Cisco IP テレフォニー ネットワーク デザイン ガイド
IP テレフォニー ネットワーク の概要
IP テレフォニー ネットワークの概要
発行日;2012/01/13 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

IP テレフォニー ネットワークの概要

汎用設計モデル

単一サイト モデル

独立型コール処理を行う複数サイト

分散型コール処理を行う複数サイト IP WAN

中央集中型コール処理を行う複数サイト IP WAN

IP テレフォニー ネットワークの概要

この章では、IP テレフォニー ネットワークの設計に使用できるいくつかの基本モデルについて、その概要を説明します。この概要の章では、特定の設計を選択する場合とその理由について、いくつかのガイダンスを記述します。第 2 章以降では、最も簡単なモデルから始めて徐々に複雑なモデルへと、各ネットワークのモデルを詳細に掘り下げます。

この章は、次の主要なセクションで構成されています。

「汎用設計モデル」

「単一サイト モデル」

「独立型コール処理を行う複数サイト」

「分散型コール処理を行う複数サイト IP WAN」

「中央集中型コール処理を行う複数サイト IP WAN」

汎用設計モデル

図 1-1は、このマニュアルで説明するいくつかのネットワーク設計モデルの目標を図示した複合シナリオを示しています。このシナリオは、Cisco CallManager リリース 3.0(5) を使用して設計できるモデルを示しています。

図 1-1 複合モデル

 

IP テレフォニー ネットワークで達成する全体的な目標は、次のとおりです。

エンドツーエンド IP テレフォニー

設置場所間のセカンダリ音声パスとして公衆電話交換網(PSTN)を使用する、プライマリ音声パスとしての IP WAN

より少ない全所有コスト、およびより高い柔軟性

新規アプリケーションの使用可能化

Cisco CallManager リリース 3.0(5) に基づくIP テレフォニー ネットワークの実装では、次の 4 つの汎用設計モデルをほぼすべてのケースで適用できます。

「単一サイト モデル」

「独立型コール処理を行う複数サイト」

「分散型コール処理を行う複数サイト IP WAN」

「中央集中型コール処理を行う複数サイト IP WAN」

次のいくつかのセクションでは、これらのモデルごとにその設計目標、および実装ガイドラインを簡単に説明します。

単一サイト モデル

図 1-2は、単一のキャンパスあるいはサイト内の IP テレフォニー ネットワークで使用するモデルを示しています。

図 1-2 単一サイト モデル

 

単一サイト モデルには、設計に関して次の特性があります。

単一の Cisco CallManager、あるいは Cisco CallManager クラスタを使用

クラスタ当たり最高 10,000 ユーザ

Cisco CallManager クラスタでは、最高 8 台のサーバ(プライマリ コール処理に 4 台のサーバ、バックアップ コール処理に 2 台のサーバ、データベース パブリッシャに 1 台のサーバ、そして TFTP に 1 台のサーバ)を使用

Cisco CallManager に最高 2,500 ユーザまでを随時登録

すべての外部コールに PSTN だけを使用

電話会議にデジタル信号プロセッサ(DSP)のリソースを使用

音声メールと統合されたメッセージ処理のコンポーネントを使用

すべての IP 電話コールに G.711 コード(コール当たり 80 Kbps の IP 帯域幅、圧縮解除)を使用

音声の品質を保証するために、最低 2 つのキューをもつ Cisco LAN スイッチを使用。詳細は、第 2 章「キャンパス インフラストラクチャでの考慮事項」を参照してください。

独立型コール処理を行う複数サイト

図 1-3は、それぞれが IP WAN で接続されていない、複数の独立したサイトで構成されているモデルを示しています。このモデルでは、それぞれのサイトに独自の Cisco CallManager、あるいは Cisco CallManager クラスタがあり、自身のサイトでのコール処理を取り扱います。

図 1-3 複数の独立サイト

 

複数の独立サイトで使用するモデルには、設計に関して次の特性があります。

それぞれのサイトには Cisco CallManager、あるいは Cisco CallManager クラスタがあり、拡張が容易なコール制御を提供

クラスタ当たり最高 10,000 の IP 電話

クラスタ数に制限なし

複数サイトのネットワーク、およびすべての外部コールに対して PSTN を使用

各サイトでの電話会議に DSP リソースを使用

各サイトで音声メッセージ、あるいは統合されたメッセージ処理のコンポーネントを使用

音声の圧縮は不要

分散型コール処理を行う複数サイト IP WAN

図 1-4は、分散型コール処理を行う複数サイトのモデルを示しています。

図 1-4 分散型コール処理を行う複数サイトのモデル

 

分散型コール処理を行う複数サイト IP WAN には、設計に関して次の特性があります。

場所ごとに Cisco CallManager、あるいは Cisco CallManager クラスタ(サイト当たり最高 10,000 ユーザ)を使用

Cisco CallManager クラスタを単一キャンパスに制限し、WAN の拡大なし

サイト間のプライマリ音声パスとして IP WAN を使用し、セカンダリ音声パスとして PSTN を使用

IP WAN が利用できない場合は PSTN を透過的に使用

Cisco IOS ゲートキーパーを E.164 アドレス 解決に使用

Cisco IOS ゲートキーパーを IP WAN に対するアドミッション制御に使用

ハブアンドスポークのトポロジを使用して、IP WAN 全体で最高 100 サイトを相互に接続

圧縮音声コールを IP WAN 全体でサポート

単一 WAN コーデックをサポート

各サイトでの電話会議、および WAN のトランスコード化に DSP リソースを使用

各サイトで音声メッセージ、および統合されたメッセージ処理のコンポーネントを使用

音声とデータのトラフィックに必要な最小の帯域幅は 56 Kbps。音声、対話型映像、およびデータには、最低 768 Kbps が必要。それぞれのケースでは、音声、映像およびデータに割り当てられる帯域幅は、合計キャパシティの 75% を超えないようにする。

遠隔サイトは、Skinny Gateway Protocol に基づくゲートウェイと同じように、Cisco IOS を使用可能

中央集中型コール処理を行う複数サイト IP WAN

図 1-5は、中央集中型コール処理を行う複数サイトのモデルを示しています。

図 1-5 中央集中型コール処理を行う複数サイトのモデル

 

中央集中型コール処理を行う複数サイト IP WAN には、設計に関して次の特性があります。

中央のサイトは、1 つのアクティブな Cisco CallManager だけをサポート。クラスタが使用するすべての IP 電話が、所定の時刻に同じ Cisco CallManager に登録されている限り、クラスタは第 2、第 3 の Cisco CallManager をもつことができる。このクラスタは、「中央集中型コール処理クラスタ」と呼ばれる。

それぞれの中央集中型コール処理クラスタは、最高 2,500 ユーザをサポート(遠隔サイトの数に制限なし)。2,500 のユーザをサポートする複数の中央集中型コール処理クラスタを、H.323 を使用して、1 つの中央サイトで相互接続することができる。

遠隔サイトの IP 電話は、ローカルの Cisco CallManager を所有しない。

コール アドミッション制御のメカニズムは、ロケーション別の帯域幅に依存。 「コール アドミッション制御」を参照。

IP WAN 全体での圧縮音声コールをサポート。

IP WAN が音声トラフィックに完全に登録されている場合、PSTN が手操作で利用可能(PSTN のアクセス コードは、話中信号後にダイヤルすること)。

IP WAN が停止した場合、IP 電話サービスを WAN 全体で使用するには、ダイヤル バックアップが必要。

音声メール、統合されたメッセージ、および DSP リソースのコンポーネントは、中央サイトだけで使用可能。

音声とデータのトラフィックに必要な最小の帯域幅は 56 Kbps。音声、対話型映像、およびデータには、最低 768 Kbps が必要。それぞれのケースでは、音声、映像およびデータに割り当てられる帯域幅は、合計キャパシティの 75% を超えないようにする。

遠隔サイトは、Skinny Station Protocol に基づくゲートウェイと同じように Cisco IOS を使用可能。

音声メールを使用する場合、各サイトに固有の内部ダイヤル プランの番号範囲を割り当てる必要がある。音声メールが必要な場合、遠隔サイト間で内部ダイヤル プランを重複させることはできない(たとえば、2 つのサイトで 1XXX を共有することはできない)。