Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド
WAN QoS
WAN QoS
発行日;2012/01/07 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

WAN QoS

ポイントツーポイント WAN

フレーム リレー WAN

ATM WAN

ATM フレーム リレー WAN

WAN QoS

この付録に説明されている内容は、メインガイド『Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド』の第 5 章「ワイドエリア ネットワークの実装」に対応しています。説明の順序は、メインガイドでの説明の順序に従っています。

メインガイド『Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド』の第 4 章「ワイドエリア ネットワークの実装」からの IP テレフォニー QoS 推奨事項については、現時点では、QPM でサポートされていません。したがって、メインガイドの第 4 章は、この付録の内容とは対応していません。

ポイントツーポイント WAN

LFI(Link fragmentation and interleaving)は、WAN リンク上の重要な IP テレフォニー QoS メカニズムで、768 kbps 未満のリンク速度での過大なシリアライゼーション遅延を防ぐためのものです。ただし、LFI は、ポイントツーポイント プロトコル(PPP)ではサポートされていません。サポートされるのは、マルチリンク PPP(MLP)プロトコル上だけです。この付録に示す例は、メインガイドの内容に対応しており、速度が 768 kbps 未満のポイントツーポイント WAN リンク(マルチリンク PPP が設定されている)を前提としています。

WAN ルータを QPM に追加またはインポート後、最初のステップは、通常どおり、デバイスグループの作成です。同じ Cisco IOS バージョン(12.1(3)T またはそれ以上を推奨 ― この場合は、12.1(5)T が使用されています)を実行する装置上にすべての MLP リンクを組み込みます。インターフェイスの QoS Property を Class Based QoS に設定し、ボックス Enable IP RTP Header Compression をチェックし、ボックス Enable LFI もチェックして、Maximum Delay(millisec)を 10 と入力します。すべての MLP インターフェイスをこのデバイスグループに追加します(セントラル サイトとリモート サイトの両方から)。MLP WAN 設定を、図 C-1 に要約します。

図 C-1 WAN MLP インターフェイス(<768 kbps)用のデバイスグループ プロパティ

 

メインガイドの MLP を介した VoIP のための LLQ に記載されている設定と同様に、Out 方向で適用される新しい QoS ポリシーを作成します。これは IP Precedence = 5 または DSCP = 46(EF)で VoIP トラフィックを識別します。リンク速度の 40 % について低遅延キュー(LLQ)をプロビジョニングします(この場合、リンク速度は 256 kbps であり、したがって、40 % は約 100 kbps になります)。Bandwidth(%)フィールドの横にある Priority ボックスをチェックすると、LLQ がイネーブルになります。この VoIP LLQ ポリシーを設定するための QoS ポリシー ウィザードを、図 C-2 に示します。

図 C-2 VoIP(ToS = 5/DSCP = 46)LLQ ポリシー用の QoS ポリシー ウィザード画面

 


) DSCP = 46 および DSCP = EF は、IP ToS バイトの最初の 6 ビットについての 101110 という 2 進数設定への同義語参照です。


Out 方向に適用される 2 つ目のポリシーを作成します。これは IP Precedence = 3 または DSCP = 26 (AF31)で VoIP 制御トラフィックを識別します。5 % の VoIP 制御トラフィックのための必要最小限の帯域幅保証をプロビジョニングします。このポリシーのための QoS ポリシー ウィザードの画面を、図 C-3 に示します。

図 C-3 VoIP 制御保証 BW = 5 % 用の QoS ポリシー ウィザード画面

 


) VoIP 制御トラフィック ポリシーのための Queueing Properties ダイアログ ボックスで Priority にチェックをしないでください。チェックすると、LLQ がイネーブルになるため、VoIP 制御トラフィック(VoIP RTP 専用に予約済み)用にお奨めできるシナリオではなくなります。


その他のすべてのトラフィックが均等化キューイング(WFQ)を使用できるようにする最終ポリシーを 1 つ作成します。必ず、 WFQ キューイングが適用されるフィルタの Class-Default オプション ボタンを選択してください。このデフォルト WFQ ポリシーのための QoS ポリシー ウィザードのステップを、図 C-4 に示します。

図 C-4 クラスデフォルト WFQ ポリシー用の QoS ポリシー ウィザード画面

 

図 C-5 に、MLP インターフェイスデバイスグループ上で設定された QoS ポリシーの要約を示します。

図 C-5 MLP インターフェイスデバイスグループに対するポリシーの要約

 

この組み合わされた MLP を介した VoIP ポリシーのプレビュー配置を、図 C-6 に示します。

図 C-6 MLP を介した VoIP ポリシーのための CLI のプレビュー

 

これらのコマンドは、MLP WAN リンクのための『Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド』の推奨事項( MLP を介した VoIP のための LLQ)に対応しています。

フレーム リレー WAN

すべてのフレーム リレー(親)インターフェイスに対する新しいデバイスグループを作成します。 Interface Type frame-relay に設定し、 Group Contains セクションで、 Interfaces のオプション ボタンを選択します。 QoS Property Class-based QoS に設定し、次にボックス Enable Frame-Relay Traffic Shaping にチェックしますが、フィールドには何も値を入力しないでください。セントラル サイトとリモート サイトの両方からすべてのフレーム リレー親インターフェイスをグループに追加します。Device Group Properties ボックスは、図 C-7 のようになります。

図 C-7 フレーム リレー親インターフェイスに対するデバイスグループ プロパティ

 

すべてのフレーム リレー サブインターフェイスに対する 2 つ目のデバイスグループを作成します。 Interface Type を frame-relay に設定し、 Group Contains セクションで、 Sub Interfaces with FRTS のオプション ボタンを選択します。 QoS Property Class-based QoS に設定します。 Enable Frame-Relay Traffic Shaping ボックスは、すでにチェックされていて、グレー表示されているはずです(親インターフェイスからの継承プロパティ)。 Rate (CIR)および Burst Size (Committed Burst rate つまり Bc)を入力します。 Enable IP Header Compression ボックスをチェックします。リンク速度が 768 kbps 未満の場合、フレーム リレー フラグメント化 12(FRF.12)をイネーブルにしてシリアライゼーション遅延を減らすことができます。FRF.12 をイネーブルにするには、ボックス Enable Voice Configuration にチェックをして、 Fragment Byte フィールドに 320 と入力します。この値は、メインガイドの 表 5-2 からのものです。

セントラル サイトおよびリモート サイトの両方から、すべてのフレーム リレー サブインターフェイスをグループに追加します(それらサブインターフェイスは同じ速度のものであると仮定します。そうでない場合は、速度に応じて別個のデバイスグループおよびバンドルを使用します)。Device Group Properties ボックスは、図 C-8 のようになります。

図 C-8 フレーム リレー サブインターフェイスに対するデバイスグループ プロパティ

 


ワンポイント・アドバイス VoIP および VoIP 制御トラフィックを保護するためのモジュラ QoS(MQC)ポリシーは前述の例「ポイントツーポイント WAN」と同じであるため、これらのポリシーを右クリックして COPY を選択し、さらに新しいフレーム リレーデバイスグループをクリックして PASTE を選択すると、目的のポリシーをこの新しいデバイスグループにコピーして貼り付けることができます。


これらを(コピーするのではなく)構築することが必要な場合は、フレーム リレー サブインターフェイスのためのデバイスグループをクリックし、さらに Policy ウィンドウ パネルを右クリックして New QoS Policy を選択することによって開始します。

VoIP トラフィックのためのフィルタは、 IPP = 5 または DSCP =4 6 です。このフローを、(メインガイドの フレーム リレーを介した VoIP のための LLQ と一貫するように) bandwidth 40 % についてプロビジョニングされた LLQ に割り当てます。必ず、bandwidth フィールドの横にある Priority ボックスをチェックします。これは、LLQ をイネーブルにするのに必要であるためです。この VoIP ポリシーのための QoS ポリシー ウィザード画面を、図 C-9 に示します。

図 C-9 VoIP(ToS = 5/DSCP = 46)LLQ ポリシーに対する QoS ポリシー ウィザード画面

 

IPP = 3 または DSCP = 26 を設定して、VoIP 制御トラフィックを識別するために 2 つ目の New QoS Policy を作成します。これにより、リンク速度の 5 % というこの制御トラフィックのための最小限必要な bandwidth が確保されます。この VoIP ポリシーのための QoS ポリシー ウィザード画面を 図 C-10 に示します。

図 C-10 VoIP 制御保証 BW = 5 % 用の QoS ポリシー ウィザード画面

 


) VoIP 制御トラフィック ポリシーのための Queueing Properties ダイアログ ボックスで Priority をチェックしないでください。チェックすると、LLQ がイネーブルになるため、VoIP 制御トラフィック(VoIP RTP 専用に予約済み)用にお奨めできるシナリオではなくなります。


最後に、3 つ目の New QoS Policy を作成して、 Class-default キューイング アルゴリズムを WFQ に設定します。必ず、 WFQ キューイングが適用されるフィルタに対する Class-Default オプション ボタンを選択してください。このデフォルト WFQ ポリシーのための QoS ポリシー ウィザードのステップを、図 C-11 に示します。

図 C-11 クラスデフォルト WFQ ポリシーのための QoS ポリシー ウィザード画面

 

図 C-12 に、フレーム リレー サブインターフェイスデバイスグループ上で設定された QoS ポリシーの要約を示します。

図 C-12 フレーム リレー サブインターフェイスデバイスグループ上のポリシーの要約

 

この組み合わされたフレーム リレーを介した VoIP QoS ポリシー セットのプレビュー配置を、図 C-13 に示します。

図 C-13 フレーム リレーを介した VoIP のための CLI のプレビュー

 

これらのコマンドは、フレーム リレー WAN リンクのための『Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド』の推奨事項(メインガイドの フレーム リレー WAN 上の LFI 用の FRF.12 を参照)に対応しています。

ATM WAN

すべての ATM 仮想テンプレート インターフェイス(メインガイドの interface ATM2/0.38 point-to-point および interface ATM2/0 の例に対応しているもの)に対して新しいデバイスグループを作成します。 Interface Type Any に設定し、 Group Contains セクションで、 Interfaces のオプション ボタンを選択します。 QoS Property Class-based QoS に設定します。万一 ATM リンク速度が 768 kbps 未満の場合、ATM を介した MLP(MPoATM)により LFI をイネーブルにできます。LFI をイネーブルにするには、 Enable LFI というタイトルのボックスをチェックします。セントラル サイトおよびリモート サイトの両方からすべての ATM 仮想テンプレート インターフェイスをグループに追加します(それらインターフェイスは同じ速度のものであると仮定します。速度が同じでない場合は、リンク速度に応じて別個のデバイスグループおよびバンドルを使用します)。Device Group Properties ボックスは、図 C-14 のようになります。

図 C-14 ATM 仮想テンプレート インターフェイスのためのデバイスグループ プロパティ

 


) メインガイド( ATM WAN)に指示されているとおり、cRTP は ATM 接続に対してはサポートされていません。



ワンポイント・アドバイス VoIP および VoIP 制御トラフィックを保護するためのモジュラ QoS(MQC)ポリシーは前述の例「ポイントツーポイント WAN」および「フレーム リレー WAN」と同じであるため、これらのポリシーを右クリックして COPY を選択し、さらに新しいフレーム リレーデバイスグループをクリックして PASTE を選択すると、目的のポリシーをこの新しいデバイスグループにコピーして貼り付けることができます。


これらを(コピーするのではなく)構築することが必要な場合は、ATM 仮想テンプレート インターフェイスのためのデバイスグループをクリックし、さらに Policy ウィンドウ パネルを右クリックして New QoS Policy を選択することによって開始します。

VoIP トラフィックのためのフィルタは、 IPP = 5 または DSCP =46 6 です。このフローを、(メインガイドの フレーム リレーを介した VoIP のための LLQ と一貫するように) bandwidth 40 % についてプロビジョニングされた LLQ に割り当てます。必ず、bandwidth フィールドの横にある Priority ボックスをチェックします。これは、LLQ をイネーブルにするのに必要であるためです。この VoIP ポリシーのための QoS ポリシー ウィザード画面を、図 C-15 に示します。

図 C-15 VoIP(ToS = 5/DSCP = 46)LLQ ポリシーのための QoS ポリシー ウィザード画面

 

IPP = 3 または DSCP = 26 を設定して、VoIP 制御トラフィックを識別するために 2 つ目の New QoS Policy を作成します。これにより、リンク速度の 5 % というこの制御トラフィックのための最小限必要な bandwidth が確保されます。この VoIP ポリシーのための QoS ポリシー ウィザード画面を、図 C-16 に示します。

図 C-16 VoIP 制御保証 BW = 5 % 用の QoS ポリシー ウィザード画面

 


) VoIP 制御トラフィック ポリシーのための Queueing Properties ダイアログ ボックスで Priority をチェックしないでください。チェックすると、LLQ がイネーブルになるため、VoIP 制御トラフィック(VoIP RTP 専用に予約済み)用にお奨めできるシナリオではなくなります。


最後に、3 つ目の New QoS Policy を作成します。 Class-default キューイング アルゴリズムを WFQ に設定します。必ず、 WFQ キューイングが適用されるフィルタに対する Class-Default オプション ボタンを選択してください。このデフォルト WFQ ポリシーのための QoS ポリシー ウィザードのステップを、図 C-17 に示します。

図 C-17 クラスデフォルト WFQ ポリシー用の QoS ポリシー ウィザード画面

 

図 C-18 に、フレーム リレー サブインターフェイスデバイスグループ上で設定された QoS ポリシーの要約を示します。

図 C-18 ATM 仮想インターフェイスデバイスグループに対するポリシーの要約

 

この組み合わされた ATM を介した MLP QoS ポリシー セットのプレビュー配置を、図 C-19 に示します。

図 C-19 ATM を介した MLP のための CLI のプレビュー

 

QPM が tx-ring-limit コマンドをサポートしないことを除き、コマンドは、『Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド』の MLPoATM リンク( 低速 ATM WAN 上の 2 つの PVC または LFI および Fragment_Size = (48 * Number_of_Cells) - 10 - 8)に対する推奨事項に対応しています。

ATM フレーム リレー WAN

メインガイドの 低速 ATM フレーム リレー間インターワーキング WAN 上の LFI および ATM およびフレーム リレー サービス インターワーキング ネットワーク上の LFI に対する MLP は、透過モードが使用される場合にのみサポートされます。 に記載されている例では、リモート サイト フレーム リレー リンクとインターネットワーキングするセントラル サイト ATM リンクを示しています。セントラル サイト設定(QoS 設定を含む)は、前述の例と同じであるため、ここでは、リモート サイトのみを取り扱います。

リモート サイトは、 ppp virtual-template と一緒にフレーム リレーを使用しています。仮想テンプレートは、前述の ATM の例の場合と同様、MLP の使用を可能にするため、LFI(フレーム リレー間の例と同様、FRF.12 の代わりに使用されます)の使用も可能にします。さらに、ATM 間の例にあるとおり、cRTP はこのシナリオではサポートされません。

このシナリオでは、次の 3 つのデバイスグループが必要です。

(親)フレーム リレー インターフェイス(フレーム リレー トラフィック シェーピングをイネーブルにするため)

フレーム リレー サブインターフェイス(サブインターフェイスをフレーム リレー マップ クラスにバインドするため)

仮想テンプレート インターフェイス(LFI をイネーブルにし、サービス ポリシーにバインドするため)

これらのデバイスグループについては、これまでの項で詳しく解説してきましたが、ここには、次のような 2 つの微妙な差異があります。LLQ/CBWFQ サービス ポリシーは、フレーム リレー サブインターフェイスデバイスグループではなく、仮想テンプレートデバイスグループにバインドされ、cRTP はディセーブルになります。

デバイスグループが前のシナリオからすでに存在している場合、先に進む最も単純な方法は、フレーム リレー(親)インターフェイスを対応する既存のデバイスグループに追加し、仮想テンプレート インターフェイスについて同様の操作を行うことです。この方法では、新しいデバイスグループは 1 つ(フレーム リレー サブインターフェイス)だけ作成する必要があります。3 つ作成する必要はありません。デバイスグループが強固であるほど、管理が容易になります。

既存のデバイスグループ(たとえば、フレーム リレー インターフェイスデバイスグループ)を右クリックして、 Add/Remove Members を選択するだけで、新しいインターフェイスを既存のデバイスグループに追加できます。すると、図 A-13 のように、「デバイスグループを使用した QoS 管理のスケーリング」に示されているボックスがオープンします。すべての新しいインターフェイスが目的のデバイスグループに追加されたら、OK をクリックします。図 C-20 に示されているとおり、確認プロンプトが表示されます。Yes をクリックして、デバイスグループへの新しいインターフェイスの追加を確認します。

図 C-20 グループへのインターフェイスの追加確認プロンプト

 

仮想テンプレートデバイスグループについても同様の操作を繰り返します。

ATM に対してインターネットワーキングされたすべてのフレーム リレー サブインターフェイスに対して専用の新規デバイスグループを作成します。Interface Type を frame-relay に設定し、 Group Contains セクションで、 Sub Interfaces with FRTS のオプション ボタンを選択します。 QoS Property Class-based QoS に設定します。 Enable Frame-Relay Traffic Shaping ボックスは、すでにチェックされていて、グレー表示されています(親インターフェイスからの継承プロパティ)。 Rate (CIR)および Burst Size (Committed Burst rate つまり Bc)を入力します。Device Group Properties ボックスは、図 C-21 のようになるはずです。

図 C-21 フレーム リレー ATM 間サブインターフェイス用のデバイスグループ プロパティ

 

このフレーム リレー ATM 間デバイスグループに対してその他の QoS ポリシーを作成しないでください。

ATM フレーム リレー(リモート)QoS ポリシー セットのプレビュー配置を、図 C-22 に示します。

図 C-22 ATM フレーム リレー WAN(リモート サイト)用の CLI のプレビュー

 

これらのコマンドは、ATM フレーム リレー リンクのための『Cisco IP テレフォニー QoS デザイン ガイド』の推奨事項(メインガイドの 低速 ATM フレーム リレー間インターワーキング WAN 上の LFI および ATM およびフレーム リレー サービス インターワーキング ネットワーク上の LFI に対する MLP は、透過モードが使用される場合にのみサポートされます。 を参照)に対応しています。