Cisco ワイヤレス LAN コントローラ コンフィギュレーション ガイド リリース 7.4(統合版)
RF グループの設定
RF グループの設定
発行日;2013/06/17   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

RF グループの設定

RF グループについて

RF グループは、無線単位でネットワークの計算を実行するために、グローバルに最適化された方法で RRM の実行を調整するコントローラの論理的な集合です。 802.11 ネットワーク タイプごとに RF グループが存在します。 単一の RF グループにコントローラをクラスタリングすることによって、RRM アルゴリズムは単一のコントローラの機能を越えてスケールできるようになります。

Lightweight アクセス ポイントは、定期的にネイバー メッセージを無線で送信します。 同じ RF グループ名を使用しているアクセス ポイントは、相互に送信されたメッセージを検証します。

検証されたネイバー メッセージを、異なるコントローラ上のアクセス ポイントが -80dBm 以上の信号強度で受信すると、コントローラによって自動モードの RF 領域が動的に生成されます。 静的モードで、リーダーは手動で選択され、メンバが RF グループに追加されます。 RF グループ モードに関する詳細については、「RF グループ リーダー」の項を参照してください。


(注)  


RF グループとモビリティ グループは、どちらもコントローラのクラスタを定義するという点では同じですが、用途に関しては異なります。 RF グループはスケーラブルでシステム全体にわたる動的な RF 管理を実現するのに対して、モビリティ グループはスケーラブルでシステム全体にわたるモビリティとコントローラの冗長性を実現します。


RF グループ リーダー

7.0.116.0 のリリースから、RF グループ リーダーを次の 2 つの方法で設定することができます。

  • 自動モード:このモードでは、RF グループのメンバによって、グループの「マスター」電力およびチャネル スキームを管理する RF グループ リーダーが選ばれます。 RF グループ アルゴリズムは、RF グループ リーダーを動的に選択し、RF グループ リーダーが常に存在していることを確認します。 グループ リーダーの割り当ては変更されることがあります(たとえば、現在の RF グループ リーダーが動作しなくなった場合、または RF グループ メンバが大幅に変更された場合)。
  • 静的モード:このモードでは、ユーザは RF グループ リーダーとしてコントローラを手動で選択します。 このモードでは、リーダーおよびメンバは手動で設定され、固定されます。 メンバが RF グループに join できない場合は、理由が表示されます。 リーダーは、メンバが前の試行で join しなかった場合、1 分ごとにメンバとの接続を確立しようとします。

RF グループ リーダーは、システムによって収集されたリアルタイムの無線データを分析して、パワーおよびチャネルの割り当てを算出し、RF グループの各コントローラに送信します。 RRM アルゴリズムによって、システム全体の安定性が保証され、チャネルおよびパワー スキームの変更を適切なローカル RF 領域に制限します。

6.0 より前のコントローラのソフトウェア リリースでは、動的チャネル割り当て(DCA)の検索アルゴリズムによって、RF グループのコントローラにアソシエートされた無線について適切なチャネル計画を判別しますが、現在の計画よりも大幅に優れていない限り、新しいチャネル計画は適用されません。 両方の計画で最も不適切な無線のチャネル メトリックにより、適用する計画が決定されます。 新しいチャネル計画を適用するための唯一の基準として最もパフォーマンスの低い無線を使用すると、ピンニングまたはカスケードの問題が発生する可能性があります。

ピンニングは、アルゴリズムによって RF グループの一部の無線に適したチャネル計画が検出されても、ネットワーク内の最も条件の悪い無線には適したチャネル オプションがないため、チャネル計画の変更は実施されないことを指します。 RF グループ内の最も条件の悪い無線によって、グループ内の他の無線がより適切なチャネル計画を探すことができなくなる場合があります。 ネットワークの規模が大きければ大きいほど、よりピンニングになりやすいです。

1 つの無線のチャネルが変更された場合に、RF 領域の残りの無線を最適化するため、連続してチャネル変更が行われると、カスケードが発生します。 このような無線を最適化すると、ネイバーおよびネイバーのネイバーのチャネル計画が次善のものになり、チャネル最適化が起動されます。 この影響は、すべてのアクセス ポイント無線が同じ RF グループに属している場合、複数のフロアまたは複数の建物に広がることがあります。 この変更は、大きなクライアントの混乱を引き起こし、ネットワークを不安定にします。

ピンニングとカスケードの主な原因は、新しいチャネル計画を検索する方法と、起こる可能性のあるチャネル計画の変更が単一の無線の RF 状態によって制御されていることです。 コントローラ ソフトウェア リリース 6.0 の DCA アルゴリズムは、ピンニングとカスケードを回避するよう再設計されました。 次の変更が実装されました。

  • 複数のローカル検索:DCA 検索アルゴリズムでは、単一の無線による単一のグローバル検索ではなく、同じ DCA の処理内で異なる無線によって開始される複数のローカル検索が実行されます。 この変更によって、ピンニングとカスケードの両方に対応できるだけでなく、安定性を損なうことなく、DCA に必要な柔軟性と適合性が維持されます。
  • 複数のチャネル計画変更イニシエータ(CPCI):以前は、最も条件の悪い単一の無線が、チャネル計画変更の唯一のイニシエータでした。 しかし、RF グループ内の各無線が評価されて、イニシエータ候補として優先順位付けされるようになりました。 生成されたリストはインテリジェントにランダム化されるので、最終的にすべての無線が評価され、ピンニングが発生する可能性はなくなります。
  • チャネル計画変更の適用制限(ローカリゼーション):各 CPCI 無線の場合、DCA アルゴリズムは適切なチャネル計画を求めてローカル検索を実行しますが、実際には CPCI 無線自身および 1 ホップ近隣のアクセス ポイントのみが現在の送信チャネルを変更できます。 アクセス ポイントによるチャネル計画変更のトリガーの影響は、そのアクセス ポイントの 2 RF ホップ内だけで認識され、実際のチャネル計画変更は 1 ホップ RF 領域内に制限されます。 この制限はすべての CPCI 無線にわたって適用されるため、カスケードが発生する可能性はありません。
  • 非 RSSI ベースの累積コスト メトリック:累積コスト メトリックによって、全範囲、領域、またはネットワークが指定のチャネル計画でどの程度のパフォーマンスを示すのかを測定します。 チャネル計画の品質全体を把握する目的で、その領域内にあるすべてのアクセス ポイントに関する個々のコスト メトリックが考慮されます。 これらのメトリックを使用することで、すべてのチャネル計画変更に単一の各無線の品質の向上または低下が含まれるようになります。 その目的は、単一の無線の品質は向上するが、他の複数の無線のパフォーマンスが大幅に低下するような、チャネル計画変更を避けることです。

RRM アルゴリズムは、指定された更新間隔(デフォルトでは 600 秒)で実行されます。 更新間隔の合間に、RF グループ リーダーは各 RF グループ メンバにキープアライブ メッセージを送信し、リアルタイムの RF データを収集します。


(注)  


複数の監視間隔を使用することもできます。 詳細については、「RRM の設定」の項を参照してください。


RF グループ名

コントローラには RF グループ名が設定されます。この RF グループ名は、そのコントローラに join しているすべてのアクセス ポイントに送信され、アクセス ポイントでは、この名前がハッシュ MIC をネイバー メッセージで生成するための共有秘密として使用されます。 RF グループを作成するには、グループに含めるすべてのコントローラに同じ RF グループ名を設定します。

コントローラに join しているアクセス ポイントが別のコントローラ上のアクセス ポイントから RF 伝送を受け取る可能性がある場合は、それらのコントローラに同じ RF グループ名を設定する必要があります。 アクセス ポイント間の RF 伝送を受信する可能性がある場合、802.11 干渉およびコンテンションをできるだけ回避するには、システム全体にわたる RRM が推奨されます。

RF グループの設定

この項では、GUI または CLI によって RF グループを設定する方法について説明します。


(注)  


通常、RF グループ名は展開時にスタートアップ ウィザードを使用して設定されます。 ただし、必要に応じて変更できます。



(注)  


複数の Country Code 機能を使用している場合、同じ RF グループに join する予定のすべてのコントローラは、同じ国で構成された一連の国々を同じ順序で設定する必要があります。



(注)  


Cisco Prime インフラストラクチャを使用して RF グループを設定することもできます。


RF グループ名の設定(GUI)


    ステップ 1   [Controller] > [General] の順に選択して、[General] ページを開きます。
    ステップ 2   [RF-Network Name] テキスト ボックスに RF グループの名前を入力します。 名前には、19 文字以内の ASCII 文字を使用できます。
    ステップ 3   [Apply] をクリックして、変更を確定します。
    ステップ 4   [Save Configuration] をクリックして、変更を保存します。
    ステップ 5   RF グループに含める各コントローラについて、この手順を繰り返します。

    RF グループ名の設定(CLI)


      ステップ 1   config network rf-network-name nameコマンドを入力して、RF グループを作成します。
      (注)     

      グループ名として 19 文字以内の ASCII 文字を入力します。

      ステップ 2   show network コマンドを入力して、RF グループを確認します。
      ステップ 3   save config コマンドを入力して、設定を保存します。
      ステップ 4   RF グループに含める各コントローラについて、この手順を繰り返します。

      RF グループ ステータスの表示

      この項では、GUI または CLI を使用して RF グループのステータスを表示する方法について説明します。


      (注)  


      Cisco Prime インフラストラクチャを使用して RF グループのステータスを表示することもできます。


      RF グループ ステータスの表示(GUI)


        ステップ 1   Wireless > 802.11a/n または 802.11b/g/n > RRM > RF Grouping の順に選択して、[802.11a (または 802.11b/g) RRM > RF Grouping] ページを開きます。

        このページは RF グループの詳細を示し、設定可能なパラメータ [RF Group mode]、このコントローラの [RF Group role]、[Update Interval]、およびこのコントローラの [Group Leader] のコントローラ名と IP アドレスを表示します。

        (注)     

        RF グループ化モードは、[Group Mode] ドロップダウン リストを使用して設定できます。

        ヒント:一度コントローラがスタティック メンバとして join されてから、グループ化モードを変更する場合は、メンバを設定したスタティック リーダーからそのメンバを削除することをお勧めします。メンバのコントローラが複数のスタティック リーダーでメンバになるように設定されていないことも確認してください。 これは、1 つまたは複数の RF スタティック リーダーから join 試行が繰り返されるのを回避します。

        ステップ 2   (任意)選択しなかったネットワーク タイプ(802.11a または 802.11b/g)について、この手順を繰り返します。

        RF グループ ステータスの表示(CLI)


          ステップ 1   次のコマンドを入力して、802.11a RF ネットワークの RF グループ リーダーであるコントローラを確認します。 show advanced 802.11a group

          以下に類似した情報が表示されます。

          
          Radio RF Grouping
            802.11a Group Mode............................. STATIC
            802.11a Group Update Interval.................. 600 seconds
            802.11a Group Leader........................... test (209.165.200.225)
              802.11a Group Member......................... test (209.165.200.225)
            802.11a Last Run............................... 397 seconds ago
          

          この出力は、RF グループの詳細を示しています。具体的には、コントローラのグループ化モード、グループ情報の更新間隔(デフォルトでは 600 秒)、RF グループ リーダーの IP アドレス、このコントローラの IP アドレス、およびグループ情報の最終更新時間です。

          (注)     

          グループ リーダーとグループ メンバの IP アドレスが同じ場合、そのコントローラは現在、グループ リーダーです。

          (注)     

          * は、コントローラがスタティック メンバとして join されていないことを示します。

          ステップ 2   次のコマンドを入力して、802.11b/g RF ネットワークの RF グループ リーダーであるコントローラを表示します。 show advanced 802.11b group

          RF グループ内の不正アクセス ポイント検出の設定

          RF グループ内の不正アクセス ポイント検出について

          コントローラの RF グループを作成したら、コントローラに接続されているアクセス ポイントで不正なアクセス ポイントを検出するように設定する必要があります。 アクセス ポイントによって、近隣のアクセス ポイントのメッセージ内のビーコン/プローブ応答フレームが選択され、RF グループの認証情報要素(IE)と一致するものが含まれているかどうかが確認されます。 選択が正常に終了すると、フレームは認証されます。 正常に終了しなかった場合は、認証されているアクセス ポイントによって、近隣のアクセス ポイントが不正アクセス ポイントとして報告され、その BSSID が不正テーブルに記録されます。さらに、このテーブルはコントローラに送信されます。

          RF グループ内の不正アクセス ポイント検出の設定

          RF グループ内の不正アクセス ポイント検出の有効化(GUI)


            ステップ 1   RF グループ内の各コントローラに同じ RF グループ名が設定されていることを確認します。
            (注)     

            この名前は、すべてのビーコン フレーム内の認証 IE を検証するために使用されます。 各コントローラに異なる名前が設定されている場合は、障害アラームが生成されます。

            ステップ 2   [Wireless] を選択して、[All APs] ページを開きます。
            ステップ 3   アクセス ポイントの名前をクリックして、[All APs > Details] ページを開きます。
            ステップ 4   [AP Mode] ドロップダウン リストから [local] または [monitor] を選択し、[Apply] をクリックして変更を確定します。
            ステップ 5   [Save Configuration] をクリックして、変更を保存します。
            ステップ 6   コントローラに接続されているすべてのアクセス ポイントについて、ステップ 2 からステップ 5 を繰り返します。
            ステップ 7   [Security] > [Wireless Protection Policies] > [AP Authentication/MFP] の順に選択して、[AP Authentication Policy] ページを開きます。

            このコントローラが属する RF グループの名前は、ページの上部に表示されます。

            ステップ 8   [Protection Type] ドロップダウン リストから [AP Authentication] を選択して、不正アクセス ポイントの検出を有効にします。
            ステップ 9   [Alarm Trigger Threshold] 編集ボックスに数値を入力して、不正アクセス ポイントに関するアラームがいつ生成されるようにするかを指定します。 検出期間内にしきい値(無効な認証 IE を含むアクセス ポイント フレームの数を示します)に達した場合またはしきい値を超えた場合に、アラームが生成されます。
            (注)     

            しきい値の有効範囲は 1 ~ 255 で、デフォルト値は 1 です。 アラームの誤判定を防止するには、しきい値を高い値に設定してください。

            ステップ 10   [Apply] をクリックして、変更を確定します。
            ステップ 11   [Save Configuration] をクリックして、変更を保存します。
            ステップ 12   RF グループ内のすべてのコントローラについて、この手順を繰り返します。
            (注)     

            不正アクセス ポイントの検出が有効になっていないコントローラが RF グループ内にある場合、この機能が無効になっているコントローラ上のアクセス ポイントは不正アクセス ポイントとして報告されます。


            RF グループ内の不正アクセス ポイント検出の設定(CLI)


              ステップ 1   RF グループ内の各コントローラに同じ RF グループ名が設定されていることを確認します。
              (注)     

              この名前は、すべてのビーコン フレーム内の認証 IE を検証するために使用されます。 各コントローラに異なる名前が設定されている場合は、障害アラームが生成されます。

              ステップ 2   次のコマンドを入力して、特定のアクセス ポイントを local(通常)モードまたは monitor(リッスン専用)モードに設定します。

              config ap mode local Cisco_AP または config ap mode monitor Cisco_AP

              ステップ 3   次のコマンドを入力して、変更を保存します。 save config
              ステップ 4   コントローラに接続されているすべてのアクセス ポイントについて、ステップ 2ステップ 3 を繰り返します。
              ステップ 5   次のコマンドを入力して、不正なアクセス ポイントの検出を有効にします。 config wps ap-authentication
              ステップ 6   次のコマンドを入力して、不正なアクセス ポイントのアラームが生成される時期を指定します。 検出期間内にしきい値(無効な認証 IE を含むアクセス ポイント フレームの数を示します)に達した場合またはしきい値を超えた場合に、アラームが生成されます。

              config wps ap-authentication threshold

              (注)     

              しきい値の有効範囲は 1 ~ 255 で、デフォルトのしきい値は 1 です。 アラームの誤判定を防止するには、しきい値を高い値に設定してください。

              ステップ 7   次のコマンドを入力して、変更を保存します。 save config
              ステップ 8   RF グループ内のすべてのコントローラについて、ステップ 5 から ステップ 7 を繰り返します。
              (注)     

              不正アクセス ポイントの検出が有効になっていないコントローラが RF グループ内にある場合、この機能が無効になっているコントローラ上のアクセス ポイントは不正アクセス ポイントとして報告されます。


              ClientLink テクノロジー

              多くのネットワークは、依然として 802.11a/g クライアントと 802.11n クライアントの混在をサポートします。 802.11a/g クライアント(レガシー クライアント)は低データ レートで動作するため、古いクライアントにより、ネットワーク全体のキャパシティが減少することがあります。 シスコの ClientLink テクノロジーは、802.11a/g クライアントが、特にセル境界に近い場合に、最適なレートで動作できるようにすることで、クライアントが混在するネットワークにおける 802.11n の採用に関連する問題を解決します。

              高度な信号処理が Wi-Fi チップセットに追加されました。 複数の送信アンテナが 802.11a/g クライアントの方向に伝送を収束するために使用され、ダウンリンクの信号対ノイズ比と一定のレンジにおけるデータ レートが増加するため、カバレッジ ホールが減少し、システム全体のパフォーマンスが向上します。 このテクノロジーは、クライアントから受信された信号を合成する最適な方法を学習し、この情報を使用してパケットを最適な方法でクライアントに送り返します。 このテクニックは、MIMO(複数入力複数出力)ビームフォーミング、送信ビームフォーミング、またはコフェージングとも呼ばれ、高価なアンテナ アレイを必要としない、市場で唯一のエンタープライズクラスかつサービス プロバイダークラスのソリューションです。

              802.11n システムは、複数の無線信号を同時に送信することによりマルチパスを利用します。 空間ストリームと呼ばれるこれらの各信号は、独自のトランスミッタを使用して独自のアンテナから送信されます。 これらのアンテナ間には空間があるため、各信号は受信装置への若干異なるパスに従います(空間ダイバーシティと呼ばれる状況)。 レシーバにも、独自の無線を使用する複数のアンテナがあります。各アンテナは受信した信号を独自にデコードし、各信号は他のレシーバの無線からの信号と結合されます。 その結果、複数のデータ ストリームが同時に受信されます。 これにより、以前の 802.11a/g システムよりも高いスループットが実現されますが、信号を解読する 802.11n 対応クライアントが必要になります。 したがって、AP とクライアントの両方がこの機能をサポートする必要があります。 問題が複雑であるため、第 1 世代のメインストリーム 802.11n チップセットでは、AP およびクライアント チップセットで 802.11n 送信ビームフォーミングが実装されていません。 したがって、802.11n 標準伝送ビームフォーミングは将来利用可能になりますが、次世代のチップセットが市場に出るまで待つ必要があります。 シスコは、この分野の発展をリードしていく所存です。

              現在の世代の 802.11n AP の場合、2 番目の送信パスは 802.11n クライアントに対して(空間ダイバーシティを実装するために)使用されますが、802.11a/g クライアントに対して完全には使用されません。 802.11 a/g クライアントの場合は、追加の送信パスの一部の機能がアイドル状態になります。 また、多くのネットワークで、取り付けられた 802.11 a/g クライアント ベースのパフォーマンスが、ネットワークの制限要因となります。

              ClientLink は高度な信号処理手法と複数の送信パスを使用して、ダウンリンク方向で 802.11a/g クライアントが受信した信号を、フィードバックを必要とせずに、最適化します。 特別なフィードバックが必要ないため、Cisco ClientLink は、既存のすべての 802.11a/g クライアントで動作します。

              Cisco ClientLink テクノロジーにより、クライアントが配置された場所でアクセス ポイントが SNR を効果的に最適化できるようになります。 ClientLink は、ダウンリンク方向にほぼ 4 dB のゲインを提供します。 SNR が改善され、再試行回数の減少やデータ レートの向上などの多くの利点が提供されます。 たとえば、以前に 12 Mbps でパケットを受信できたセルの端にあるクライアントが 36 Mbps でパケットを受信できるようになります。 ClientLink を使用した場合のダウンリンク パフォーマンスの一般的な測定値は、802.11a/g クライアントではスループットが 65 % 向上します。 Wi-Fi システムがより高いデータ レート、少ない再試行回数で動作できるようにすることで、ClientLink はシステムのキャパシティ全体を拡張します。つまり、スペクトル リソースを効率的に利用できます。

              1552 アクセス ポイントの ClientLink は、AP3500 で使用可能な ClientLink 機能をベースにしています。 したがって、アクセス ポイントは近接するクライアントに対してビームフォーミングを行い、802.11ACK でビームフォーミング情報を更新できます。 したがって、専用アップリンク トラフィックがない場合でも、ClientLink は適切に動作します。これは、TCP および UDP 両方のトラフィック ストリームに有用です。 Cisco 802.11n アクセス ポイントでこのビーム形成を使用するためにクライアントが通過する必要がある RSSI ウォーターマークはありません。

              ClientLink は、同時に 15 のクライアントにビーム形成を行うことができます。 したがって、レガシー クライアントの数が無線ごとに 15 を超える場合に、ホストは最良の 15 クライアントを選択する必要があります。 AP1552 には 2 つの無線があるため、タイム ドメインで最大 30 個のクライアントに対してビームフォーミングを行えます。

              ClientLink は、屋内および屋外 802.11n アクセス ポイント用の 11a/g レート(11b ではない)を示す、パケットのレガシー OFDM 部分に適用されますが、屋内 11n 用の ClientLink と屋外 11n 用の ClientLink には 1 つの違いがあります。 屋内 11n アクセス ポイントの場合、SW は影響を受けるレートを 24、36、48、54 Mbps に制限します。 これは、屋内環境の遠くの AP にクライアントが接続し続けることを避けるためです。 また、スループット ゲインが非常に小さいため、SW によって ClientLink が 11n クライアント用のレートで動作できなくなります。 ただし、純粋なレガシー クライアントに対しては明らかなゲインがあります。 屋外 11n アクセス ポイントでは、24 Mbps 未満の 3 つの追加レガシー データ レートが追加されました。 屋外用 ClientLink は、9、12、18、24、36、48、および 54 Mbps のレガシー データ レートに適用できます。

              ClientLink の設定(CLI)

              7.2 リリース以降から、コントローラ GUI を使用して ClientLink(ビーム形成)を設定することはできません。


                ステップ 1   次のコマンドを入力して、802.11a または 802.11b/g ネットワークを無効にします。

                config {802.11a | 802.11b} disable network

                ステップ 2   次のコマンドを入力して、802.11a または 802.11g ネットワーク上でビーム形成をグローバルに有効または無効にします。

                config {802.11a | 802.11b} beamforming global {enable | disable}

                デフォルト値はディセーブルです。

                (注)     

                ネットワーク上でビーム形成を有効にすると、そのネットワーク タイプに該当するすべての無線で自動的に有効になります。

                ステップ 3   次のコマンドを入力して、グローバル設定をオーバーライドして、特定のアクセス ポイントのビーム形成を有効または無効にします。

                config {802.11a | 802.11b} beamforming ap Cisco_AP {enable | disable}

                デフォルトの値は、ネットワーク上でビームフォーミングが無効である場合はディセーブル、ネットワーク上でビーム形成が有効である場合はイネーブルになります。

                ステップ 4   次のコマンドを入力して、ネットワークを再び有効にします。

                config {802.11a | 802.11b} enable network

                ステップ 5   次のコマンドを入力して、変更を保存します。

                save config

                ステップ 6   次のコマンドを入力して、ネットワークのビームフォーミング ステータスを表示します。

                show {802.11a | 802.11b}

                以下に類似した情報が表示されます。

                
                802.11a Network.................................. Enabled
                11nSupport....................................... Enabled
                802.11a Low Band........................... Enabled
                802.11a Mid Band........................... Enabled
                802.11a High Band.......................... Enabled
                ...
                Pico-Cell-V2 Status.............................. Disabled
                TI Threshold..................................... -50
                Legacy Tx Beamforming setting................. Enabled
                
                ステップ 7   次のコマンドを入力して、特定のアクセス ポイントのビーム形成ステータスを表示します。

                show ap config {802.11a | 802.11b} Cisco_AP

                以下に類似した情報が表示されます。

                
                Cisco AP Identifier.............................. 14
                Cisco AP Name.................................... 1250-1
                Country code..................................... US  - United States
                Regulatory Domain allowed by Country............. 802.11bg:-A     802.11a:-A
                ...
                Phy OFDM parameters
                Configuration ............................. AUTOMATIC
                Current Channel ........................... 149
                Extension Channel ......................... NONE
                Channel Width.............................. 20 Mhz
                Allowed Channel List....................... 36,40,44,48,52,56,60,64,100,
                ......................................... 104,108,112,116,132,136,140,
                ......................................... 149,153,157,161,165
                TI Threshold .............................. -50
                Legacy Tx Beamforming Configuration ....... CUSTOMIZED
                Legacy Tx Beamforming ..................... ENABLED
                

                ClientLink に関連するコマンド

                ClientLink に関連するコマンドは次のとおりです。

                • 次のコマンドを AP コンソールで入力します。
                  • AP のビーム形成のステータスを確認するには、show controller d0/d1 コマンドを入力します。
                  • AP rbf テーブルでクライアントを見つけるには、show interface dot110 コマンドを入力します。
                  • AP に割り当てられたビーム形成レートを確認するには、debug d0 trace print rates コマンドを入力します。
                • トラブルシューティングを行うには、AP コンソールで次のコマンドを使用します。
                  • 無線で ClientLink が有効であることを示すには、show controllers | inc Beam コマンドを入力します。 次のような出力が表示されます。
                    
                    Legacy Beamforming: Configured Yes, Active Yes, RSSI Threshold -50 dBm
                    Legacy Beamforming: Configured Yes, Active Yes, RSSI Threshold -60 dBm
                      
                    
                  • ClientLink が特定のクライアントにビーム形成を行っていることを表示するには、show interface dot11radio 1 lbf rbf コマンドを入力します。 次のような出力が表示されます。
                    
                    RBF Table:
                    Index      Client MAC      Reserved      Valid    Tx BF     Aging
                     1       0040.96BA.45A0      Yes          Yes      Yes       No