Cisco Cius アドミニストレーション ガイド リリース 9.2(1)
VoIP ワイヤレス ネットワークの概要
VoIP ワイヤレス ネットワークの概要
発行日;2012/05/09 | 英語版ドキュメント(2011/12/09 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

VoIP ワイヤレス ネットワークの概要

無線 LAN について

WLAN の規格とテクノロジーについて

WLAN 通信の 802.11 規格

ワールド モード(802.11.d)

無線周波数範囲

802.11 のデータ レート、送信電力、範囲、およびデシベル許容値

ワイヤレス変調テクノロジー

AP、チャネル、および規制区域の関係

WLAN とローミング

Bluetooth ワイヤレス テクノロジー

VoIP ワイヤレス ネットワークのコンポーネント

Cisco Unified Wireless AP との連携

AP への関連付け

ワイヤレス ネットワークでの音声 QoS

との連携

WLAN 内の音声通信のセキュリティ

認証方式

暗号化方式

AP の認証方式と暗号化方式の選択

VoIP WLAN の設定

サポートされるアクセス ポイント

サポートされている AP およびモード

サポートされるアンテナ

ワイヤレス LAN の設定

VoIP ワイヤレス ネットワークの概要

この章では、ワイヤレス ローカルエリア ネットワーク(WLAN)環境内での Cisco Cius と VoIP ネットワークの他の主要コンポーネントとの間の連携について概要を説明します。この章は、次の項で構成されています。

「無線 LAN について」

「WLAN の規格とテクノロジーについて」

「Bluetooth ワイヤレス テクノロジー」

「VoIP ワイヤレス ネットワークのコンポーネント」

「WLAN 内の音声通信のセキュリティ」

「VoIP WLAN の設定」

「ワイヤレス LAN の設定」

無線 LAN について

ワイヤレス通信の導入により、Cisco Cius は社内 WLAN 内での音声とビデオによるコミュニケーションを実現できます。Cisco Cius は、ワイヤレス音声通信を提供するために、ワイヤレス アクセス ポイント(AP)と主要な Cisco IP テレフォニー コンポーネント(Cisco Unified Communications Manager など)が必要であり、それらと連携します。Cisco AP は、スタンドアロン モードまたは統合モードのいずれでも動作します。統合モードでは、Cisco Unified Wireless LAN Controller が必要です。

Cisco Cius は、802.11a、802.11b、802.11g、および 802.11n Wi-Fi を使用可能な Wi-Fi 機能を備えています。

図 4-1 に、ワイヤレス IP テレフォニーのワイヤレス音声伝送を可能にする一般的な WLAN トポロジを示します。

図 4-1 Cisco Cius を使用した WLAN

 

Cisco Cius は、電源が投入されると、記憶されているネットワークの通信圏内にいるときは、それらのネットワークとの関連付けを試みます。記憶されているネットワークが圏外の場合は、ブロードキャストされているネットワークを選択するか、手動でネットワークを追加することができます。詳細については、「ワイヤレス LAN の設定」を参照してください。

AP は、有線ネットワークへの接続を使用して、スイッチとルータとの間でデータ パケットおよび音声パケットを送受信します。音声シグナリングは、Cisco Unified Communications Manager サーバに送信され、呼処理とルーティングが行われます。

AP は、ネットワークにワイヤレス リンクまたは「ホット スポット」を提供するため、WLAN の重要なコンポーネントとなっています。音声通信をサポートする AP は Cisco IOS Release 12.4(21a)JY を使用する必要があります。AP の詳細については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』を参照してください。

各 AP は、LAN 上に構成された Cisco 3750 シリーズなどのイーサネット スイッチに有線接続されています。このスイッチにより、ワイヤレス IP テレフォニーをサポートするゲートウェイや Cisco Unified Communications Manager サーバにアクセスできます。

一部のネットワークには、ワイヤレス コンポーネントをサポートする有線コンポーネントが存在します。そのような有線コンポーネントには、ワイヤレス機能を有効にする特別なモジュールを装備したスイッチ、ルータ、ブリッジなどがあります。

Cisco Unified Wireless Network の詳細については、 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/wireless/index.html を参照してください。

WLAN の規格とテクノロジーについて

ここでは、次の概念について説明します。

「WLAN 通信の 802.11 規格」

「ワールド モード(802.11.d)」

「無線周波数範囲」

「802.11 のデータ レート、送信電力、範囲、およびデシベル許容値」

「ワイヤレス変調テクノロジー」

「AP、チャネル、および規制区域の関係」

「WLAN とローミング」

WLAN 通信の 802.11 規格

無線 LAN は、すべてのイーサネットベースのワイヤレス トラフィックの基準となるプロトコルを定義する電気電子学会(IEEE)802.11 規格に従う必要があります。Cisco Cius は、次の規格をサポートしています。

802.11a:5 GHz 周波数帯を使用して直交周波数分割多重方式(OFDM)テクノロジーを使用することで、より多くのチャネルを提供し、データ レートを向上させます。Dynamic Frequency Selection(DFS)および伝送パワー制御(TPC)は、この規格をサポートしています。

802.11b:低データ レート(1、2、5.5、11 Mbps)でデータの送信と受信の両方で 2.4 GHz の無線周波数(RF)を指定します。

802.11d:アクセス ポイントが、現在サポートされている無線チャネルおよび送信電力レベルを通知できるようにします。802.11d が有効なクライアントは、その情報を使用して使用するチャネルと電力レベルを決定します。Cisco Cius は、指定の国の法的に許可されたチャネルを判別するためにワールド モード(802.11d)が必要です。サポートされているチャネルについては、 表 4-1 を参照してください。Cisco IOS アクセス ポイントまたは Cisco Unified Wireless LAN Controller で 802.11d が適切に設定されていることを確認してください。詳細については、「ワールド モード(802.11.d)」と『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』を参照してください。

802.11e:無線 LAN アプリケーション用の一連の Quality of Service(QoS)拡張を規定しています。

802.11g:802.11b と同じ免許不要の 2.4 GHz 周波数帯を使用します。ただし、OFDM テクノロジーを使用することで、データ レートを高め、より高いパフォーマンスを提供します。OFDM は、RF を使用して信号を伝送するための物理層の符号化テクノロジーです。

802.11h:802.11a メディア アクセス コントロール(MAC)に DFS と TPC を提供します。

802.11i:ワイヤレス ネットワーク用のセキュリティ メカニズムを規定しています。

802.11n:データの送信と受信の両方に 2.4 GHz または 5 GHz の無線周波数を使用します。また、Multiple Input, Multiple Output(MIMO)テクノロジー、チャネル ボンディング、およびペイロード最適化の使用によりデータ転送を強化します。


) Cisco Cius は、アンテナを 1 つ装備しており、Single Input Single Output(SISO)システムを使用します。このシステムでは、MCS 0 ~ MCS 7(20 MHz チャネルによる 72 Mbps と 40 MHz による 150 Mbps)のデータ レートのみがサポートされます。より高いデータ レートを利用可能な MIMO テクノロジーを使用している 802.11n クライアントが存在する場合は、オプションとして MCS 8 ~ MCS 15 を有効にすることができます。


表 4-1 に、Cisco Cius でサポートされているチャネルを示します。

 

表 4-1 Cisco Cius でサポートされているチャネル

部品番号
帯域範囲
使用可能なチャネル
チャネル セット

--

2.412 ~ 2.472 GHz

13

1 ~ 13

5.180 ~ 5.240 GHz

4

36、40、44、48

5.260 ~ 5.320 GHz

4

52、56、60、64

5. 500 ~ 5.700 GHz

11

100 ~ 140

5.745 ~ 5.825 GHz

5

149、153、157、161、165


) 802.11j(チャネル 34、38、42、46)はサポートされていません。


ワールド モード(802.11.d)

Cisco Cius は、使用するチャネルと送信電力レベルを決定するために 802.11d を使用し、関連付けられている AP から自身のクライアント設定を継承します。Cisco Cius をワールド モードで使用するには、AP 上でワールド モード(802.11d)を有効にします。

表 4-2 に、Cisco Cius でサポートされる国とその 802.11d コードを示します。詳細については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』を参照してください。

 

表 4-2 Cisco Cius でサポートされる国

アルゼンチン(AR)

インド(IN)

ポーランド(PL)

オーストラリア(AU)

インドネシア(ID)

ポルトガル(PT)

オーストリア(AT)

アイルランド(IE)

プエルトリコ(PR)

ベルギー(BE)

イスラエル(IL)

ルーマニア(RO)

ブラジル(BR)

イタリア(IT)

ロシア連邦(RU)

ブルガリア(BG)

日本(JP)

サウジアラビア(SA)

カナダ(CA)

韓国(KR/KP)

シンガポール(SG)

チリ(CL)

ラトビア(LV)

スロバキア(SK)

コロンビア(CO)

リヒテンシュタイン(LI)

スロベニア(SI)

コスタリカ(CR)

リトアニア(LT)

南アフリカ(ZA)

キプロス(CY)

ルクセンブルク(LU)

スペイン(ES)

チェコ共和国(CZ)

マレーシア(MY)

スウェーデン(SE)

デンマーク(DK)

マルタ(MT)

スイス(CH)

エストニア(EE)

メキシコ(MX)

台湾(TW)

フィンランド(FI)

モナコ(MC)

タイ(TH)

フランス(FR)

オランダ(NL)

トルコ(TR)

ドイツ(DE)

ニュージーランド(NZ)

ウクライナ(UA)

ジブラルタル(GI)

ノルウェー(NO)

アラブ首長国連邦(AE)

ギリシャ(GR)

オマーン(OM)

イギリス(GB)

香港(HK)

パナマ(PA)

アメリカ合衆国(US)

ハンガリー(HU)

ペルー(PE)

ベネズエラ(VE)

アイスランド(IS)

フィリピン(PH)

ベトナム(VN)

Cisco Unified Wireless LAN Controller の場合、国番号が入力されると自動的にワールド モードが有効になります。正しい国番号については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「802.11d」を参照してください。Cisco Autonomous Access Point の場合、ワールド モードは手動で有効にする必要があります。次のコマンドを使用します。

Interface dot11radio X
 
world-mode dot11d countryUS both

) 2.4 GHz 無線の場合、Interface コマンド フィールドの X に 0 を入力します。5 GHz 無線の場合、X に 1 を入力します。


詳細については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Models and Localization」を参照してください。

無線周波数範囲

WLAN 通信では、次の無線周波数範囲が使用されます。

2.4 GHz:2.4 GHz を使用する多くのデバイスは、潜在的に 802.11b/g 接続と干渉を起こすおそれがあります。干渉によってサービス拒否(DoS)シナリオが発生する可能性があり、正常な 802.11 伝送を妨害するおそれがあります。

5 GHz:2.4 GHz 周波数と比べ、5 GHz 周波数ではより多くのチャネルが提供され、干渉は減少します。Unlicensed National Information Infrastructure(UNII)周波数帯と呼ばれる複数のセクションに分割され、各セクションには 4 つのチャネルが存在します。これらのチャネルは 20 MHz 間隔で割り当てられます。

802.11 のデータ レート、送信電力、範囲、およびデシベル許容値

801.11 規格別の送信(Tx)電力キャパシティ、データ レート、範囲(フィート単位とメートル単位)、および受信機によって許容されるデシベル値については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Radio Characteristics」を参照してください。

ワイヤレス変調テクノロジー

ワイヤレス通信では、シグナリングに次の変調テクノロジーが使用されます。

ダイレクト シーケンス スペクトラム拡散方式(DSSS):信号を周波数範囲または帯域幅に分散することで、干渉を防止しています。DSSS テクノロジーは、データの塊を複数の周波数上に多重化し、複数のデバイスが干渉を受けずに通信できるようにします。各デバイスは、自身のデータ パケットを識別する特殊なコードを持ち、その他のデータ パケットはすべて無視されます。Cisco ワイヤレス 802.11b/g 製品は、WLAN 上の複数のデバイスをサポートするために DSSS テクノロジーを使用しています。

直交周波数分割多重方式(OFDM):RF を使用して信号を伝送します。OFDM は、物理層の符号化テクノロジーで、1 つの高速データ キャリアを複数のより低速なキャリアに分割し、RF スペクトラムを経由してそれらを並行して伝送します。OFDM は、802.11g および 802.11a で使用した場合、最大 54 Mbps のデータ レートをサポートします。

表 4-3 に、データ レート、チャネル数、および変調テクノロジーを IEEE 規格別に比較したものを示します。

 

表 4-3 IEEE 規格別のデータ レート、チャネル数、および変調テクノロジー

項目
802.11b
802.11g
802.11a
802.11n

データ レート

1、2、5.5、11 Mbps

6、9、12、18、24、36、48、54 Mbps

6、9、12、18、24、36、48、54 Mbps

20 MHz チャネル:7 ~ 72 Mbps

40 MHz チャネル:15 ~ 150 Mbps

チャネル数

13

13

24

13 または 24

ワイヤレス変調

DSSS

OFDM

OFDM

OFDM

AP、チャネル、および規制区域の関係

AP は、2.4 GHz または 5 GHz の周波数帯域のチャネルを使用して、RF 信号を送受信します。安定したワイヤレス環境を提供し、チャネルの干渉を減少させるために、各 AP に非オーバーラップ チャネルを指定する必要があります。北米の 802.11b および 802.11g 用に推奨されているチャネルは、1、6、11 です。


) コントローラベース以外のワイヤレス ネットワークでは、各 AP にチャネルを静的に設定することを推奨します。断続的な干渉が存在する場合、そのエリア内での途絶を回避するために、一部のチャネルを静的に設定することが必要になります。ワイヤレス ネットワークでコントローラが使用されている場合、音声の途絶を最小限に抑える Auto-RF 機能を使用してください。


AP の詳細については、「VoIP WLAN の設定」を参照してください。

AP、チャネル、および規制区域の関係の詳細については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Designing the Wireless LAN for Voice」を参照してください。

WLAN とローミング

Cisco Cius の WLAN とローミングの詳細については、 http://www.cisco.com/en/US/products/hw/wireless/ps4570/prod_technical_reference09186a00801c5223.html にある『Cisco Fast Roaming Application Note』、および『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Roaming」を参照してください。

関連項目

「ワイヤレス ネットワークでの音声 QoS」

「VoIP WLAN の設定」

Bluetooth ワイヤレス テクノロジー

Bluetooth を使用すると、30 フィート(10 m)の範囲内で低帯域幅のワイヤレス接続が可能になります。最高のパフォーマンスが得られるのは、3 ~ 6 フィート(1 ~ 2 m)の範囲内です。Bluetooth ワイヤレス テクノロジーは、802.11b/g/n の帯域と同じ 2.4 GHz 帯域で動作します。Bluetooth デバイス、電子レンジ、コードレス電話機、および大型の金属製の物体は、干渉問題の原因となる可能性があります。そのため、5 GHz 帯域で動作する 802.11a または 802.11.n の使用を推奨します。

Cisco Cius 上で Bluetooth を設定する方法の詳細については、「[Bluetooth 設定(Bluetooth Settings)] メニューのオプション」を参照してください。Cisco Cius で Bluetooth ヘッドセットを使用する方法の詳細については、「ハンズフリー プロファイル」、および『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Bluetooth Configuration」を参照してください。

VoIP ワイヤレス ネットワークのコンポーネント

Cisco Cius は、コールを正常に発信および受信するために、WLAN の複数のネットワーク コンポーネントと連携する必要があります。次の各トピックでは、ネットワーク コンポーネントについて説明します。

「Cisco Unified Wireless AP との連携」

「AP への関連付け」

「ワイヤレス ネットワークでの音声 QoS」

「Cisco Unified Communications Manager との連携」

Cisco Unified Wireless AP との連携

Cisco Cius は、ワイヤレス データ デバイスと同じ AP を使用します。ただし、WLAN の音声トラフィックには、データ トラフィック専用の WLAN とは異なる機器の設定とレイアウトが必要です。データ伝送では、音声伝送よりも高いレベルの RF ノイズ、パケット損失、およびチャネル コンテンションに耐えることができます。音声伝送時のパケット損失では、不安定な音声や途切れた音声によって結果的に通話が聞き取れなくなる場合があります。パケット エラーにより、ビデオにブロック ノイズが発生したり、ビデオがフリーズしたりすることもあります。

Cisco Cius ユーザはさまざまな場所に移動するため、RF カバレッジには、階段の吹き抜け、エレベータ、休憩コーナー、会議室の外、通路などが含まれる必要があります。優れた音声品質と最適な RF 信号カバレッジを確保するために、サイトの調査を実行する必要があります。サイト調査により、その環境に対して最適な AP プラットフォーム、アンテナ タイプ、AP の配置、Tx 電力レベル、チャネル、およびデータ レートが決定します。十分なカバレッジが提供されるように、必要なエリアをすべて調査してください。

ワイヤレス音声を導入し、その使用を開始した後も、設置後のサイト調査を継続して行います。新規ユーザ グループの追加、機器の追加設置、または大量のインベントリのスタックを行うと、ワイヤレス環境が変化します。設置後の調査で、AP のカバレッジがそれまでと同様に最適な音声通信にとって十分であるかを検証します。


) パケット損失はローミング時に発生する可能性があります。ただし、伝送時にどのくらいのパケット損失が発生するかは、セキュリティ モード、および高速ローミングの存在により決まります。Cisco Centralized Key Management(CCKM)を実装して、高速ローミングを有効にすることを推奨します。


ワイヤレス ネットワーク内での音声 QoS の詳細については、「ワイヤレス ネットワークでの音声 QoS」、および『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Quality of Service (QoS)」を参照してください。

AP への関連付け

起動時、Cisco Cius は、記憶しているプロファイルのチャネルをスキャンします。Cisco Cius は、アクティブ スキャン(記憶しているプロファイルの場合)とパッシブ スキャン(ブロードキャストされている WLAN の場合)を実行します。Cisco Cius は、受信信号強度インジケータ(RSSI)変数を使用して、最適なAP を決定します。RSSI は、RF カバレッジ エリア内の使用可能な AP の信号強度を測定します。Cisco Cius は、検出された WLAN の 802.11 モード設定に基づいた周波数帯域に対して認証を試みます。

自動:Cisco Cius は、最大の RSSI 値を持つ AP に接続します。

5 GHz:Cisco Cius は、5 GHz チャネルと関連付けを行います。

2.4 GHz:Cisco Cius は、2.4 GHz チャネルと関連付けを行います。

Cisco Cius は、一致する SSID と暗号化タイプが設定されていて、RSSI が最大の AP と関連付けを行います。音声トラフィックが適切に処理されるように、AP に正しい QoS を設定する必要があります。

関連項目

「WLAN 内の音声通信のセキュリティ」

「VoIP WLAN の設定」

ワイヤレス ネットワークでの音声 QoS

ワイヤレス LAN 上の音声とビデオのトラフィックは、データ トラフィックの場合と同様に、遅延、ジッタ、およびパケット損失の影響を受けます。これらの問題はデータ ユーザに影響を与えることはありませんが、ボイスコールには重大な影響を及ぼします。音声トラフィックが、遅延やジッタの少ない、適時の信頼できる処理を確実に受けられるようにするには、QoS を実装し、音声/ビデオとデータに別々の仮想 LAN(VLAN)を使用する必要があります。音声とビデオのトラフィックを独立した VLAN 上に隔離することにより、音声パケットとビデオ パケットがネットワークを通過する際にそれらの処理を QoS によって優先させることができます。また、データ トラフィックにも、デフォルトのネイティブ VLAN ではなく、独立した VLAN を使用します。ネイティブ VLAN は、一般にすべてのネットワーク デバイス用に使用されます。

WLAN 上で音声接続とビデオ接続をサポートするネットワーク スイッチおよび AP には、次の VLAN の使用を推奨します。

ボイス/ビデオ VLAN:Cisco Cius との間で送受信される音声トラフィック

データ VLAN:その他のワイヤレス デバイスとの間で送受信されるデータ トラフィック

ネイティブ VLAN:AP 管理

ボイス/ビデオ VLAN とデータ VLAN には個別の SSID を割り当てます。WLAN で別の管理 VLAN を構成する場合は、SSID を管理 VLAN に関連付けしないでください。

Cisco Cius タブレットをボイス VLAN に分離し、より高い QoS を音声パケットに割り当てることで、音声トラフィックがデータ トラフィックよりも優先度の高い処理を確実に受けるようにできます。その結果、パケットの遅延や損失パケットを低下させることができます。

専用帯域幅を持つ有線ネットワークとは異なり、ワイヤレス LAN では、QoS の実装時にトラフィックの方向が重要になります。トラフィックは、図 4-2 に示されているように、AP からのアップストリームまたはダウンストリームに分類されます。

図 4-2 ワイヤレス ネットワークでの音声トラフィック

 

Cisco IOS release 12.2(11)JA 以降、Cisco Aironet AP は Enhanced Distributed Coordination Function(EDCF)と呼ばれるコンテンションベースのチャネル アクセス メカニズムをサポートしています。EDCF タイプの QoS には、ダウンストリーム(802.11b/g クライアント方向)QoS 用に最大 8 つのキューがあります。キューは次のオプションに基づいて割り当てることができます。

パケットの DiffServ コード ポイント(DSCP)設定

レイヤ 2 またはレイヤ 3 アクセス リスト

特定のトラフィックの VLAN

デバイスの動的登録

AP 上には最大 8 つのキューを保持できますが、キューを 2 つだけ使用して、可能な限り最高の音声 QoS が音声トラフィックで実現されるようにすることを推奨します。音声(RTP)トラフィックとシグナリング(SIP)トラフィックを最高プライオリティ キューに入れ、データ トラフィックをベストエフォート キューに入れます。802.11b/g EDCF では音声トラフィックがデータ トラフィックから保護される保証はありませんが、このキューイング モデルを使用することで、統計的に最高の結果が得られます。各キューは次のとおりです。

ベスト エフォート(BE):0、3

バックグラウンド(BK):1、2

ビデオ(VI):4、5

音声(VO):6、7


) コール制御(SIP)は、UP4(VI)として送信されます。アドミッション制御必須(ACM)がビデオに対して無効になっている場合(Traffic Specification(TSpec)無効)、ビデオは UP5(VI)として送信されます。ACM が音声に対して無効になっている場合(TSpec 無効)、音声は UP6(VO)として送信されます。


表 4-4 に、音声、ビデオ、およびコール制御(SIP)のトラフィックを優先する AP 上の QoS プロファイルを示します。

 

表 4-4 QoS プロファイルとインターフェイス設定

トラフィック タイプ
DSCP
802.1p
WMM UP
ポート範囲

音声

EF(46)

5

6

UDP 16384 ~ 32677

インタラクティブ ビデオ

AF41(34)

4

5

UDP 16384 ~ 32677

コール制御

CS3(24)

3

4

TCP/UDP 5060 ~ 5061

音声伝送の信頼性を高めるために、Cisco Cius は、IEEE 802.11e 業界規格をサポートし、Wi-Fi Multimedia(WMM)に対応しています。WMM は、音声、ビデオ、ベストエフォート データ、およびその他のトラフィックの差別化サービスを可能にします。ただし、これらの差別化サービスが音声パケットに十分な QoS を提供するために、一度に 1 つのチャネルで一定量の音声帯域幅だけが使用可能または許可されています。ネットワークが予約済み帯域幅で処理可能なボイスコールが「N」個で、音声トラフィックの量がこの制限を超えた(N+1 個のコール)場合、すべてのコールの品質が低下します。

VoIP の安定性とローミングの問題に対処するには、初期コール アドミッション制御(CAC)方式が必要です。WLAN 上で SIP CAC が有効になっている場合、アクティブなボイスコールの数が AP に設定された制限を超過しないように保証することで、ネットワークが過負荷の場合でも QoS が維持されます。ネットワークが輻輳している間、システムは、AP が「フル キャパシティ」の場合でも、ワイヤレス電話クライアントがネイバー AP へローミングできる程度の帯域幅の予約を維持します。音声帯域幅の制限に達すると、次のコールは、チャネル上の既存のコールの品質に影響を与えることなく、ネイバー AP にロード バランシングされます。

良好な音声品質を維持するために、接続されたイーサネット スイッチに QoS を実装することを推奨します。Cisco Cius によって設定されるサービス クラス(COS)値と DSCP 値を変更する必要はありません。


) ビデオ フレームの最適な伝送を行うために、DSCP、COS、および WMM UP マーキングが正しく表示されます。Cisco Cius では音声とビデオの CAC がサポートされていないため、SOP CAC を実装することを推奨します。


関連項目

「Cisco Unified Communications Manager との連携」

「認証方式」

「VoIP WLAN の設定」

Cisco Unified Communications Manager との連携

Cisco Unified Communications Manager は、ワイヤレス IP Phone(Cisco Cius を含む)のコールを処理しルーティングするネットワーク内のコール制御コンポーネントです。Cisco Unified Communications Manager は、電話会議やルート プランといった機能に必要な IP テレフォニー システムのコンポーネント(Cisco Cius タブレット、アクセス ゲートウェイ、およびリソース)を管理します。Cisco Cius を無線 LAN 上に導入するときは、Cisco Unified Communications Manager Release 8.5 以降と SIP プロトコルを使用する必要があります。

Cisco Unified Communications Manager から Cisco Cius タブレットが認識されるようになるには、そのタブレットが Cisco Unified Communications Manager に登録され、データベース内で設定される必要があります。Cisco Unified Communications Manager 内での Cisco Cius のセットアップ方法については、「Cisco Unified Communications Manager での Cisco Cius の設定」「製品固有オプションの設定」を参照してください。

Cisco Cius および IP デバイスと連携するように Cisco Unified Communications Manager を設定する方法の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide 』、 Cisco Unified Communications Manager System Guide 』、および『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』を参照してください。

WLAN 内の音声通信のセキュリティ

通信圏内にあるすべての WLAN デバイスは他の WLAN トラフィックをすべて受信できるため、WLAN 内の音声通信の保護は重要です。音声トラフィックが侵入者によって操作または傍受されることのないように、Cisco Cius と Cisco Aironet AP は Cisco SAFE セキュリティ アーキテクチャでサポートされています。ネットワーク内のセキュリティの詳細については、 http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns744/networking_solutions_program_home.html を参照してください。

ここでは、次の項目について説明します。

「認証方式」

「暗号化方式」

「AP の認証方式と暗号化方式の選択」

認証方式

Cisco Wireless IP テレフォニー ソリューションは、次の認証方式を使用して、不正サインインおよび改ざんされた通信を防止するワイヤレス ネットワーク セキュリティを提供します。

WPA(Wi-Fi Protected Access)

WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)

WPA-PSK(Wi-Fi Protected Access-Pre-Shared Key)

WPA2-PSK(Wi-Fi Protected Access 2-Pre-Shared Key)


) WPA2-PSK は、Cisco Cius 上では WPA/WPA2-PSK として表示されます。


EAP-FAST(Extensible Authentication Protocol-Flexible Authentication via Secure Tunneling)

PEAP(保護拡張認証プロトコル)


) EAP-FAST と PEAP は、802.1x EAP 選択経由で WPA/WPA2 を選択する際の 802.x オプションです。


CCKM(Cisco Centralized Key Management)


) CCKM は、WPA/WPA2 と組み合わせてオプションで使用できます。


WEP(Wired Equivalent Protocol)

Open

認証方式の詳細については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Wireless Security」を参照してください。

暗号化方式

音声トラフィックの安全性を確保するために、Cisco Cius では、次の暗号化方式がサポートされています。

AES(Advanced Encryption Scheme)

TKIP/MIC(Temporal Key Integral Protocol/Message Integrity Check)

WEP(Wired Equivalent Protocol)40/64 および 104/128 ビット

暗号化方式の詳細については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Wireless Security」を参照してください。

AP の認証方式と暗号化方式の選択

Cisco Cius でサポートされる認証方式と暗号化方式のリストについては、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Wireless Security」を参照してください。

関連項目

「Cisco Unified Wireless AP との連携」

「認証方式」

「暗号化方式」

「Cisco Unified Communications Manager との連携」

「VoIP ワイヤレス ネットワークのコンポーネント」

「VoIP WLAN の設定」

VoIP WLAN の設定

ここでは、WLAN に Cisco Cius を導入する際の設定のガイドラインについて説明します。次のトピックで構成されています。

「サポートされるアクセス ポイント」

「サポートされている AP およびモード」

「サポートされるアンテナ」

サポートされるアクセス ポイント

Cisco Cius は、Cisco 自律ソリューションおよび統合ソリューションの両方でサポートされています。最低バージョンと推奨バージョンは次のとおりです。

Cisco IOS アクセス ポイント(Autonomous)

最低 = 12.4(21a)JY

推奨 = 12.4(25d)JA 以降

Cisco Unified Wireless LAN Controller

最低 = 6.0.202.0

推奨 = 7.0.116.0 以降

現在の AP の推奨事項については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Wireless Security」を参照してください。

サポートされている AP およびモード

現在の AP の推奨事項については、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Wireless Security」を参照してください。


) 屋外 MESH テクノロジー(Cisco 1500 シリーズ)を介した Voice over the Wireless LAN(VoWLAN)はサポートされていません。


サードパーティ製のアクセス ポイントは、相互運用性を保証するためのテストが実施されていないため、サポートも保証も完全ではありません。ただし、アクセス ポイントが Wi-Fi 準拠ならば、基本的な相互運用性は実現されているはずです。一部の機能(CCX など)およびその他の重要な機能(WMM、Unscheduled Auto Power Save Delivery(U-APSD)、ダイナミック伝送パワー コントロール(DTPC)、プロキシ ARP、802.11d、802.11e、802.11i、802.11h、CCKM など)は利用できない可能性があります。

サポートされるアンテナ

サポートされるアンテナのリストについては、『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』の「Supported Antennas」を参照してください。

ワイヤレス LAN の設定

ワイヤレスが導入されている場所の Wi-Fi カバレッジがビデオ パケットおよび音声パケットの送信に最適であることを確認します。『 Cisco Cius Wireless LAN Deployment Guide 』を参照してください。 このマニュアルには、 次の設定に関する項が含まれています。

「Configuring Cisco Unified Communications Manager」

「Configuring the Cisco Wireless LAN Controller and Access Points」

「Configuring Cisco Cius」

Cisco Cius が WLAN に接続できるようになるには、適切な WLAN 設定で Cisco Cius のネットワーク プロファイルを設定する必要があります。Cisco Cius 上の [ネットワークのセットアップ(Network Setup)] メニューを使用して [WLAN のセットアップ(WLAN Setup)] サブメニューにアクセスし、WLAN 設定をセットアップすることができます。手順については、「[ワイヤレスとネットワークの設定(Wireless & network settings)] メニュー」を参照してください。

WLAN のトラブルシューティングについては、「WLAN のトラブルシューティング」を参照してください。