlan208

Switch(config-if)# ip vrf forwarding v11

Switch(config-if)# ip address 208.0.0.8 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

VPN1およびVPN2に、OSPFルーティングを設定します。

Switch(config)# router ospf 1 vrf v11

Switch(config-router)# redistribute bgp 800 subnets

Switch(config-router)# network 208.0.0.0 0.0.0.255 area 0

Switch(config-router)# exit

Switch(config)# router ospf 2 vrf v12

Switch(config-router)# redistribute bgp 800 subnets

Switch(config-router)# network 118.0.0.0 0.0.0.255 area 0

Switch(config-router)# exit

CE/PEルーティング用のBGPを設定します。

Switch(config)# router bgp 800

Switch(config-router)# address-family ipv4 vrf v12

Switch(config-router-af)# redistribute ospf 2 match internal

Switch(config-router-af)# neighbor 83.0.0.3 remote-as 100

Switch(config-router-af)# neighbor 83.0.0.3 activate

Switch(config-router-af)# network 8.8.2.0 mask 255.255.255.0

Switch(config-router-af)# exit

Switch(config-router)# address-family ipv4 vrf v11

Switch(config-router-af)# redistribute ospf 1 match internal

Switch(config-router-af)# neighbor 38.0.0.3 remote-as 100

Switch(config-router-af)# neighbor 38.0.0.3 activate

Switch(config-router-af)# network 8.8.1.0 mask 255.255.255.0

Switch(config-router-af)# end

スイッチS20の設定

スイッチS20はVPN 1に属します。

Switch# configure terminal

Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.

Switch(config)# ip routing

Switch(config)# interface Fast Ethernet 0/7

Switch(config-if)# no switchport

Switch(config-if)# ip address 208.0.0.20 255.255.255 .0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# router ospf 101

Switch(config-router)# network 208.0.0.0 0.0.0.255 area 0

Switch(config-router)# end

スイッチS11の設定

スイッチS11はVPN 2に属します。

Switch# configure terminal

Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.

Switch(config)# ip routing

Switch(config)# interface Gigabit Ethernet 0/3

Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q

Switch(config-if)# switchport mode trunk

Switch(config-if)# no ip address

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# interface Vlan118

Switch(config-if)# ip address 118.0.0.11 255.255.255.0

Switch(config-if)# exit

Switch(config)# router ospf 101

Switch(config-router)# network 118.0.0.0 0.0.0.255 a rea 0

Switch(config-router)# end

PEスイッチS3の設定

次に示すコマンドは、スイッチS3(ルータ)上でCEデバイス(スイッチS8)との接続のみを設定します。

Router# configure terminal

Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.

Router(config)# ip vrf v1

Router(config-vrf)# rd 100:1

Router(config-vrf)# route-target export 100:1

Router(config-vrf)# route-target import 100:1

Router(config-vrf)# exit

Router(config)# ip vrf v2

Router(config-vrf)# rd 100:2

Router(config-vrf)# route-target export 100:2

Router(config-vrf)# route-target import 100:2

Router(config-vrf)# exit

Router(config)# ip cef

Router(config)# interface Loopback1

Router(config-if)# ip vrf forwarding v1

Router(config-if)# ip address 3.3.1.3 255.255.255.0

Router(config-if)# exit

Router(config)# interface Loopback2

Router(config-if)# ip vrf forwarding v2

Router(config-if)# ip address 3.3.2.3 255.255.255.0

Router(config-if)# exit

Router(config)# interface Fast Ethernet3/0.10

Router(config-if)# encapsulation dot1q 10

Router(config-if)# ip vrf forwarding v1

Router(config-if)# ip address 38.0.0.3 255.255.255.0

Router(config-if)# exit

Router(config)# interface Fast Ethernet3/0.20

Router(config-if)# encapsulation dot1q 20

Router(config-if)# ip vrf forwarding v2

Router(config-if)# ip address 83.0.0.3 255.255.255.0

Router(config-if)# exit

Router(config)# router bgp 100

Router(config-router)# address-family ipv4 vrf v2

Router(config-router-af)# neighbor 83.0.0.8 remote-as 800

Router(config-router-af)# neighbor 83.0.0.8 activate

Router(config-router-af)# network 3.3.2.0 mask 255.255.255.0

Router(config-router-af)# exit

Router(config-router)# address-family ipv4 vrf vl

Router(config-router-af)# neighbor 83.0.0.8 remote-as 800

Router(config-router-af)# neighbor 83.0.0.8 activate

Router(config-router-af)# network 3.3.1.0 mask 255.255.255.0

Router(config-router-af)# end

Multi-VRF CEステータスの表示

multi-VRF CEの設定およびステータスに関する情報を表示するには、 IP OSPF統計情報の表示コマンド に示すイネーブルEXECコマンドを使用します。

IP OSPF統計情報の表示コマンド

コマンド

説明

show ip protocols vrf vrf-name

VRFに関連づけられたルーティング プロトコル情報を表示します。

show ip route vrf vrf-name [ connected ] [ protocol [ as-number ]] [ list ] [ mobile ] [ odr ] [ profile ] [ static ] [ summary ] [ supernets-only ]

VRFに関連づけられたIPルーティング テーブル情報を表示します。

show ip vrf [ brief | detail | interfaces ] [ vrf-name ]

定義されたVRFインスタンスに関する情報を表示します。

表示されるフィールドの詳細については、『 Cisco IOS Switching Services Command Reference Release 12.1 を参照してください。

プロトコル独立機能の設定

ここでは、IPルーティング プロトコルに依存しない機能の設定方法について説明します。これらの機能は、SMIまたはEMIが稼働するスイッチ上で使用できますが、SMI付属のプロトコル関連機能はRIPでのみ使用することができます。この章に記載されたIPルーティング プロトコル独立コマンドの詳細については、『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference』Release 12.1の「IP Routing Protocol-Independent Commands」を参照してください。

ここでは、次の手順について説明します。

CEFの設定

Cisco Express Forwarding(CEF)は、ネットワーク パフォーマンスを最適化するために使用されるレイヤ3 IPスイッチング技術です。CEFには高度なIP検索および転送アルゴリズムが実装されているため、レイヤ3スイッチングのパフォーマンスを最大化することができます。高速スイッチング ルート キャッシュよりもCPUにかかる負担が少ないため、CEFはより多くのCPU処理能力をパケット転送に振り分けることができます。Catalyst 3550スイッチは、ハードウェアでCEFを使用し、ギガビット回線速度のIPトラフィックを実現します。動的なネットワークでは、ルーティングの変更により、高速スイッチング キャッシュ エントリが頻繁に無効となります。高速スイッチング キャッシュ エントリが無効になると、トラフィックがルート キャッシュによって高速スイッチングされず、ルーティング テーブルによってプロセス スイッチングされます。CEFはForwarding Information Base(FIB;転送情報ベース)検索テーブルを使用し、宛先ベースのスイッチングをIPパケットに実行します。

CEFの2つの主要な構成要素は、FIBと隣接テーブルです。

デフォルトで、CEFはグローバルなイネーブルに設定されています。何らかの理由でCEFがディセーブルになった場合は、 ip cef グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、再度イネーブルに設定することができます。

推奨のデフォルト設定は、すべてのレイヤ3インターフェイスでCEFをイネーブルにすることです。インターフェイス上でCEFをディセーブルにするには、 no ip route-cache cef インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス上でCEFをイネーブルにするには、 ip route-cache cef インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

インターフェイスで、ディセーブル化されたCEFをイネーブルにするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

ip route -cache cef

インターフェイス上でCEFをイネーブルにします。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip cef

すべてのインターフェイスのCEFステータスを表示します。

show adjacency

CEFの隣接テーブル情報を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイス上でCEFをディセーブルにするには、 no ip route-cache cef インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

等価コスト ルーティング パスの個数の設定

同じネットワークへ向かう同じメトリックのルートが複数ルータに格納されている場合、これらのルートは等価コストを保有しているとみなされます。ルーティング テーブルに複数の等価コスト ルートが含まれる場合は、これらを パラレル パス と呼ぶこともあります。ネットワークへの等価コスト パスがルータに複数格納されている場合、ルータはこれらを同時に使用することができます。パラレル パスを使用すると、パスに障害が発生した場合に冗長性を確保することができます。また、使用可能なパスにパケットの負荷を分散し、使用可能な帯域幅を有効利用することもできます。

等価コスト ルートはルータによって自動的に取得、設定されますが、ルーティング テーブルのIPルーティング プロトコルでサポートされるパラレル パスの最大数は制御可能です。

ルーティング テーブルに格納されるパラレル パスのデフォルトの最大数を変更するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router { bgp | rip | ospf | igrp | eigrp }

ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

maximum-paths maximum

プロトコル ルーティング テーブルのパラレル パスの最大数を設定します。指定できる範囲は1〜8です。ほとんどのIPルーティング プロトコルでデフォルトは4ですが、BGPの場合のみ1です。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip protocols

Maximum path フィールドの設定を確認します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルト値に戻すには、 no maximum-paths ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

スタティック ユニキャスト ルートの設定

スタティック ユニキャスト ルートは、特定のパスを通過して送信元と宛先間でパケットを送受信するユーザ定義のルートです。ルータが特定の宛先へのルートを構築できない場合、スタティック ルートは重要で、到達不能なすべてのパケットが送信される最終ゲートウェイを指定する場合に有効です。

スタティック ユニキャスト ルートを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip route prefix mask { address | interface } [ distance ]

スタティック ルートを確立します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip route

設定を確認するため、ルーティング テーブルの現在のステートを表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

スタティック ルートを削除するには、 no ip route prefix mask グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ユーザによって削除されるまで、スタティック ルートはスイッチに保持されます。ただし、管理距離の値を割り当て、スタティック ルートをダイナミック ルーティング情報で上書きすることができます。各ダイナミック ルーティング情報には、デフォルトの管理距離が設定されています( ダイナミック ルーティング プロトコルのデフォルトの管理距離 を参照)。ダイナミック ルーティング プロトコルの情報でスタティック ルートを上書きする場合は、スタティック ルートの管理距離がダイナミック プロトコルの管理距離よりも大きな値になるように設定します。

ダイナミック ルーティング プロトコルのデフォルトの管理距離

ルート送信元

デフォルト距離

接続されたインターフェイス

0

スタティック ルート

1

EIGRPサマリー ルート

5

EBGP

20

内部EIGRP

90

IGRP

100

OSPF

110

RIP

120

EIGRPサマリー ルート

170

IBGP

200

不明

225

インターフェイスを指し示すスタティック ルートは、RIP、IGRP、およびその他のダイナミック ルーティング プロトコルを通してアドバタイズされます。 redistribute スタティック ルータ コンフィギュレーション コマンドが、これらのルーティング プロトコルに対して指定されているかどうかは関係ありません。これらのスタティック ルートがアドバタイズされるのは、インターフェイスを指し示すスタティック ルートは接続された結果、静的な性質を失ったとルーティング テーブルでみなされるためです。ただし、networkコマンドで定義されたネットワーク以外のインターフェイスに対してスタティック ルートを定義する場合は、ダイナミック ルーティング プロトコルに redistribute スタティック コマンドを指定しない限り、ルートはアドバタイズされません。

インターフェイスがダウンすると、ダウンしたインターフェイスを経由するすべてのスタティック ルートがIPルーティング テーブルから削除されます。転送ルータのアドレスとして指定されたアドレスへ向かう有効なネクスト ホップがスタティック ルート内に見つからない場合は、IPルーティング テーブルからそのスタティック ルートも削除されます。

デフォルトのルートおよびネットワークの指定

ルータが他のすべてのネットワークへのルートを判別することはできません。完全なルーティング機能を実現するには、一部のルータをスマート ルータとして使用し、それ以外のルータのデフォルト ルートをスマート ルータ宛に指定します(スマート ルータには、インターネットワーク全体のルーティング テーブル情報が格納されます)。これらのデフォルト ルートはダイナミックに取得されるか、ルータごとに設定されます。ほとんどのダイナミックな内部ルーティング プロトコルには、スマート ルータを使用してデフォルト情報をダイナミックに生成し、他のルータに転送するメカニズムがあります。

指定されたデフォルト ネットワークに直接接続されたインターフェイスがルータに存在する場合は、そのデバイス上で動作するダイナミック ルーティング プロトコルによってデフォルト ルートが生成されます。RIPの場合は、疑似ネットワーク0.0.0.0がアドバタイズされます。IGRPの場合は、ネットワーク自体がアドバタイズされ、外部ルートとしてフラグ付けされます。

ネットワークのデフォルトを生成しているルータには、そのルータ自身のデフォルト ルートも指定する必要があります。ルータが自身のデフォルト ルートを生成する方法の1つは、適切なデバイスを経由してネットワーク0.0.0.0に至るスタティック ルートを指定することです。

ネットワークへのスタティック ルートをスタティック デフォルト ルートとして定義するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ip default-network network number

デフォルト ネットワークを指定します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip route

最終ゲートウェイで選択されたデフォルト ルートを表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ルートを削除するには、 no ip default-network network number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ダイナミック ルーティング プロトコルによってデフォルト情報を送信するときは、特に設定する必要はありません。ルーティング テーブルは定期的にスキャンされ、デフォルト ルートとして最適なデフォルト ネットワークが選択されます。IGRPネットワークでは、システムのデフォルト ネットワークの候補が複数存在する場合もあります。シスコのルータでは、デフォルト ルートまたは最終ゲートウェイを決定するため、管理距離およびメトリック情報を使用します。

ダイナミックなデフォルト情報がシステムに送信されない場合は、 ip default-network グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、デフォルト ルートの候補を指定します。このネットワークが任意の送信元のルーティング テーブルに格納されている場合は、デフォルト ルートの候補としてフラグ付けされます。ルータにデフォルト ネットワークのインターフェイスが存在しなくても、そこへのパスが格納されている場合、そのネットワークは1つの候補とみなされ、最適なデフォルト パスへのゲートウェイが最終ゲートウェイになります。

ルート マップによるルーティング情報の再配信

スイッチでは複数のルーティング プロトコルを同時に実行し、ルーティング プロトコル間で情報を再配信することができます。たとえば、IGRPで取得されたルートをRIPで再びアドバタイズするようスイッチに指示したり、IGRPを使用してスタティック ルートを再びアドバタイズするよう指示することができます。ルーティング プロトコル間での情報の再配信は、サポートされているすべてのIPベース ルーティング プロトコルに適用されます。

2つのドメイン間でルート マップを定義することにより、ルーティング ドメイン間でルートの再配信を条件付きで制御することができます。 match および set ルートマップ コンフィギュレーション コマンドは、ルート マップの条件部を定義します。 match コマンドは条件が一致しなければならないことを示します。 set コマンドは、ルーティング アップデートがmatchコマンドによって定義された条件を満たす場合に実行されるアクションを指定します。再配信はプロトコルに依存しない機能ですが、 match および set ルート マップ コンフィギュレーション コマンドの一部は特定のプロトコル固有のものです。

route-map コマンドの後に、 match コマンドおよび set コマンドをそれぞれ1つまたは複数指定します。 match コマンドを指定しない場合は、すべて一致するとみなされます。 set コマンドを指定しない場合、一致以外の処理はすべて実行されません。このため、最低1つの match または set コマンドを指定する必要があります。

再配信用のルート マップを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence number ]

再配信を制御するために使用するルート マップを定義し、ルートマップ コンフィギュレーション モードを開始します。

map-tag ― ルート マップ用のわかりやすい名前を指定します。 redistribute ルータ コンフィギュレーション コマンドはこの名前を使用して、このルート マップを参照します。複数のルート マップで同じマップ タグ名を共有することができます。

(任意) permit が指定され、このルート マップの一致条件が満たされている場合は、setアクションの制御に従ってルートが再配信されます。 deny が指定されている場合、ルートは再配信されません。

sequence number (任意) ― 同じ名前によってすでに設定されているルート マップのリスト内で、新しいルート マップの位置を指定する番号です。

match as-path path-list-number

BGP ASパス アクセス リストと一致させます。

match community-list community-list-number [ exact ]

BGPコミュニティ リストと一致させます。

match ip address { access-list-number | access-list-name } [. ..access-list-number | ...access-list-name ]

名前または番号を指定し、標準アクセス リストと一致させます。1〜199の整数を指定することができます。

match metric metric-value

指定されたルート メトリックと一致させます。 metric-value には、0〜4294967295の値が指定された、5つの部分からなるIGRPのメトリックを指定することができます。

match ip next-hop { access-list-number | access-list-name } [. ..access-list-number | ...access-list-name ]

指定されたアクセス リスト(番号1〜199)のいずれかで送信される、ネクスト ホップのルータ アドレスと一致させます。

match tag tag value [ ...tag-value ]

1つまたは複数のルート タグ値からなるリスト内の指定されたタグ値と一致させます。0〜4294967295の整数を指定できます。

match interface type number [. ..type number ]

指定されたインターフェイスの1つから、指定されたネクスト ホップへのルートと一致させます。

match ip route-source { access-list-number | access-list-name } [. ..access-list-number | ...access-list-name ]

指定されたアドバタイズ済みアクセス リストによって指定されるアドレスと一致させます。

match route-type { local | internal | external [ type-1 | type-2 ]

指定された route-type と一致させます。

  • local ― ローカルに生成されたBGPルート
  • internal ― OSPFエリア内およびエリア間ルート、またはEIGRP内部ルート
  • external ― OSPF外部ルート(タイプ1またはタイプ2)またはEIGRP外部ルート

set level { level-1 | level-2 | level-1-2 | stub-area | backbone }

ルーティング ドメインの指定エリアにアドバタイズされるルートのレベルを設定します。 stub-area および backbone はOSPF NSSAおよびバックボーン エリアです。

set metric metric value

再配信されるルートに指定するメトリック値を設定します(対象はIGRPまたはEIGRP以外の任意のプロトコル)。 metric value は294967295〜294967295の整数です。

set metric bandwidth delay reliability loading mtu

再配信されるルートに指定するメトリック値を設定します(IGRPまたはEIGRP専用)。

  • bandwidth ― 0〜4294967295の範囲のメトリック値またはIGRP帯域幅(キロビット/秒単位)
  • delay ― 0〜4294967295の範囲のルート遅延(10ミリ秒単位)
  • reliability ― 0(信頼性なし)〜255(100%の信頼性)の数値で表されるパケット伝送の成功可能性
  • loading ― 0〜255(100%の負荷)の数値で表されるルートの有効帯域幅
  • mtu ― ルートのMaximum Transmission Unit(MTU;最大伝送ユニット)のサイズ(バイト単位)。範囲は0〜4294967295

set metric-type { internal | external | type-1 | type-2 }

再配信されるルートに指定するメトリック タイプを設定します。

set weight

ルーティング テーブルのBGPウェイトを設定します。指定できる値は1〜65535です。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show route-map

設定を確認するため、設定されたすべてのルート マップ、または指定されたルート マップのみを表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

エントリを削除するには、 no route-map map tag グローバル コンフィギュレーション コマンド、または no match no set ルート マップ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ルーティング ドメイン間でルートを配信したり、ルート再配信を制御することができます。

ルート再配信を制御するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。キーワードは前述の手順で定義されたキーワードと同じです。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router { bgp | rip | ospf | igrp | eigrp }

ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

redistribute protocol [ process-id ] { level-1 | level-1-2 | level-2 } [ metric metric-value ] [ metric-type type-value ] [ match internal | external t ype-value ] [ tag tag-value ] [ route-map map-tag ] [ weight weight ] [ subnets ]

ルーティング プロトコル間でルートを再配信します。

default-metric number

現在のルーティング プロトコルが、再配信されたすべてのルートに対して同じメトリック値を使用するように設定します(BGP、RIP、OSPF)。

default-metric bandwidth delay reliability loading mtu

IGRPまたはEIGRPルーティング プロトコルが、IGRP以外で再配信されたすべてのルートに対して同じメトリック値を使用するように設定します。

no default-information { in | out }

IGRPプロセス間におけるデフォルト情報の再配信をディセーブルにします(デフォルトではイネーブルです)。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show route-map

設定を確認するため、設定されたすべてのルート マップ、または指定されたルート マップのみを表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

再配信をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ルーティング プロトコルのメトリックを、必ずしも別のルーティング プロトコルのメトリックに変換する必要はありません。たとえば、RIPメトリックはホップ カウントで、IGRPメトリックは5つの特性の組み合わせです。このような場合は、メトリックを独自に設定し、再配信されたルートに割り当てます。ルーティング情報を制御せずに、さまざまなルーティング プロトコル間で交換するとルーティング ループが発生し、ネットワーク動作が著しく低下することもあります。

メトリック変換の代わりに使用されるデフォルトの再配信メトリックが定義されていない場合は、ルーティング プロトコル間で自動的にメトリック変換が発生することもあります。

  • RIPはスタティック ルートを自動的に再配信することができます。スタティック ルートにはメトリック1(直接接続)が割り当てられます。
  • IGRPは、スタティック ルートおよびIGRPでルーティングされる他の自律システムからの情報を自動的に再配信することができます。スタティック ルートには、直接接続されていることを示すメトリックが割り当てられます。他の自律システムからのIGRPアップデートを取得したルートのメトリックは変更されません。
  • デフォルト モードになっている場合、どのプロトコルも他のルーティング プロトコルを再配信することができます。

ルーティング情報のフィルタリング

ルーティング プロトコル情報をフィルタリングする場合は、以下の作業を実行します。

パッシブ インターフェイスの設定

ローカル ネットワーク上の他のルータがダイナミックにルートを取得しないようにするには、 passive-interface ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、ルーティング アップデート メッセージがルータ インターフェイスから送信されないようにします。OSPFプロトコルでこのコマンドを使用すると、パッシブに指定したインターフェイス アドレスがOSPFドメインのスタブ ネットワークとして表示されます。OSPFルーティング情報は、指定されたルータ インターフェイスから送受信されません。

多数のインターフェイスが存在するネットワークで、インターフェイスを手動でパッシブに設定する作業を回避するには、 passive-interface default ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、すべてのインターフェイスをデフォルトでパッシブになるように設定します。この後で、隣接関係が必要なインターフェイスを手動で設定します。

パッシブ インターフェイスを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router { bgp | rip | ospf | igrp | eigrp }

ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

passive-interface interface-id

指定されたレイヤ3インターフェイス経由のルーティング アップデートの送信を抑制します。

passive-interface default

(任意)すべてのインターフェイスを、デフォルトでパッシブとなるように設定します。

no passive-interface interface type

(任意)隣接関係を送信する必要があるインターフェイスのみをアクティブにします。

network network-address

(任意)ルーティング プロセス用のネットワーク リストを指定します。 network-address はIPアドレスです。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

パッシブとしてイネーブルにしたインターフェイスを確認するには、 show ip ospf interface などのネットワーク モニタ用イネーブルEXECコマンドを使用します。アクティブとしてイネーブルにしたインターフェイスを確認するには、 show ip interface イネーブルEXECコマンドを使用します。

ルーティング アップデートの送信を再度イネーブルにするには、 no passive-interface interface-id ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。 default キーワードを指定すると、すべてのインターフェイスがデフォルトでパッシブに設定されます。次に、 no passive-interface ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、隣接関係を必要とする各インターフェイスを個別に設定します。 default キーワードは、ほとんどの配信ルータに200以上のインターフェイスが備わっているインターネット サービス プロバイダーや大規模な企業ネットワークの場合に役立ちます。

ルーティング アップデートのアドバタイズおよび処理の制御

アクセス制御リストと distribute-list ルータ コンフィギュレーション コマンドを組み合わせて使用すると、ルーティング アップデート中にルートのアドバタイズを抑制し、他のルータが1つまたは複数のルートを取得しないようにすることができます。この機能をOSPFで使用した場合、外部ルートにのみ適用されるため、インターフェイス名を指定することはできません。

distribute-list ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用し、着信したアップデートのリストのうち特定のルートを処理しないようにすることもできます(OSPFにこの機能は適用されません)。

ルーティング アップデートのアドバタイズまたは処理を制御するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router { bgp | rip | ospf | igrp | eigrp }

ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

distribute-list { access-list-number | access-list-name } out [ interface-name | routing process | autonomous-system-number ]

アクセス リスト内のアクションに応じて、ルーティング アップデート内のルートのアドバタイズを許可または拒否します。

distribute-list { access-list-number | access-list-name } in [ type-number ]

アップデートにリストされたルートの処理を抑制します。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

フィルタを変更またはキャンセルするには、 no distribute-list in ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。アップデート中のネットワーク アドバタイズの抑制をキャンセルするには、 no distribute-list out ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ルーティング情報の送信元のフィルタリング

一部のルーティング情報が他の情報よりも正確な場合があるため、フィルタリングを使用して、さまざまな送信元から送られる情報にプライオリティを設定することができます。「 管理距離 」は、ルータやルータのグループなど、ルーティング情報の送信元の信頼性を示す数値です。大規模ネットワークでは、他のルーティング プロトコルよりも信頼できるルーティング プロトコルが存在する場合があります。管理距離の値を指定すると、ルータはルーティング情報の送信元をインテリジェントに区別できるようになります。常にルーティング プロトコルの管理距離が最短(値が最小)であるルートを選択します。 ダイナミック ルーティング プロトコルのデフォルトの管理距離 に、さまざまなルーティング情報送信元のデフォルトの管理距離を示します。

各ネットワークには独自の要件があるため、管理距離を割り当てる一般的な注意事項はありません。

ルーティング情報の送信元をフィルタリングするには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

router { bgp | rip | ospf | igrp | eigrp }

ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

distance weight { ip-address { ip-address mask }} [ ip access list ]

管理距離を定義します。

weight ― 管理距離は10〜255の整数です。単独で使用した場合、 weight はデフォルトの管理距離を指定します。この管理距離は、ルーティング情報の送信元に関する他の指定がない場合に使用されます。管理距離が255のルートはルーティング テーブルに格納されません。

(任意) ip access list ― 着信ルーティング アップデートに適用されるIP標準またはIP拡張アクセス リストです。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show ip protocols

指定されたルーティング プロセス用のデフォルトの管理距離を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

管理距離を削除するには、 no distance ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用します。

認証鍵の管理

鍵管理を使用すると、ルーティング プロトコルで使用される認証鍵を制御することができます。一部のプロトコルでは、鍵管理を使用することができません。認証鍵はEIGRPおよびRIPバージョン2で使用することができます。

認証鍵を管理する前に、認証をイネーブルにする必要があります。プロトコルに対して認証をイネーブルにする方法については、該当するプロトコルについての説明を参照してください。認証鍵を管理するには、キー チェーンを定義してそのキー チェーンに属する鍵を識別し、各鍵の有効期間を指定します。各鍵には、ローカルに格納される独自の鍵ID( key number キー チェーン コンフィギュレーション コマンドで指定)があります。鍵ID、およびメッセージに関連づけられたインターフェイスの組み合わせにより、使用中の認証アルゴリズムおよびMessage Digest 5(MD5)認証鍵が一意に識別されます。

有効期間が指定された複数の鍵を設定することができます。存在する有効な鍵の個数に関係なく、1つの認証パケットのみが送信されます。鍵番号は小さい方から大きい方へと順に調べられ、最初に見つかった有効な鍵が使用されます。鍵変更中は、有効期間が重なっていても問題ありません。これらの有効期間は、ルータに通知する必要があります。

認証鍵を管理するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。

コマンド

説明

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

key chain name-of-chain

キー チェーンを識別し、キーチェーン コンフィギュレーション モードを開始します。

key number

鍵番号を識別します。指定できる範囲は0〜2147483647です。

key-string text

キー ストリングを識別します。ストリングには1〜80文字の大文字および小文字の英数字を指定できますが、最初の文字に数字を指定することができません。

accept-lifetime start-time { infinite | end-time | duration seconds }

(任意)キーを受信する期間を指定します。

start-time および end-time 構文には、 hh : mm : ss Month date year または hh : mm : ss date Month year のいずれかを使用することができます。デフォルトはデフォルトの start-time 以降、無制限です。指定できる最初の日付は1993年1月1日です。デフォルトの end-time および duration infinite です。

send-lifetime start-time { infinite | end-time | duration seconds }

(任意)キーを送信する期間を指定します。

start-time および end-time 構文には、 hh : mm : ss Month date year または hh : mm : ss date Month year のいずれかを使用することができます。デフォルトはデフォルトの start-time 以降、無制限です。指定できる最初の日付は1993年1月1日です。デフォルトの end-time および duration はinfiniteです。

end

イネーブルEXECモードに戻ります。

show key chain

認証鍵情報を表示します。

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

キー チェーンを削除するには、 no key chain name-of-chain グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IPネットワークのモニタおよびメンテナンス

特定のキャッシュ、テーブル、またはデータベースのすべての内容を削除することができます。特定の統計情報を表示することもできます。ルートを削除したり、ステータスを表示するには、 IPルートの削除またはルート ステータスの表示を行うコマンド に示すイネーブルEXECコマンドを使用します。

IPルートの削除またはルート ステータスの表示を行うコマンド

コマンド

説明

clear ip route { network [ mask | * ]}

IPルーティング テーブルから1つまたは複数のルートを削除します。

show ip protocols

アクティブなルーティング プロトコル プロセスのパラメータおよびステートを表示します。

show ip route [ address [ mask ] [ longer-prefixes ]] | [ protocol [ process-id ]]

ルーティング テーブルの現在のステートを表示します。

show ip route summary

ルーティング テーブルの現在のステートをサマリー形式で表示します。

show ip route supernets-only

スーパーネットを表示します。

show ip cache

IPトラフィックのスイッチングに使用されるルーティング テーブルを表示します。

show route-map [ map-name ]

設定されたすべてのルート マップ、または指定されたルート マップのみを表示します。

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