Cisco ISDN BRI S/T ネットワーク インターフェイス モジュール ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド

BRI Line 回線とスイッチ設定を通信サービス プロバイダーに要求する

Cisco ルータで ISDN BRI を設定する前に、正しく設定された ISDN 回線を通信サービス プロバイダーに注文する必要があります。このプロセスは国内ベースおよび国際ベースの各プロバイダーによって異なります。ここでは、一般的なガイドラインを示します。

• 1 つの番号で呼び出される 2 つのチャネルを申し込みます。
• 発信側回線 ID の提供を申し込みます。プロバイダーによっては、これを CLI または自動番号識別（ANI）と呼ぶ場合があります。
• BRI に接続されるデバイスがルータだけの場合は、ポイントツーポイント サービスおよびデータ専用回線を申し込みます。
• ルータが ISDN バス（他の ISDN デバイスが接続される可能性がある）に接続される場合は、ポイントツーマルチポイント サービス（サブアドレッシングが必要）および音声/データ回線を申し込みます。

北米で使用されるスイッチの ISDN サービスを注文する場合は、 表 1 で指定されている BRI スイッチ設定属性を要求します。

インターフェイス コンフィギュレーション

Cisco IOS ソフトウェアは、ISDN BRI インターフェイスを設定するためのカスタム機能も提供します。これにより、通話スクリーニング、着信者番号の確認、ISDN デフォルト着信者番号のオーバーライド、および欧州とオーストラリアの顧客の場合は、ダイヤラ プロファイルと ISDN B チャネルの間で複数のバインドを許可するための DNIS（着信番号識別サービス）-plus-ISDN-subaddress バインドなどの機能が提供されます。

インターフェイス設定オプション

ISDN インターフェイスで発信するには、ダイヤルオンデマンド ルーティング（DDR）を使用して設定する必要があります。DDR を使用した ISDN に関する設定情報については、本書のダイヤルオンデマンド ルーティングに関する設定を参照してください。ISDN 原因コード

原因コードは、ISDN コールが失敗または切断した理由を示す情報要素（IE）です。発信ゲートウェイは、Release Complete メッセージを受信すると、メッセージ内の原因コードに対応するトーンを生成します。

表 2 に、ゲートウェイでコールが失敗したときに VoIP（Voice over IP）ゲートウェイがスイッチに送信するデフォルトの原因コード、および対応する生成トーンをリストします。

VoIP ゲートウェイはデフォルトで 表 2 にリストされている原因コードを生成しますが、これらのデフォルトをオーバーライドできるコマンドが前の Cisco IOS リリースで導入されました。これにより、ゲートウェイはさまざまな原因コードをスイッチに送信できます。以下のコマンドは、デフォルトの原因コードをオーバーライドします。

• isdn disconnect-cause ：コールが切断されたときに、指定された原因コードをスイッチに送信します。
• isdn network-failure-cause ：内部ネットワーク障害のためコールに失敗したときに、指定された原因コードをスイッチに送信します。
• isdn voice-call-failure ：着信音声コールが特定の原因コードを伴わずに失敗したときに、指定された原因コードをスイッチに送信します。

これらのコマンドを実装すると、設定された原因コードがスイッチに送信されます。それ以外の場合は、音声アプリケーションのデフォルトの原因コードが送信されます。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS Dial Technologies Command Reference 』を参照してください。

ISDN BRI スイッチの設定

ISDN スイッチ タイプを設定するには、次のタスクを実行します。

• スイッチ タイプの設定（必須）

また、複数のスイッチ タイプの設定については、“マルチ ISDN スイッチ タイプ機能”の項も参照してください。

スイッチ タイプの設定

スイッチ タイプを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

このマニュアルで後述する“グローバル ISDN および BRI インターフェイス スイッチ タイプの例”に、ISDN BRI スイッチの設定例が示されています。

表 3 に、ISDN BRI サービス プロバイダー スイッチ タイプをリストします。

マルチ ISDN スイッチ タイプ機能

Cisco IOS ソフトウェアは、マルチ ISDN スイッチ タイプ拡張機能を提供します。これにより、特定の ISDN インターフェイスに ISDN スイッチ タイプを適用し、ルータごとに複数の ISDN スイッチ タイプを設定できます。この機能を使用すると、ISDN BRI と ISDN PRI の両方が、両方のインターフェイス タイプをサポートするプラットフォームで同時に実行できます。

ISDN BRI のインターフェイス特性の指定

ISDN BRI のインターフェイス特性を設定するには、以下の項のタスクを実行します。それがルータ内の唯一の BRI であるか、多数のうちの 1 つであるかは関係ありません。各 BRI を個別に設定できます。

• インターフェイスの指定（必須）
• CLI スクリーニングの設定（必要に応じて）
• ISDN BRI のカプセル化の設定（必須）
• ネットワーク アドレッシングの設定（必須）
• TEI ネゴシエーションのタイミング（任意）
• 着信者番号確認の設定（任意）
• ISDN 発信者番号識別の設定（任意）
• ISDN エンドツーエンドではないコールの回線速度の設定（任意）
• 即時ロールオーバー遅延の設定（任意）
• ISDN アプリケーションのデフォルトの原因コードのオーバーライド（任意）
• Sending Complete 情報要素を含めるための設定（任意）
• DNIS-plus-ISDN-Subaddress バインド（任意）
• ISDN 半固定接続の設定（任意）

インターフェイスの指定

ISDN BRI を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで最初に次のコマンドを使用します。

ISDN SPID の指定

一部のサービス プロバイダーは、ISDN サービス プロバイダーにアクセスしている ISDN デバイスが登録するサービスの定義に SPID を使用します。最初にサービスに登録すると、サービス プロバイダーは ISDN デバイスに 1 つまたは複数の SPID を割り当てます。SPID を必要とするサービス プロバイダーを使用している場合、ISDN デバイスはスイッチにアクセスして接続を初期化するときに、有効な割り当て済み SPID をサービス プロバイダーに送信するまで、コールの発信および受信を行うことはできません。

現在、DMS-100 および NI の各スイッチ タイプのみが SPID を必要とします。AT&T 5ESS スイッチタイプによって SPID がサポートされている場合もありますが、この ISDN サービスの設定には SPID を使用しないことを推奨します。さらに、SPID はローカル アクセス ISDN インターフェイスの場合にのみ意味を持ちます。リモート ルータは SPID を受信できません。

SPID は、通常は、7 桁の電話番号といくつかのオプションの番号です。ただし、サービス プロバイダーは別の番号付けスキームを使用できます。DMS-100 スイッチ タイプの場合、2 つの SPID が割り当てられます（各 B チャネルに 1 つ）。

ルータに SPID および市内電話番号（LDN）を定義するには、必要に応じてインターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

LDN はオプションですが、ルータが 2 つ目の電話番号へのコールに応答する場合に必要な可能性があります。

ISDN BRI のカプセル化の設定

各 ISDN B チャネルは同期シリアル回線として扱われ、デフォルトのシリアル カプセル化は HDLC です。Dynamic Multiple Encapsulation 機能を使用すると、ISDN を介した着信コールに HDLC や PPP などのカプセル化タイプを割り当てることができます。

カプセル化を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

Dynamic Multiple Encapsulation 機能の確認

バインド用に設定されているダイヤラ インターフェイスを確認し、ダイヤラ インターフェイスにバインドされている各物理インターフェイスの統計情報を表示するには、 show interfaces EXEC コマンドを使用します。

次の例は、B チャネルの出力では、どの論理アクセス インターフェイスや物理アクセス インターフェイスにも表示されないすべてのハードウェア カウントが保持されていることを示しています。レポート内の「Interface is bound to Dialer100 (Encapsulation PPP)」という行は、この B インターフェイスがダイヤラ 100 インターフェイスにバインドされており、この接続で実行されているカプセル化が PPP（ダイヤラ インターフェイスで設定され、B チャネルによって継承されるカプセル化）であることを示しています。

すべてのプロトコル設定と状態がダイヤラ 100 インターフェイスから表示されるはずです。

ネットワーク アドレッシングの設定

この項の手順は、ネットワーク アドレッシングの主な目標をサポートします。

• インタレスティング であるためルータがコールを発信するパケットを定義します。
• コールの宛先リモート ホストを定義します。
• ブロードキャスト メッセージが送信されるかどうかを指定します。
• コールで使用するダイヤル文字列を指定します。

共有引数値を使用する中間の手順では、ホスト ID とダイヤル文字列をそのホストに送信するインタレスティング パケットに結びつけます。

ネットワーク アドレッシングを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで最初に次のコマンドを使用します。

ドイツのネットワークは、BRI を使用した顧客ルータと交換局の 1TR6 基本速度スイッチとの間の半固定接続を許可します。半固定接続は専用線よりも安価です。

注 このタスクの手順 5 のアクセス リスト参照は、さまざまなプロトコルで許可される access-list コマンドの 1 つの例です。プロトコルによっては、別のコマンド形式を必要とするものや、複数のコマンドを必要とするるものがあります。

TEI ネゴシエーションのタイミング

個々の ISDN インターフェイスに対して ISDN TEI ネゴシエーションを設定できます。TEI ネゴシエーションは、アクティブなコールがない際にレイヤ 1 または 2 を非アクティブ化する可能性があるスイッチの場合に役立ちます。通常、この設定はヨーロッパで提供される ISDN サービスと、TEI ネゴシエーションを開始するように設計された DMS-100 スイッチへの接続に使用されます。

デフォルトでは、ルータの電源が入ると TEI ネゴシエーションが発生します。インターフェイスに設定されている TEI ネゴシエーションは、デフォルトまたはグローバルの TEI 値をオーバーライドします。たとえば、グローバルに isdn tei first-call 、BRI インターフェイス 0 に isdn tei powerup を設定すると、TEI ネゴシエーション powerup が BRI インターフェイス 0 に適用される値です。デフォルト値（ isdn tei powerup） をオーバーライドする場合を除き、TEI ネゴシエーションを設定する必要はありません。

TEI ネゴシエーションを特定の BRI インターフェイスに適用するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

CLI スクリーニングの設定

CLI スクリーニングは、着信コールのスクリーニングを許可することでセキュリティのレベルを追加します。発信側回線 ID が予期された発信元のものであることを確認できます。CLI スクリーニングには、ルータへの CLI の配信に対応するローカル スイッチが必要です。

CLI スクリーニングを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

注 発信者 ID スクリーニングが設定され、ローカル スイッチが発信者 ID を配信しない場合、ルータはすべてのコールを拒否します。

注 Cisco IOS ソフトウェアの前のリリースでは、ISDN はすべての同期コールを受け入れ、コールを受け入れるか拒否する前に最小限の CLI スクリーニングを実行しました。Cisco IOS リリース 12.1 ソフトウェア以降、DDR は発信者のプロファイルをスクリーニングする別のプロセスを提供します。新しいスクリーニング プロセスでは、コールを受け入れるための十分なリソースを使用できること、およびコールが事前定義されたルールに準拠していることも確認されます。コールの受け入れが可能であるとわかると、スクリーニング プロセスは発信者に一致するプロファイルを検索します。一致するプロファイルがある場合にのみ、コールが受け入れられます。

着信者番号確認の設定

複数のデバイスが ISDN BRI に接続されている場合、着信コールの番号またはサブアドレスをデバイスに設定されている番号またはサブアドレス、またはその両方と照合することにより、1 つのデバイスのみが着信コールに応答することを確認できます。

着信者番号またはサブアドレス番号がスイッチによって配信される場合、ルータが ISDN BRI コールの着信セットアップ メッセージでその番号を確認するように指定できます。これは、許可される番号を設定することにより行うことができます。検証を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

着信者番号を確認することにより、希望するルータのみが着信コールに応答するようになります。ルータで追加の番号を許可する場合は、同様に設定できます。

許可される 2 番目の番号を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

ISDN 発信者番号識別の設定

ISDN BRI インターフェイスを使用するルータは、ISDN ネットワークに発信コールの課金番号を提供する必要がある場合があります。一部のネットワークでは、番号が提示されているコールに対して割引価格を提供します。設定されている場合、この情報は発信コールのセットアップ メッセージに含まれています。

課金番号を識別するインターフェイスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

このコマンドは、ドイツの 1TR6 ISDN BRI スイッチを除くすべてのスイッチ タイプで使用できます。

ISDN エンドツーエンドではないコールの回線速度の設定

コールが 56 kbps で発信されたが ISDN ネットワークでは 64 kbps で配信されると、着信データが破損している可能性があります。ただし、ISDN コールの場合、着信側はコールがエンドツーエンドからの ISDN コールではないという通知を受け、着信コールの回線速度を設定することができます。

ISDN エンドツーエンドではないと認識される着信コールの速度を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

即時ロールオーバー遅延の設定

前のコールが完全にティアダウンされる前にルータが ISDN B チャネルでコールをダイヤルしようとする場合があります。成功しなかったコールから B チャネルが解放される前に 2 番目のコールが別の番号に対して発信されるため、即時ロールオーバーは失敗します。この障害は、以下の ISDN 設定で発生する可能性があります。

• BRI の 2 つの B チャネルがハント グループとして設定されていないが、個別の番号が定義されている。
• Release Complete 信号が処理されるまで、B チャネルは ISDN スイッチによって解放されない。

この遅延を設定する必要があるのは、リモート ピアの BRI に 2 つの電話番号が設定されており（この BRI にダイヤルする BRI チャネルごとに 1 つ）、電話番号ごとにダイヤラ マップがあり、最初のコールは成功するが 2 番目のコールは使用可能なチャネルがないため失敗する場合です。

即時ロールオーバー遅延を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

遅延 5 秒でほとんどの場合に対応できるはずです。最初のロールオーバー コールを発信する前に確実に ISDN RELEASE_COMPLETE メッセージが送信または受信されるようにするために、十分な遅延を設定します。この情報を表示するには、 debug isdn q931 コマンドを使用します。2 番目のコールが失敗するこのパターンはほとんど発生しません。

ISDN アプリケーションのデフォルトの原因コードのオーバーライド

ISDN 原因コードのオーバーライド機能は、ISDN アプリケーションのデフォルトの原因コードをオーバーライドする場合に役立ちます。この機能を実装すると、設定された原因コードがスイッチに送信されます。それ以外の場合は、アプリケーションのデフォルトの原因コードが送信されます。

ISDN 原因コードのオーバーライドを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

ISDN 原因コードのオーバーライドの設定例

次の例は、アプリケーションがコールを完了できない場合に BUSY 原因コードをスイッチに送信します。

ISDN 原因コードのオーバーライドの確認

ISDN 原因コードのオーバーライド機能が正しく動作していることを確認するには、 debug q931 コマンドを入力します。 debug q931 コマンドは、設定に異常があればレポートに表示します。

Sending Complete 情報要素を含めるための設定

香港や台湾などの一部の地域の ISDN スイッチでは、番号全体が含まれていることを示すために、発信セットアップ メッセージに Sending Complete 情報要素を含める必要があります。その他の地域では、この情報要素は通常は不要です。

発信コールのセットアップ メッセージに Sending Complete 情報要素を含めるようにインターフェイスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

DNIS-plus-ISDN-Subaddress バインド

DNIS-plus-ISDN-subaddress バインドを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

注 このコマンドは、ダイヤラ プロファイルと ISDN B チャネルの間の複数のバインドを許可します。設定には、欧州およびオーストラリアで使用される ISDN サブアドレスが必要です。

設定例については、このマニュアルで後述する“DNIS-plus-ISDN-Subaddress バインドの例”の項を参照してください。

ISDN 半固定接続の設定

ドイツのネットワークは、BRI インターフェイスを使用した顧客ルータと交換局の 1TR6 基本速度スイッチとの間の半固定接続を許可します。オーストラリアのネットワークは、ISDN PRI インターフェイスと交換局の TS-014 一次群速度スイッチの間の半固定接続を許可します。半固定接続は専用線よりも安価で提供されます。

半固定接続の BRI インターフェイスを設定するには、このマニュアルの前の項の説明に従ってネットワーク アドレッシングをセットアップするときに、半固定接続を示すキーワードを使用することのみが必要です。

半固定接続用の BRI を設定するには、次の手順を実行します。

手順 1 “ISDN BRI スイッチの設定”および“ISDN BRI のインターフェイス特性の指定”の項の説明に従って、ISDN 回線およびポートをセットアップします。

手順 2 本書のダイヤルオンデマンド ルーティングに関する設定の説明に従って、選択したインターフェイスに DDR を設定します。

DDR ネットワーク アドレッシングを開始するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

ISDN BRI を専用回線サービス用に設定する

ISDN BRI を専用回線サービス用に設定するには、必要性と利用可能性に応じて、以下のいずれかの項のタスクを実行します。

• 通常の速度の専用回線サービスの設定（日本とドイツで利用可能）
• 128 Kbps の専用回線サービスの設定（日本でのみ利用可能）

注 ISDN BRI インターフェイスは、専用回線を介したアクセス用に設定されるとダイヤラ インターフェイスではなくなり、D チャネルを介したシグナリングは適用されなくなります。このインターフェイスは interface bri n と呼ばれますが、デフォルトの High-Level Data Link Control（HDLC; ハイレベル データ リンク制御）カプセル化を使用した同期シリアル インターフェイスとして設定されています。ただし、シリアル インターフェイスの物理特性（パルス時間など）を設定する Cisco IOS コマンドは、このインターフェイスには適用されません。

通常の速度の専用回線サービスの設定

このサービスは日本とドイツで提供され、コールのセットアップやティアダウンは含まれていません。シリアル ポートに接続している専用回線にデータを配置するのと同様に、データは ISDN インターフェイスに配置されます。

ISDN 接続を専用回線サービスとして使用するように BRI を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで以下のコマンドを使用します。

指定された ISDN BRI での専用回線サービスのサポートが不要になった場合に専用回線サービスを無効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

128 Kbps の専用回線サービスの設定

Cisco IOS ソフトウェアは、ISDN BRI を介した 128 kbps の専用回線サービスをサポートします。このサービスは、2 つの B チャネルを組み合わせて 1 つのパイプにします。この機能には、チャネル集約をサポートする 1 つまたは複数の ISDN BRI ハードウェア インターフェイス、および 128 kbps の ISDN チャネル集約のサービス プロバイダー サポートが必要です。この機能が初めて利用可能になったときに、日本でのみサービス プロバイダーが 128 kbps の ISDN チャネル集約のサポートを提供しました。

注 Cisco 2500 シリーズ ルータでは、その BRI ハードウェアがチャネル集約をサポートしないため、この機能はサポートされません。

指定された ISDN BRI で 128 kbps の専用回線サービスを有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで以下のコマンドを使用します。

指定された ISDN BRI から専用回線サービス設定を削除にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

グローバル ISDN および BRI インターフェイス スイッチ タイプの例

次の例は、グローバル National ISDN スイッチ タイプ（キーワード basic-ni ）およびインターフェイス レベル NET3 ISDN スイッチ タイプ（キーワード basic-net3） を示しています。 basic-net3 キーワードは BRI インターフェイス 0 に適用され、グローバル スイッチ設定をオーバーライドします。

isdn switch-type basic-ni
!
interface BRI0 /1/0:0
isdn switch-type basic-net3

PBX に接続された BRI の例

次の例では、PBX に接続された BRI インターフェイスの簡単な部分設定を示します。このインターフェイスは、SPID 番号を使用するスイッチに接続されています。

BRI インターフェイスのマルチリンク PPP の例

次の例は、BRI 0/1/0:0 でマルチリンク PPP を有効にします。

ダイヤラ ロータリー グループの例

次の例では、ロータリー グループに接続する BRI インターフェイスを設定し（ dialer-group コマンドを使用）、次にそのダイヤラ グループのダイヤラ インターフェイスを設定します。この設定は、IP パケットでコールをトリガーすることを許可します。

Voice over ISDN の例

次の例は、BRI 0/1/0:0 での着信音声コールへの応答を許可します。

次の例は、BRI0/1/1:0 で発信音声コールを許可します。

ISDN を介した音声コールのその他の設定例については、『 Cisco IOS Voice, Video, and Fax Configuration Guide 』を参照してください。

DNIS-plus-ISDN-Subaddress バインドの例

次の例は、DNIS 12345 と ISDN サブアドレス 6789 を持つ受信者用のダイヤラ プロファイルを設定します。

ISDN BRI 専用回線の設定例

次の例は、128 kbps 専用回線アクセス用の BRI 0/1/0:0 インターフェイスを設定します。専用回線（ダイヤルしない）環境であるため、ISDN 着信者番号と発信者番号の設定は不要で、使用されません。これ以降 BRI 0/1/0:0 インターフェイスは、デフォルトの HDLC カプセル化を使用した非同期シリアル回線として扱います。

128 kbps 専用回線の場合、IP アドレスは D チャネルで設定されます。次の例は、PPP カプセル化用の BRI 0/1/0:0 インターフェイスを設定します。

次の例は、64 kbps 専用回線アクセス用の BRI 0/1/0:0 インターフェイスを設定します。

64 kbps 専用回線の場合、IP アドレスは B チャネルで設定されます。次の例は、PPP カプセル化用の BRI 0/1/0:1 および 0/1/0:2 インターフェイスを設定します。