Cisco Unified SRST システム アドミニストレーション ガイド
E911 サービス
E911 サービス
発行日;2012/01/09 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 3MB) | フィードバック

目次

E911 サービス

内容

前提条件

制約事項

E911 サービスについて

概要

コール処理

バージョン 4.2(1) の新機能

携帯電話に関する注意事項

E911 サービスの実装の計画

既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用

ELIN の複数の用途

番号の変換

コール転送

自動転送

コール ブロッキング機能

コール ウェイティング

3 者間会議

ダイヤル ピアのロータリー

ダイヤル プラン パターン

発信者 ID のブロック

共有回線

E911 サービスの設定

緊急応答ロケーションの設定

前提条件

制約事項

緊急応答ゾーン内のロケーションの設定

前提条件

制約事項

E911 サービスの発信ダイヤル ピアの設定

緊急コール用のダイヤル ピアの設定

緊急応答ゾーン用のダイヤル ピアの設定

PSAP からのコールバック用のダイヤル ピアの設定

電話機への ERL の割り当て

前提条件

電話機の IP サブネットへの ERL の割り当て

電話機の ephone への ERL の割り当て

ダイヤル ピアへの ERL の割り当て

カスタマイズ設定値の設定

前提条件

制約事項

2 つの ELIN に対する address コマンドの使用

呼詳細レコードの有効化

RADIUS アカウンティング サーバからの出力

syslog サーバからの出力

show call history voice コマンドからの出力

E911 設定の確認

バージョン 4.2(1) のみ

バージョン 4.1 およびバージョン 4.2(1)

E911 サービスのトラブルシューティング

エラー メッセージ

E911 サービスの設定例

バージョン 4.2(1) のみ

バージョン 4.1 およびバージョン 4.2(1)

E911 サービスの機能情報

関連情報

E911 サービス

Revised: July 11, 2008

この章では、Enhanced 911(E911)サービス機能について説明します。

この章の機能情報について

お使いの Cisco Unified SRST バージョンによっては、この章に記載されている機能の一部または全部がサポートされていない場合があります。各機能をサポートしているバージョンのリストについては、「E911 サービスの機能情報」を参照してください。

前提条件

Cisco Unified SRST 4.1 以降のバージョン。

SCCP 電話機または SIP 電話機が Cisco Unified SRST サーバに登録されていること。

911 サービス プロバイダーの Public Safety Answering Point(PSAP)ごとに、最低 1 つの CAMA トランクまたは ISDN トランクが、Cisco Unified SRST から設定されていること。

お客様の音声ネットワークごとに 1 つの E911 ネットワークが設計されていること。

Cisco Unified SRST で FXS、FXO、SIP、または H.323 のトランク インターフェイスを使用できること。

制約事項

Cisco Unified SRST の E911 サービスは、Cisco Emergency Responder とインターフェイスしません。

911 を最後にコールした電話機に関する情報は、Cisco Unified SRST のリブート後は保持されません。

Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 および 7921 の場合、発信者のロケーションは、システム管理者が設定した静的(固定)情報でのみ決定されます。詳細については、「携帯電話に関する注意事項」を参照してください。

911 発信者の内線番号の変換先となる番号は、Emergency Response Location(ERL; 緊急応答ロケーション)ごとに 2 つの Emergency Location Identification Number(ELIN; 緊急ロケーション識別番号)に限られます。詳細については、「概要」を参照してください。

ELIN を複数の目的に使用すると、既存の Cisco Unified SRST 機能との間に予期しない相互作用が引き起こされる可能性があります。このような ELIN の多重使用の例には、ELIN を実際の電話番号(ephone-dn、voice register dn、または FXS destination-pattern)、コール ピックアップ番号、またはエイリアス再ルーティング番号として使用するように設定することなどがあります。詳細については、「ELIN の複数の用途」を参照してください。

E911 サービスの設定によっては、既存の Cisco Unified SRST 機能と相互作用して、予期しない動作の原因になることがあります。E911 サービスと既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用の詳細については、「既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用」を参照してください。

E911 サービスについて

ここでは、E911 サービスに関する次の情報について説明します。

「概要」

「コール処理」

「バージョン 4.2(1) の新機能」

「携帯電話に関する注意事項」

「E911 サービスの実装の計画」

「既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用」

概要

Cisco Unified SRST の E911 サービスを使用すると、911 オペレータは次のことを実行できます。

発信番号に基づいて、911 発信者のロケーションをすばやく正確に特定する

接続解除が発生した場合、911 発信者にコールバックする

この機能が導入されるまでは、Cisco Unified SRST では 911 への発信コールしかサポートされていませんでした。911 の基本機能では、コールは単に Public Safety Answering Point(PSAP)にルーティングされるだけでした。PSAP では、911 オペレータが発信者から口頭で緊急情報とロケーションを確認したうえで、救急車サービス、消防署、または警察から応答チームを派遣する必要がありました。また、カバーする管轄地区に基づいて、別の PSAP にコールをルーティングすることもできませんでした。

E911 サービスの場合、911 コールは、発信者のロケーションに基づいて、最も近い PSAP に選択的にルーティングされます。また、発信者の電話番号と住所が PSAP の端末に自動的に表示されます。このため、PSAP では、発信者がロケーションを伝えられなくても、すばやく緊急救助を派遣できます。また、発信者が途中で接続解除した場合でも、911 発信者への連絡に必要な情報は PSAP に残ります。

E911 サービスを使用するには、Cisco Unified SRST でサポートされるすべての電話機をカバーするのに必要な管轄地区ごとの緊急応答ロケーション(ERL)を定義する必要があります。ERL の管轄地区は、地域法によって決定されます。たとえば、ERL の最大床面積が 7,000 平方フィート未満であるために、ERL を建物のフロアごとに定義する必要があるとします。ERL は既知で特定のロケーションを定義するので、この情報は PSAP のデータベースにアップロードされます。911 の通信指令係は、この情報を使用して、緊急応答チームがすばやく発信者の位置を確認できるようにします。

PSAP では、911 発信者に割り当てられている ERL を特定するために、発信者の固有の電話番号を使用します。この番号は、緊急ロケーション識別番号(ELIN)とも呼ばれます。E911 サービスを使用するには、まず、各 ERL の ELIN と番地のリストを PSAP に提供する必要があります。この情報は、PSAP の ALI(Automatic Location Identification; 自動ロケーション識別)データベースに保存されます。通常は、電話システムをインストールしたときに、この情報を PSAP に提供します。

PSAP では、ALI データベースの住所情報を使用して、発信者のロケーションを検索できます。また、ELIN を使用して、指定の期限内に 911 発信者にコールバックできます。この期限は、Last Caller テーブルに適用されます。Last Caller テーブルは、PSAP に 911 発信者の ELIN を提供します。Last Caller テーブルに期限が指定されていない場合、デフォルトの有効期限は 3 時間です。

コール情報を一時的な Last Caller テーブルに保存するだけではなく、永続的な呼詳細レコードを設定することもできます。このようなレコードのアトリビュートは、RADIUS アカウンティング、syslog サービス、または CLI show コマンドから表示できます。

必要に応じて、各 ERL に設定する ELIN の数を、0、1、2 の中から選択できます。2 つの ELIN を設定した場合、ラウンドロビンのアルゴリズムを使用して、PSAP に送信される ELIN が選択されます。ERL の ELIN が定義されていない場合、PSAP では発信番号が表示されます。Cisco Unified SRST でダイヤルイン番号が使用されている場合や、コールが別の Cisco 音声ゲートウェイからのもので、すでに内線番号が ELIN に変換されている場合は、ELIN を定義しなくてもかまいません。

オプションで、911 発信者の IP Phone のアドレスがどのゾーンのどのロケーションの IP サブネットとも一致しない場合に PSAP が使用できるデフォルトの ELIN を定義します。このデフォルトの ELIN は、いずれかの ERL にすでに定義されている既存の ELIN でも、固有の ELIN でもかまいません。デフォルトの ELIN が定義されておらず、911 発信者の IP アドレスがどの ERL の IP サブネットとも一致しない場合は、デフォルトの ELIN が定義されていないことを示す syslog メッセージが発行され、元の ANI がそのままの状態となります。

タイムアウトの発生またはシステムの再起動により Last Caller テーブル内のコールバック情報が失われた場合、または他の何らかの理由で PSAP が発信者の ELIN またはデフォルト ELIN で 911 発信者に到達できない場合に使用される、指定コールバック番号を定義することもできます。

Last Caller テーブル内のデータの有効期限を指定したり、すべての緊急コールを通知する syslog メッセージを有効にしたりすることで、さらにシステムをカスタマイズできます。

大規模なインストレーションでは、オプションで、特定の ERL からのコールが特定の PSAP にルーティングされるように指定できます。これを行うには、緊急応答ゾーンを設定します。緊急応答ゾーンは、各ゾーン内の ERL のリストを示します。この ERL リストには、ロケーションのランキングも含まれます。このランキングは、複数の PSAP が存在する場合に ERL 検索順序を制御します。システム上のすべての 911 コールが 1 つの PSAP にルーティングされる場合は、緊急応答ゾーンを設定する必要はありません。

1 つ以上の ERL を 1 つのゾーンにグループ化できます。ゾーンは、PSAP のサービス対象領域に相当します。緊急コールが発信されると、設定されている緊急応答ゾーンで、任意の順序で ERL のサブセットを検索できます。ERL を必要な順序でランキングできます。

また、異なる PSAP に 911 コールを選択的にルーティングするためにゾーンが使用されます。選択的なルーティングを設定するには、固有のロケーションのリストでゾーンを作成し、各ゾーンを別の発信ダイヤル ピアに割り当てます。この場合、ゾーンは発信者の ERL に基づいてコールをルーティングします。緊急コールが発信されると、着信番号に一致する各ダイヤル ピアは、ゾーンのロケーション リストを使用して、発信電話機の IP アドレスに一致する IP サブネットを見つけます。ERL と ELIN が見つかった場合、ダイヤル ピアのインターフェイスを使用してコールがルーティングされます。ERL または ELIN が見つからない場合、次に一致するダイヤル ピアがそのゾーンをチェックします。


) 発信者の IP アドレスが、そのダイヤル ピアのゾーンのどのロケーションとも一致しない場合、最後に一致したダイヤル ピアがルーティングに使用され、デフォルトの ELIN が使用されます。

同じ宛先パターン(911)の複数のダイヤル ピアが存在し、ゾーンが異なる場合、特定の電話機からの 911 コールが必ず同じダイヤル ピアを使用するためには、プリファレンス フィールドを設定することにより、優先するダイヤル ピアの優先順位が最も高くなるように設定する必要があります。


同じゾーンでは、重複したロケーション タグを使用できません。ただし、複数のゾーンに同じロケーション タグを定義できます。同じゾーンに、重複したロケーション優先順位を入力できます。ただし、その場合は、既存のロケーションの優先順位が 1 つ大きい数値になります。たとえば、「location 36 priority 5」を設定してから、「location 19 priority 5」を設定すると、ロケーション 19 の優先順位は 5 ですが、ロケーション 36 は優先順位 6 になります。また、2 つのロケーションに優先順位 100 が割り当てられた場合、最初のロケーションは、優先順位 101 になるのではなく、優先順位のない最初のロケーションになります。

図15 に、911 サービスの設定例を示します。この例では、電話システムが複数の建物の複数のフロアからのコールを処理します。5 つの ERL が定義されており、ERL ごとに ELIN が 1 つ定義されています。PSAP では、ELIN は発信者の物理的な住所を ALI データベースで検索するのに使用されます。この例では、ビルティング 2 が San Francisco の PSAP の近くにあり、ビルティング 40 が San Jose の PSAP の近くにあります。したがって、この場合は、2 つの緊急応答ゾーンを設定して、911 コールが発信者に最も近い PSAP にルーティングされるようにすることをお勧めします。この例では、ビルティング 2 のすべての ERL を含む緊急応答ゾーンと、ビルディング 40 の ERL を含む別のゾーンを設定できます。緊急応答ゾーンを設定しない場合、911 コールは、発信ダイヤル ピアに設定されている宛先番号との一致に基づいてルーティングされます。

図15 E911 の実装

 

コール処理

Cisco Unified SRST で 911 コールが受信されたとき、最初は他のコールと同じように処理されます。Cisco Unified SRST では、着信番号を取得し、その着信番号にコールをルーティングするのに使用できるダイヤル ピアを検索します。

E911 機能を使用すると、発信ダイヤル ピアの宛先が PSAP かどうかを分析することもできます。発信ダイヤル ピアが emergency response zone コマンドで設定されている場合、コールが E911 処理を必要とすることがシステムに通知されます。発信ダイヤル ピアが emergency response zone コマンドで設定されていない場合、E911 機能はアクティブにならず、発信者の番号は ELIN に変換されません。

E911 機能がアクティブな場合、E911 処理の最初の手順として、発信者に割り当てられる ERL が決定されます。発信者の ERL は、次のいずれかの方法で決定されます。

明示的な割り当て:ERL が割り当てられている着信ダイヤル ピアに 911 コールが到着した場合、この ERL は自動的に発信者のロケーションとして使用されます。

暗黙的な割り当て:911 コールが IP Phone から到着した場合は、その IP アドレスが特定されます。E911 では、ERL で設定されている IP サブネットの 1 つで、発信者の電話機の IP アドレスが検索されます。ERL はタグ番号に従って順序リストとして格納され、各サブネットはリスト順に発信者の IP アドレスと比較されます。

発信者の ERL が特定された後、発信者の電話番号がその ERL の ELIN に変換されます。特定のコールに対して明示的にも暗黙的にも ERL が割り当てられていない場合は、IP Phone のデフォルトの ERL を定義できます。このデフォルトの ERL は、IP Phone 以外のエンドポイント(VoIP トランクや FXS/FXO トランクの電話機など)には適用されません。

コールの ELIN が決定された後、次の情報が Last Caller テーブルに保存されます。

発信者の ELIN

発信者の内線番号

コールが発信された時間

Last Caller テーブルには、各 ERL からの最後の緊急コールの発信者についての情報が格納されます。発信者の情報は、コールが発信されてから指定の有効期限が経過すると、テーブルから消去されます。期限が指定されていない場合、デフォルトの有効期限は 3 時間です。

911 コール情報が Last Caller テーブルに保存された後、システムは、発信者の ERL を含む緊急応答ゾーンが設定されているかどうか調べます。発信者の ERL を含む緊急応答ゾーンが設定されていない場合は、発信者の IP アドレスと照合するためにすべての ERL が順次検索され、適切な PSAP に 911 コールがルーティングされます。ERL がゾーンに含まれている場合は、そのゾーンに関連付けられている PSAP に 911 コールがルーティングされます。

適切な PSAP に 911 コールがルーティングされたら、E911 処理は完了です。その後、コール処理は基本コールの場合と同様に進行しますが、発信設定要求の際は発信番号が ELIN に置き換えられます。

図16 は、911 コール処理の手順をまとめたものです。

図16 911 コールの処理

 

ルータがリブートされるか、コールが発信されてから指定の有効期限(デフォルトでは 3 時間)が経過すると、911 オペレータは Last Caller テーブルでコールに関する情報を見つけることができません。その場合は、911 オペレータにリオーダー トーンが再生されます。このトーンが 911 オペレータに再生されないようにするには、「E911 サービスの発信ダイヤル ピアの設定」の説明に従ってデフォルトのコールバックを設定します。また、ダイヤル ピアでコール自動転送番号を設定して、オペレータか業務の窓口に転送されるようにします。

911 コールバック機能は最後の発信者をその内線番号で追跡するので、911 コールと 911 コールバックの間および有効期限内に ephone-dn の設定を変更すると、PSAP が最後の 911 発信者に正常に連絡できないことがあります。

2 つの 911 コールが同じ ERL の異なる電話機から短時間に発信された場合、Last Caller テーブルの最初の発信者の情報は、2 番目の発信者の情報で上書きされます。テーブルには 1 つの ERL につき 1 人の発信者の情報しか格納されないため、911 オペレータには最初の発信者への連絡に必要な情報が残りません。

ほとんどの場合、Cisco Emergency Responder が設定されていれば、Cisco Emergency Responder と同じ ELIN と ERL のデータを使用して、E911 サービスを設定する必要があります。

バージョン 4.2(1) の新機能

E911 サービスのバージョン 4.2(1) には、次の新機能が備わっています。

ゾーンへの ERL の割り当てによる、発信者に最も近い PSAP へのルーティングの有効化

E911 のカスタマイズ(デフォルト ELIN の定義、コールバック時に 911 発信者に到達できない場合の指定番号の設定、Last Caller テーブル内のデータの有効期限の指定、およびすべての緊急コールを通知する syslog メッセージの有効化)

E911 ロケーション情報の拡張による名前およびアドレスの追加

新しい永続的な呼詳細レコードの追加

トラブルシューティングのための新しいコマンドの追加

携帯電話に関する注意事項

地域保安当局は、プライマリ サイトから離れている電話機からの緊急コールに応答しない可能性があります。IP Phone が、最初に設定されたサイトから離れている場合は、IP Phone を緊急コールに使用しないでください。携帯電話のユーザには、下記のようなポリシーへの同意を求めることをお勧めします。

在宅勤務、遠隔オフィス、旅行などの場合の緊急コールには、ローカル側で設定されているホテル、オフィス、または自宅の固定電話を使用する必要があります。設定済みのサイトから離れているときに、リモートの IP 電話を緊急コールに使用する必要がある場合は、緊急応答機関やセキュリティ オペレーション センターの担当者に、ロケーション(国、市、州、番地など)についての特定情報を伝える必要があります。

このポリシーへの同意をもって、携帯電話ユーザは次のことを確認します。

この注意事項を理解していること

設定済みのサイトから離れているときは、リモートの IP Phone を緊急コールに使用しないよう注意することに同意していること

このポリシーへの応答や同意がない場合、携帯電話ユーザは、自分に関連付けられたすべての IP Phone が接続解除され、サービス継続の要望も実現されないことを承知したと見なされます。

E911 サービスの実装の計画

Cisco Unified SRST の E911 サービスを設定する前に、次の手順に従ってインストレーションを計画してください。


) この手順で説明する機能の中には、Cisco Unified SRST の一部のバージョンでしか使用できないものがあります。ご使用のバージョンで機能を使用できるかどうかを調べるには、「バージョン 4.2(1) の新機能」を参照してください。



ステップ 1 Cisco Unified SRST のサービスの対象となるサイト、および各サイトにサービスを提供する PSAP のリストを作成します。

各 PSAP への接続には CAMA または PRI インターフェイスを使用する必要があります。 表13 は、収集する必要のある情報の例を示しています。

 

表13 サイトと PSAP の情報

建物の名前と住所
担当する PSAP
コールがルーティング
されるインターフェイス

Building 2, 201 Maple Street, San Francisco

San Francisco, CA

ポート 1/0:D

Building 40, 801 Main Street, San Jose

San Jose, CA

ポート 1/1:D

ステップ 2 地域法を使用して、設定の必要な ERL の数を決定します。

National Emergency Number Association(NENA)のモデル法に従って、緊急応答チームがそのロケーション内で発信者の位置をすばやく確認できるほど明確にロケーションを指定します。 表14 に例を示します。

 

表14 ERL の計算

建物
床面積(平方フィート)
フロア数
必要な ERL の数

Building 2

200,000

3

3

Building 40

7000

2

1

ステップ 3 (オプション)ERL ごとに 1 つまたは 2 つの ELIN を割り当てます。

電話サービス プロバイダーに連絡して、ELIN として指定される電話番号を要求する必要があります。

ステップ 4 (オプション)各 ERL を緊急応答ゾーンに割り当て、発信者に一番近い PSAP に 911 コールをルーティングできるようにします。 voice emergency response zone コマンドを使用します。

ステップ 5 emergency response zone コマンドを使用して、911 発信者用に 1 つ以上のダイヤル ピアを設定します。

宛先パターンが異なる場合は、それに応じて複数のダイヤル ピアを設定する必要があります。

ステップ 6 emergency response callback コマンドを使用して、PSAP の 911 コールバック用に 1 つ以上のダイヤル ピアを設定します。

ステップ 7 各 ERL に電話機を割り当てるのに使用する方法を決定します。

次のいずれかを選択します。

同じサブネットにある電話機のグループの場合、ERL に IP サブネットを作成して、各電話機の IP アドレスを割り当てます。ERL ごとに 1 つまたは 2 つの固有の IP サブネットを作成できます。これが最も簡単に設定できるオプションです。 表15 に例を示します。

 

表15 ERL、説明、IP サブネット アドレス、および ELIN の設定例

ERL 番号
説明
IP アドレスの割り当て
ELIN

1

Building 2, 1st floor

10.5.124.xxx

408 555-0142

2

Building 2, 2nd floor

10.7.xxx.xxx

408 555-0143

3 & 4

Building 2, 3rd floor

10.8.xxx.xxx および 10.9.xxx.xxx

408 555-0144 および
408 555-0145

ephone テンプレートおよび音声レジスタ テンプレートの設定を使用して、ERL を電話機のグループに明示的に割り当てることができます。同じ機能セットを複数の ephone または SIP 電話機に適用する場合は、電話機に ERL を個々に割り当てるのではなく、これらのテンプレートを使用して時間を節約できます。

電話機に ERL を個々に割り当てることができます。ご使用の電話機のタイプに応じて、3 つの方法のいずれかを使用できます。ERL を電話機の次の設定に割り当てることができます。

ephone 設定

ダイヤル ピア設定

音声レジスタ プール設定

表16 に、これらの各オプションの例を示します。

 

表16 電話機ごとの明示的な ERL の割り当て

電話機の設定
ERL

Ephone 100

3

Dial-peer voice 213 pots

3

Dial-peer voice 214 voip

4

Voice register pool 1

2

ステップ 8 (オプション)911 発信者の IP Phone のアドレスがどのゾーンのどのロケーションの IP サブネットとも一致しない場合に PSAP に送信されるデフォルトの ELIN を定義します。

ステップ 9 (オプション)タイムアウトの発生またはシステムの再起動によりコールバック情報が Last Caller テーブルから削除された場合に使用される指定コールバック番号を定義します。

ステップ 10 (オプション)Last Caller テーブル内のデータの有効期限をデフォルトの 3 時間から変更します。

ステップ 11 (オプション)RADIUS アカウンティングまたは syslog サービスが永続的に呼詳細レコードを記録できるようにします。


 

既存の Cisco Unified SRST 機能との相互作用

E911 サービスは、既存の Cisco Unified SRST 機能の一部と相互に作用します。次の各機能との相互作用については、次の個別の項で説明します。


) ご使用の Cisco Unified SRST のバージョンによっては、次の機能の一部または全部がサポートされていない場合があります。


「ELIN の複数の用途」

「番号の変換」

「コール転送」

「自動転送」

「コール ブロッキング機能」

「コール ウェイティング」

「3 者間会議」

「ダイヤル ピアのロータリー」

「ダイヤル プラン パターン」

「発信者 ID のブロック」

「共有回線」

ELIN の複数の用途


注意 その他の目的で ELIN を使用すると、既存の Cisco Unified SRST 機能との間に予期しない相互作用が引き起こされる可能性があるので、避けることをお勧めします。

その他の目的で ELIN を使用する例としては、ELIN を実際の電話番号(ephone-dn、voice register dn、または FXS destination-pattern)、コール ピックアップ番号、またはエイリアス再ルーティング番号として使用するように設定することなどがあります。

ELIN を実際の電話番号として使用すると、その番号に発信されたときに問題が発生します。911 コールが発生し、最後の発信者の情報が Last Caller テーブルに残っている場合、外部の発信者は、実際の電話機ではなく、最後の 911 発信者に到達します。ELIN に使用されている電話番号を、実際の電話機と共有しないようにお勧めします。

ELIN と実際の電話機で同じ電話番号を使用していても、発信 911 コールには影響ありません。

番号の変換

E911 機能では、発信 911 コールの間に発信番号が ELIN に変換され、911 コールバックの間(PSAP から 911 発信者にコールバックしたとき)に着信番号が最後の発信者の内線番号に変換されます。番号の変換に別の方法を使用すると、E911 ソフトウェアによる次のような変換と矛盾する可能性があります。

dialplan-pattern:telephony-service モードで設定された内線番号にプレフィックス パターンを指定します。

num-exp:内線番号を完全な E.164 番号に拡張します。

着信番号と発信番号の voice-port 変換。

ダイヤル ピアの発信番号の変換。

ダイヤル ピアの translation-profile。

ダイヤル ピア、音声ポート、POTS 音声サービス、トランク グループ、トランク グループのメンバー、音声ソース グループ、call-manager-fallback、および ephone-dn に対して行われた音声変換プロファイル。

ephone-dn の変換。

voice register dn の発信変換。

上記の変換機能を設定すると、ELIN のパターンの一部となるようなパターンを変換した場合に、E911 機能に影響が及びます。発信 911 コールの場合、それらの機能によって、E911 の ELIN が別の電話番号に変換され、ALI データベースで検索できない電話番号が PSAP に伝えられる可能性があります。911 コールバックの電話番号(ELIN)が、E911 コールバック処理の前に変換された場合、E911 機能では最後の発信者の履歴を検索できません。

コール転送

Cisco Unified SRST 環境の電話機で、別の ERL にある別の電話機を含む PSAP への半在席転送または打診転送が実行された場合、PSAP では誤った ELIN が使用されます。PSAP には、転送されたユーザではなく、転送したユーザの ELIN が表示されます。

911 コールバック(PSAP から 911 発信者へのコールバック)や PSAP による転送への影響はありません。

正当な理由がある場合、911 発信者は PSAP を別のユーザに転送できます。そうでなければ、911 発信者を PSAP に接続しておくことをお勧めします。

自動転送

IP Phone のユーザが、PSAP への自動転送が設定された別の電話機にコールを発信した場合は、何の影響もありません。

自動転送を有効にした電話機を使用している 911 発信者に PSAP からコールバックした場合、PSAP はその 911 発信者以外のユーザにリダイレクトされます。

コール ブロッキング機能

営業時間外のコール ブロッキングなどの機能が有効な場合、システム管理者が 911 コールの例外を作成しない限り、発信 911 コールはブロックされます。

電話機にブロッキング機能(Do Not Disturb など)が設定されている場合、911 コールバックは 911 発信者に到達しません。

コール ウェイティング

PSAP との 911 コールが確立された後、コール ウェイティングによってコールが中断されることがあります。911 発信者には、オペレータを保留にするという選択肢もあります。保留操作は禁止されていませんが、911 発信者は、コールが終了するまで PSAP に接続したままにしておくことをお勧めします。

3 者間会議

911 発信者が PSAP と話すときに 3 者間会議を開始することは可能ですが、コールが終了するまで単独で PSAP に接続しておくことをお勧めします。

ダイヤル ピアのロータリー

911 発信者がダイヤル式の電話機を使用している場合は、 emergency response zone コマンドを使用して、コールが E911 コールとして処理されるように、それぞれのダイヤル ピアを設定する必要があります。そうしないと、E911 機能用に設定されていないダイヤル ピアで受信されたコールは通常のコールとして扱われ、ELIN の変換も行われません。

同じ宛先パターンを使用して 2 つのダイヤル ピアを別々の PSAP にルーティングするように設定しないでください。発信者の電話番号は 2 つの異なる ELIN には変換されないので、2 つのダイヤル ピアは別々の PSAP にルーティングされません。ただし、異なる宛先パターン(9911 と 95105558911 など)を使用してダイヤル ピアを設定すれば、コールを別々の PSAP にルーティングできます。サービス プロバイダーが特定の着信番号を要求する場合は、電話番号の変換機能を使用するか、プレフィックス番号や転送番号を追加して、2 番目のダイヤル ピア用に 95105558911 を 9911 に変更する必要があります。


ヒント emergency response zone コマンドと emergency response callback コマンドの両方を使用して同じダイヤル ピアを設定しないことをお勧めします。


ダイヤル プラン パターン

ダイヤル プラン パターンを使用すると、発信者の内線番号が完全修飾された E.164 番号に拡張されます。911 発信者の ERL が見つかると、拡張された番号が ELIN に変換されます。

911 コールバックの場合は、着信番号が 911 発信者の拡張された番号に変換されます。

発信者 ID のブロック

ephone または voice-port の設定で発信者 ID のブロック機能を設定すると、遠端ゲートウェイ デバイスで発信側情報の表示がブロックされます。PSAP で ELIN(発信側情報)を受け取る必要があるので、E911 コールが発信されるとこの機能は無効になります。

発信者 ID のブロック機能は、コールバックには影響しません。

共有回線

共有回線機能を使用すると、複数の電話機で同じ電話番号を共有できます。共有回線で着信コールが受信されると、それぞれの電話機で呼び出し音が鳴ります。最初にコールに応答したユーザだけが発信者に接続されます。

共有回線機能は、発信 911 コールには影響しません。

911 コールバックの場合は、その電話番号を共有するすべての電話機で呼び出し音が鳴ります。このため、911 発信者以外のユーザが電話に応答して PSAP に接続される場合があります。PSAP が 911 発信者だけと話す必要がある場合は、これが混乱の原因になる可能性があります。

E911 サービスの設定

ここでは、次の内容について説明します。

「緊急応答ロケーションの設定」(必須)

「緊急応答ゾーン内のロケーションの設定」(オプション)

「E911 サービスの発信ダイヤル ピアの設定」(必須)

「PSAP からのコールバック用のダイヤル ピアの設定」(必須)

「電話機への ERL の割り当て」(必須)

「カスタマイズ設定値の設定」(オプション)

「2 つの ELIN に対する address コマンドの使用」(オプション)

「呼詳細レコードの有効化」(オプション)

「E911 設定の確認」(オプション)

緊急応答ロケーションの設定

ERL には、0、1、または 2 つの ELIN を定義できます。ELIN が 1 つ定義されている場合、この ERL からコールを発信する電話機には、この ELIN が常に使用されます。ELIN を 2 つ定義した場合は、この ERL からコールを発信する電話機に、2 つの ELIN が交互に使用されます。ELIN を 1 つも定義しない場合、この ERL を使用する電話機からコールが発信されても、発信番号は変換されません。PSAP では、このような 911 コールの発信番号が表示されます。

複数の ERL が作成されている場合、E911 ソフトウェアでは ERL のタグ番号に従って使用する ELIN が決定されます。E911 ソフトウェアは、タグ 1 ~ 2147483647 の範囲で ERL を順番に検索します。ELIN の変換には、発信者の IP アドレスを含むサブネット マスクを持つ最初の ERL が使用されます。


voice emergency response location コマンドは、2 つの新しいオプションの ERL フィールド name および address を含むように拡張されました。name フィールドでは、管理目的で ERL の情報または説明を指定します。たとえば、name Bldg 20 3rd floor では、ERL 設定の目的を説明しています。address フィールドは、ERL の住所のカンマ区切りテキスト エントリです。この住所は、E911 ERL 設定の一部として保存されます。show voice emergency addresses コマンドとともに使用すると、住所情報をテキスト ファイルに保存できます。


前提条件

「E911 サービスの実装の計画」の説明に従って 911 設定を計画します。

Cisco Unified SRST バージョン 4.2(1) またはバージョン 4.1 がインストールされている必要があります。

「前提条件」に記載されている前提条件を参照してください。

制約事項

Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、 name フィールドおよび address フィールドを使用できません。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. voice emergency response location tag

4. elin [1 | 2] E.164 number

5. address address

6. name name

7. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voice emergency response location tag

 

Router(config)# voice emergency response location 4

ERL のパラメータを定義するために、emergency response location コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

elin [1 | 2] E.164 number

 

Router(cfg-emrgncy-resp-location)# elin 1 4085550100

(オプション)発信者の内線番号に代わる E.164 PSTN 番号である ELIN を指定します。この番号は、PSAP の端末に表示され、PSAP では ALI データベースを検索して発信者の位置を確認するのに使用されます。また、PSAP ではコールバックにも使用されます。オプションの elin 2 コマンドを使用して、2 番目の ELIN を定義できます。ERL の ELIN が定義されていない場合、PSAP では発信番号が表示されます。

ステップ 5

address address

 

Router(cfg-emrgncy-resp-location)# address I,604,5550100, ,184 ,Main St,Kansas City,KS,1,

(オプション)発信者の住所の Automatic Location Identification(ALI)データベース アップロードに使用される文字列を定義します。この文字列は、サービス プロバイダーが要求するレコード形式に従う必要があります。文字列は最大 247 文字です。

ステップ 6

name name

 

Router(cfg-emrgncy-resp-location)# name Bldg C, Floor 2

(オプション)緊急応答ロケーションを識別または説明するために内部で使用される 30 文字の文字列を定義します。

ステップ 7

end

 

Router(cfg-emrgncy-resp-location)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

緊急応答ゾーン内のロケーションの設定

緊急応答ゾーンの設定では、ロケーション タグを使用してゾーン内のロケーションのリストを作成します。ゾーン設定では、ロケーションのランキングが可能です。このランキングは、複数の PSAP が存在する場合に ERL 検索順序を制御します。システム上のすべての 911 コールが 1 つの PSAP にルーティングされる場合、 zone コマンドは使用されません。

前提条件

「緊急応答ロケーションの設定」の説明に従って、ERL を定義します。

Cisco Unified SRST バージョン 4.2(1) がインストールされている必要があります。

制約事項

Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、この機能を使用できません。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. voice emergency response zone tag

4. location location-tag [priority 1-100 ]

5. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voice emergency response zone tag

 

Router(config)# voice emergency response zone 10

緊急応答ゾーンのパラメータを定義するために、voice emergency response zone コンフィギュレーション モードを開始します。範囲は 1 ~ 100 です。

ステップ 4

location location-tag [priority 1-100 ]

 

Router (cfg-emrgncy-resp-zone)# location 8 priority 2

各ロケーション タグは、 voice emergency response location コマンドで作成したロケーション タグに対応する必要があります。ゾーンに含めるロケーションごとに、このコマンドを繰り返します。priority(オプション)では、ゾーン リスト内のロケーションをランク付けします。最も高い優先順位は 1 です。

ステップ 5

end

 

Router (config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

E911 サービスの発信ダイヤル ピアの設定

「E911 サービスの実装の計画」の説明に従って 911 設定を計画したときに、緊急応答ゾーンを設定すると決定したかどうかに応じて、次のいずれかの手順を使用します。

ゾーンを使用しないと決定した場合は、「E911 サービスの発信ダイヤル ピアの設定」を参照してください。

ゾーンを使用すると決定した場合は、「緊急応答ゾーン用のダイヤル ピアの設定」を参照してください。


) Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、ゾーンを使用できません。


緊急コール用のダイヤル ピアの設定

PSAP への緊急コール用のダイヤル ピアを作成する手順は、次のとおりです。このダイヤル ピアの宛先パターンは、通常、911 の変形(9911 など)になります。このダイヤル ピアでは、CAMA または PRI ネットワーク インターフェイス カードのポート番号が使用されます。新しい emergency response zone コマンドを使用すると、このダイヤル ピアで ELIN へのすべての発信コールの発信番号が変換されます。

前提条件

Cisco Unified SRST バージョン 4.2(1) またはバージョン 4.1 がインストールされている必要があります。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. dial-peer voice number pots

4. destination-pattern n 911

5. prefix number

6. emergency response zone

7. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

dial-peer voice number pots

 

Router(config)# dial-peer voice 911 pots

個々のダイヤル ピアのパラメータを定義するために、dial-peer コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

destination- pattern n 911

 

Router(config-dial-peer)# destination-pattern 9911

ダイヤルされた番号をテレフォニー デバイスと突き合せます。このコマンドで指定する番号は、E.164 またはプライベート ダイヤリング プランの電話番号です。E911 サービスの場合、通常、番号は 911 の変形になります。

ステップ 5

prefix number

 

Router(config-dial-peer)# prefix 911

(オプション)ダイヤル文字列がテレフォニー インターフェイスに渡される前に、文字列の先頭に自動的に追加されるプレフィックスを指定します。E911 サービスの場合、ダイヤル文字列は 911 の変形になります。

ステップ 6

emergency response zone

 

Router(config-dial-peer)# emergency response zone

システムで定義されているすべての ERL を PSAP にルーティングするのに使用されるように、このダイヤル ピアを定義します。

ステップ 7

end

 

Router(config-dial-peer)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

緊急応答ゾーン用のダイヤル ピアの設定

Cisco Unified SRST では、ダイヤル ピアに異なるゾーンを割り当てることにより、ERL に基づいて 911 コールを選択的にルーティングできます。 emergency response zone コマンドでは、911 コールをルーティングするダイヤル ピアおよび使用する音声インターフェイスを指定します。このコマンドのゾーン タグにより、そのゾーンに定義されている ERL だけを、そのダイヤル ピアでルーティングできるようになります。同じ緊急番号をダイヤルしている発信者が、その ERL を含むゾーンに基づいて、別の音声インターフェイスにルーティングされます。

前提条件

次の説明に従って、ERL および緊急応答ゾーンを定義します。

「緊急応答ロケーションの設定」

「緊急応答ゾーン内のロケーションの設定」

Cisco Unified SRST バージョン 4.2(1) がインストールされている必要があります。

制約事項

Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、この機能を使用できません。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. dial-peer voice number pots

4. destination-pattern n 911

5. prefix number

6. emergency response zone tag

7. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

dial-peer voice number pots

 

Router(config)# dial-peer voice 911 pots

個々のダイヤル ピアのパラメータを定義するために、dial-peer コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

destination-pattern n 911

 

Router(config-dial-peer)# destination-pattern 9911

ダイヤルされた番号をテレフォニー デバイスと突き合せます。このコマンドで指定する番号は、E.164 またはプライベート ダイヤリング プランの電話番号です。E911 サービスの場合、通常、番号は 911 の変形になります。

ステップ 5

prefix number

 

Router(config-dial-peer)# prefix 911

(オプション)ダイヤル文字列がテレフォニー インターフェイスに渡される前に、文字列の先頭に自動的に追加されるプレフィックスを指定します。E911 サービスの場合、ダイヤル文字列は 911 の変形になります。

ステップ 6

emergency response zone tag

 

Router(config-dial-peer)# emergency response zone 10

そのゾーンに定義されている ERL をルーティングするために使用されるように、このダイヤル ピアを定義します。

tag は、既存の設定済みゾーンを示します。範囲は 1 ~ 100 です。

ステップ 7

end

 

Router(config-dial-peer)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

PSAP からのコールバック用のダイヤル ピアの設定

PSAP からの 911 コールバック用のダイヤル ピアを作成する手順は、次のとおりです。このダイヤル ピアを使用すると、PSAP から ELIN を使用してコールバックできるようになります。このダイヤル ピアに適合するコールが到着すると、 emergency response callback コマンドによって、ELIN を最後に使用した発信者が検索され、着信コールの宛先電話番号が最後の発信者の内線番号に変換されます。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. dial-peer voice number pots

4. incoming called-number number

5. direct-inward-dial

6. emergency response callback

7. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

dial-peer voice number pots

 

Router(config)# dial-peer voice 100 pots

個々のダイヤル ピアのパラメータを定義するために、dial-peer コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

incoming called-number number

 

Router(config-dial-peer)# incoming called-number 4085550100

(オプション)着信番号に基づいて着信ダイヤル ピアを選択し、最後の発信者を識別します。この番号が ELIN です。

ステップ 5

direct-inward-dial

 

Router(config-dial-peer)# direct-inward-dial

(オプション)着信番号に対して、ダイヤルイン(DID)方式のコール処理を有効にします。詳細については、『 Cisco Voice, Video, and Fax Configuration Guide 』を参照してください。

ステップ 6

emergency response callback

 

Router(config-dial-peer)# emergency response callback

ダイヤル ピアを ELIN のダイヤル ピアとして識別します。

ステップ 7

end

 

Router(config-dial-peer)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

電話機への ERL の割り当て

Cisco Unified SRST のバージョン 4.2(1) でもバージョン 4.1 でも、同じ手順で ERL を電話機に割り当てることができます。所有する電話機のタイプに応じて、次のどの方法を使用するかが決まります。「E911 サービスの実装の計画」ステップ 7 を参照してください。次のいずれかの手順を使用します。

ERL を IP サブネットに割り当てるには、「電話機の IP サブネットへの ERL の割り当て」を参照してください。

ERL を電話機の ephone に割り当てるには、「電話機の ephone への ERL の割り当て」を参照してください。

ERL を電話機のダイヤル ピアに割り当てるには、「ダイヤル ピアへの ERL の割り当て」を参照してください。

前提条件

「緊急応答ロケーションの設定」の説明に従って、ERL および緊急応答ゾーンを定義します。

Cisco Unified SRST バージョン 4.2(1) またはバージョン 4.1 がインストールされている必要があります。

電話機の IP サブネットへの ERL の割り当て

通常、この手順は、電話機のグループが同じサブネットにある場合に使用します。1 つの ERL を 1 つまたは 2 つの固有の IP サブネットに関連付けることができます。したがって、この ERL で定義された ELIN が、特定のサブネットに含まれるすべての IP Phone で使用されるように、E911 ソフトウェアを設定できます。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. voice emergency response location tag

4. subnet [1 | 2] IPaddress mask

5. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voice emergency response location tag

 

Router(config)# voice emergency response location 4

ERL のパラメータを定義するために、emergency response location コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

subnet [1 | 2] IPaddress mask

 

Router(cfg-emrgncy-resp-location)# subnet 1 192.168.0.0 255.255.0.0

このロケーションに含まれる IP Phone のグループを定義します。最大 2 個の異なるサブネットを指定できます。

すべての IP Phone を 1 つの ERL に含めるには、 subnet 1 0.0.0.0 0.0.0.0 コマンドを使用して、デフォルトのサブネットを設定します。このサブネットは、IP Phone 以外のエンドポイント(VoIP トランクや FXS/FXO トランクの電話機など)には適用されません。

ステップ 5

end

 

Router(cfg-emrgncy-resp-location)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

電話機の ephone への ERL の割り当て

ERL を IP サブネットに関連付けるのではなく、ERL を電話機の ephone に割り当てる場合は、次の手順を実行します。詳細については、「E911 サービスの実装の計画」ステップ 7 を参照してください。


) この ERL 割り当て方法は、Cisco Unified SRST だけで使用でき、Cisco Unified SIP SRST では使用できません。


要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. ephone tag

4. emergency response location tag

5. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ephone tag

 

Router(config)# ephone 224

個々の ephone のパラメータを定義するために、ephone コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

emergency response location tag

 

Router(config-ephone)# emergency response location 12

ERL のタグを使用して、電話機の ephone 設定に ERL を割り当てます。タグは 1 ~ 2147483647 の範囲の整数です。ERL のタグが設定済みのタグではない場合、電話機は ERL に関連付けられず、包括的な ERL のサブネットの検索に電話機の IP アドレスがデフォルトで使用されます。

ステップ 5

end

 

Router(config-ephone)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ダイヤル ピアへの ERL の割り当て

FXS/FXO または VoIP のダイヤル ピアに ERL を割り当てる手順は、次のとおりです。これらのインターフェイスには IP アドレスが関連付けられていないので、ERL を IP サブネットに関連付けるように設定する代わりに、次の手順を使用する必要があります。詳細については、「E911 サービスの実装の計画」ステップ 7 を参照してください。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. dial-peer voice tag type

4. emergency response location tag

5. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

dial-peer voice tag type

 

Router(config)# dial-peer voice 100 pots

個々のダイヤル ピアのパラメータを定義するために、dial-peer コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

emergency response location tag

 

Router(config-dial-peer)# emergency response location 12

ERL のタグを使用して、電話機のダイヤル ピア設定に ERL を割り当てます。タグは 1 ~ 2147483647 の範囲の整数です。ERL のタグが設定済みのタグではない場合、変換は行われず、E911 の情報は Last Caller テーブルに保存されません。

ステップ 5

end

 

Router(config-dial-peer)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

カスタマイズ設定値の設定

カスタマイズできる E911 設定は、次のとおりです。

Elin :デフォルトの ELIN。911 発信者の IP Phone アドレスがどのゾーンのどのロケーションのサブネットとも一致しない場合は、デフォルトの ELIN を使用して元の Automatic Number Identification(ANI; 自動番号識別)が置き換えられます。デフォルトの ELIN は、いずれかの ERL にすでに定義されているものでも、固有のものでもかまいません。デフォルトの ELIN が定義されておらず、911 発信者の IP アドレスが一致しない場合、PSAP はコールバックするために ANI を参照します。デフォルトの ELIN を要求する syslog メッセージが送信され、PSAP は発信者のロケーション情報を入手できません。

Expiry :911 オペレータからのコールバックに備えて 911 コールが ELIN に関連付けられている時間(分単位)。コールバックの有効期限は、デフォルトでは 3 時間ですが、2 分~ 48 時間の範囲で任意の時間に変更することができます。911 コールが PSAP に送信された時点でタイマーが起動します。この有効期限内に、PSAP は ELIN にコールバックし、最後の発信者に到達できます。

Callback :911 コールバックの際に Last Caller テーブルから最後の 911 発信者を見つけることができない場合に連絡するデフォルトの電話番号。このような状況が発生するのは、ルータのリブート後または有効期限の経過後にコールバックが実行された場合です。

Logging :緊急コールが発信されるたびに syslog 情報メッセージがコンソールに出力されます。このようなメッセージは、サードパーティのアプリケーションが社内の緊急管理者に電子メール送信またはページングを行うために必要です。これはデフォルトの機能で、 no logging コマンドを使用して無効にできます。次に、syslog 通知メッセージの例を示します。

%E911-5-EMERGENCY_CALL_PLACED: calling #[4085550100] called
#[911] ELIN [4085550199]

前提条件

Cisco Unified SRST バージョン 4.2(1) がインストールされている必要があります。

制約事項

Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、この機能を使用できません。

要約手順

1. enable

2. configure terminal

3. voice emergency response settings

4. expiry time

5. callback number

6. logging

7. elin number

8. end

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

global コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

voice emergency response settings

 

Router(config)# voice emergency response settings

E911 コールのカスタマイズ可能な設定を定義するために、voice emergency response settings モードを開始します。

ステップ 4

expiry time

 

Router(cfg-emrgncy-resp-settings)# expiry 300

(オプション)各 ELIN の緊急コールの発信者の履歴情報が Last Caller テーブルに格納される期間(分単位)を定義します。この期間は、2 ~ 2880 分の範囲の整数です。デフォルト値は 180 分です。

ステップ 5

callback number

 

Router(cfg-emrgncy-resp-settings)# callback 7500

(オプション)911 コールバックの際に ELIN に関連付けられている最後の発信者を見つけることができない場合の E.164 コールバック番号(たとえば、会社のオペレータやメイン ヘルプ デスク)を定義します。

ステップ 6

logging

 

Router(cfg-emrgncy-resp-settings)# no logging

(オプション)すべての緊急コールを通知する syslog メッセージを有効にします。syslog メッセージを追跡して、社内のサポート番号にポケットベルまたは電子メールの通知を送信できます。デフォルトでは、ロギングが有効になっています。ロギングを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

ステップ 7

elin number

 

Router(cfg-emrgncy-resp-settings)# elin 4085550100

どの ERL にも、現在の 911 発信者の IP Phone アドレスに一致するサブネット マスクがない場合にデフォルトの ELIN として使用する E.164 番号を指定します。

ステップ 8

end

 

Router (cfg-emrgncy-resp-settings)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

2 つの ELIN に対する address コマンドの使用


) Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、この機能を使用できません。


2 つの ELIN が定義されている ERL の場合、1 つの address フィールドだけを使用して、ALI データベース内の各 ELIN の 2 つの住所エントリを指定することができません。特定の電話番号を入力するのではなく、キー フレーズを入力して各 ELIN を表します。 show voice emergency address コマンドでは、キー フレーズを ELIN 情報に置き換える出力が生成され、2 つの住所行が表示されます。

式を定義するには、キーワード elin (文脈に依存しない)を使用し、それに続けてピリオド、使用する ELIN の開始位置、およびもう 1 つのピリオドを入力して、最後に ELIN の終了位置を入力します。次の例を参考にしてください。

address I,ELIN.1.3,ELIN.4.7,678 ,Alder Drive ,Milpitas ,CA,95035
 

この例では、I に続く address の 2 番目のパラメータは各 ELIN の番号 1-3 です。3 番目のパラメータは各 ELIN の番号 4-7 です。 show voice emergency address コマンドを入力すると、出力ではキー フレーズが置き換えられ、次のように表示されます。

I,408,5550101,678,Alder Drive ,Milpitas ,CA,95035
I,408,5550190,678,Alder Drive ,Milpitas ,CA,95035

呼詳細レコードの有効化


) Cisco Unified SRST バージョン 4.1 では、この機能を使用できません。


内部ポリシーまたは外部規則に従うために、次の情報を含む 911 コール履歴データを保存することが必要になる場合があります。

発信者の内線番号

ELIN 情報

ERL 情報(整数タグおよびテキスト名)

発信者の電話機の IP アドレス

これらのアトリビュートは、RADIUS アカウンティング サーバおよび syslog サーバの出力から、または show call history voice コマンドを使用して表示できます。


) RADIUS サーバまたは syslog サーバがこれらの詳細を表示できるようにする必要があります。RADIUS サーバまたは syslog サーバのマニュアルを参照してください。


RADIUS アカウンティング サーバからの出力

RADIUS アカウンティングの場合、緊急コール情報は feature-vsa レコードの中にあります。各フィールドは、次のとおりです。

EMR:緊急コール

CGN:発信番号

ELIN:緊急回線識別番号(変換された番号)

CDN:着信番号

ERL:緊急応答ロケーションのタグ番号

ERLN:緊急応答ロケーションの名前(ERI が存在する場合は、ERI に対して入力された名前)

CIP:発信者の IP アドレス(暗黙的な ERL 割り当ての場合はゼロ以外)

ETAG:ERL タグ(明示的な ERL 割り当ての場合はゼロ以外)

次に、RADIUS サーバからの出力例を示します。

*Jul 18 15:37:43.691: RADIUS: Cisco AVpair [1] 202 "feature-vsa=fn:EMR

,ft:07/18/2007 15:37:32.227,frs:0,fid:6,fcid:A2444CAF347B11DC8822F63A1B4078DE,

legID:57EC,cgn:6045550101,elin:6045550199,cdn:911,erl:2,erln:Fisco,cip:1.5.6.200,etag:0"

syslog サーバからの出力

ゲートウェイ アカウンティングが syslog サーバに誘導された場合、VOIP_FEAT_HISTORY システム メッセージが表示されます。feature-vsa のパラメータは、RADIUS アカウンティングで説明したものと同じです。

次に、syslog サーバの出力例を示します。

*Jul 18 15:37:43.675: %VOIPAAA-5-VOIP_FEAT_HISTORY: FEAT_VSA=fn:EMR,ft:07/18/2007

15:37:32.227,frs:0,fid:6,fcid:A2444CAF347B11DC8822F63A1B4078DE,legID:57EC,cgn:6045550199,

elin:6045550100,cdn:911,erl:2,erln:ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ123,cip:1.5.6.200,etag:0,

bguid:A23F6AD7347B11DC881DF63A1B4078DE

show call history voice コマンドからの出力

show call active voice および show call history voice を使用して、ゲートウェイで緊急コール情報を表示します。一部の緊急コール情報は、既存のフィールドにすでに含まれています。発信者の番号は、 OriginalCallingNumber の下にあります。ELIN は TranslatedCallingNumber にあります。4 つの新しいフィールドは、ERL、ERL 名、発信側の電話機の IP アドレス、および明示的な ERL 割り当てです。これらのフィールドは、ELIN 変換が行われた場合にだけ表示されます。たとえば、ELIN が定義されていない ERL からの 911 コールの場合、 show call コマンドで 4 つの緊急フィールドは出力されません。どの ERL も発信側の電話機に一致せず、デフォルトの ELIN が使用された場合、ERL フィールドには No Match と表示されます。

次に、 show call history voice コマンドを使用した場合の出力例を示します。

EmergencyResponseLocation=3 (Cisco Systems 3)
ERLAssignment=3
DeviceIPAddress=1.5.6.202

E911 設定の確認

バージョン 4.2(1) のみ

E911 の設定または用途を表示するための新しい show コマンドが導入されました。

各 ERL の IP アドレス、サブネット マスク、および ELIN を表示するには、 show voice emergency コマンドを使用します。

Router# show voice emergency
 
EMERGENCY RESPONSE LOCATIONS
ERL | ELIN 1 | ELIN2 | SUBNET 1 | SUBNET 2
1 | 6045550101 | | 10.0.0.0 | 255.0.0.0
2 | 6045550102 | 6045550106 | 192.168.0.0 | 255.255.0.0
3 | | 6045550107 | 172.16.0.0 | 255.255.0.0
4 | 6045550103 | | 192.168.0.0 | 255.255.0.0
5 | 6045550105 | | 209.165.200.224 | 255.0.0.0
6 6045550198 | | 6045550109 | 209.165.201.0 | 255.255.255.224
 

各 ERL の住所情報を表示するには、 show voice emergency addresses コマンドを使用します。

Router# show voice emergency addresses
 
3850 Zanker Rd, San Jose,604,5550101
225 W Tasman Dr, San Jose,604,5550102
275 W Tasman Dr, San Jose,604,5550103
518 Bellew Dr,Milpitas,604,5550104
400 Tasman Dr,San Jose,604,5550105
3675 Cisco Way,San Jose,604,5550106
 

すべての ERL 情報を表示するには、 show voice emergency all コマンドを使用します。

Router# show voice emergency all
 
VOICE EMERGENCY RESPONSE SETTINGS
Callback Number: 6045550103
Emergency Line ID Number: 6045550155
Expiry: 2 minutes
Logging Enabled
 
EMERGENCY RESPONSE LOCATION 1
Name: Cisco Systems 1
Address: 3850 Zanker Rd, San Jose,elin.1.3,elin.4.10
IP Address 1: 209.165.200.226 IP mask 1: 255.255.255.254
IP Address 2: 209.165.202.129 IP mask 2: 255.255.0.0
Emergency Line ID 1: 6045550180
Emergency Line ID 2:
Last Caller: 6045550188 [Jan 30 2007 16:05.52 PM]
Next ELIN For Emergency Call: 6045550166
 
EMERGENCY RESPONSE LOCATION 3
Name: Cisco Systems 3
Address: 225 W Tasman Dr, San Jose,elin.1.3,elin.4.10
IP Address 1: 209.165.202.133 IP mask 1: 255.255.0.0
IP Address 2: 209.165.202.130 IP mask 2: 255.0.0.0
Emergency Line ID 1:
Emergency Line ID 2: 6045550150
Last Caller:
Next ELIN For Emergency Call: 6045550151
 

各ゾーンのロケーションを優先順位順に示したリストを表示するには、 show voice emergency zone コマンドを使用します。

Router# show voice emergency zone
 
EMERGENCY RESPONSE ZONES
zone 90
location 4
location 5
location 6
location 7
location 2147483647
zone 100
location 1 priority 1
location 2 priority 2
location 3 priority 3
 

バージョン 4.1 およびバージョン 4.2(1)

発信 911 コールで行われた変換を確認するには、 show voice emergency callers コマンドを使用します。このコマンドを実行すると、911 コールごとに発信番号、使用された ELIN、および時間が表示されます。この履歴は、コールの発信後 3 時間のみ有効です。有効期限を過ぎたコールは、この出力に表示されません。

router# show voice emergency callers
EMERGENCY CALLS CALL BACK TABLE
ELIN | CALLER | TIME
6045550100 | 6045550150 | Oct 12 2006 03:59:43
6045550110 | 8155550124 | Oct 12 2006 04:05:21

E911 サービスのトラブルシューティング


ステップ 1 debug voice application error コマンドおよび debug voice application callsetup コマンドを使用します。これらは既存のコマンドで、デフォルト セッションまたは TCL アプリケーションを使用して発信されたコールに対応します。

この例は、コールが 911 に発信されたときのデバッグ出力例を示しています。

router# debug voice application error
router# debug voice application callsetup
 
Nov 10 23:49:05.855: //emrgncy_resp_xlate_callingNum: InDialPeer[20001], OutDialPeer[911] callingNum[6046692003]
Nov 10 23:49:05.855: //ER_HistTbl_Find_CallHistory: 6046699100
Nov 10 23:49:05.855: //59//Dest:/DestProcessEmergencyCall: Emergency Call detected: Using ELIN 6046699100
 

この例は、PSAP から緊急コールの発信者にコールバックしたときのデバッグ出力例を示しています。

router# debug voice application error
router# debug voice application callsetup
 
Nov 10 23:49:37.279: //emrgncy_resp_xlate_calledNum: calledNum[6046699100], dpeerTag[6046699]
Nov 10 23:49:37.279: //ER_HistTbl_Find_CallHistory: 6046699100
Nov 10 23:49:37.279: //HasERHistoryExpired: elapsedTime[10 minutes]
Nov 10 23:49:37.279: //67//Dest:/DestProcessEmergencyCallback: Emergency Response Callback: Forward to 6046692003.
Nov 10 23:49:37.279: //67//Dest:/DestCaptureCallForward: forwarded to 6046692003 reason 1
 


 

エラー メッセージ

E911 機能には、新しいシステム エラー メッセージが導入されています。次のエラー メッセージは、911 コールバックが最後の 911 発信者にルーティングされない場合に表示されます。保存された履歴が、リブート、エントリの有効期限切れ、またはソフトウェア エラーによって消失したことが原因です。

%E911_NO_CALLER: Unable to contact last 911 caller.

E911 サービスの設定例

バージョン 4.2(1) のみ

この例では、緊急応答が次のように設定されています。

ELIN の一致が見つからない場合のデフォルト ELIN:604 555-0120

Last Caller テーブルの情報の有効期限:180 分

PSAP オペレータが 911 発信者にコールバックする必要があり、コールバック履歴の有効期限が切れていた場合のコールバック番号:604 555-0199

ゾーン 1 には 1、2、3、4 という 4 つのロケーション含まれ、各ロケーションの名前、住所、および ELIN が定義されています。4 つのロケーションにはそれぞれ、優先順位が割り当てられています。この例では、ロケーション 4 に最も高い優先順位が割り当てられているので、911 発信者の電話機に割り当てられている ELIN を識別するために IP サブネットの一致を検索する場合、ロケーション 4 が最初に検索されます。911 コールを PSAP にルーティングするようにダイヤル ピアが設定されています(音声ポート 1/0/0)。コールバック ダイヤル ピアも設定されています。

voice emergency response settings
elin 6045550120
expiry 180
callback 6045550199
 
voice emergency response location 1
name Bldg C, Floor 1
address I,604,5550135, ,184 ,Main St,Kansas City,KS,1,
elin 1 6045550125
subnet 1 172.16.0.0 255.255.0.0
!
voice emergency response location 2
name Bldg C, Floor 2
address I,elin.1.3,elin.4.7, ,184 ,Main St,Kansas City,KS,2,
elin 1 6045550126
elin 2 6045550127
subnet 1 192.168.0.0 255.255.0.0
!
voice emergency response location 3
name Bldg C, Floor 3
address I,604,5550138, ,184 ,Main St,Kansas City,KS,3,
elin 2 6045550128
subnet 1 209.165.200.225 255.255.0.0
subnet 2 209.165.200.240 255.255.0.0
!
voice emergency response location 4
name Bldg D
address I,604,5550139, ,192 ,Main St,Kansas City,KS,
elin 1 6045550129
subnet 1 209.165.200.231 255.255.0.0
!
voice emergency response zone 1
location 4 priority 1
location 3 priority 2
location 2 priority 3
location 1 priority 4
!
dial-peer voice 911 pots
description Public Safety Answering Point
emergency response zone 1
destination-pattern 911
port 1/0/0
!
dial-peer voice 6045550 voip
emergency response callback
destination-pattern 6045550...
session target loopback:rtp
codec g711ulaw
!
dial-peer voice 1222 pots
emergency response location 4
destination-pattern 6045550130
port 1/0/1
!
dial-peer voice 5550144 voip
emergency response callback
session target ipv4:1.5.6.10
incoming called-number 604555....
codec g711ulaw
!

バージョン 4.1 およびバージョン 4.2(1)

この例では、E911 サービスが次の対象に ERL を割り当てるように設定されています。

IP サブネット 10.20.20.0

2 つのダイヤル ピア

1 台の SIP 電話機

Router#show running-config
 
Building configuration...
 
Current configuration : 6241 bytes
!
version 12.4
service timestamps debug datetime msec
service timestamps log datetime msec
no service password-encryption
!
!
hostname rm-uut3-2821
!
boot-start-marker
boot-end-marker
!
no aaa new-model
network-clock-participate wic 1
network-clock-participate wic 2
no network-clock-participate wic 3
!
!
ip cef
no ip dhcp use vrf connected
!
ip dhcp pool sccp-7912-phone1
host 10.20.20.122 255.255.0.0
client-identifier 0100.1200.3482.cd
default-router 10.20.20.3
option 150 ip 10.21.20.218
!
ip dhcp pool sccp-7960-phone2
host 10.20.20.123 255.255.0.0
client-identifier 0100.131a.a67d.cf
default-router 10.20.20.3
option 150 ip 10.21.20.218
dns-server 10.20.20.3
!
ip dhcp pool sip-phone1
host 10.20.20.121 255.255.0.0
client-identifier 0100.15f9.b38b.a6
default-router 10.20.20.3
option 150 ip 10.21.20.218
!
ip dhcp pool sccp-7960-phone1
host 10.20.20.124 255.255.0.0
client-identifier 0100.14f2.37e0.00
default-router 10.20.20.3
option 150 ip 10.21.20.218
dns-server 10.20.20.3
!
!
no ip domain lookup
ip host rm-uut3-c2821 10.20.20.3
ip host RescuMe01 10.21.20.218
multilink bundle-name authenticated
!
isdn switch-type basic-net3
!
!
voice service voip
allow-connections h323 to h323
allow-connections h323 to sip
allow-connections sip to h323
allow-connections sip to sip
supplementary-service h450.12
sip
registrar server
!
!
voice register global
system message RM-SIP-SRST
max-dn 192
max-pool 48
!
voice register dn 1
number 32101
!
voice register dn 185
number 38301
!
voice register dn 190
number 38201
!
voice register dn 191
number 38202
!
voice register dn 192
number 38204
!
voice register pool 1
id mac DCC0.2222.0001
number 1 dn 1
emergency response location 2100
!
voice register pool 45
id mac 0015.F9B3.8BA6
number 1 dn 185
!
voice emergency response location 1
elin 1 22222
subnet 1 10.20.20.0 255.255.255.0
!
voice emergency response location 2
elin 1 21111
elin 2 21112
!
!
voice-card 0
no dspfarm
!
!
archive
log config
hidekeys
!
!
controller T1 0/1/0
framing esf
linecode b8zs
pri-group timeslots 8,24
!
controller T1 0/1/1
framing esf
linecode b8zs
pri-group timeslots 2,24
!
controller T1 0/2/0
framing esf
clock source internal
linecode b8zs
ds0-group 1 timeslots 2 type e&m-immediate-start !
controller T1 0/2/1
framing esf
linecode b8zs
pri-group timeslots 2,24
!
!
translation-rule 5
Rule 0 ^37103 1
!
!
translation-rule 6
Rule 6 ^2 911
!
!
interface GigabitEthernet0/0
ip address 31.20.0.3 255.255.0.0
duplex auto
speed auto
!
interface GigabitEthernet0/1
ip address 10.20.20.3 255.255.0.0
duplex auto
speed auto
!
interface Serial0/1/0:23
no ip address
encapsulation hdlc
isdn switch-type primary-5ess
isdn incoming-voice voice
no cdp enable
!
interface Serial0/1/1:23
no ip address
encapsulation hdlc
isdn switch-type primary-net5
isdn incoming-voice voice
no cdp enable
!
interface Serial0/2/1:23
no ip address
encapsulation hdlc
isdn switch-type primary-net5
isdn incoming-voice voice
no cdp enable
!
interface BRI0/3/0
no ip address
isdn switch-type basic-5ess
isdn twait-disable
isdn point-to-point-setup
isdn autodetect
isdn incoming-voice voice
no keepalive
!
interface BRI0/3/1
no ip address
isdn switch-type basic-5ess
isdn point-to-point-setup
!
!
ip http server
!
!
voice-port 0/0/0
!
voice-port 0/0/1
!
voice-port 0/1/0:23
!
voice-port 0/2/0:1
!
voice-port 0/1/1:23
!
voice-port 0/2/1:23
!
voice-port 0/3/0
!
voice-port 0/3/1
!
!
dial-peer voice 2002 pots
shutdown
destination-pattern 2....
port 0/2/0:1
forward-digits all
!
dial-peer voice 2005 pots
description for-cme2-408-pri
emergency response location 2000
shutdown
incoming called-number 911
direct-inward-dial
port 0/2/1:23
forward-digits all
!
dial-peer voice 2004 voip
description for-cme2-408-thru-ip
emergency response location 2000
shutdown
session target loopback:rtp
incoming called-number 911
!
dial-peer voice 1052 pots
description 911callbackto-cme2-3
shutdown
incoming called-number .....
direct-inward-dial
port 0/1/1:23
forward-digits all
!
dial-peer voice 1013 pots
description for-analog
destination-pattern 39101
port 0/0/0
forward-digits all
!
dial-peer voice 1014 pots
description for-analog-2
destination-pattern 39201
port 0/0/1
forward-digits all
!
dial-peer voice 3111 pots
emergency response Zone
destination-pattern 9....
port 0/1/0:23
forward-digits all
!
dial-peer voice 3121 pots
emergency response callback
incoming called-number 2....
direct-inward-dial
port 0/1/0:23
forward-digits all
!
!
call-manager-fallback
max-conferences 8 gain -6
transfer-system full-consult
ip source-address 10.20.20.3 port 2000
max-ephones 3
max-dn 3 dual-line preference 1
system message primary SRST-UUT3-2851
keepalive 45
!
!
line con 0
exec-timeout 0 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
scheduler allocate 20000 1000
!
end
 
rm-uut3-2821#$
 
 

E911 サービスの機能情報

表17 は、各バージョンにおける E911 サービスの機能拡張を示しています。

特定の Cisco Unified SRST バージョンをサポートする正確な Cisco IOS リリースを確認するには、『 Cisco Unified Communications Manager Compatibility Matrix 』を参照してください。このドキュメントは、次の URL から入手可能です。
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cucm/docguide/6_1_2/dg612.html#wp1028473

プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を参照するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator では、特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームをサポートしている Cisco IOS ソフトウェアを確認できます。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、 http://www.cisco.com/go/cfn に移動してください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。


表17 は、所定の機能に対するサポートが導入された Cisco Unified SRST のバージョンを示しています。特に断りのない限り、その機能は以降のバージョンの Cisco Unified SRST ソフトウェアでもサポートされます。


 

表17 E911 サービスの機能情報

機能名
リリース
機能情報

E911 サービスのアップデート

4.2(1)

ゾーンへの ERL の割り当て

デフォルト ELIN の定義、指定コールバック番号の追加、Last Caller テーブル内のデータの有効期限の変更、緊急コールを通知する syslog メッセージの有効化

911 発信者データへの名前および住所の追加

新しい呼詳細レコードの追加

トラブルシューティングのための新しいコマンドの追加

E911 サービス

4.1

E911 サービスが導入されました。

関連情報

Cisco Unified SRST の監視および保守については、「Cisco Unified SRST の監視と保守」に進んでください。

追加情報については、「Cisco Unified SRST の概要」「その他の資料」を参照してください。