Cisco Unified IP Phone を使用すると、データ ネットワーク上で音声を使用した通信が可能になります。IP Phone で音声通信を行うには、Cisco Unified CallManager などの他のいくつかの主要な Cisco Unified IP Communications 製品とやり取りする必要があります。
この章では、Cisco Unified IP Phone 7961G/7961G-GE および 7941G/7941G-GE と Cisco Unified CallManager、DNS サーバと DHCP サーバ、TFTP サーバ、およびスイッチ間のやり取りについて詳しく説明します。また、電話機への電力の供給方法についても説明します。
音声通信および IP 通信の関連情報については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/partner/products/sw/voicesw/index.html
この章では、Cisco Unified IP Phone と Voice over IP(VoIP)ネットワークのその他の主要コンポーネントとのやり取りについて概要を示します。この章は、次の項目で構成されています。
- ・ 他の Cisco Unified IP Communications 製品とのやり取りの概要
- ・ Cisco Unified IP Phone への電力供給
- ・ 電話機の設定ファイルの概要
- ・ 電話機の起動プロセスの概要
- ・ Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加
- ・ さまざまなプロトコルを用いた Cisco Unified IP Phone の使用
- ・ Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認
他の Cisco Unified IP Communications 製品とのやり取りの概要
IP テレフォニー ネットワークで Cisco Unified IP Phone が機能するためには、Cisco Catalyst スイッチなどのネットワーク デバイスに Cisco Unified IP Phone を接続する必要があります。また、コールを送受信する前に、Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified CallManager システムに登録する必要があります。
- ・ Cisco Unified IP Phone と Cisco Unified CallManager 間のやり取りの概要
- ・ Cisco Unified IP Phone と VLAN 間のやり取りの概要
Cisco Unified IP Phone と Cisco Unified CallManager 間のやり取りの概要
Cisco Unified CallManager は、オープン型の業界標準コール処理システムです。Cisco Unified CallManager ソフトウェアは、電話機どうしのコールの開始や切断を行い、従来の PBX 機能を企業 IP ネットワークに統合します。Cisco Unified CallManager は、IP テレフォニー システムのコンポーネント(電話機、アクセス ゲートウェイ、および電話会議やルート計画などの機能に必要なリソース)を管理します。また、Cisco Unified CallManager は次のものを提供します。
- ・ 電話機用のファームウェア
- ・ 認証および暗号化(テレフォニー システム用に設定されている場合)
- ・ TFTP サービスを介しての設定ファイルおよび CTL ファイル
- ・ 電話機の登録
- ・ コール プリザベーション(プライマリ CallManager と電話機の間でシグナリングが消失した場合でもメディア セッションを継続するため)
この章で説明している IP デバイスを使用するための Cisco Unified CallManager の設定方法については、『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』、『Cisco Unified CallManager システム ガイド』、および『 Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド 』を参照してください。
Cisco Unified IP Phone のセキュリティの概要については、 Cisco Unified IP Phone のセキュリティ機能の概要 を参照してください。
Cisco Unified IP Phone と VLAN 間のやり取りの概要
Cisco Unified IP Phone 7961G/7961G-GE および 7941G/7941G-GE にはイーサネット スイッチが内臓されており、パケットを電話機本体、電話機背面のアクセス ポートやネットワーク ポートに転送できます。
アクセス ポートにコンピュータが接続されている場合、そのコンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。 この共有物理リンクは、ネットワーク上の VLAN 設定に次のような影響を及ぼします。
- ・ 現在の VLAN は IP サブネットをベースに設定されている可能性があります。ただし、同じポートに接続されている他のデバイスと同じサブネットに電話機を割り当てるために、追加の IP アドレスを使用することはできません。
- ・ VLAN 対応電話機でプリセットされるデータ トラフィックによって、Voice-over-IP トラフィックの品質が低下することがあります。
- ・ ネットワーク セキュリティの観点から、VLAN 音声トラフィックを VLAN データ トラフィックから分離する必要が生じることがあります。
これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN に移すことで解決できます。電話機が接続されているスイッチ ポートに、次のトラフィックを伝送する別の VLANを設定します。
- ・ IP Phone で送受信される音声トラフィック (補助 VLAN。たとえば、Cisco Catalyst 6000 シリーズなど)
- ・ IP phone のアクセス ポートを介してスイッチに接続されている PC で送受信されるデータ トラフィック(ネイティブ VLAN)
電話機を別の補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上し、個々の電話機に割り当てるだけの十分な IP アドレスがない既存のネットワークに多数の電話機を追加できます。
詳細については、Cisco スイッチに付属のマニュアルを参照してください。また、次の URL から関連のマニュアルを参照できます。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/index.htm
Cisco Unified IP Phone への電力供給
Cisco Unified IP Phone 7961G/7961G-GE および 7941G/7941G-GE には、外部電源またはインライン パワーから電力を供給できます。外部電源は、個別の電源装置から供給されます。インライン パワーは、スイッチを電源とし、電話機に接続したイーサネット ケーブル経由で供給されます。
次の項では、電話機への電力供給の詳細について詳しく説明します。
- ・ 電力供給のガイドライン
- ・ 停電時の注意
- ・ 電力に関する追加情報
電力供給のガイドライン
表2-1 は、Cisco Unified IP Phone 7961G および 7941G への電力供給に関するガイドラインを示しています。
表2-2 は、Cisco Unified IP Phone 7961G-GE および 7941G-GE への電力供給に関するガイドラインを示しています。
停電時の注意
緊急時に電話連絡を行うためには、電話機に電力が供給されている必要があります。電源が切断されている場合は、電源供給が再開するまで、修理サービスや緊急連絡用番号にダイヤルできません。電力異常または停電の場合、修理サービスや緊急連絡用番号にダイヤルする前に、電話機のリセットや再設定が必要になることがあります。
電力に関する追加情報
電力に関する追加情報については、 表2-3 に示すマニュアルを参照してください。これらのマニュアルでは、次のトピックについて説明します。
- ・ Cisco Unified IP Phone 7961G/7961G-GE および 7941G/7941G-GE をサポートするシスコ製スイッチ
- ・ 双方向の電力ネゴシエーションをサポートする Cisco IOS リリース
- ・ 電力についてのその他の要件と制約
電話機の設定ファイルの概要
電話機の設定ファイルは、TFTP サーバに格納され、Cisco Unified CallManager との接続に関するパラメータを定義します。通常、電話機のリセットが必要となるような変更を Cisco Unified CallManager に加えると、その変更内容は、電話機の設定ファイルにも自動的に反映されます。
設定ファイルには、電話機がどのイメージのロードを実行するかに関する情報も含まれています。このイメージのロードが、電話機に現在ロードされているイメージと異なる場合、その電話機は、TFTP サーバと交信して、必要なロード ファイルを要求します(これらのファイルは、ファイルの発信元の正当性を保証するためにデジタル署名されています)。
また、設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated に設定されていて、その電話機の CTL ファイルに Cisco Unified CallManager の有効な証明書が設定されている場合、その電話機は Cisco Unified CallManager との TLS 接続を確立します。そうでない場合、電話機は TCP 接続を確立します。設定ファイルの転送プロトコルが TLS に設定されていることも必要です(Cisco Unified CallManager の SIP セキュリティ プロファイルの転送タイプに対応)。
電話機がリセットされ、Cisco Unified CallManager に登録されるたびに、設定ファイルが要求されます。
次の場合、電話機は、TFTP サーバにあるデフォルトの設定ファイル( XmlDefault.cnf.xml)にアクセスします。
- ・ 自動登録が Cisco Unified CallManager で有効になっている。
- ・ 電話機が Cisco Unified CallManager データベースに追加されていない。
- ・ 初めて電話機が登録される。
自動登録が有効ではなく、かつ電話機が Cisco Unified CallManager データベースに追加されていない場合は、電話機の登録が拒否されます。この場合、電話機はリセットして繰り返し登録を試みます。
電話機が登録済みの場合、電話機は SEPmac_address.cnf.xml(mac_address は電話機の MAC アドレス)という設定ファイルにアクセスします。
TFTP サーバは、次の SIP 設定ファイルを生成します。
- ・ SIP IP Phone:
- − 署名も暗号化もされていないファイル:SEP<mac>.cnf.xml
- − 署名されているファイル:SEP<mac>.cnf.xml.sgn
- − 署名され、暗号化されているファイル:SEP<mac>.cnf.xml.enc.sgn
- ・ ダイヤル プラン:<dialplan>.xml
- ・ ソフトキー テンプレート:<softkey_template>.xml
ファイル名は、Cisco Unified CallManager の管理ページの[電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウにある[MACアドレス]フィールドと[説明]フィールド、および Cisco Unified CallManager データベースの devicename フィールドから得られます。MAC アドレスは、電話機を一意に識別します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
SIP ダイヤル規則
Cisco Unified SIP IP Phone の場合、管理者は、ダイヤル規則を使用して SIP 電話機のダイヤル プランを設定します。ダイヤル プランは、SIP 電話デバイスに関連付けて、設定ファイルに送信できるようにする必要があります。管理者が SIP 電話機のダイヤル プランを設定しない場合、その電話機ではダイヤル プランの表示が行われません。
SIP ダイヤル規則を設定する方法の詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
電話機の起動プロセスの概要
Cisco Unified IP Phone 7961G/7961G-GE および 7941G/7941G-GE を VoIP ネットワークに接続すると、 表2-4 で説明している標準起動プロセスが開始されます。ご使用の Cisco Unified IP Phone では、個々のネットワークの設定に応じて、これらのステップの一部が省略される場合があります。
Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加
Cisco Unified IP Phone を設置する前に、Cisco Unified CallManager データベースに電話機を追加する方法を選択する必要があります。次の各項で、それらの方法について説明します。
表2-5 は、Cisco Unified CallManager データベースに電話機を追加する方法の概要を説明しています。
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自動登録および Bulk Administration Tool(BAT)が必要です。Cisco Unified IP Phone および Cisco Unified CallManager の管理ページの情報を更新します。 |
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自動登録による電話機の追加
自動登録を使用して電話機を追加する場合、事前に電話機から MAC アドレスを収集する必要はありません。
自動登録が有効である場合、Cisco Unified CallManager は自動起動プロセスを開始して電話番号を取得します。自動登録時に、Cisco Unified CallManager は、連番の電話番号から次に使用可能な番号を電話機に自動的に割り当てます。
この方法を使用すると、新しい電話機が Cisco Unified CallManager に登録されるときに、Cisco Unified CallManager はその電話機に自動的に電話番号を割り当てます。
自動登録を使用すると、電話機を Cisco Unified CallManager データベースに素早く入力できます。その後、Cisco Unified CallManager から、電話番号などの任意の設定を変更できます。また、自動登録された電話機を新しい場所に移動したり、別のデバイス プールに割り当てたりしても、その電話番号が変更されることはありません。
自動登録の有効化および設定については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
自動登録と TAPS による電話機の追加
自動登録と TAPS を使用して電話機を追加する場合、事前に電話機から MAC アドレスを収集する必要はありません。
TAPS(Tool for Auto-Registered Phones Support)は、Bulk Administration Tool(BAT)と連携し、すでに Cisco Unified CallManager データベースにダミーの MAC アドレスで追加されている電話機を更新します。TAPS を使用すると、MAC アドレスが更新され、電話機に定義済みの設定がダウンロードされます。
TAPS を実行するには、管理者またはエンド ユーザが TAPS の電話番号をダイヤルし、ボイス プロンプトに従います。このプロセスが完了すると、電話機にその電話番号などの設定値がダウンロードされ、Cisco Unified CallManager の管理ページで電話機の MAC アドレスが正しい値に更新されます。
TAPS が機能するためには、Cisco Unified CallManager の管理ページ( [システム] > Cisco CallManager )で自動登録を有効にする必要があります。
BAT および TAPS の詳細については、『 Cisco Unified CallManager Bulk Administration ガイド 』を参照してください。
Cisco Unified CallManager の管理ページによる電話機の追加
Cisco Unified CallManager の管理ページを使用すると、各電話機を個別に Cisco Unified CallManager データベースに追加できます。そのためには、事前に各電話機の MAC アドレスを取得する必要があります。
MAC アドレスの確認方法については、 Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認 を参照してください。
MAC アドレスを収集できたら、Cisco Unified CallManager の管理ページで [デバイス]>[電話] の順に選択して追加を開始します。
Cisco Unified CallManager の詳しい説明と概念については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』を参照してください。
BAT による電話機の追加
Cisco Bulk Administration Tool(BAT)は、Cisco Unified CallManager 用のプラグイン アプリケーションです。このアプリケーションを使用すると、複数の電話機に対して、登録などのバッチ操作を実行できます。
TAPS を使用せずに BAT だけを使用して電話機を追加するには、まず対象の各電話機の MAC アドレスを取得する必要があります。
MAC アドレスの確認方法については、 Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認 を参照してください。
BAT の詳細な手順については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager Bulk Administration ガイド 』を参照してください。
さまざまなプロトコルを用いた Cisco Unified IP Phone の使用
Cisco Unified IP Phone は、SCCP(Skinny Client Control Protocol)または Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)を用いて使用できます。あるプロトコルを使用している電話機を、別のプロトコルを使用するように変更することができます。
- ・ 新しい電話機での SCCP から SIP へのプロトコルの変更
- ・ 使用中の電話機での SCCP から SIP へのプロトコルの変更
- ・ 使用中の電話機での SIP から SCCP へのプロトコルの変更
- ・ SCCP と SIP が混在する環境への電話機の導入
新しい電話機での SCCP から SIP へのプロトコルの変更
新しい未使用の電話機は、デフォルトでは SCCP を使用するように設定されます。
この電話機を SIP を使用するように変更するには、次の手順を実行します。
- ・ 電話機を自動登録するには、Cisco Unified CallManager の管理ページの自動登録パラメータに SIP を設定します。
- ・ Bulk Administration Tool(BAT)を使用して電話機を設定するには、該当の電話機モデルを選択し、BAT から SIP を選択します。
- ・ 電話機を手動で設定するには、Cisco Unified CallManager の管理ページの[電話の設定(Phone Configuration)]ページで、SIP に関する該当の変更を行います。
Cisco Unified CallManager の設定の詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。BAT の使用方法の詳細については、『 Cisco Unified CallManager Bulk Administration ガイド 』を参照してください。
ステップ 2 ネットワークで DHCP を使用していない場合は、電話機のネットワーク パラメータを設定します。
起動時のネットワーク設定値の設定 を参照してください。
使用中の電話機での SCCP から SIP へのプロトコルの変更
Bulk Administration Tool(BAT)を使用して、ネットワークで使用中の電話機のプロトコルを SCCP から SIP に変更することができます。Cisco Unified CallManager の管理ページから BAT にアクセスするには、 Bulk Administration >[電話]>[電話の移行]>[SCCP から SIP] の順に選択します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager Bulk Administration ガイド 』を参照してください。
使用中の電話機での SIP から SCCP へのプロトコルの変更
ネットワークで使用中の電話機のプロトコルを SIP から SCCP に変更するには、次の手順を実行します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
ステップ 2 Cisco Unified CallManager の管理ページで、SCCP 電話機として電話機を作成します。
SCCP と SIP が混在する環境への電話機の導入
SCCP と SIP が混在する環境で、Cisco Unified CallManager の自動登録パラメータに SCCP を設定して Cisco Unified IP Phone を導入するには、次の手順を実行します。
設定するには、Cisco Unified CallManager の管理ページで、 [システム]>[エンタープライズ パラメータ] の順に選択します。
Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認
このマニュアルで説明されている手順の中には、Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認が必要になるものがいくつかあります。電話機の MAC アドレスは、次の方法で確認できます。
- ・ 電話機の 設定 ボタンを押し、 [ネットワーク設定] を選択して[MAC アドレス]フィールドを確認する。
- ・ 電話機の背面にある MAC ラベルを調べる。
- ・ 電話機の Web ページを表示し、 [デバイス情報] ハイパーリンクをクリックする。
Web ページへのアクセス方法については、 電話機の Web ページへのアクセス を参照してください。
