Cisco MDS 9396T 32-Gbps 96 ポート ファイバチャネル スイッチ

製品概要    

次世代の Cisco^® MDS 9396T 32 Gbps 96 ポート 2 ラック ユニット ファイバチャネル スイッチ（図 1）は、SAN 内での高速ファイバチャネル接続を提供します。このスイッチは、次世代の特定用途向け集積回路（ASIC）プラットフォームに組み込まれた最先端の分析およびテレメトリ機能を提供します。Non-Volatile Memory express（NVMe）対応のスイッチであり、SAN でハードウェアをアップグレードすることなく、利用可能な場合はいつでも、Fibre Channel Non-Volatile Memory Express（FC-NVMe）ワークロードにシームレスに移行できます。この高密度で信頼性と拡張性が高いエンタープライズ クラスのスイッチは、中規模から大規模の部門 SAN に最適です。

スタンドアロン SAN の場合、このスイッチは、複数の仮想マシン インスタンスにサービスを提供できる数千の仮想ホスト バスアダプタ（vHBA）を生成する、高密度のハイパースケール サーバー環境に対応できます。物理的な SAN 接続をそれぞれが 16 ポートの 6 つの異なるポート グループ全体に分散させることにより、各インスタンスに予測可能なスループット、一貫した遅延、および可用性の高いパスを提供します。自動ゾーン分割により、これらのスタンドアロン展開では、手動のゾーニング構成を必要とせずに、ホストおよびストレージ ポートの自動ゾーニングのメリットを享受できます。これらの小さなポート グループにより、すべてのスイッチ ポートで構成される 1 つの大きな障害ドメインではなく、小さな障害ドメインを持つ設計が可能になります。

このスイッチを N ポート ID 仮想化（NPIV）コア スイッチとして、N ポート仮想化（NPV）モードの既存のトップオブラック スイッチに接続することにより、ホストの数をさらに拡張できます。大規模な部門 SAN では、このスイッチを、順方向または逆方向のエアーフロー方向のエンドオブロー、ミドルオブロー、さらにはトップオブラックとして展開し、SAN コアの既存の MDS ディレクタに接続できます。

Cisco MDS 9396T 32 Gbps 96 ポート ファイバチャネル スイッチ

主要な機能

MDS 9396T 32 Gbps 96 ポート ファイバ チャネル スイッチの主な機能は次のとおりです。

●      高密度と拡張性：96 個の 32 Gbps ライン レート拡張小フォームファクタ プラグ可能（SFP+）ポートは、スイッチあたり 3 Tbps の総帯域幅を提供し、ラック内部で数千の仮想マシン インスタンスを駆動するハイパースケール環境向けの、高度にスケーラブルな設計に対応します。このスイッチは、最大 8270 のバッファ間（B2B）クレジットを構成できる少なくとも 6 つのポートを提供し、速度 32 Gbps のネイティブ ファイバチャネル接続を使用して、最大 612 km（380 マイル）離れた遠隔地のデータセンターに接続できます。低速では、さらに長い距離に対応します。

●      完全に統合された SAN 分析：この豊富な機能を有するスイッチは、次世代ハードウェア プラットフォームに組み込まれた最新の SAN 分析およびテレメトリ機能も提供します。この最新のテクノロジーは、次世代のポート ASIC と、分析計算をリアルタイムで実行するために設計された完全に専用のネットワーク処理装置を、32 Gbps ライン カード上で組み合わせています。フレーム ヘッダーのインスペクションから抽出されたテレメトリ データは、（スイッチ内で）オンボードで計算され、業界をリードするオープン フォーマットを使用して、任意の分析を可視化するプラットフォームにストリーミングできます。

●      ハイ パフォーマンス：MDS 9396T アーキテクチャは、集中管理による非ブロッキング アービトレーションを備えており、スイッチのすべてのファイバチャネル ポートに対して、あらゆるトラフィック条件で一貫した 32 Gbps の低遅延パフォーマンスを提供します。

●      設備投資（CapEx）を低減：32 Gbps ポートは、既存の 16 Gbps または 8 Gbps トランシーバに展開できるようになっているため、初期費用は少額で済み、いつでも必要が生じたときにトランシーバ側も 32 Gbps にアップグレードできるオプションがあるので、投資を保護できます。

●      高可用性：MDS 9396T スイッチは、99.999% の可用性を提供するように設計されています。電源や冷却サブシステムなど、すべての主要コンポーネントに冗長性を提供することにより、卓越した可用性と信頼性を提供します。デュアル電源は、冗長電源グリッドも容易にします。ポートチャネル リンク メンバーを、16 ポートからなる 6 つのポート グループにステッチできるため、可用性がさらに高くなっています。

●      少しずつ段階的に拡張：MDS 9396T ファイバチャネル スイッチには、エントリ レベルのバリアントとしてまず 48 個の 32 Gbps ファイバ チャネル ポートを導入し、その後 16 ポートずつ最大 96 ポートまで拡張するオプションが用意されています。これにより、48、64、80、および 96 ポートの 4 通りの構成が可能になっています。

●      次世代 ASIC：MDS 9396T ファイバ チャネル スイッチは、Cisco MDS 9700 48 ポート 32 Gbps ファイバ チャネル スイッチング モジュールのパフォーマンスを実現しているのと同じ,高性能 32 Gbps Cisco ASIC を備えています。この ASIC には、統合ネットワーク プロセッサが含まれています。この ASIC が可能にするすべての高度な機能の中で、もっとも注目すべき機能の 1 つは、外部のタップやアプライアンスを必要とせず、すべてのストレージ ワークロードから、ファイバチャネルおよび Small Computer System Interface（SCSI）ヘッダーを検査できることです。記録されたフローはスイッチで分析でき、テレメトリおよび分析目的で専用の 1/10G SFP+ ポートからエクスポートすることもできます。

●      インテリジェント ネットワーク サービス：低速ドレイン検出と分離、仮想 SAN（VSAN）識別子、ハードウェア ベースのインテリジェント フレーム処理用アクセス制御リスト（ACL）、スマート ゾーニング、およびファブリック全体のサービス品質（QoS）により、SAN アイランドから全社規模のストレージ ネットワークへの移行を可能にします。厳格なセキュリティ要件を満たすために、オプションでトラフィック暗号化を使用できます。

●      高度な診断機能：MDS 9396T は、スイッチ間リンク（ISL）診断、トップクラスの HBA ベンダーに対応した HBA 診断、診断パラメータの読み取り、プロトコル デコード、ネットワーク分析ツール、および統合された Cisco Call Home 機能などのインテリジェント診断ツールを提供しています。信頼性の向上、問題解決の迅速化、およびサービス コストの削減に役立ちます。

●      仮想マシンの認識：MDS 9396T は、ファブリックのストレージ LUN にアクセスするすべての仮想マシンを可視化します。この機能は、すべてのファイバ チャネル フレームで仮想マシン識別子（VMID）にプライオリティ タギングできる HBA を介して使用できます。仮想マシン認識は、ファブリック内の各仮想マシンから発信されるすべてのフローのパフォーマンスを視覚化する analytics1 などの、インテリジェントなファブリック サービスに拡張できます。

●      プログラム可能なファブリック：MDS 9396T は、強力な Representational State Transfer（REST）および Cisco NX-API 機能を提供し、SAN 向けのユーティリティの柔軟で迅速なプログラミングを可能にします。

●      単一ペイン管理：現時点において Cisco データ センター製品のスイート全体の管理を担っている Cisco Data Center Network Manager（DCNM）により、MDS 9396T のプロビジョニング、管理、モニター、トラブルシューティングを行えます。

●      自己完結型の高度な偽造防止テクノロジー：MDS 9396T はボード搭載型ハードウェアで、ブートローダ、システム イメージ ローダ、Joint Test Action Group（JTAG）インターフェイスなどの重要なコンポーネントへのアクセスを保護することにより、悪意のある攻撃からシステム全体を保護します。

SAN アーキテクチャの利点

新しい 32 Gbps ファブリックス イッチは、最新のデータ センター環境における高度にスケーラブルな仮想インテリジェント SAN インフラストラクチャの要件に対応します。業界ではすでに、32 Gbps HBA とベンダーからのストレージ アレイを利用できる 32 Gbps の固定スイッチに移行する準備が整っています。また、低遅延のフラッシュ アレイと非常に高密度な仮想化の展開が普及するにつれて、固定スイッチには SAN コアに 32 Gbps 接続を提供することが期待されます。

このソリューションには、いくつかの重要な利点があります。

●      サーバー ポートの統合：32 Gbps ファブリック スイッチへの需要は、ハイパースケール仮想化によってラックあたりの仮想マシン密度が倍になるとともに増大するでしょう。ブレードまたはスタンドアロン サーバーのラックあたりの高帯域幅 HBA ポートの必要性も高まります。同じラック内のサーバー容量を増やす必要があるため、間もなく、32 Gbps HBA ポートは、現在の 16 Gbps HBA のインストール ベースを統合することになるでしょう。こうして、96 ポートという高いポート密度を備えた MDS 9396T は、ラック内の密度に応じて、トップオブラックとエンドオブロー両方の展開方法に対応できる、優れたソリューションを提供します。ポート密度を 48 ポート ベースから最大 96 ポートに増やせる柔軟性は、追加の利点です。

●      簡素化：統合により、SAN 管理者は複雑さを軽減し、管理を簡素化できます。NPIV コアとして、ネットワーク仮想化モードの MDS 9396T 32 Gbps 96 ポート ファイバチャネル スイッチは、N ポート仮想化（NPV）モードのトップオブラック スイッチを、NPV スイッチを管理する負担を増やさずに、非常に費用対効果の高い方法でスケールアウトできます。

●      マルチプロトコル コンバージェンス：32 Gbps リンクは低帯域幅リンクよりもレイテンシが短いというメリットがあり、ストレージ アレイへのストレージ作業負荷を処理するパフォーマンスが向上します。また、帯域幅が大きくなることで、外部接続ストレージ アレイで新しいストレージ プロトコルを使用しながら ISL 輻輳を軽減できます。たとえば、NVMe over Fibre channel は既存の SCSI ワークロードと同じリンクを共有できます。

●      スケールとパフォーマンス：この固定フォームファクタ スイッチは、他のスイッチング インフラストラクチャを必要としません。イニシエータとターゲットの両方を接続する目的専用で、スタンドアロンの、ファイバチャネル SAN を展開するために必要なパフォーマンスとスケールをサポートします。

プラットフォームの互換性

ハードウェアおよびソフトウェアの互換性と製品の相互運用性の詳細については、MDS 9000 シリーズ スイッチ相互運用性マトリックスを参照してください。

製品仕様

表 1 に、MDS 9396T 32 Gbps 96 ポート ファイバチャネル スイッチの仕様を示します。

表 1                 製品仕様

発注情報

表 2 に、Cisco MDS 9396T で追加の機能を有効にするために購入可能なオプションのライセンスを示します。

表 3 に、MDS 9396T 32 Gbps 96 ポート スイッチ ベース モジュールの発注情報を示します。

表 4 に、個別に発注可能な MDS 9396T スイッチ スペアの発注情報を示します。

表 5 に、MDS 9396T スイッチ バンドルの発注情報を示します。

表 6 に、サポートされる電源コードの発注情報を示します。

表 7 に、サポートされるトランシーバの発注情報を示します。

表 8 に、最低限必要なソフトウェア バージョンの発注情報を示します。

表 9 に、アクセサリ キットの発注情報を示します。

表 2                 オプションライセンス

表 3                 ベースモジュール

表 4                 予備のモジュール

表 5                 バンドル構成

表 6                 電源コード

表 7                 トランシーバ

表 8                 システム要件

表 9                 アクセサリ

サービスおよびサポート

シスコは、安全上の理由から、製品のバッテリを取り外さないようにお勧めしています。シスコの回収およびリサイクル プログラムをご利用ください。

シスコとパートナー各社は、シスコのライフサイクル サービスのアプローチを通じて、幅広いエンドツーエンドのサービスとサポートを提供し、お客様がネットワークのビジネス価値を高めて ROI を拡大できるように支援します。このアプローチでは、テクノロジーおよびネットワークの複雑さに応じて必要最小限の作業を定義し、お客様がシスコのテクノロジーを適切に展開および運用して、ネットワークのライフサイクル全体を通してパフォーマンスを最適化できるようにします。

詳細情報

Cisco MDS 9396T ファイバ チャネル スイッチに関する詳細は、https://www.cisco.com/go/storage にアクセスするか、地域のアカウント担当者にご連絡ください。

Cisco Capital

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