Cisco Collaboration 9.xソリューション リファレンス ネットワーク デザイン(SRND)
IP テレフォニーの移行オプション
IP テレフォニーの移行オプション
発行日;2013/10/03 | 英語版ドキュメント(2013/09/09 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 30MB) | フィードバック

目次

IP テレフォニーの移行オプション

この章の新規情報

共存か、または移行か

移行の前提条件

Unified Communications の移行

マルチサイト企業における QSIG の必要性

IP テレフォニーの移行の概要

集中型 Unified Communications 配置

どの Unified Communications サービスを最初に移行するか

物理サーバから仮想マシンへの移行

Cisco IM and Presence の移行

UnifiedCM へのビデオ デバイスの移行

Cisco Enterprise License Manager(ELM)へのライセンスの移行

IP テレフォニーの移行オプション

この章では、アプリケーションの個別の Cisco Unified Communications ファミリが旧リリースまたは既存のサードパーティの配置からどのように移行できるかについて説明します。この章では、個々のスタンドアロン通信コンポーネントを統合 Cisco Unified Communications システムに移行するための複数の方法についても説明します。この章のトピックは、使用するプロトコルや必要な機能に基づく技術的視点ではなく、カスタマーまたはビジネスの視点から説明しています。

移行やアップグレードの任意の形式を検討する場合、お客様は正常な結果を確認できるように、最初に( http://tools.cisco.com/ITDIT/vtgsca/VTGServlet で)『 Cisco Unified Communications Compatibility Tool 』を参照する必要があります。たとえば、一部のアプリケーションは非常に初期のソフトウェア リリースから開始する場合があるため、アップグレード多段階が必要になる可能性があります。同様に、ソフトウェアの互換性とともに、サーバ ハードウェアが多段階ハードウェアおよびソフトウェアのアップグレードの組み合わせが必要になる場合があります。

強力な考慮事項は、現在展開されているシステムで相互インターワーキングの互換性を制限する複数のアプリケーションがある可能性があるため、他の Unified Communications アプリケーションにも与える必要があります。

この章の新規情報

表 28-1 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に改訂されたトピックの一覧を示します。

表 28-1 新規情報、またはこのマニュアルの以前のリリースからの変更情報

新規トピックまたは改訂されたトピック
説明箇所
改訂日

Unified CM にビデオ デバイスを移行

「Unified CM へのビデオ デバイスの移行」

2013 年 4 月 2 日

物理マシンから仮想マシンへの移行

「物理サーバから仮想マシンへの移行」

2012 年 6 月 28 日

Cisco IM and Presence の移行

「Cisco IM and Presence の移行」

2012 年 6 月 28 日

ライセンスの移行および Cisco Enterprise License Manager(ELM)

「Cisco Enterprise License Manager(ELM)へのライセンスの移行」

2012 年 6 月 28 日

共存か、または移行か

これは、回答する必要がある重要な質問です。

共存とは、通常、2 つ以上のシステムが長期間(6 ヵ月を超える任意の期間)にわたって共存することを意味します。このシナリオでは、PBX、ボイスメール、またはその他のいずれの機能であっても、機能の透過性が重要な考慮事項になります。必要な機能の透過性レベルを実現するために、既存のシステムへの投資やアップグレードが必要となる場合があります。

移行は、通常、短期間(6 ヵ月未満の任意の期間)で実施します。このシナリオでは、ユーザは、移行が「短い」期間で完了することを認識しているため、既存の機能のサブセットをより許容しやすくなります。この「短い」期間については、多くの場合、既存のシステム機能で十分であるため、一般的に、移行では共存よりもコストが少なくなります。

移行の前提条件

カスタマーは、任意の Unified Communications サービスを実装する前に、基盤となる IP インフラストラクチャが「UC 対応」(冗長性、ハイ アベイラビリティ、Quality of Service(QoS)、インライン パワー イーサネット ポートなど)となっていることを確認する必要があります。詳細については、「ネットワーク インフラストラクチャ」の章を参照してください。

ユーザのビジネス ニーズは、主要なシステム要件(たとえば、電話ハンティング、タレット タイプの電話、またはマネージャ/アシスタントの必要性など)を特定するときに重要な役割を果たすため、移行中にフィーチャーや機能が保存または変換されて、同党の動作が提供されます。さまざまなデバイスとソフトウェアの機能とバージョンのリストを参照して、サポート内容を理解することができます。通常、すべての要件(FAX/モデム、環境制御システムなど)が適切に特定および考慮されるように、何らかのサイト サーベイまたはユーザ サーベイを実行する必要があります。

Unified Communications の移行

Unified Communications システム(または該当する個々の Unified Communications サービス)への移行には、次の 2 つの方法があります。

段階的な移行

この方法は、通常、配置する Unified Communications サービスを中心とした、小規模な試用から開始します。カスタマーが Unified Communications サービスの試用に慣れたあと、移行を開始します。この場合は、ユーザのグループを一度に 1 つずつ Unified Communications サービスの実稼働バージョンに移動します。

並行カットオーバー

この方法は、段階的アプローチと同様に開始しますが、試用が進行し、カスタマーが納得した時点で、すべてのユーザを一度に新しい Unified Communications サービスにカットオーバーする日時を選択します。

並行カットオーバーには、段階的な移行に比べて次の利点があります。

並行カットオーバーを採用した場合、予期しない事態が発生したとき、最小限の労力で、基本的に以前の状態のままのシステムに戻すことができる、バックアウト計画を使用できます。たとえば、PBX からの段階的な移行の場合、IP テレフォニー ゲートウェイからの着信 PSTN トランクを PBX に転送して戻すだけで、ユーザに対してサービスを復元できます。

並行カットオーバーを採用すると、ライブ トラフィックを伝送する前に、Unified Communications サービスの設定を確認できます。このシナリオでは、Unified Communications サービスのカットオーバー前に任意の期間実行できるため、すべてのユーザ情報(電話機、ゲートウェイ、ダイヤル プラン、メールボックスなど)を適切に設定できます。

加入者がカットオーバー前の都合のよいときに Unified Communications サービスを調べたり使用したりできるようにすることによって、ゆとりを持ってトレーニングを実行できます。

システム管理者は、「利害共同体」のために特別なプロビジョニングを行う必要はありません。段階的な移行では、コール ピックアップ グループ、ハント グループ、シェアド ラインなどの機能の完全性の維持を考慮する必要があります。これらのアソシエーションは、並行カットオーバーで完全な Unified Communications サービスに移行するときに、簡単に決定できます。

並行カットオーバーには、サポートするインフラストラクチャを含み、Unified Communications サービスのために最初の時点で十分な資金が必要になるという短所があります。これは、サービスを提供する前に、サービス全体を配置する必要があるためです。一方、段階的な移行では、必要となったときにシステムの個々のコンポーネントを購入できます。このアプローチでは、完全に配置する前に、小規模な試用システムから開始できます。

いずれかの方法が正しいというわけではなく、それぞれのカスタマーの環境と優先事項に応じて、最適なオプションが決まります。

例 28-1 IP テレフォニーの段階的な移行

このアプローチは、通常、主要な企業 PBX に接続された IP テレフォニーの小規模な試用を伴います。使用するシグナリング プロトコルの選択は、必要な機能および実装コストによって決まります。Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)では、通常の PSTN タイプ PRI や QSIG PRI、および H.323 と SIP をサポートしています。これらのオプションのうち、QSIG PRI は、通常、任意の 2 つのシステム間に最高レベルの機能透過性を提供します。

PSTN タイプ PRI は、基本的なコール接続および自動番号識別(ANI)を提供します。このプロトコルで発信者名情報がサポートされる場合もあります。このレベルの接続は、すべての PBX で使用できるため、最もコストがかからないオプションと見なされます。つまり、PBX は、PRI を介してパブリック ネットワークに接続できる場合、Unified CM に接続できます。これは、Unified CM が接続の「ネットワーク」側として設定できるためです。

PSTN タイプ PRI または QSIG では、段階的な移行のプロセスが似ています。ユーザをグループ単位で PBX から Unified CM に移動しますが、一度にグループを 1 つずつ移動して、移行を完了します。

約 60 のビルに分散された 23,000 人ものユーザで構成されている Cisco San Jose キャンパスでは、この方法で IP テレフォニーへの移行が行われました。週末ごとに 1 つのビルという割合で、開始から完了までちょうど 1 年かかりました。選択されたビル内のすべてのユーザが特定され、金曜日の夜に、それらのユーザの内線番号が PBX から削除されました。同時に、PBX ルーティング テーブルへの追加が行われ、これらの内線番号にダイヤルしたすべての人が正しい PRI トランクを通じてルーティングされ、Unified CM に配信されるようにしました。週末の間に、ユーザの新しい内線番号が Unified CM に作成され、新しい IP Phone が該当するオフィス ロケーションに届けられ、月曜日の朝には使用できる準備が整っていました。このプロセスは、すべてのユーザが移行されるまで、各ビルに対して繰り返されました。

例 28-2 IP テレフォニーの並行カットオーバー

すべての IP Phone およびゲートウェイが完全に設定および配置され、ユーザのデスク上には IP Phone と PBX 電話機の両方が同時に置かれます。このアプローチでは、システムをテストする機会だけでなく、新しい IP Phone にユーザが慣れる機会を提供します。発信専用のトランクも IP テレフォニー システムに接続できるため、新しい IP Phone を使用して外部コールおよび内部コールを発信する機会がユーザに提供されます。

IP テレフォニー システムが完全に配置された時点で、着信 PSTN トランクを PBX から IP テレフォニー ゲートウェイに移動して新しいシステムを完全なサービスに移行する日時を選択できます。IP テレフォニー システムの運用に確信を持てるまで、PBX をそのまま残しておき、確信できた時点で PBX の使用を停止することもできます。

Cisco San Jose キャンパスのボイスメール サービスは、23,000 人ものユーザにサービスを提供する 4 つの Octel 350 システムによって行われていました。Cisco Unity サーバがインストールされ、ユーザのメールボックスが設定されました。ユーザは、新しいアクセス番号をダイヤルして自分の Unity メールボックスにアクセスできます。これにより、自分の名前とグリーティングを録音し、また同時に新しいテレフォニー ユーザ インターフェイス(TUI)に慣れることができます。約 2 週間後、Unified CM 一括管理ツール(BAT)の更新が金曜日の夜に実行され、話中転送番号と無応答転送番号(CFB/CFNA)、および Unity システムへのすべてのユーザの Messages ボタンの宛先番号が変更されました。月曜日の朝に仕事に戻ったときには、Unity によるサービスがユーザに提供されていました。Octel 350 システムは 1 ヵ月間そのまま残されたため、Octel 350 システムの使用停止までに、ユーザは Octel 350 システムに残っていたすべてのメッセージに応答できました。

マルチサイト企業における QSIG の必要性

1 つのロケーションだけで構成される企業もあれば、複数のサイトで構成される企業もあります。企業によっては、遠く離れた場所に分散している可能性もあります。マルチサイト企業用の PBX ネットワークは、通常、独自のプロトコル(Avaya DCS、Nortel MCDN、Siemens CorNet、NEC CCIS、Fujitsu FIPN、Alcatel ABC など)を実行する T1 トランクまたは E1 PRI トランクをロケーションに応じて使用して接続されています。これらの独自のネットワーキング プロトコルによって、PBX はエンド ユーザ間に高レベルの機能透過性を提供できます。

QSIG は、異なるベンダーが提供する PBX の相互接続を可能にするために開発されたため、同様のレベルの機能透過性を実現します。

QSIG をサポートすることで、Unified CM を大規模な企業ネットワークに導入できると同時に、ユーザ間の機能透過性も維持できます。PBX ロケーションは、IP テレフォニーに適宜変換できます。

ただし、短期間で PBX の使用を停止する場合、PBX 上で QSIG をすでに有効にしているか、または PBX の追加機能が特に必要である場合を除き、PBX のアップグレード コストは妥当ではありません。たとえば、PBX を 2 ~ 3 ヵ月で使用中止にする予定である場合、PBX で QSIG を有効化するのに 30,000 ドルかけるのは有益ではありません。

IP テレフォニーの移行の概要

IP テレフォニーの移行の 2 つの方法はいずれも適切に機能し、いずれか一方が正しいということはありませんが、ほとんどの場合、並行カットオーバーの方法が、より適切に機能します。また、大規模な企業では、QSIG を使用して Unified CM を企業ネットワークの一部に組み込むことによって、いずれの移行方法にも改良を加えることができます。

シスコは、Unified CM システムと PBX システム間の相互運用性テスト専用の実験施設を持っています。このテストの結果は、次の Web サイトに公開されているアプリケーション ノートとして入手できます。

http://www.cisco.com/go/interoperability

このアプリケーション ノートは頻繁に更新され、この Web サイトには新しいドキュメントが絶えず追加されています。この Web サイトを頻繁に確認して、最新情報を入手してください。

集中型 Unified Communications 配置

企業が Unified Communications の集中型配置を選択した場合は、次の 2 つのオプションがあります。

外側から開始し、中央サイトに向かって内側に進める(つまり、最も小さいサイトから最も大きいサイトへ)。

中央サイトから開始し、エッジに向かって外側に進める。

ほとんどのカスタマーは、次の利点があるため、最初のオプションを選択します。

すべての Unified Communications サービスを完全に配置したあと、Unified Communications をリモート ロケーションに配置する前に小規模な試用を実行できる。

Unified Communications の配置は、一度に 1 つずつのロケーションで実行でき、以降のロケーションは適宜移行できる。

このオプションは、Unified Communications のコア サービスが中央サイトに配置されたあとには、実装コストが最も低くなる。

IT スタッフは、中央サイトに移行する前に、小規模サイトの移行時に貴重な経験を積むことができる。

リモート サイトは、並行アプローチで移行する必要がありますが、中央サイトは、並行または段階的のいずれかのアプローチを使用して移行できます。

どの Unified Communications サービスを最初に移行するか

この選択は、カスタマーの個別のビジネス ニーズに大きく依存します。また、Cisco Unified Communications ソリューションによって、個々のサービスのほとんどを他のサービスとは独立して配置できます。たとえば、IP テレフォニー、ボイス メッセージング、コンタクト センター、およびコラボレーションは、すべて互いに独立して配置できます。

この機能により、大幅な柔軟性がカスタマーにもたらされます。あるカスタマーが、ボイスメール システムのサポートが終了したことによって、顧客満足度の低下につながるさまざまな問題を抱えているとします。多くの場合、Cisco Unity は現在の PBX とともに配置および統合できるため、この問題を解決できます。新しいボイスメール システムが適切に運用されるようになったあと、次の Unified Communications サービス、つまり IP テレフォニーに取り組むことができます。

物理サーバから仮想マシンへの移行

このタイプの移行は、Cisco Media Convergence Server(MCS)の物理的なクラスタに配置された Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)のシステムから Cisco Unified Computing System(UCS)仮想マシンに配置された Unified CM のシステムへの移行を示します。このタイプの移行を実行する最も簡単な方法は、ディザスタ リカバリ サービス(DRS)メソッドによるものです。ただし、一部のお客様の環境は「デッド ネット」と呼ばれるものを含む別のアプローチを必要とする場合があります。デッド ネットでは、新しい仮想マシンのシステムをサービス状態にする前に分離環境で設定およびテストできます。これは最初のバックアップ プロセスから取得したユーザ データがフリーズすると見なされるため、バックアップ前に発生した変更が再入力される必要があることを意味します。一方、DRS/サーバの交換方式は、引き続き稼働して、より多くのリスクを伝送するクラスタで実行されます。

DRS バックアップおよび復元先のサーバの交換メソッドは、Unified CM クラスタの各物理サーバでバックアップ操作を行い、対応する仮想マシンへのバックアップを復元することで実行されます。これはシリアル プロセスであり、関連するサーバの数と使用可能な停止期間によって、完了に時間を要する場合があります。このアプローチは Cisco Unified CM Bulk Administration Tool(BAT)を経由してデータベースの再インポートを単に行うことが好ましく、バックアップが行われたときに完全にクラスタ(たとえば、カスタム保留音ファイル、デフォルト以外の TFTP ファームウェア ファイル、さまざまな Unified CM サービスの状態など)の状態をキャプチャする利点があります。

サーバの交換および IP の再指定に示されるように、仮想マシンに既存の MCS を移動するために適切に定義されたプロセスが現在あります。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Replacing a Single Server or Cluster for Cisco Unified Communications Manager 』の最新バージョンを参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/prod_installation_guides_list.html

Cisco IM and Presence の移行

Cisco Unified Presence の配置のリリース 8. x への移行は、Cisco Unified Presence 7. x からだけサポートされています。バージョン 7. x から 8. x に移行した場合、Cisco Unified Presence クラスタ上のユーザ割り当てはサーバ単位で維持されます。

Cisco Unified Presence の移行には、次のガイドラインが適用されます。

複数のクラスタを使用した Cisco Unified Presence 7. x の配置では、Cisco Unified Presence 8. x にアップグレードする前に、クラスタ内の各サーバでプレゼンス エンジンを非アクティブにする必要があります。プレゼンス エンジンは、すべてのサーバを Cisco Unified Presence 8. x にアップグレードした後だけに再アクティブ化してください。

複数のクラスタを使用した Cisco Unified Presence 7. x の配置では、すべてのクラスタを同時に Cisco Unified Presence 8. x にアップグレードすることを推奨します。

Cisco Unified Presence の配置をバージョン 8. x に移行すると、別の標準プロトコル XMPP が導入され、Jabber XCP アーキテクチャが追加されます。Cisco Unified Personal Communicator 7. x 、Microsoft Office Communications Server とのドメイン間フェデレーション、およびサードパーティ製のアプリケーションのすべてで、SIP/SIMPLE サブスクリプションが作成されます。アクティブな SIP/SIMPLE サブスクリプションの数は、Real-Time Monitoring Tool(RTMT)の Active Subscription カウンタを使用して参照できます。Cisco Unified Presence 8. x では、これらのサブスクリプションは SIP Federation Connection Manager を使用して管理されます。アクティブな SIP/SIMPLE サブスクリプションの数が非常に多い場合(20,000 を超える場合)や、アップグレード後にサブスクリプションが失敗するようになった場合は、SIP Federation Connection Manager のサービス パラメータ Pre-allocated SIP stack memory (bytes) を現在のデフォルト値の 2 倍の値に設定することを推奨します。

Cisco Unified Communications システムの 9.0 以降のリリースについては、同じバージョンを常時実行するには、Cisco Unified CM と Cisco IM and Presence サービスが必要です。

Cisco IM and Presence サービス(9.0 以降のリリース)は下位互換性をサポートすることによって、複数の Cisco Unified Presence システムを持つカスタマーに、これらのシステムを長期間にわたってアップグレードする機会を提供します。(図 28-1 を参照)。

図 28-1 大規模な企業での下位互換性を持たせた移行

 

Unified CM へのビデオ デバイスの移行

Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)9. x によって制御されているビデオ エンドポイントは、ビデオ中心の Cisco Video Communications Server(VCS)とともに使用できる機能のサブセットのみをサポートします。ただし、Cisco Unified CM に移行すると、単一の呼制御エージェントにある他の機能の考慮事項や統合ダイヤル プランなどの利点を提供できます。次のガイドラインは、Unified CM へのビデオ エンドポイントの移行に適用されます。

技術的機能(コーデックまたはコンテンツ共有を行う機能など)が完全にサポートされ、移行によって何らかの機能が失われることがないことを確認します。

段階的な移行を行うと、しばらくの間、ユーザはバックアップとして既存の電話機を所有しながら、新しいデバイスに習熟することができるため、段階的移行はこの目的を達成するために最も広く使用される方法です。

ユーザが良いエクスペリエンスを得られるように、十分なネットワーク キャパシティを提供します。ビデオ解像度が高まるにつれ、音声専用コールと比較した場合よりも高い帯域幅が必要になります。

ダイヤル プランと関連するゲートウェイ(ISDN H.320 ゲートウェイなど)、およびアプリケーション サーバ(会議サーバおよびブリッジなど)を移行します。

エンドポイントについては、エンドポイントのバージョンがアップグレードされるか、一部のデバイスで異なるライセンスが必要な場合は、必要な追加ライセンスを検討します。

システム管理ツールは、多数のエンドポイントがある場合や、エンドポイントにより多くのバック エンド管理やサポートが必要な場合に非常に役立つ可能性があります。

組織はデバイスの種類、実行可能性、および必要なタスクの範囲を評価して、Unified CM へのビデオ デバイスの移行が可能な限り効率的かつ効果的に行われるようにできます。

Cisco Enterprise License Manager(ELM)へのライセンスの移行

Cisco Unified Communications システムの 9.0 以降のリリースは Device License Unit(DLU)の概念から離れて、ユーザベースのライセンスを実装することによって、カスタマー実際に購入するものと一致させます。この新しいライセンス モデルは、Cisco Enterprise License Manager(ELM)の管理下にもなっています。ELM の詳細については、「Enterprise License Manager」の項を参照してください。

ELM をサポートするこれらの製品の場合は、カスタマーは http://www.cisco.com/go/license で Cisco Product License Registration Portal から引き続きライセンスを取得後、各製品のインスタンスの代わりに ELM へインポートできます。すでに Cisco Unified Communications を配置しているお客様は、次のプロセス(図 28-2 に示される)を使用して既存のライセンスを Cisco Unified Communications システム 9. x ライセンスに移行できます。

1. 9. x への変換の前にすべての Unified Communications 製品のライセンスを取得します。

未取得の Product Activation Key(PAK)を取得し、Unified Communications 製品にライセンスをインストールします。Product Activation Key は、製品に付属しています。バージョン 9. x への移行前に未取得のライセンスをインストールすると、これらの未取得のライセンスを新しい Unified Communications 9. x と同等のライセンスに変換できます。

この手順は、すべての 9.0 以前のライセンを移行するために必要であり、バージョン 9. x への移行 に行う必要があります。システムがバージョン 9. x にアップグレードされた後、Unified Communications 9. x が別のライセンシング インフラストラクチャを使用するため、未取得の PAK は使用できません。

http://www.cisco.com/go/license の製品ライセンス登録に移動します。

2. Cisco Unified Communications システム 9. x ソフトウェアを注文します。

お客様が代替方法(たとえば、Cisco Software Download Web サイト)でまだ Unified Communications 9. x ソフトウェアにアクセスできない場合だけ、このステップが必要です。

3. Cisco Unified Communications システム 9. x ソフトウェアを受け取ります。

4. Unified Communications 製品(Cisco Unified Communications Manager、Cisco Unity Connection など)をアップグレードします。

ELM はアップグレードの一部としてインストールされます。ライセンスの移行を実行するには ELM をインストールする必要があるため、アップグレードはライセンスを移行する前に実行する必要があります。

5. ELM 製品のインベントリに Unified Communications 製品のインスタンスを追加します。これは Cisco Unified Communications Manager 9. x ライセンスの設定の正常な一部で、ライセンスの移行のために必要です。

製品のインスタンスが追加されると、現在のライセンス情報(Unified CM の場合の未使用の DLU を含む)が ELM に自動的に送信されます。この情報は、移行されるユーザ ライセンスのタイプを決定するために ELM のアップグレード ライセンス(移行)ユーティリティで使用します。

6. アップグレードされるライセンスを表示および変更するには、ELM のアップグレード ライセンス(移行)ユーティリティを使用します。

この手順は、新しい Unified Communications システム 9. x のユーザ ライセンスに移行される実際のライセンスを決定します。これは、既存のライセンスを表示し、ライセンスの移行を計画し、ライセンスの移行を選択し、アップグレード ライセンス要求を生成することができます。

前述のとおり、このアップグレード ライセンス(移行)変換は一度だけ実行できます。したがって、移行されるライセンスを適切に決定することが非常に重要です。

7. ライセンスの移行要求を生成します。

ライセンスの移行要求には、前のステップから決定されたライセンス情報が含まれ、新しい Unified Communications System 9. x のユーザ ライセンスが関連付けられる ELM の識別情報も含まれます。要求から生成されたこの情報は、新しいライセンスを生成するために Cisco Product License Registration サイトに送信されます。

8. 製品ライセンス登録にライセンス移行の要求を送信します。 http://www.cisco.com/go/license にある Cisco Product License Registration サイトに移動します。[Get New] を選択後、[Migration License] および [Cisco Unified Communications 9.0] を選択します。ELM からのライセンス移行要求の内容を要求に貼り付け、要求を完了します。


) この要求が送信されると、新しい追加ライセンスを購入しない限り、ライセンスのタイプと数量をさらに変更できません。


9. ライセンス ファイルを受け取ります。ライセンス ファイルが送信された要求から生成され、電子メールで license@cisco.com から送信されます。

10. ライセンス ファイルをインストールします。ELM にシスコから送信されたライセンス ファイルをインストールします。ELM License Management から、[Licenses] > [Install License File] に移動します。これで 9.0 よりも前のライセンスは移行して使用可能になりました。

図 28-2 9.0 よりも前の Cisco Unified Communications システムをアップグレードするプロセス

 

参考資料

ソフトウェアのダウンロード:シスコ ソフトウェアの最新の更新、パッチとリリースを取得します。

http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html

製品ライセンス登録

http://www.cisco.com/go/license